確かに、このような時期は、力量が試される時期とも言えます。短期間にどっと押し寄せてくる顧客にどう対応するかによって、その後の状況が大きく変わってしまうからです。普段からメールを配信している場合は、市場の変化に柔軟に対応しなければなりません。また、季節イベントや行事の際にのみメールを配信している場合は、適切なタイミングに合わせた配信を心がける必要があります。
それだけではなく、受信者の心を動かすためのプラスアルファの工夫も必要になるでしょう。この記事では、季節イベントや年中行事を最大限に活用して、メールの到達率を高め、受信者から前向きな反応をもらうためのヒントを説明します。
ドメイン認証については、多くのマーケティング手法の紹介でも取り上げられる内容です。ドメイン認証は、季節イベントや行事向けでなかったとしても、メール配信に必須の手続きです。マーケティング担当者なら、メールマーケティングの大海原に乗り出す前に、必ずドメイン認証を行う必要があります。
ドメインを認証すると、メールサービス事業者の受信サーバーにドメインが有効で安全なものであることを証明できます。このことにより、配信元の信頼性を守ることができるばかりでなく、迷惑メール配信元として判定されることを防止できます。メール配信の際に小さなことにも注意を払えるかどうかは、担当者の腕の見せ所です。ドメイン認証を行うことによって、季節イベントなど、メールの配信数が増える期間においても、配信メールが受信トレイに振り分けられる可能性を高めることができます。ドメイン認証の方法の詳細については、こちらの記事をご参照ください。
ドメイン認証によって、メール配信をスムーズに開始できるばかりでなく、その後においても安全にメール配信を継続していくことができます。
配信リストは、配信メールの到達範囲を決定します。一方、配信リストの中身は、マーケティング活動の到達範囲によって決まります。
季節イベントや年中行事に、どのリストを利用したらよいかは悩みどころです。このような場合に確実なのは、反応のよい宛先のみが含まれる配信リストにメールを配信することです。反応のよくない連絡先や無効な連絡先に、あらためてメールを配信しても、メールが受信トレイに到達する可能性は低いためです。季節イベントや年中行事の期間は、一般的に販促メールやイベントに関するメールなどが急激に増える時期です。そのため、せっかくメールを配信しても、開封されないまま放置されたり、迷惑メールとして報告されたりしてしまうことがあります。
メールマーケティング担当者として、常に意識すべきことは、配信リスト上の連絡先をセグメントに分割することです。連絡先の分割方法には、受信者の登録情報に基づいて分割する方法と、受信者の過去の反応や行動の内容に基づいて分割する方法があります。セグメントを作成することによって、同様のニーズや興味をもった受信者がグループ化されるため、受信者への働きかけが楽になります。
ブラックフライデーやサイバーマンデー、クリスマスや年末年始など、オンラインストア(ECサイト)における一大イベントの期間中は、受信者の受信トレイに大量の販促メールが届きます。受信者の受信トレイがメールでいっぱいであれば、一時的な配信エラーによる不達(ソフトバウンス)が発生しても不思議ではありません。そのため、他の業者に先駆けて、早めに動き出すのが得策です。
季節イベントや年中行事は、購入者が一時的にどっと増えるタイミングでもあります。そのような購入者は、イベントや行事用の商品を探したり、新しいセール品や値下げがないか期待したりしてやってきますが、イベントの時期が過ぎれば去っていってしまいます。そういった購入者を、登録フォームを通じて配信リストに登録しておくと、配信についての同意を得た上でメール配信ができるようになります。そのようにして登録された宛先に、その後も利用できるクーポンを配布するなどすれば、イベントや行事が過ぎた後であっても関係を維持することができます。
内容の作成においては、マーケティング担当者の独創性と、端的に伝える力が問われます。優れた内容とは、受信者の心に響くばかりでなく、受信者に内容についてもっと知りたいと思わせるようなものです。
内容を考え始める前に、念のため、配信者名に問題がないかを確認するようにします。人間らしくない、機械のような名前は、メールサービス事業者の受信サーバーに引っかかり、拒否される可能性があります。メールの配信にあたっては、組織名と一緒に自分の名前もいつも付け加えるようにします。このことによって、メールサービス事業者が配信者を認識しやすくなります。たとえば、「ジルカー社マーケティング部 川根太郎」といった形で記載します。
メールの件名は、受信者が受信トレイを開いた際にプレビューとして表示されます。メールの件名は、受信者がメールを開いて確認するのか、無視するのか、あるいは迷惑メールとして報告するのかを決定する最大の鍵です。簡潔で分かりやすい件名にするよう常に心がけましょう。件名には、一番重要な情報のみを含めるようにします。もっと知りたいという気持ちを起こさせる程度の内容で十分です。また、件名にメールの内容が正確に反映されていることは重要です。誤解を招くような件名を設定してしまうと、受信者が不快に思い、登録解除につながる可能性もあります。
季節イベントや行事のための配信メールの内容は、短い方が理想的です。マーケティング用のメールが活発に配信される中で、自社の配信メールが埋もれてしまってはいけません。内容を簡潔に伝えつつ、受信者をすぐに行動へと動かす内容を作成するようにします。
ブラックフライデーからサイバーマンデーまでは、たったの4日間です。クリスマスから年末、そして年始までの期間も、あっという間です。イベントや行事が続く場合には、似たような内容のメール配信は避けた方がよいでしょう。
そのような時期には、通常のメール配信とは、やり方を切り替えることが効果的です。受信者にメールが大量に配信されるような時期には、メールの配信が少なそうな時間帯を狙って配信を行います。イベントや行事によって、成功しやすい時間帯は異なります。配信を予約設定する前に、そのような時間帯がいつであるのかを調べておくと役に立ちます。例えば、ブラックフライデーやサイバーマンデーの日中の配信では、午前9時から午後1時までが効果的な時間帯として知られています。一方、感謝祭(北米において家族や友人が集まってお祝いするお祭り)の場合は、夜中近くの時間帯に配信した方が効果的であることが分かっています。
季節イベントや行事まで時間が十分にあるに越したことはありません。もしイベントまでに十分な時間があるなら、3段階のメール配信を行うのもよいでしょう。3段階のメール配信では、メール配信を、事前配信、本配信、事後配信の3つの段階で行います。
事前配信は、本配信の1~2週間前に開始します。事前配信では、受信者が楽しみにできるような特典や割引を一部のみ事前に伝えることによって、もっと知りたいという気持ちを抱いてもらえることを目指します。本配信では、事前に予告した内容通りの特典や割引の情報を配信します。事後配信では、受信者とのその後のつながりを強化することを目指します。登録や購入へのお礼の気持ちを伝えてクーポンを配布したり、次の季節イベントや年中行事に向けたお奨めの商品やサービスなどを紹介したりして、配信内容に引き続き興味をもってもらえるようにします。
配信リストに含まれる連絡先の情報は、多種多様で変わることもあります。たとえば、年齢、興味、関心、居住地など、さまざまです。メールマーケティング担当者であれば、そのような違いを把握することは重要です。連絡先に登録されているアドレスを1件1件見直して、優先度の高いもののみを配信対象に含めるようにします。以前からの顧客には、クーポンや割引情報を先行配信します。新規顧客については、初回特典を提供するとよいでしょう。
以前からの顧客にメールを配信する際は、過去の購入履歴に基づいて関連する商品を提案するようにしましょう。内容を読んでもらうためには、顧客への提案内容が的確である必要があります。また、アンケートメールを配信して、受信者が今後どのようなメールを受信したいかを選択して回答できるようにすることもできます。
対象者のニーズや興味に応じたメール配信は、通常のメール配信のみならず、季節イベントや年中行事のためのメール配信でも利用できる手法です。このような手法では、受信者のニーズや興味に合った商品やサービスを紹介することにより、積極的な反応が得られる可能性が高まります。また、このようなメールを配信した後に、商品やサービスによって得られるメリットを紹介するメールを自動配信することもできます。配信メールによって需要を生み出して、その成果を購入状況によって確認するようにしましょう。
たとえば、季節イベントや年中行事に向けたメールの本配信の1週間前に、本配信で得られる特典や割引情報についての情報を事前に配信したとします。配信後はレポートを確認するだけで、事前配信メールへの反応が分かるので、本配信の企画を練りやすくなります。苦情報告を受けないようにするため、このようなメールは、普段から配信メールに積極的に反応してくれる受信者に対してのみ配信します。
一括メール配信を計画している場合は、過去の配信結果のレポートを確認してから一括配信を行うようにします。事前配信の結果に対する反応に基づいて、本配信の内容を調整するやり方は、配信メールが多くなるような時期には大きな効果があるかもしれません。
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