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組織のZoho CRMアカウントには、顧客や営業活動に関する情報が大量に保存されています。たとえば、顧客の興味や購入パターン、購入周期、営業活動の完了度、営業効率などです。これらのデータを分析し、顧客をいくつかのパターンに分類することで、販促施策や在庫管理、市場ニーズへの対応に関する意思決定の精度を高めることができます。
Zoho CRMのさまざまな分析機能を使用すると、顧客や営業に関する情報を視覚化できます。データを理解しやすくなり、また組織内での共有も容易になります。分析機能の1つが、ゾーン分析です。ゾーン分析では、グラフが複数のゾーン(領域)に分割され、各ゾーンにデータを表す点(データポイント)が表示されます。設定した指標に対して最適な状態から注意が必要な状態までを、色分けされたゾーンによって簡単に視覚化できます。
ゾーン分析では、最も濃い色のゾーン内にあるデータポイントが最適な値(望ましい状態)を表し、最も薄い色のゾーン内にあるデータポイントが最も注意が必要な値(望ましくない状態)を表します。
利用例
次に、ゾーン分析の利用例を見てみましょう。ゾーンを使用したデータポイントの表示方法や、データ分析におけるゾーンの有効性について理解を深めることができます。
営業チームの売上パターン
ゾーン分析は、営業チームの成果を分析するのに役立ちます。メンバーの売上等の数値をグラフ化して、数値が表示されているゾーンを確認することで、成果をすばやく評価できます。たとえば、受注商談の総額が高い営業担当者や、受注商談数が少ない営業担当者をすばやく特定できます。また、このような分析により、組織全体の受注商談の傾向についても把握できます。たとえば、ほとんどの営業担当者について、受注商談の件数は多いものの総額が低い場合、組織全体において受注商談の総額が低いことが課題となっていることを意味します。この場合、商談の受注総額を向上するために、見込み客の獲得プロセスを改善する方法を検討したり、顧客の再購入を促すための活動を見直したりする必要があることが分かります。
商品の販売数と利益
ゾーン分析により、商品の販売数と利益に関する分析が可能です。商品の販売数と総利益をグラフ上に表示することで、最も頻繁に購入されていて利益性の高い花形商品を把握できます。つまり、自社の顧客層でのニーズが高く利益上も重要な商品を把握できます。この分析結果を、在庫管理に活かすこともできます。人気の高い商品については必要な在庫をあらかじめ確保し、人気のない商品については在庫の追加を控えるとともに顧客のニーズが低い原因を分析する必要があります。たとえば、顧客の返品やサポートの対応履歴を調査することで、販売の改善につなげることができます。
地域別の予約パターン
ゾーン分析を使用して、地域別の予約パターンを特定することもできます。たとえば、旅行会社の場合、各目的地の予約数を確認し、ニーズの増減に応じて事前の対策を行う必要があります。目的地Aの予約数が増加している場合、その地域の宿泊施設に連絡を取り、ニーズの増加についての情報を伝え、あらかじめ十分な部屋数を確保する必要があります。そうすることで、満室のために顧客の予約を受け付けられなくなる事態を回避できます。同様に、目的地Bの予約数が減少している場合は、現地の協力会社やガイドスタッフに情報を伝え、過剰な人員の配置を避けたり、既存の予約客に追加オプションを提案したりすることで、利益率や顧客単価を向上できます。
ゾーン分析の種類
ゾーン分析には2つの種類があります。それぞれ、グラフ上でのデータポイントの表示方法が異なります。
標準
標準グラフでは、データはX軸とY軸からなるグラフ領域に点で表示されます。それぞれの点は、ゾーンの設定内容に応じて、最適な状態を表す濃い色のゾーンや、注意が必要な状態を表す薄い色のゾーンに表示されます。
詳細
詳細グラフでは、X軸とY軸の指標に加え、もう1つの指標を指定してデータを表示できます。各データはグラフ上に円で表示され、追加で指定した指標の値の大きさが、円の大きさに反映されます。たとえば、受注商談の平均額を円の大きさとして表すように設定したとします。平均額が高い場合、データを表す円はより大きく表示されます。一方、平均額が低い場合、円はより小さく表示されます。
円の大きさで別の指標を表すことで、グラフ上のデータをより詳しく分析でき、視覚的にも理解しやすくなります。
ゾーン分析の設定
ゾーン分析の設定手順は、次のとおりです。
分析対象の選択:
分析対象のデータは、標準タブまたはカスタムタブのどちらからでも選ぶことができます。分析対象のデータとして、タブを選択した後に項目を指定します。
データのグループ化:
分析対象のデータは、特定の項目値でグループ化する必要があります。たとえば、見込み客データは、ステータス、業界、作成日時などの項目でグループ化できます。同様に、商談データは、完了予定日、ステージ、種類などの項目でグループ化できます。なお、データのグループ化には、日付項目と選択リスト項目(標準項目およびカスタム項目)の値を使用できます。
データの抽出:
データの一部のみを分析する必要がある場合、フィルター条件を設定できます。たとえば、東京の見込み客、IT業界の見込み客、分析が必要な商談、1月に作成した商談などのフィルター条件を設定して、データを抽出できます。フィルター条件を設定すると、条件に一致するデータのみが分析対象となります。このようなフィルター条件は、10件まで設定できます。
X軸/Y軸の設定:
データポイントは、X軸とY軸からなるグラフ領域上に表示されます。X軸とY軸の設定には、データの件数、総額、売上の最高額、売上の平均額といった、対象とする項目とその値の集計方法(指標)を選択できます。選択対象の一覧には、日付項目、日時項目、通貨項目(標準項目およびカスタム項目)が表示されます。
プラス/マイナスの設定:
分析中のデータに応じて、数値が増加したことが、良い変化(プラス)を表すのか悪い変化(マイナス)を表すのかを設定します。たとえば、解決済みの問い合わせ数を分析する場合、数値の増加は良い変化(プラス)であるとみなすことができます。一方で、苦情数や問い合わせ数を分析する場合、数値の増加は悪い変化(マイナス)であるとみなすことができます。この設定により、データが持つ意味合いに応じて、ゾーンの表示内容を調整することが可能です。
ゾーンの分割の設定:
各ゾーンを、均等に分割するか、分割の基準にする値を指定するかを選択できます。均等に分割する設定を選択した場合、X軸とY軸の値をもとに、ゾーンが均等に分割されて表示されます。一方、値を指定する場合、指定した値をもとにゾーンが分割されて表示されます。
値は、X軸とY軸のそれぞれに対して、個別に指定することが可能です。この設定は、それぞれの軸の値に応じてゾーンの範囲を調整する場合に便利です。均等に分割して表示するとデータが適切に表示されない場合に、表示内容がより適切になるように調整することが可能です。
ゾーン分析を設定するには
-
[アナリティクス]
(旧ダッシュボード)タブに移動します。
-
[表/グラフの追加]
をクリックし、
[ゾーン]
を選択します。
-
[ゾーンの要素のスタイルを選択してください]
の画面で、
[標準]または[詳細]
のいずれかを選択します。
-
ゾーンの要素の設定
ページで、次の手順を実行します:
-
[表/グラフ名]
を入力します。
-
[分析対象]
設定で、一覧から
タブ
を選択し、
グループ化する項目
を選択します。
- グループ化の対象項目の複数の値をカテゴリーにまとめる場合、[カテゴリーの項目を作成する]をクリックします。
この設定は、グループ化の対象項目として選択リストまたは数値の項目を選択した場合に指定できます。詳細については、こちらをご参照ください。
-
必要に応じて、
[+ フィルター]
をクリックし、項目を選択して、抽出条件を設定します。
-
[軸]
設定で、一覧からX軸とY軸の設定値を選択します。
-
各軸に対して
[値の増加をプラスとみなす]
または
[値の増加をマイナスとみなす]
のいずれかを選択します。
- 桁数の多い短縮した数値として表示する場合、[短縮した数値として表示する]を有効にします。形式、小数点以下の桁数、軸をそれぞれ選択します。
-
[ゾーンの分割]
の設定で、
[均等に分割する]
または
[値を指定する]
を選択します。[値を指定する]を選択した場合、X軸とY軸用の値をそれぞれ入力します。
-
[保存]
をクリックします。