複数選択ルックアップ項目を使用すると、タブをまたいで複数のデータを相互に関連付けることができます。特に、データの関連付けを行うにあたって、1つのデータに対して1つのデータのみを関連付けるのではなく、複数のデータに対して複数のデータを関連付けたい場合に役立ちます(1対1ではなく多対多の参照関係)。
ルックアップ項目による参照関係の種類
- 1対1の参照関係(単一選択ルックアップ項目):1件のデータに対して、1件のデータを関連付けることができます。たとえば、1件の連絡先に対して、1件の取引先を関連付けることが可能です。

- 1対多の参照関係(単一選択ルックアップ項目):1件のデータに対して、複数のデータを関連付けることができます。たとえば、1件の商品に対して、複数の顧客を関連付けることが可能です。
- 多対多の参照関係(複数選択ルックアップ項目):複数のデータを相互に関連付けることができます。たとえば、1人の生徒に対して複数のコースを関連付けたり、1件のコースに対して複数の生徒を関連付けたりすることが可能です。
多対多の参照関係の例
複数選択ルックアップ項目を使用して、多対多の参照関係を設定する例について説明します。
タブの例
- イベント:このタブでは、イベントに関する情報が管理されています(例:ウェディング、企業ミーティング、音楽フェスティバルなど)。
- サービス:このタブでは、イベントに付随して提供する各種サービスに関する情報が管理されています(例:ケータリング、会場設営、音響設備など)。
参照関係の例
- 1件のイベントに対して、複数のサービスを関連付けることができます。たとえば、「ウェディング」のイベントに対して、「ケータリング」、「会場設営」、「写真撮影」などの複数のサービスを関連付けることが可能です。
- 1件のサービスに対して、複数のイベントを関連付けることができます。たとえば、「ケータリング」のサービスに対して、「ウェディング」、「企業ミーティング」、「コンサート」などの複数のイベントを関連付けることが可能です。
複数選択ルックアップ項目の使用
上記の例において、複数選択ルックアップ項目を使用することで、[イベント]タブと[サービス]タブのデータに対して、複数のデータを相互に関連付けることができます。
たとえば、複数選択ルックアップ項目を使用すると、「ウェディング」のイベントを作成する際に以下のサービスを選択することが可能です。
- ケータリング
- 会場設営
- 写真撮影
「ウェディング」という1件のイベントに対して、一度に複数のサービスを関連付けることができます。逆に、1件のサービスに複数のイベントを関連付けることもできるため、多対多の参照関係の設定が可能です。
複数選択ルックアップ項目に関してモバイルアプリ内で行える操作
複数選択ルックアップ項目の作成はWebアプリで行う必要がありますが、作成した項目はモバイルアプリでも使用することができます。モバイルアプリで行える操作は、以下のとおりです。
- 既存のデータの関連付け
- データの作成と関連付け
- データの関連付けの解除
既存のデータと関連付けるには
- Android用Zoho CRMモバイルアプリを開きます。
- 対象のタブに移動します。
- 対象のデータを開きます。
- 関連付けの対象となるタブの欄に表示されている
アイコンをタップします。 - 関連付けるデータを選択します。
- 画面右上の
アイコンをタップし、選択内容を保存します。
新しいデータを作成して関連付けるには
- Android用Zoho CRMモバイルアプリを開きます。
- 対象のタブに移動します。
- 対象のデータを開きます。
- 関連付けの対象となるタブの欄に表示されている
アイコンをタップします。
- 画面右上の
アイコンをタップし、新しいデータを作成します。
- 詳細を入力します。
- [保存する]をタップします。
- 画面右上のチェックアイコンをタップし、内容を保存します。
データの関連付けを解除するには
- Android用Zoho CRMモバイルアプリを開きます。
- 対象のタブに移動します。
- 対象のデータを開きます。
アイコンをタップします。
アイコンをタップします。- 確認画面で操作を確定します。
- 画面右上の
アイコンをタップし、内容を保存します。
関連付けタブ
関連付けタブとは、複数選択ルックアップ項目を通じてデータを関連付ける際に、関連付けに付随するさまざまな情報を保存するためのタブです。関連付け対象のタブ内にある項目だけでは管理しづらい情報を管理することが可能です。
関連付けタブの例
上記の[イベント]と[サービス]のタブを例に説明します。上記の例において、各イベントに関連付けられているサービスの詳細を管理したいとします。
詳細を管理する際の問題点
- 「ケータリング」と「写真撮影」のサービスの費用やプランの内容は、「ウェディング」のイベントごとに異なります。データの組み合わせ(関連付け)によって詳細が変わるため、イベントのデータ内の項目に費用やプランに関する詳細を登録しても、適切に管理できません。
- 「ウェディング」と「企業ミーティング」のイベントでは、「ケータリング」のサービスの費用やプランの内容は異なります。こちらも同様に、データの組み合わせ(関連付け)によって詳細が変わるため、[サービス]タブ内の項目に費用やプランに関する詳細を登録しても、適切に管理できません(どのイベントが関連付けられているかによって費用やプランが異なり、1つの項目で多数の値を管理する必要が出てきてしまうため)。
解決方法
関連付けタブを使用することで、このようにデータの関連付けによって変わってくる情報を保存、管理できます。
以下のイベントとサービスを例に説明します。
- イベント:ウェディング
- サービス:写真撮影、ケータリング
関連付けタブを使用することで、複数選択ルックアップ項目を通じて設定された関連付けに応じて、関連付けに付随する情報を保存するためのデータが作成されます。この例では、以下の2件のデータが作成されます。
- ウェディング - 写真撮影(費用:$6,000、プラン:小型カメラでの撮影)
- ウェディング - ケータリング(費用:$5,000、プラン:ヴィーガン対応メニュー)
これにより、「ウェディング」のイベントごとに、「写真撮影」と「ケータリング」のサービスの費用とプランの詳細を個別に登録することができます。また、「写真撮影」と「ケータリング」の各サービスに関して、イベントごとの費用やプランの詳細を確認することが可能です。これにより、データの関連付けによって変わってくる情報を適切に管理することができます。

メモ
- 関連付けタブでは、各データに対して自動番号が生成されます。
- 関連付けタブには、
と表示されます。 - 関連付けタブの各データには、関連付け対象の2つのデータを表す項目が必ず含まれています(該当の項目には、関連付けられているデータの名前が表示されます)。これらの項目をタップすると、対象のデータの詳細ページに移動します。
関連付けタブのデータにアクセスするには
- Android用Zoho CRMモバイルアプリを開きます。
- 関連付けの対象のタブのうち、いずれかのタブのページに移動します。
- 関連リストの複数選択ルックアップ項目の欄で、その他の操作アイコンをタップします。
たとえば、複数選択ルックアップ項目を通じて[イベント]と[サービス]のタブが関連付けられている場合、[イベント]または[サービス]のいずれかのタブを開きます。 - ポップアップ画面で関連データの表示ボタンをタップします。関連付けられているデータが表示されます。
関連付けに応じて作成されたデータ(例:ウェディング - 写真撮影)のページが開きます。
他のタブのデータと同様に、関連付けタブのデータに直接アクセスすることも可能です。関連付けタブのデータからは、複数選択ルックアップ項目を通じて関連付けられているデータをより簡単に検索することができます。