メールの信頼性とは?
メールの信頼性とは、インターネット接続事業者(サービスプロバイダー)や受信者側のメールサービスにおいて、受信したメールが安全かどうか検証する際に用いる判断基準です。メールの送信元の信頼性が高いと判断された場合は、メールは適切に受信トレイに振り分けられます。しかし、信頼性が低いと判断された場合、メールは迷惑メールとして分類されたり、受信を拒否されたりする場合があります。そのため、メール送信者にとってメールの信頼性はとても重要です。
メールの信頼性が重要な理由
一般的に、見込み客や顧客に対するマーケティング活動はメールを通じて行われます。そのため、さまざまな送信元から商品/サービスに関するメールマガジンやニュースレター、販促メールが送信されます。その結果、顧客や見込み客の受信トレイにはたくさんのメールが届きます。なかには迷惑メールもあるため、受信トレイから必要なメールを探すのに手間がかかってしまいます。
このような事態を防ぐため、インターネット接続事業者(サービスプロバイダー)や受信者側のメールサービスでは、受信したメールが安全かどうかメールの信頼性をもとに検証が行われます。信頼性が高く、安全なメールと判断されたメールのみが受信者の受信トレイに振り分けられます。検証では、送信元のIPアドレスや信頼性が考慮されます。信頼性の評価として、スコア(例:0~100)を割り当てるサービスもあれば、ランク(例:低、中、高)を付けるサービスもあります。
メールの信頼性が高いほど、メールが適切に受信トレイに振り分けられる確率が高まり、結果として顧客や見込み客とのやりとりの回数を増やすことができます。そのため、メールの信頼性を高めることは必要不可欠です。
Zoho CRMから送信するメールの信頼性の確認と対応
メールサービスは、通常、受信したすべてのメールを検証します。検証を通じて与えられた信頼性の評価は、特定の送信元から送信されたメールだけでなく、同じメールサーバーから送信された他の送信元からのメールにも影響を与えます。たとえば、Zoho CRMの特定の組織でメールの信頼性が低いと判断された場合、同じメールサーバーを通じてメールを送信する他の組織のメールも信頼性が低いと判断されてしまいます。
このような事態を防ぐため、Zoho CRMにはメールの信頼性を確認し、必要な対応を行うための機能が用意されています。
送信元としての評価
を把握したり、レポートを通じてメールの送信状況や信頼性に関する指標データを確認して必要な対応を行ったりすることが可能です。
信頼性に関するレポートは、送信元のIPアドレスにおいて報告された
メールの不達件数
や
迷惑メールとして処理された件数
などのデータをもとに作成されます。信頼性のレポートで確認できる内容は以下のとおりです。
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信頼性スコアと信頼性向上の対策案
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不達の割合
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信頼性スコアの傾向
メモ
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メールの信頼性を計算するにあたって、Zoho CRMでは以下のメールをもとに計算が行われます。
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Zoho CRM内のメール機能を通じて送信されたメール
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自動化機能を通じて送信されたメール
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一括メール送信機能を通じて送信されたメール
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メールに関する情報を受信する組織に関するデータも、メールの信頼性を計算する際に考慮されます。
- メール分析の機能が無効になっている場合、IMAPやPOP3による連携アカウントから送信したメールは、メールの信頼性を計算する際に考慮されません。これは、該当のメールが、連携先のメールサービスのサーバーを通じて送信され、Zoho CRMのメールサーバーを通過しないためです。
- メールの信頼性スコアを計算するにあたって、Zoho CRMアカウント内の有効なユーザーの人数や送信メールの件数なども考慮されます。
利用条件
必要な権限
メールの信頼性に関するレポートを表示するには、
管理者
権限が必要です。
信頼性スコアと信頼性向上の対策案
信頼性スコアとは、信頼性を1から100までの数値で表したものです。70を超えるスコアの場合、信頼性が高いと判断されます。
スコアによる信頼性の判断基準は、以下のとおりです。
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70超 - 高
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40から70 - 中
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30から39 - 低
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30未満 - 非常に低い
信頼性スコアは、一定期間において報告されたメールの不達件数や迷惑メールとして処理された件数をもとに計算されます。また、こちらには、信頼性スコアを向上するための対策案も表示されます。
参考情報:
メールの信頼性を高めるためのヒント
以下の画像は、信頼性スコアの例です。この例では、以下の内容を把握できます。
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信頼性スコアは「72」です。メールの信頼性が高いことを表しています。
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迷惑メールの報告件数や不達件数は低いです。メールが送信先の受信トレイに適切に振り分けられていることを表しています。
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信頼性向上の対策案があります。対策案として表示されている内容を実施することで、信頼性スコアを高めることができます。
メモ:
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メールの信頼性スコアは、Zoho CRMアカウント内の有効なユーザーの合計数や、有効なユーザーによって送信されたメールの件数などの情報も考慮して計算されます。
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このレポートには、現在の信頼性スコアのみ表示されます。
不達の割合
信頼性スコアは、メールの不達によって大きく左右されます。メールの不達件数が多いほど、信頼性スコアは低下します。不達レポートには、送信したメールの合計件数、および不達の割合がドーナツグラフ上に表示されます。
また、期間、メールの種類、ユーザーなどの条件を指定してデータにフィルターを適用することも可能です。
信頼性スコアの傾向
信頼性スコアの傾向レポートでは、一定期間における信頼性スコアの変化を確認できます。指定した期間における送信したメールの合計件数とメールの不達件数との比較を行うことが可能です。グラフ上の傾向線が高い位置にあれば信頼性が高いことを表します。逆に、傾向線が低い位置にあれば信頼性が低いことを表します。
メールの信頼性のレポートを表示するには
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→
[メール到達率の向上]
→
[メールの信頼性]
の順に移動します。
メールの信頼性を高めるためのヒント
現在、インターネットやスマートフォンの普及により誰でも簡単にメールサービスを利用できます。その反面、悪意のある攻撃や迷惑メールなどによる脆弱性も懸念されています。ユーザーがメールサービスを安全に利用できるように、メールサービスではさまざまな手段やデータをもとにメールの検証が行われます。検証結果により、メールの信頼性が高い場合は受信トレイに適切に振り分けられ、信頼性が低い場合は隔離/受信拒否されます。以下の一覧は、メールの信頼性を高めるための主なヒントです。
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メール送信元の認証
- メールを送信するにあたって、DKIM(Domain Keys Identified Mail)やSPF(Sender Policy Framework)などの認証に関する設定を行うことをお勧めします。これらの認証を設定すると、メールが送信元から正しく送信され、内容が改ざんされていないことを証明することができます。メール認証の設定方法については、
こちら
をご参照ください。
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メールの本文/テンプレート
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CANSPAM
などの各国におけるマーケティングメール/メッセージに関する規制/法令に準拠するように、メールの本文/テンプレートを作成する必要があります。
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メールが不達となる頻度
- メールが不達となる頻度が高いと、メールの信頼性が低下します。メールが不達となる原因にはさまざまあります。メールが不達となる頻度が高い場合は、その原因を特定し、対処することをお勧めします。メールが不達となった際の対象方法については、
こちら
をご参照ください。
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配信リスト
- 時間が経過するにつれて、配信リストに登録されているメールアドレスが使用されなくなったり、迷惑メールアドレスとして使用されるようになったりすることもあります。古いデータを含む配信リストをもとにメールを送信すると、メールの到達率が低下する場合があります。そのため、配信リストを定期的に更新することをお勧めします。
メール送信に関するヒントや注意事項については、
こちら
をご参照ください。