カスタマイズは、柔軟なCRMシステムを作成するための、最も強力な方法です。Zoho CRMでは、タブ/項目/ページ/リンクに加えて、その他多くの要素をカスタマイズできます。これらの要素に加え、Zoho CRMでは、 カスタムボタン と呼ばれる拡張機能によって、新しいボタンの処理を作成できます。
Zoho CRMには、設定済みのさまざまな処理の実行に使用できる、標準ボタンが備わっています。たとえば、 [変換] は、[見込み客]を[連絡先]、[取引先]、[商談]に変換するために使用できる、標準ボタンです。同様に [複製] は、CRMアカウント内のデータを複製するために使用できる、もう一つの標準ボタンです。 また、CRMの管理者は新しいボタンを作成し、要件に応じて、一連の処理を設定できます 。Zoho CRMのカスタムボタンは、CRMをアプリケーションと接続したり、Zoho CRMの異なるタブ同士を接続したり、他のZohoアプリケーションと接続したりする際に使用できます。
利用条件
必要な権限
この機能にアクセスできるのは、Zoho CRMのカスタマイズ権限を持つユーザーです。

メモ
- カスタムボタンは権限に基づいて制限されます。管理者は、各カスタムボタンを異なる権限に共有でき、共有された各権限のユーザーのみがカスタムボタンにアクセスできます。
- カスタムボタンは、[活動]タブを除く、すべての標準タブやカスタムタブで利用できます。
カスタムボタンの作成
カスタムボタンを作成するには
- 管理者権限でZoho CRMにログインします。
- [設定] > [カスタマイズ] > [タブ と項目] の順に移動します。
- タブのリスト から、必要なタブを選択します。
- [リンクとボタン] タブで、 [新しいボタンの作成] をクリックします。
[自分のボタンを作成] ページで、次の手順を実行します:
[保存] をクリックします。
カスタムボタンと処理を関連付けたら、CRMの管理者は、そのカスタムボタンの表示やボタンへのアクセスを、特定の権限のみに割り当てることで、権限を管理できます。

メモ
ボタンの処理の設定
カスタムボタンはすべて、ユーザーがボタンをクリックしたときの処理に関連付けられている必要があります。 ボタンの処理は、次のいずれかの方法で設定できます:
- ギャラリーから選択する
- 既存の処理から選択する
- 独自のカスタム関数を記述する(Delugeスクリプトエディターを利用)
- URLを呼び出す
- Webタブを開く
1. ギャラリーからボタンの処理を選択する
Zoho CRMでは、すぐに導入可能なボタンの処理をいくつか提供しています。必要に応じて、さまざまなビジネスシナリオに合わせて、これらの処理をカスタムボタンに関連付けることができます。
次のシナリオについて考えてみましょう:
繰り返しの商談: たとえば、毎年繰り返す必要がある商談があるとします。翌年用に、特定の商談データの情報を複製する、カスタムボタンを作成します。
カスタムボタンにギャラリーの関数を関連付けるには
カスタムボタンを作成し、ボタン処理として、ドロップダウンリストから [ギャラリーから] を選択します。
すぐに使用できる処理が一覧表示されます。
使用する処理の [設定] をクリックします。
[カスタム関数の設定] ダイアログボックスで、引数の関連付けの値を入力して、 [保存] をクリックします。
例:
- potentialId :項目のリストから「potentialId」を選択します。
- billingCycle :[カスタム値を入力]をクリックし、組織の請求サイクルに基づいてMONTHLY(毎月)、HALF_YEARLY(半年ごと)、またはQUARTERLY(四半期ごと)の値を入力します。
- authToken :[カスタム値を入力]をクリックし、CRMサービス用に作成された認証トークンを入力します。 関連項目: 認証トークンの使用
この新しく作成したボタンにアクセスできるようにする、 権限 を選択します。
[保存] をクリックします。
カスタムボタンが正常に作成されます。
たとえば、[見込み客]タブのデータの詳細ページで、ユーザーが[繰り返しの商談]ボタンをクリックするたびに、選択した期間について、特定の商談が複製されます。
2. 既存の処理からボタンの処理を選択する
既存の処理 とは、組織のユーザーが作成した設定済みのボタン処理です 。 このオプションは、Zoho CRMアカウントに、カスタムボタン用のカスタム関数を作成している場合にのみ、利用できます。これらの処理は、いつでも必要なときに、異なるカスタムボタンで再利用できます。
3. 独自のボタンの処理を設定する
独自のボタンの処理は、次の方法で設定できます:
- カスタム関数を記述する
- URLを呼び出す
- Webタブを開く
独自のカスタム関数の記述
Delugeスクリプトエディターを使用して、新しいカスタム関数を記述して、独自のボタンの処理を設定できます。 関連項目: Delugeスクリプト - 参照ガイド
独自のカスタム関数を記述するには
- カスタムボタンを作成し、ボタンの処理として、ドロップダウンリストから [カスタム関数の作成] を選択します。
[カスタム関数] ページで、次の手順を実行します:
- Delugeスクリプトエディターで、必要な関数を記述します。
[スクリプトを保存して実行] をクリックして、コードを検証します。
エラーがなければ、スクリプトはカスタムボタンと関連付けできる状態です。
[保存] をクリックします。
スクリプトがカスタムボタンに関連付けられます。異なるユーザー権限を選択して、カスタムボタンに誰がアクセスできるのかを確認し、 [自分のボタンを作成] ページで [保存] をクリックします 。 カスタムボタンをクリックするたびに、関連付けられた関数が実行され、必要な処理が1回のクリックで実行されます。
レスポンスの追跡
カスタムボタンをクリックするたびに、アラートを作成したり、ポップアップ通知を表示したりできます。このレスポンスは、Delugeスクリプトエディターを使用した、カスタム関数の記述中に設定する必要があります。URLを開くタスクがカスタム関数で設定されている場合、最後にURLを開いたタスクが、ユーザーの設定によって、新しいタブ/新しいウィンドウ/ポップアップウィンドウのいずれかで開かれます。初期設定では、カスタムボタンと関連付けたカスタム関数のそれぞれに、空の文字列が返されます。
メモ
- Delugeスクリプトの記述にCRM API連携タスクを含めることで、カスタムボタンから実行するカスタム関数によって、ワークフロールールを実行することもできます。
URLを呼び出す
URLの呼び出し を使用すると、ボタンをクリックして、URLを開くことができます。これにより、新しいウィンドウ、既存のウィンドウ、新しいタブで、希望する処理が開きます。
カスタムボタンを使用してURLを呼び出す方法の例は、次の通りです。
Zoho CRMの見込み客の会社概要へのアクセス: 取引先のすべての連絡先に、組織名を入力する項目を作成できます。特定の組織に関連付けられているURLを作成すると、カスタムボタンをクリックするだけで、その取引先の会社概要に直接移動できます(このカスタムボタンは、要件に応じて、データの作成時/複製時/閲覧時に配置できます)。

メモ
ボタンのクリックでURLを呼び出すには
- カスタムボタンを作成し、ボタンの処理として、ドロップダウンリストから [URLの呼び出し] を選択します。
URLを構成する値を入力します。
URLの長さは、3,000文字以下にする必要があります。
- ドロップダウンリストから、 [項目] を選択します。これにより、URLの一部として、項目の変数が挿入されます。
- ボタンの処理を表示する場所を選択します。
- カスタムボタンへのアクセスを許可する権限を選択します。
- [保存] をクリックします。
Webタブを開く
ボタンの処理として [Webタブを開く] を選択すると、ボタンを1回クリックするだけで、新しいタブにWebタブが、関連付けられた組み込み項目とともに開きます。新しいWebタブを作成するか、作成済みのWebタブのリストから選択して、カスタムボタンに関連付けることができます。
新しいWebタブを開くには
カスタムボタンの編集
必要なときにいつでも、既存のカスタムボタンを編集できます。Zoho CRMアカウントの管理者のみが、カスタムボタンを編集できます。
カスタムボタンを編集するには
[設定] > [カスタマイズ] > [タブと項目] > [タブを選択] > [リンクとボタン] の順に移動します。
[リンクとボタン] タブの下に、既存のすべてのカスタムボタンが一覧表示されます。
- 編集する必要なボタンを選択し、 [編集]
アイコンをクリックします。
- [ボタンの編集] ページで、要件に応じて、ボタン名、ボタンの処理などを編集します。
カスタムボタンの並べ替え
タブやデータ内でのボタンの表示順を並び替えることができるようになりました。たとえば、5つのボタンを作成した場合、各ボタンの使い方はそれぞれ異なります。頻繁に使用する2つのボタンは一覧の上部に配置し、適度に使用する他の3つのボタンはそれより下部に配置することができます。
カスタムボタンを並べ替えるには
- ボタンを作成したタブに移動します。
- カスタムボタンの横にある下矢印をクリックすると、ボタンの一覧を確認できます。
- ボタンをドラッグ&ドロップして、適切な順番に並べ替えられます。

カスタムボタンの削除
Zoho CRMの管理者は、カスタムボタンをいつでも削除できます。
カスタムボタンを削除するには
[設定] > [カスタマイズ] > [タブと項目] > [タブを選択] > [リンクとボタン] の順に移動します。
[リンクとボタン] ページの下に、既存のすべてのカスタムボタンが一覧表示されます。
- 削除が必要なボタンを選択し、 削除
アイコンをクリックします。