配信リストは、メールマーケティングの基礎となるものです。コンバージョン(成果)を最大化し、信頼できる顧客基盤を拡大するためには、質の高い配信リストを維持することが欠かせません。配信リストの質は、反応がある連絡先と反応がない連絡先の割合によって決まります。反応がない連絡先の多い配信リストは、質が低いと言えます。配信リストの質が低いと、キャンペーンの配信結果に悪い影響を及ぼします。コンバージョン(成果)目標を達成できないだけでなく、 配信したメールの多くが迷惑メールとして分類されたり配信停止されたりすることで、配信元ドメインやIPアドレスの信頼性が低下する恐れもあります。
このように配信リストの質が低い場合、できることは何もないのでしょうか?質の低い配信リストはすぐに削除して、新しい配信リストを作り直すべきでしょうか?そうではありません。このような場合には、再エンゲージメント(ウィンバック)用のメールキャンペーンを配信して、配信リスト内の連絡先の再エンゲージメントを促すことをお勧めします。これは、既存の配信リストの質を改善する方が、新しい配信リストを作成するのに比べ、はるかに費用対効果が高いためです。たとえば、20,000人の反応がない連絡先に再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンを配信したとします。そのうちの5%から反応を得ることができれば、1,000人の連絡先の興味を取り戻して、反応がある連絡先として復活させたことになります。さらに、1人あたり2,000円以上の購入につながれば、合計100万円の売上を計上できます。もし、既存の配信リストを削除して、新しい配信リストを作成し直した場合でも、すぐに100万円の売上を計上することは難しいでしょう。
それでは、再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンを配信するにあたって、反応がない連絡先全員に同じ内容のメールを作成して一括配信すればよいのでしょうか?反応がない連絡先がすべて同じ状態というわけではないため、これでは良い成果は得られないでしょう。以下のように、連絡先を反応がない期間に応じたグループに分類し、それぞれに適した専用のキャンペーンを作成することをお勧めします。
- 過去3か月間、反応がない連絡先
- 過去6か月以上、反応がない連絡先
- 登録した日以降、反応がない連絡先
次に、それぞれのグループに対する再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンの内容の例を見てみましょう。
連絡先に「お久しぶりです」とあいさつする
過去3か月以内といった最近反応がなくなったばかりの連絡先は、少し後押しするだけで反応を得られる可能性が高いです。再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンでは、組織が連絡先のニーズに応えられていないことを連絡先に知らせる必要があります。大切にされていると顧客に感じてもらうことで、優良な顧客基盤を構築するのに役立ちます。再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンでは、連絡先に「お久しぶりです」とあいさつした後、商品やサービスの最新情報を伝えることができます。
また、連絡先のニーズに応えられていないという残念な気持ちや、連絡先にまた興味を持ってほしいという気持ちを画像で表現することも効果的です。なお、商品/サービスの最新情報について列挙する場合は、簡潔な内容を心がけましょう。さらに、最新の商品/サービスや、連絡先が興味を持っている商品/サービスに連絡先を誘導するためのCTA(行動喚起)ボタンを用意する必要があります。
例:
割引などで連絡先を動機付けする
過去6か月以上、反応がない連絡先の興味を取り戻して反応してもらうには、魅力的なメリットを提示して動機付けを行う必要があります。次回購入時に30~50%の割引、次回5回分の送料無料、次回3~6か月間の会員費無料、プレミアムプランへのアップグレード時に50%割引などといった方法が考えられます。効果的に動機付けするには、連絡先が興味を持っている商品/サービスに関する割引を提示する必要があります。
連絡先が興味を持っていない商品/サービスに関する割引を案内しても、連絡先の興味を取り戻し、動機付けする機会を逃してしまうでしょう。連絡先の興味を理解するには、購入履歴やメールでクリックされたリンクを分析する必要があります。また、再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンでは、配信リストに登録し続けることのメリットを再確認させることも効果的です。
例:
連絡先にフィードバックを依頼する
登録してからずっと反応がないままの連絡先については、以下の理由が考えられます。
- 探しているものが見つからない
- 商品/サービスに満足していない
- 興味本位で登録した、商品/サービスの無料の試用期間を利用するためだけに登録した
このような連絡先は、すでに別の商品やサービスに興味が移っている可能性が高いため、再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンを配信しても興味を取り戻せる可能性は低いでしょう。ただし、連絡先が興味を失った原因を正しく理解して今後の改善に活かすために、連絡先にフィードバックを依頼することをお勧めします。フィードバックのお礼として、購入時の割引を提案するのもよいでしょう。連絡先の懸念点や期待している内容を理解できます。受け取ったフィードバックの内容を分析し、マーケティング戦略の改善に活かすことが可能です。
例:
反応がない連絡先を配信リストから削除する
反応がない連絡先は、フィードバック依頼用のキャンペーンを配信しても反応しない可能性は高いです。そのため、最後のキャンペーンを配信して、連絡先に配信リストに登録したままにするか、登録解除するかを連絡先に確認することをお勧めします。配信停止する連絡先もいれば、多くの連絡先はこのメール自体に興味を示さないかもしれません。最後の再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンに反応しない連絡先は、配信リストから削除できます。
例:
再エンゲージメント(ウィンバック)キャンペーンの作成におけるポイント
- 内容は簡潔にする
- 重いグラフィックを含む画像を挿入しない(メールのサイズが大きくなり、メールに画像が表示されない場合があります)
- 見やすく、クリックしやすいCTA(行動喚起)ボタンを使用する
- 配信元名、配信元メールアドレス、ドメイン名、フッター情報を統一する(連絡先から認識されやすくなります)
- 前回の配信から期間が空いている場合は、改めて組織の自己紹介をする(メールの配信登録をしていたことを連絡先に思い出してもらいましょう)