ルックアップ項目の連動項目

ルックアップ項目の連動項目

Zoho CRMでは、ルックアップ項目を使用して、あるタブのデータに別のタブのデータを関連付けることができます。たとえば、商談データに[取引先名]というルックアップ項目があります。この項目で取引先を選択すると、商談データと取引先データが関連付けられます。
 
また、ルックアップ項目には、連動項目を設定することが可能です。連動項目には、関連するデータの他の項目の値を自動入力できます。たとえば、[取引先名]というルックアップ項目に[取引先の電話番号]という連動項目を設定するとします。この場合、[取引先名]の項目(ルックアップ項目)で取引先名を選択すると、[取引先の電話番号]の項目(連動項目)に取引先の電話番号が自動入力されます。

連動項目の利用例

  1. 商談データにおける顧客の連絡先情報の自動入力
    商談データで[顧客(連絡先)名]というルックアップ項目を通じて、[顧客のメールアドレス]、[顧客の電話番号]、[顧客の登録経路]などの連動項目を設定するとします。これにより、ルックアップ項目で顧客(連絡先)名を指定するだけで、連動項目(顧客のメールアドレス、電話番号、登録経路に関する項目)に値が自動で入力されます。このようにして入力された連動項目の値は、[商談]タブに関するレポートなどに利用することも可能です。たとえば、レポートの抽出条件に[顧客の登録経路](連動項目)を指定することで、商談の件数や総額を顧客の登録経路別に分析できます。
  2. 申請データにおける承認者情報の自動入力
    申請データで[承認者]というルックアップ項目を通じて、[承認者のメールアドレス]、[承認者の役職]といった連動項目を設定するとします。これにより、ルックアップ項目で承認者を選択するだけで、連動項目(承認者のメールアドレス、役職に関する項目)に値が自動で入力されます。また、連動項目は、フィルターによるデータの抽出に利用することも可能です。たとえば、[申請]タブのデータ一覧で、フィルター条件として[承認者の役職](連動項目)を指定すると、特定の役職の承認者が承認した申請のみを表示することが可能です。 

連動項目の設定 

連動項目の設定では、主に以下の手順を実行します。
  1. コピー元の項目の指定:まず、連動項目に、関連データのどの項目から値をコピー(自動入力)したいかを指定します。
    たとえば、商談データの[取引先名]というルックアップ項目に連動項目を設定するとします。この場合、取引先データのどの項目から、商談データの連動項目に値をコピー(自動入力)するかを設定します。コピー元の項目としては、取引先データの[メールアドレス]、[電話番号]、[登録経路]などの項目を指定できます。
  2. 連動項目の関連付けの方法の選択:新しく追加した項目を連動項目とするか、既存の項目を連動項目とするかを選択できます。たとえば、商談タブの[取引先名]というルックアップ項目に[取引先のメールアドレス]という連動項目を設定したいとします。商談データにすでに[取引先のメールアドレス]という既存の項目がある場合には、この既存の項目を連動項目として設定できます。一方、対応する適切な項目がない場合には、[取引先のメールアドレス]という項目を商談データに新たに追加して、連動項目とすることも可能です。
メモ:
  1. コピー元の項目とコピー先の項目(連動項目)の間では、通常、項目の種類が同様である必要があります。そのため、既存の項目を選択して連動項目とする場合、コピー元と同様の種類の項目のみを選択可能です。また、新しい項目を追加して連動項目とする場合は、コピー元の項目と同様の種類の項目が追加されます。
  2. 上記のとおり、コピー元の項目と連動項目の種類は、原則的には、同様のものである必要があります。ただし、コピー元の項目の種類が以下のいずれかである場合は、例外的に、以下のような組み合わせで設定可能です。
    コピー元の項目の種類
    コピー先の項目(連動項目)の種類
    選択リスト
    1行テキスト
    複数選択リスト
    複数行テキスト(小)
    自動番号
    1行テキスト
    ルックアップ
    ルックアップ/1行テキスト
    数式
    項目の種類は、数式の出力値の種類によって決まります
    ユーザーに関するルックアップ/データの担当者
    ユーザーに関するルックアップ/1行テキスト

連動項目の追加 

連動項目を追加するには:
  1. Zoho CRMに管理者アカウントでサインインし、画面右上にある(設定)アイコンをクリックします。
  2. [カスタマイズ]の欄にある[タブと項目]をクリックします。
  3. タブの一覧で対象のレイアウトが登録されているタブを選択し、レイアウトの一覧で対象のレイアウトを選択します。
  4. レイアウトの編集画面で、ルックアップ項目の欄に表示されている[…](その他)アイコンをクリックします。
  5. [連動項目を追加する]をクリックします。
  6. 表示された画面で[+ 項目を追加する]をクリックします。
  7. 選択リストをクリックし、コピー元の項目(関連データのどの項目から連動項目に値を自動入力するか)を指定します。
  8. 項目の関連付けの方法の選択欄では、[新しい項目として追加する]または[既存の項目と関連付ける]のいずれかを選択します。
  9. [新しい項目として追加する]を選択した場合、項目名を入力します。
  10. [既存の項目と関連付ける]を選択した場合は、連動項目として設定したい項目を選択します。

  11. [完了する]をクリックします。
  12. 表示された画面で、コピー元の項目と連動項目(コピー先の項目)の対応関係を確認できます。[関係の種類]の欄では、新しく追加した項目と、既存の項目のどちらを連動項目としているかを確認できます。
  13. [+ 項目を追加する]をクリックすると連動項目をさらに追加できます。
  14. 連動項目は5件まで追加できます。
  15. 設定が完了したら、[保存する]をクリックします。
  16. レイアウトの編集画面で[保存する]をクリックします。 

留意事項 

連動項目を含むデータの追加や更新に関する留意事項

  1. データのインポート時:データをインポートする際、インポートするファイルにおいて連動項目の値が指定されている場合、インポートされたデータの連動項目には、該当の値が入力されます。一方、ファイル内で連動項目の値が指定されていない場合は、ルックアップ項目を通じて関連付けられているデータが参照され、コピー元の項目の値が取得されて入力されます。たとえば、[商談]データで[連絡先名]というルックアップ項目に対して[連絡先の電話番号]という連動項目が設定されているとします。この場合、商談データをインポートするためのファイルで[連絡先の電話番号]に対応する項目(セル)に値が指定されていない場合にのみ、連絡先データの電話番号の項目から値がコピーされ、商談データの[連絡先の電話番号]の項目に入力されます。
  2. 見込み客データの変換時:見込み客データを連絡先/取引先/商談のデータに変換した場合は、変換元と変換先の間での項目の関連付けの設定に基づいて、項目に値が入力されます。ただし、変換元のデータ(見込み客)において連動項目に対応する項目に値が入力されていない場合は、変換後のデータ(連絡先/取引先/商談)で連動項目の設定を通じて、コピー元の項目から値が取得され、自動入力されます。
  3. コピー元のデータの更新時:連動項目の値は、ルックアップ項目の値が更新された場合にのみ更新されます。
    コピー元のデータの側で項目の値が更新されただけでは、連動項目の値は更新されません。
    また、連動項目の値が更新されても、コピー元の項目の値は更新されません。
  4. 重複データの統合時:重複データの検索と統合の機能を利用する場合、重複のチェック機能は、ルックアップ項目に対しては利用可能ですが、連動項目に対しては利用できません。ただし、統合によってルックアップ項目の値が更新されると、連動項目の値も連動して更新されます。
  5. データの担当者に関するルックアップ項目が一括更新された場合、関連する連動項目でも値が更新されます。
  6. ルックアップ項目で値を選択したときに連動項目に値が自動入力されるようにするには、対象の連動項目に関する権限として[表示と編集][表示のみ]が設定されている必要があります。 

設定に関する留意事項

  1. 対応していない項目:連動項目は、複数選択ルックアップ、ファイルアップロード、画像アップロードの各項目には設定できません。
  2. ルックアップ項目の削除/[使用していない項目]への移動:ルックアップ項目が[使用していない項目]欄に移動した場合は、対象のルックアップ項目に関連付けられている連動項目も[使用していない項目]欄に移動します。ただし、ルックアップ項目と連動項目の関連付けは削除されません。
    なお、ルックアップ項目がレイアウトから削除された場合も、対象のルックアップ項目に関連付けられている連動項目は[使用していない項目]欄に移動します。一方、この場合は、ルックアップ項目と連動項目の関連付けは削除されます。
  3. 連動項目は、重複禁止項目に設定できません。
  4. 連動項目の文字数の上限:新しい項目を作成する形で連動項目を設定した場合、該当の連動項目の文字数の上限には、コピー元の項目の文字数の上限が適用されます。連動項目が作成された後に、その項目の文字数の上限を変更することはできません。
  5. 連動項目の値は、自動処理(ワークフロー、ブループリント)やプロセス管理(コマンドセンター)の機能を通じて更新することはできません。そのため、自動処理による更新の対象となっている項目を連動項目に指定することはできません。  
  6. Zoho CRMのシステムによって最初から用意されている項目(標準項目)を連動項目とすることはできません。
  7. Zoho CRMの組織の設定で複数の通貨を有効にしている場合、通貨の種類に該当する連動項目には、対象のデータに適用されている通貨と為替レートに基づいて値が自動入力されます。
  8. コピー元の項目の値が更新されても、連動項目(コピー先の項目)の値は更新されません。また、連動項目の値が更新されても、コピー元の項目の値は更新されません。つまり、コピー元の項目と連動項目の間で、双方向で値が同期されることはありません。連動項目の値が更新されるのは、その連動項目の設定のもとになるルックアップ項目の値が更新された場合のみです。


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