アプリケーションへのユーザー登録時には、ユーザー情報を入力して、設定を開始します。管理者が組織のZoho CRM Plusアカウントを設定するには、まず組織に関する一般情報を入力します。組織情報は共通的に反映されます。その後、各チームに従業員を関連付け、従業員に対して業務で必要なアプリケーションへのアクセス権限を割り当てます。
これらの初期設定により、Zoho CRM Plusに組織情報と階層を設定でき、組織の要件に応じたカスタマイズが可能です。さまざまな設定を、Zoho CRM Plusの管理画面からまとめて行うことができます。
管理画面
Zoho CRM Plusの管理画面では、ユーザー情報をまとめて管理できます。ユーザーを追加したり、組織の階層を設定したりできます。ユーザーごとにアプリケーションへのアクセス権限を設定することで、顧客データの安全性を確保できます。
このガイドでは、Zoho CRM Plusアカウントの利用を開始する際に必要な設定について確認できます。
組織アカウントの設定
Zoho CRM Plusにユーザー登録した後、組織の構造や業務要件に合わせてアカウントの設定を行うことが重要です。組織に合わせてカスタマイズすることで、組織のユーザーがより便利に使いやすくZoho CRMPlusを利用できるようになります。
Zoho CRM Plusの[組織]タブでは、組織情報を追加できます。組織名、電話番号、Webサイト、ロゴ、住所や地域、タイムゾーン、アカウント管理者のメールアドレスなどを登録します。
組織設定は組織全体に適用され、組織アカウント内のすべてのユーザーに表示されます。
[組織]タブには、次の2つの方法でアクセスできます:Zoho CRM Plusの[管理画面]から直接アクセスするか、[Zoho CRM]タブの設定メニューからアクセスできます。
組織ページへのアクセス
- [管理画面]を開きます。
初期設定では、[ユーザー]タブが選択された状態となり、[ユーザー]ページが表示されます。
- [組織]タブをクリックして、[組織]ページに移動します。
メモ
管理者はいつでも組織情報の設定や変更ができます。
このページでは、Zoho CRM Plusのサブスクリプションの管理や、アップグレードやダウングレードができます。
営業時間とシフト時間
アカウントの設定時には、組織の営業時間を設定することが重要です。営業時間は、組織全体の稼働時間を表します。個々のユーザーまたは部門ごとに、個別のシフト時間を設定することもできます。
ユーザーまたは部門に対して個別のシフト時間を設定すると、シフトの時間帯に基づいて、活動、リマインダー、通知をユーザーに割り当てることができます。
シフト時間は、組織の拠点が複数ある場合にも便利です。たとえば、組織の拠点がインドにあり、営業時間がインド時間の午前9時~午後5時に設定されているとします。この組織には、日本の東京と米国のワシントンにも拠点があるとします。各拠点のタイムゾーンで、シフト時間を設定できます。シフト時間を設定すると、拠点ごとの従業員の勤務時間をZoho CRM Plus上で把握できます。
営業時間の設定
- [設定]→[組織情報]→[営業時間]に移動します。
- [営業時間]ページで、[営業時間を作成する]をクリックします。
- 次のいずれかから、営業時間を選択します:
- 24時間(週7日)組織の営業時間が24時間年中無休の場合は、こちらを選択します。
- 24時間(週5日)組織の営業時間が平日24時間の場合は、こちらを選択します。
- 個別指定:営業日や営業時間を個別に指定する場合は、こちらを選択します。
- 毎日同じ時間:組織の営業時間が毎日同じである場合は、こちらを選択します。また、開始時間と終了時間を指定します。
- 曜日ごとに異なる時間:組織の営業時間が毎日異なる場合は、こちらを選択します。営業日の開始時間と終了時間を曜日ごとに指定します。[保存する]をクリックします。
シフト時間の設定
- [設定]→[組織情報]→[営業時間]に移動します。[シフト時間を作成する]をクリックします。
- シフト時間の作成ページで、シフト名を入力します。
- 一覧から、タイムゾーンを選択します。
- シフト時間は、次のいずれかの方法で設定できます:
- 毎日同じ時間:シフト時間が毎日同じである場合は、こちらを選択します。また、開始時間と終了時間を指定します。
- 曜日ごとに異なる時間:シフト時間が毎日異なる場合は、こちらを選択します。営業日の開始時間と終了時間を曜日ごとに指定します。
- [保存する]をクリックします。
シフトの割り当て
- 対象のシフトの編集画面を開きます。
- [割り当て対象]の一覧から、ユーザーを選択します。
- [完了する]をクリックしてから、[保存する]をクリックします。
メモ
組織の営業時間では、組織全体の稼働時間を設定します。
シフト時間では、個々の従業員の稼働時間を設定します。
ユーザーの管理
アカウントにおける組織の設定が完了したら、次にチームの設定を行います。組織内のさまざまな部署のユーザーを追加し、必要なアプリケーションごとにユーザーの役割と権限を設定します。
ユーザーは、管理画面の[ユーザー]タブから追加できます。Zoho CRM Plus内の各Zohoサービスに対するアクセス権限をユーザーごとに割り当てることができます。ユーザーを追加すると、ユーザーに招待メールが送信されます。ユーザーが招待を承諾した場合にのみ、有効なユーザーとして追加されます。承諾するまで、ステータスは保留中として表示されます。
各ユーザーは、自分のZohoアカウントの認証情報(メールアドレスとパスワード)を入力して、Zoho CRM Plusにサインインできます。追加できるユーザー数の合計は、購入したユーザーライセンスの数によって異なります。たとえば、40人分のユーザーライセンスを購入した場合、各ユーザーがアクセスできるアプリケーションの数に関わらず、最大40人のユーザーをZoho CRM Plusに追加できます。
ユーザーを追加するには:
- [管理画面]に移動します。初期設定では、[ユーザー]タブが選択された状態となり、画面の右側に[ユーザー]ページが表示されます。
- [ユーザーを追加する]をクリックします。ユーザーの追加ページが表示されます。
- 新しいユーザーのメールアドレスをテキスト欄に入力します。
- ユーザーに対してアクセスを許可するアプリケーションにチェックを入れます。自分が管理者権限を持つアプリケーションのみが表示されます。
- 割り当てるアプリケーションにおいて必要な項目をすべて入力します。
- [追加する]をクリックします。ユーザーに招待メールが送信されます。
メモ
Zoho CRM PlusアカウントにZoho Motivatorが設定されている場合、ユーザーにZoho CRMへのアクセス権限を許可すると、自動的にZoho Motivatorへのアクセスも許可されます。
役割と権限の設定
Zoho CRM Plusへユーザーの追加が完了したら、次に、各ユーザーの役割を設定し、Zoho CRM Plus内の各アプリケーションに対するユーザーの権限を設定します。
Zoho CRM Plusでユーザーに割り当てる役割は、組織の階層構造における立場を表します。初期設定の役割は、CEOとマネージャーです。組織の構造に基づいて、役割をさらに追加し、役割の階層を設定できます。たとえば、営業担当者と、その直属の上司である営業マネージャーの役割を追加できます。営業マネージャーには、直属の上司として営業担当役員などのさらに上の階層の役割を設定できます。
役割と権限を設定することで、Zoho CRM Plusのアプリケーションや機能に対する、ユーザーのアクセス権限を簡単に管理できます。たとえば、サポート担当者は主にZoho Deskを使用して、顧客からの問い合わせに対応します。ただし、顧客情報を参照したり、顧客をフォローアップしたり、アンケートメールを送信したりする際には、Zoho CRMやZoho Surveyにもアクセスする必要があります。このような場合に、必要な範囲の権限を柔軟に設定できます。
管理者は、管理画面に一覧表示されているアプリケーションの有効化/無効化のメニューをクリックするだけで、ユーザーのアクセス権限を設定できます(詳細はこちら )。
メモ
Zoho CRM Plusの管理者、または管理画面におけるユーザーの管理権限を持つユーザーは、組織におけるユーザーのアクセス権限を管理できます。
複数のチャネル(経路)でのコミュニケーション
あらゆるビジネスにおいて、顧客の満足度を向上し、顧客との関係を長期的に構築するには、顧客との効果的なコミュニケーションが必要不可欠です。個別のメールのやりとりからソーシャルメディアへの投稿まで、顧客はさまざまな方法で組織に連絡する可能性があります。組織は、顧客からの連絡のすべてに回答することが理想的です。Zoho CRM Plusでは、同一画面上ですべてのチャネル(連絡経路)の情報をまとめて確認できます。電話、メール、ソーシャルメディア、チャットを顧客ニーズや必要に応じて切り替えながら、顧客と効果的にコミュニケーションがとれます。
Zoho SalesIQを利用した訪問者の追跡
Zoho SalesIQは、Zoho CRM Plusで利用できるアプリケーションの1つです。Zoho SalesIQを利用すると、組織のWebサイトにおける訪問者の行動やアクセス情報を追跡でき、Webサイト上で訪問者とチャットでやりとりできます。
Webサイトの訪問者を見込み客につなげることが可能です。Zoho CRM Plusでは、チャットでやりとりしたWebサイトの訪問者を直接、Zoho CRMに見込み客として登録できます。Zoho CRMに追加された見込み客データには、関連情報として取引履歴が表示されます。これにより、既存顧客であるか新しい見込み客であるかを簡単に識別できます。このようにして、最も重要な訪問者を特定し、優先順位を付けることができます。
Webサイトに訪問者追跡用コードを追加するには、次の手順を実行します:
- Zoho CRM Plusアカウント内のZoho SalesIQアプリケーションをクリックします。
Zoho SalesIQのページから、Zoho SalesIQのコードをコピーします。
- コードの下にある[チャットを追加する]ボックスにチェックを入れます。
この設定は、あらかじめ有効になっています。Webサイトの訪問者を追跡するだけで、Webサイトでチャットウィジェットを表示しない場合は、チェックを外します。
- Webサイトのソースファイルで、既存のコードの</body>タグより前の任意の場所に、コードを貼り付けます。
- Webサイトへの変更内容を保存して、公開します。
- 以上の手順を行うと、Zoho SalesIQのチャットがWebサイトに設定されます。
ソーシャルメディアの設定
Webサイトを通じた集客以外で、見込み客を獲得して顧客からの評判を知る方法としては、ソーシャルメディアがあります。
Zoho CRM Plusに含まれるZoho Socialを利用すると、Facebook、Twitter、Linkedin、Google マイビジネスなどのさまざまなソーシャルメディアチャネルを通じて顧客とつながることができます。組織のソーシャルメディアアカウントをZoho CRM Plusに関連付ると、同一の「ブランド」設定においてすべての活動をまとめて把握できます。
ブランド管理機能では、事業や製品のブランドに関するソーシャルメディアのアカウントをブランド単位でまとめて管理できます。すべてのソーシャルメディアの情報を、1つのダッシュボード内で管理できます。ブランドに対して、各ソーシャルメディアのアカウントをそれぞれ1件ずつ登録できます。
ソーシャルメディアのアカウントを関連付けるには、次の手順を実行します:
- Zoho CRM Plusの[Social]タブに移動します。
- Zoho CRM Plusに関連付けるソーシャルメディア(Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagram)をクリックします。
- [接続する]をクリックします。
- ソーシャルメディアの自分のアカウントの認証情報を入力して、ログインします。
- 以上の手順により、ソーシャルメディアのアカウントがZoho CRM Plusに関連付けられます。
メール
メールは、ビジネスにおけるコミュニケーション方法として、最も一般的で効果的なものです。Zoho CRM Plusでは、自社で利用しているメールアカウントを関連付けてさまざまな機能を利用することができます。
OutlookやGmailなどの一般的なメールクライアントのメールアカウントを設定するか、POP3またはIMAPプロトコルを使用して独自のメールアカウントを設定できます
。この連携により、組織のZoho CRM Plusアカウント内で、他のユーザーとメールを共有できます。送受信したすべてのメールのコピーが、Zoho CRM内の該当データに関連付けられます。
メールアカウントは、IMAPまたはPOP3のいずれかを通じて連携可能です。
IMAP:IMAPを使用すると、メールをサーバーに保存することで、自分のコンピューターにダウンロードせずに、メールを処理できます。この方式では双方向の同期が可能で、複数のデバイス間でメールを同期できます。
POP3:POP3を使用すると、メールは自分のコンピューターにダウンロードされ、サーバーからは一定期間経過後に削除されます(削除されるタイミングは設定によります)。この方式では、複数のデバイス間でメールを同期できません。あるデバイス上でメールを既読にした場合でも、別のデバイスでは同じメールが未読のままになる場合があります。メールの既読、削除、フラグを正確に把握することができません。また、1つのデバイスでフォルダーを作成しても、他のデバイスには追加されません。
電話連携
メールは顧客とのコミュニケーションに適した方法ですが、電話で顧客とやりとりすることで、より個人的に深い関係を築くことができます。Zoho CRM Plusの電話連携により、Zoho CRM Plusに電話システム(PBX)を連携できます。さまざまな接点を通じて顧客に対応でき、Zoho CRM Plus内の任意のサービスから通話の発着信が可能です。
通話の終了時に、Zoho CRMに通話を記録し、関連するメモを入力できます。これにより、後でデータを参照した際に、関連情報を把握できます。また、問い合わせの履歴やソーシャルメディアの最新の投稿を確認しながら、顧客からの通話に応答できます。
Webサイトとの連携
Webフォーム
Webフォームは、組織のWebサイトとCRMをつなげる重要な役割を担います。Webフォームを使用すると、顧客情報を取得できるだけでなく、CRMシステムに見込み客として自動的に登録できます。Zoho CRM Plusでは、シンプルで使いやすいWebフォームを作成して、Webサイトに埋め込むことができます。ドラッグ&ドロップの簡単な操作で、Webフォームをカスタマイズできます。
Webフォームには、名前、電話番号、住所、問い合わせ内容などの基本情報の項目を追加できます。
組織のWebサイトにアクセスした訪問者は、Webサイトに埋め込まれているWebフォームから、自身の情報を送信します。Webフォームに入力された値はすべて、CRMのデータベースに自動的に保存されます。また、作成された新しい見込み客を、営業担当者に自動的に割り当てることができます。
Webフォームを埋め込むには、次の手順を実行します:
Zoho CRM Plusにログインします。
- [設定]→[開発者向け情報]→[Webフォーム]に移動します。
- [タブ]の一覧から、Webフォームを作成するタブを選択します。
- [Webフォームを作成する]をクリックします。
- Webフォームを作成し、フォームの詳細を設定します。Webフォームのコードをコピーし、Webサイトのコード内に埋め込みます。
顧客アンケート
顧客からの貴重なフィードバックを自社サービスの改善に役立てることで、事業の成長につなげることができます。Zoho CRM Plusに含まれるZoho Surveyを使用すると、アンケートを簡単に作成してカスタマイズし、顧客のフィードバックを収集できます。
Zoho Surveyを利用すると、同一画面で顧客情報とアンケート回答を一緒に参照できます。Zoho CRM Plusでアンケートを作成した後、顧客データベースの画面を別途開いてデータの取り込みなどの処理を行わなくても、顧客に対してメールでアンケートを送信できます。これにより、営業担当者はアンケートを通じて顧客をフォローアップしやすくなります。
顧客から受け取った回答は、該当の顧客データの詳細ページに記録されます。顧客の関連情報として後で参照したり、情報をさらに追加したりできます。CRMデータにアンケートの回答を関連付けることで、顧客ニーズの理解を深め、より効果的に対応できます。また、アンケートに対するネガティブな回答をZoho Deskの問い合わせに変換したり、ポジティブな回答をした顧客をZoho CRMの見込み客に設定したりできます。
Zoho CRM Plusでは、次いずれかの方法でアンケートを作成できます。
アンケートを最初から作成:カテゴリーに応じた質問を追加して、アンケートフォームを最初から作成できます。
テンプレートを選択:すぐに使用できるデザインテンプレートを元に、アンケートを簡単に作成できます。
既存のアンケートをコピー:既存の形式からアンケートを複製し、必要な情報を追加して、新しいバージョンを作成できます。
メール本文へのアンケートの埋め込み:単一の質問形式のアンケートをメール本文に埋め込むことができます。
各アンケートの作成手順はこちらをご参照ください。詳細はこちらをご参照ください。