ブラックリストとは、迷惑メールを配信していると判断されたメールアドレスの一覧です。ブラックリストは、インターネットサービス事業者、迷惑メール対策サービス、メールサービス事業者によって作成されます。メールサービス事業者のメール振り分けシステムでは、ブラックリストをもとに、受信トレイに振り分けるべきメールを判別しています。メール受信者から苦情報告、迷惑メール報告、登録解除などがあれば、配信元のドメインがブラックリストに登録される原因となります。
配信元ドメインがブラックリストに登録されたかどうかを確認する方法
ブラックリストに登録されているドメインから配信されたメールは、不達になるか、受信者の迷惑メールフォルダーに振り分けられます。Zoho Campaignsでは、キャンペーン開始前に
MXToolboxのような診断ツールを利用して、配信元がブラックリストに登録されていないかどうか確認することを推奨しています。
配信元ドメインがブラックリストに登録された場合の対処方法
配信元ドメインがブラックリストに登録されてしまったら、事態はもう手遅れの状態となってしまっているかというと、そうではありません。配信元ドメインがブラックリストに登録されたら、メールの配信を一旦停止し、できる限り早めに問題を解決することが大切です。また、メールの配信を再開するのは、配信元のドメインがブラックリストから削除されてからにするようにします。
ブラックリストからの削除依頼
配信元のドメインがブラックリストに登録された場合、対象のドメインをブラックリストから削除してもらうようメールサービス事業者や迷惑メール対策サービスに依頼する必要があります。メールサービス事業者や迷惑メール対策サービスによって削除依頼が妥当と判断された場合、対象の配信元ドメインはブラックリストから削除されます。配信元ドメインの登録削除には、一定の時間を要します。所要時間は各サービスによって異なりますので、ご注意ください。
ブラックリストに登録されないようにする方法
配信元ドメインがブラックリストに登録されないようにするには、メール配信を適切に行うことと、配信リストを良質に保つことが重要です。
迷惑メールトラップの回避
配信元ドメインがブラックリストに登録される主な原因の1つに、迷惑メールトラップ(迷惑メールの送信者を特定するための方法)のメールアドレスに対するメール配信があります。外部から購入した配信リストにはこのようなメールアドレスが含まれている可能性が高いため、外部から購入した配信リストを利用すると、迷惑メールトラップにかかりやすくなります。また、メールサービス事業者は、無効になったメールアドレスや、使用されていないメールアドレスを迷惑メールトラップとして利用しています。そのため、半年ごとに
配信リストの整理を行い、無効なメールアドレスを配信リストから削除することが大切です。
迷惑メールとして判定されそうな内容の回避
メールサービス事業者の受信サーバーでは、メールの内容を読み取って、迷惑メールらしい特徴が含まれていないかどうかを確認しています。配信したメールの内容に迷惑メールと思われるような言い回し、URL、短縮URLが含まれている場合、受信サーバーは、配信元ドメインをブラックリストに登録します。
配信設定における問題の解決
メールを配信したら、まず、配信結果を確認します。迷惑メール報告や登録解除があった場合は、詳細な調査を行い、すぐに必要な対応を行うことが大切です。ブラックリストへの登録の再発防止対策の1つとして、配信設定の問題の解決があります。配信設定の問題が未解決のままだと、配信元のドメインがもう一度ブラックリストに登録されてしまう可能性があるためです。
配信リストに無効な宛先が含まれている場合、迷惑メール報告の可能性が高まります。そのため、配信リストに無効な宛先がないかどうかを確認し、無効な宛先には
再獲得メール(配信リストからの除外を希望するかどうかを確認するメール)を配信することが大切です。再獲得メールを配信する際は、目に付くような件名を設定し、メールの受信を続けるメリットを提示し、クーポンを配布するなどした上で、今後もメールの受信を続けるかどうかを確認します。再獲得メールを通じて受信継続の意思が確認できた宛先は配信リストに残し、反応のない宛先は配信リストから削除します。
登録解除など、配信したメールに対する消極的な反応を防止するための唯一の方法は、受信者のニーズや興味に合わせた内容を配信することです。そのためには、購入履歴や、以前のメールでクリックされたリンクなどを分析する必要があります。受信者のニーズや興味を確認できたら、内容ごとに受信者をグループ(セグメント)に分割し、それぞれの対象者に合った内容の配信を開始します。内容が受信者にとって読みたいと思えるものであれば、受信者はメールが届くのを楽しみにしてくれるようになり、配信メールに対する消極的な反応は少なくなるでしょう。
受信者の興味や関心に合わせた内容の配信についての詳細は、
こちらをクリックしてください。
メール配信の量と頻度の調整
メールサービス事業者の受信サーバーでは、一定の時間内に受信するメール件数の基準値が設定されています。配信元ドメインから受信サーバーに届いたメール件数が基準値に達すると、配信元ドメインから配信されたメールは拒否されるようになります。また、ドメインがブラックリストに登録される可能性もあります。そうならないようにするためには、メール配信の量と頻度を適切に保つことが大切です。これには、Zoho Campaignsの分割配信が役立ちます。
Zoho Campaignsの分割配信機能を利用すると、配信メールを分割して、一定の間隔ごとに配信できます。機能の詳細については、
こちらをクリックしてください。
ダブルオプトイン(2段階の同意確認)の利用
配信登録において1段階の同意確認(シングルオプトイン)を利用する場合、無効なメールアドレスが配信リストに追加されてしまう可能性があります。そのような無効なメールアドレスが配信リストに含まれていると、配信したメールが不達となったり、迷惑メールトラップにかかったりする可能性が高くなります。このような事態を防ぐ唯一の方法は、2段階の同意確認(ダブルオプトイン)を行うことです。ダブルオプトインでは、配信登録の際、登録フォームから取得したメールアドレスに登録確認メールを配信することで、受信者が本当に登録を希望しているかどうかを確認することができます。このような2段階の同意確認によって、本当に配信を希望している受信者のみが配信リストに登録されるようになり、配信メールが不達となったり迷惑メールトラップにかかったりするのを防止できます。
メールマーケティング活動において、配信元ドメインがブラックリストに登録されるということは、できれば避けたい事態でしょう。配信元ドメインがブラックリストに登録されないようにするためには、配信リストを良質な状態に保ち、メール配信を適切に行うこと、また、受信者から積極的な反応をもらえるような工夫を施すことが重要です。