配信元ドメインのウォームアップ

配信元ドメインのウォームアップ

メール到達率を決定する要因には、内容の品質、配信リストの健全性、連絡先のエンゲージメント、そして何よりも配信元ドメイン/IPの信頼性などがあります。また、Gmail、Yahoo!、Outlookなどのメールボックスプロバイダーは、ドメインの信頼性を非常に重視しています。

ユーザーは、新規ビジネスを開始する、メールマーケティングを初めて実施する、ブランディングを変更する、配信元ドメインをほとんど使用しない、といった状況にあるかもしれません。このような場合、新しく購入したドメイン、またはメールボックスプロバイダーにおける信頼性スコアが低い古いドメインを持っている可能性があります。メールボックスプロバイダーや迷惑メール対策サービスにおける信頼性スコアが低いドメインは、コールドとみなされます。信頼性が低い配信元ドメインは、メール到達率が低下する傾向があります。

この記事では、ドメインをウォームアップして信頼性を高めるための、いくつかの方法を紹介します。

コールド/ウォーム配信元ドメインの比較については、次のとおりです:

コールド配信元ドメイン
ウォーム配信元ドメイン
信頼性スコアが低いドメインと新しく購入したドメインは、コールドとみなされます。
迷惑メール対策サービスやメールボックスプロバイダーにおける信頼性スコアが高いドメインは、ウォーム配信元ドメインとみなされます。
新しく購入したドメインには、受信者とのやり取りの履歴がありません。そのため、メールボックスプロバイダーは、正当な配信元であることを確認するために、該当するドメインからのメールに対して、追加のフィルターを設定します。
メールボックスプロバイダーは、信頼性スコアが高く、以前にメールを配信した連絡先から肯定的な反応を得ているドメインを、安全なドメインとみなします。このようなドメインでは、受信トレイへの到達率が高くなります。
メール到達率が低く、迷惑メール対策サービスでブラックリストに登録される可能性が高いドメイン。
メール到達率が、コールドドメインより高いドメイン。
コールドドメインは、適切なメール配信方法と健全な配信リストを使用することで、最終的にはウォームドメインに変換される可能性があります。
ウォームドメインも、配信元のメール配信方法や配信リストのメンテナンスが適切に行われないと、いつでもコールドドメインになる可能性があります。

ウォームアップする前に

ドメインのウォームアップが必要と思われる場合、ウォームアッププロセスで最適な効果を得るために、次のベストプラクティスを実行してください。

  • Zoho Campaignsで配信元ドメインを認証します。SPFDKIMテキストレコードの設定方法については、こちらをクリックしてご参照ください。
  • ドメインの適切な「whois」情報を保持します。
  • フリーメールの配信元ドメインではなく、ビジネスドメインであることを確認します。
  • 配信リストに含まれるのが、許可に基づく連絡先のみであることを確認します。
  • 配信リストから、誤字(スペルミス)を含むメールアドレス、失効したアドレス、役割/グループアドレスを削除します。
  • 迷惑メールの苦情、配信エラーなどを確認するツールを設定します。たとえば、連絡先ベースに多くのGmailユーザーが含まれる場合、GmailのPostmaster Toolを使用できます。

コールドドメインをウォームアップするには

配信元ドメインをウォームアップするには、メール配信が確保されて、ドメインの信頼性が確立されるまでの数日間、限定したメールを定期的に配信します。

  • まず、最近エンゲージメントを獲得した連絡先と、メールを開封する可能性が高い連絡先から始めます。開封率が上がり、受信者システムとの良好な関係が構築されます。その後、メールに対して肯定的に反応する可能性の低い連絡先を徐々に追加します。たとえば、最近登録した連絡先は、肯定的に反応する可能性が高いでしょう。
  • 配信リストをセグメント化し、メールに興味を示す連絡先をターゲットに設定できます。
  • Zoho Campaignsでは、1件の配信元ドメインから1日当たり受信者の平均5~10%に配信することから始め、最初から何百通ものメールを配信しないよう推奨しています。メールに対する受信者の反応と到達率が良好であることを確認したら、1日当たり連絡先の5%ずつ、メール数を増やします。連絡先の件数が多い場合、最初は50~100件の連絡先にメールを配信し始め、その後、1日当たり50件ずつ増やすこともできます。
  • メールが配信されない、登録解除されている、迷惑メールの苦情が発生した場合、1日当たりのメール数をウォームアップ開始当初の数まで減らしてペースダウンできます。連絡先の反応とメール到達率を確認して同様に対応し、その後、1日当たり5通ずつ、メール数を増やします。そうすることで、ドメインがウォームアップされます。
ヒント

1件の受信者ドメインに多数の連絡先がある場合、次の手順を実行できます:

  • まずテストメールを配信し、到達率を確認します。
  • 連絡先を、別の受信者ドメインを含む複数のリストに分割して追加し、混雑を分散させます。
  • たとえば、Gmailの連絡先が多い場合、その連絡先を複数のリストに分配します。その後、マーケティングメールを各リストに対して数日間隔で配信できます。そうすることで、メールの遅延やスロットリング(制限)を回避できます。
  • ドメインをウォームアップしている間は、開封クリック率、迷惑メールの苦情バウンス(不達)登録解除、低いドメインの信頼性、迷惑メールトラップに注意します。
  • 前回のアプローチから1年以上の間隔が空いた連絡先には、マーケティングメールを配信しないでください。再獲得キャンペーン(再エンゲージメントメール)を通じて、連絡先の興味を把握します。
  • 受信者があなたのメールアドレスを、連絡先リストまたは安全な配信元リストに追加するよう推奨します。そうすることで、受信トレイへの到達率が向上します。配信元ドメインをホワイトリストに登録する方法については、こちらをクリックしてご参照ください。

ウォームアップした後

ドメインのウォームアップは、1日で完了する作業ではなく、メール配信を確実にするために定期的に実践します。最初はとても複雑に見えるかもしれませんが、ドメインのウォームアップを開始すれば、開封クリック率の改善方法や、メール配信に関わる問題の回避方法を、簡単に学習できます。メール到達率の基本を理解することで、より強力なメールマーケティングを構築できます。


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