注意深く作成したメールキャンペーンを配信する前に、キャンペーンを成功させるためには、まずいくつか基本的な考え方と、メールマーケティングのルールを理解することが重要です。開封率やクリック率を向上するには、また迷惑メールフォルダーに振り分けられることを回避するには、まずは
連絡先からの信頼
を得なければなりません。
メールの到達率の向上と、連絡先からの信頼の獲得において、重要な役割を果たす要素は、次のとおりです:
メールは配信される前に、まず、安全な配信元から配信されているかどうかを検証されます。インターネット上では毎日のようにフィッシング攻撃が発生しているため、配信元の安全性が高いことを証明することが重要です。これにより重要な疑問が生じます。メールが安全な配信元から配信されていることを、どのように証明するのでしょうか?
配信したメールは、すべて最初に認証が行われます。認証の状況に応じて、メールが分類され、受信トレイに配信されたり(適切に認証された場合)、隔離されたり、迷惑メールフォルダーに配信されたりします。
ドメイン認証には、次のものが含まれます:
SPFは、自分のドメインからメールを配信できるIPアドレスを管理するレコードです。これは配信元の認証です。 自分のリストにないIPアドレスからメールを配信する場合は、信頼性のないネットワークから配信されたメールとして処理されます。これが、多くのメールが迷惑メールフォルダーに振り分けられる、一般的な理由です。
大昔は、高官や皇帝などから送られる手紙は、印章で封印されていました。印章が壊れていない場合、受信者は、メッセージがいかなる形でも変更されていないという確証を持つことができました。同様に、インターネットでメールを配信する場合、メールが受信される前に、傍受されたり、変更されたりしないようにしなければなりません。
DMARCにより、ユーザーは、ブランドのドメイン名から偽装/不正メールを見分けることが可能になります。つまり、これによりドメインの信頼性を保護することができます。
これは、信頼できるメールプロバイダーに対する配信を確実にするために、最近公式化された最新のプロトコルです。
DMARCポリシーに準拠することは、さらなる利点になります。DMARCは、SPFやDKIMを通さずに、ISPやESPに対してメールが行えるアクションを伝えます。
組織のドメインまたはサブドメインのメールアドレスを使用することをお勧めします(例:
patricia@zylker.com
、
patricia@news.zylker.com
)。
公式Webサイトのドメインとキャンペーンの配信に使うドメインは、関連性があるものにする必要があります。たとえば、Webサイトが「 www.zylker.com 」の場合、メールアドレスは「 bob@zylker.com 」や「 bob@email.zylker.com 」のようなものでなければなりません。しかし、「 bob@zillum.com 」などを使用すると、連絡先があなたを識別することが困難になります。
メールを配信する前に、必ず自分のドメインがブラックリストに登録されていないことをご確認ください。ブラックリストへの登録は、配信元ドメインの信頼性に依存します。
Sender Score
、
SenderBase
、その他の同様のサービスで、自分のドメインの信頼性を確認できます。
主要な迷惑メール対策や、ブラックリストサービスプロバイダーの Spamhaus 、 Sorbs 、 Spamcop などで、ドメインの信頼性を確認できます。
リストのセグメント化は、
キャンペーンで特にターゲットにしたい
人たちに応じて、連絡先を分類することです。
たとえば、連絡先を鉛筆製造に関するWebセミナーに招待したいとしましょう。配信リストには、鉛筆メーカーや、パッケージメーカー、ノートパソコンメーカー、ペンメーカーが含まれているとします。セミナーに関するメールは、鉛筆メーカーにとっては有益ですが、他のメーカーは無視するか、迷惑メールに設定する可能性さえあります。このような場面が、メールマーケティングでは頻繁におきるため、連絡先をセグメント化することは非常に重要です。
リストのセグメント化は、ターゲットマーケティングに基づきます。ターゲットの市場は、商品やサービスを買ってくれる可能性が高いと思われる人たちのグループです。ターゲットの市場は、年齢、所在地、所得、ライフスタイルなどの似たような特性を持ち、ビジネスがそのマーケティング活動を運営して、商品を販売する対象の顧客で構成されています。
リストのセグメント化の種類は、次の図のとおりです:
定期的にメールを配信することは素晴しいですが、1日に1回など頻度が高すぎると、受信者が不快に感じ、興味をなくす可能性があります。
配信したメールが受信者の受信トレイにあふれると、迷惑メールに設定されたり、登録解除されたり、苦情を報告されたりする可能性があります。
これを回避するには、Zoho Campaignsの設定で、パターンを選択します(管理者の場合)。
2つのキャンペーンの間隔は、最低1日空けてください。キャンペーンを配信したいが、メールの上限を超えている場合は、組織の管理者が設定を変更する必要があります。
バウンス(不達)は、メールが配信できない場合に発生します。バウンス(不達)が起きると、メールサーバーから、メールがバウンス(不達)になった理由を記載したエラーメッセージが配信されます。
次の図では、バウンス(不達)の理由として考えられるものをカテゴリーに分類しています:
バウンス(不達)は質の低い配信リストや、受信者側のいくつかの要因で発生する可能性があります。
最初にメールを多数の連絡先に配信する場合、メール受信者のシステムで疑いが生じます。
たとえば、連絡先が100万件あり、その多くが1社または数社のメールプロバイダーに属しているとします(例:100万件の連絡先のうち、60万件がGmailユーザーで、20万件の連絡先がYahoo! ユーザー)。この場合、次の状況が発生する可能性があります。
あなたはGmailやYahoo!などの受信者のシステムにメールを配信するのが初めてで、最初の試行で大量のメールを配信しています。受信者のシステムでは、システムにまだあなたからのメールの受信履歴がないため、疑わしいと判断される可能性があります。
受信者のシステムからドメインの信頼性を得るまで、あなたのメールは先送りされる可能性があります。
メールの内容には、次のものが含まれます:
メールの件名は、本文の見出しのようなものです。連絡先がメールを受信した際に、最初に確認する部分です。
メールの開封率は、件名に大きく依存しています。これが、メールの件名を作成するのに時間を割くことが重要である理由です。
一般的に、件名は以下のようにする必要があります:
メールを連絡先に配信する際に、連絡先が容易に識別できることが重要です。メールの内容にロゴを含めることで、連絡先にブランドを容易に識別してもらうことができます。
メールを配信する目的は、配信したいメッセージを連絡先に伝えることです。迷惑メールフィルターと受信者に疑いをかけられないように、上記の方法で、内容を作成することが重要です。
画像とテキストを、適切な割合(40:60)に保つ必要があります。
ビジネスに関するコミュニケーションには、法律上の表示を含めなければなりません。この情報は、メール本文に表示全体を含めるか(この方法が推奨)、URLとして追加します。
これらの情報は、次のようにする必要があります:
連絡先には、Gmail、Yahoo!、Outlookなど、さまざまなメールサービスプロバイダーのメールアドレスが含まれている可能性があります。到達率を向上させるために、さまざまなメールプロバイダーへのメール配信に関して、いくつかのベストプラクティスを十分に理解する必要があります。
Gmail、Yahoo!、Outlookなどのメールプロバイダーでは、メールの配信前に、ドメインの信頼性やメール内の迷惑メール設定の履歴が分析されます。その後、メール内容の確認時には、
(ESAPとISPによる)システムレベルの
迷惑メールフィルターによって、メールが分類されます。
連絡先レベル
で、連絡先がメールを迷惑メールに設定することもあります。迷惑メールフィルターによって、連絡先の反応に応じて、配信元のメールアドレスとドメインの信頼性が保持されます。ドメインの信頼性が高くなれば、メール到達率も高くなります。
これらのメールプロバイダーからの高い信頼性を維持するには、連絡先とのよい関係を築くことが重要です。連絡先から迷惑メールに設定されるたびに、徐々に信頼性が低下しますのでご注意ください。
Gmailでのメールの配信とは、迷惑メールフィルターを通過させることだけではなく、
メインタブ
まで到達させることを意味します。メインタブ内のメールは、受信者からのより注目を集めることができます。
メールがプロモーションタブに到達した場合、開封率やクリック率が著しく低下します。プロモーションタブには、多くのマーケティングメールが到達します。
メールマーケティングキャンペーンの成功は、すべて準備にかかっています。配信リストの整理や、創造的で価値のある内容が必要なだけでなく、「配信」をクリックする前に、各キャンペーンが一連の条件を満たしていることを確認する必要があります。
Zoho Campaignsを使用して、こちらで紹介した内容によって、より幅広い視点で捉えて、バウンス(不達)、登録解除、苦情、迷惑メール設定を減らしながら、メール到達率を向上できることを願っています。
「導入したばかりで基本操作や設定に不安がある」、「短期間で集中的に運用開始できる状態にしたい」、「運用を開始しているが再度学び直したい」 といった課題を抱えられているユーザーさまに向けた少人数制のオンライントレーニングです。
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