数式項目の作成

数式項目の作成

数式項目は、数値、テキスト値、日付値など、さまざまな種類の値を計算するのに使用します。数式項目とその戻り値には特定のデータ型が関連付けられており、それぞれのデータ型で使用できる特定の演算子があります。数式項目を作成するのに必要な項目の種類、ならびにデータ型と演算子の間の互換性を理解する必要があります。たとえば、演算子「*」(掛け算)は数値に対しては使用できますが、テキスト値には使用できません。

  • 数式項目の戻り値の型は変更できません。
  • 数式表現に使用できるのは最大5,000文字です。

利用条件  

必要な権限
この機能にアクセスできるのは、権限設定で項目レベルのアクセス権限を持つユーザーです。 

数値型の数式項目の作成

次の表は、数値関数に必要な引数の種類と、作成する必要がある構文の種類を理解するのに役立ちます。

関数 

詳細

使用法


Abs

数字の絶対値を返します。

Abs(数字)

Abs(-42)は42を、Abs(+33)は33を返します。

Ceil

入力された数字以上で最小の数字を返します。

Ceil(数字)

Ceil(3.4)は4を、Ceil(-3.4)は-3を返します。

Floor

入力された数字以下で最大の数字を返します。

Floor(数字)

Floor(3.8)は3を、Floor(-3.4)は-4を返します。

Naturallog

数字の自然対数を返します。

Naturallog(数字)

Naturallog(1)は0.69を返します。

Base10log

入力された数字の常用対数を返します。

Base10log(数字)

Base10log(10)は1.0を返します。

Max

指定された互換性のあるデータ型のリストの最大値を返します。

Max(値1, 値2,...)

Max(3,1,5,2)は5を、Max(0,-4,-3,2)は2を返します。

Min

指定された互換性のあるデータ型のリストの最小値を返します。

Min(値1, 値2,...)

Min(5,-3,0,1)は-3を、Min(5,0,.01,0.5)は0.0を返します。

Sqrt

入力された数字の平方根を返します。

Sqrt(数字)

Sqrt(4)は2を、Sqrt(9)は3を返します。

FromTimestamp

タイムスタンプ(長整数)をもとに日時を出力します。

FromTimestamp(長整数)

「FromTimestamp(1581066895)」の出力値は、「2020/02/07 06:14 PM」です。


メモ:上記の値は、日本標準時(JST)のタイムゾーンで出力されています。ユーザーのタイムゾーンに応じて、異なる値が出力されます。

IsPositive

数値が正の数かどうかをチェックし、真偽値を出力します。数値が正の場合は「true」、正でない場合は「false」を出力します。

IsPositive(数値)

「IsPositive(-345)」の出力値は、「false」です。

IsNegative

数値が負の数かどうかをチェックし、真偽値を出力します。数値が負の場合は「true」、負でない場合は「false」を出力します。

IsNegative(数値)

「IsNegative(-345)」の出力値は、「true」です。

Round

数値を四捨五入します。小数点以下の桁数を指定することもできます。

Round(数値)、Round(数値,小数点以下の桁数)

「Round(3.8)」の出力値は「4」です。「Round(-3.5)」の出力値は「-4」です。「Round(3.417,2)」の出力値は「3.42」です。

数値型の数式項目を作成するには

  1. 管理者権限でZoho CRMにログインします。
  2. [設定]→[カスタマイズ][タブと項目] の順に移動します。
    タブとは、[見込み客]、[取引先]、[連絡先]などのタブを指します。
  3. 対象のタブをクリックします。
    レイアウトエディターが開きます。
  4. 数式 項目を、[新しい項目]トレイから右側の必要なタブセクションに、ドラッグ&ドロップします。
  5. [数式のプロパティ] ウィンドウで、次の手順を実行します:  
    • [項目のラベル] 項目に項目名を入力します。
    • ドロップダウンリストから、 [出力値の種類] として 数値または通貨 を選択します。
      戻り値の項目が数値または通貨の場合、 小数点以下の桁数 の値を入力します。 
    数式の作成
  6. [関数を選択] で、ドロップダウンリストから [数値の関数] を選択します。
  7. 数値の関数 のリストから関数を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する関数をダブルクリックします)
  8. 数式表現で、引数を挿入する括弧の間をクリックします。
  9. [項目を選択] 列で項目を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する項目をダブルクリックします)
  10. [演算子を選択] 列で演算子を選択し、 [挿入する] をクリックします。
  11. [構文をチェックする] をクリックして、数式の構造をチェックします。
  12. [完了する] をクリックします。

テキスト型の数式項目の作成

次の表は、数式関数に必要な引数の種類と、作成する必要がある構文の種類を理解するのに役立ちます。

関数
詳細
使用法

Len
入力したテキスト文字列の文字数を返します。
Len(文字列)
Len('abc')は3を、Len(' abc ')は5を返します。
Find
テキスト文字列で何番目に出現したかを返します。
Find('文字列','検索文字列',数字)
Find('greenery','n',1)は5を返します。
Concat
すべての文字列を連結して返します。
Concat('文字列','文字列',...)
Concat('姓',' ','名')は、姓 名を返します。
Contains
検索文字列がもう一方の文字列に含まれている場合、trueを返します。含まれていない場合は、falseを返します。
Contains('文字列','検索文字列')
Contains('abcdef','cd')はtrueを返します。
Startswith
文字列が検索文字列で始まる場合、trueを返します。始まらない場合は、falseを返します。
Startswith('文字列','検索文字列')
Startswith('abcdef','cd')はfalseを返します。
Startswith('abcdef','abc')はtrueを返します。
Endswith
文字列が検索文字列で終わる場合、trueを返します。終わらない場合は、falseを返します。
Endswith('文字列','検索文字列')
Endswith('abcdef','ab')はfalseを返します。
Endswith('abcdef','ef')はtrueを返します。
Lower
文字列のすべての文字を小文字に変換します。
Lower('文字列')
Lower('APPLES')は"apples"を返します。
Lower('Apples')は"apples"を返します。
Upper
文字列のすべての文字を大文字に変換します。
Upper('文字列')
Upper('apples')は"APPLES"を返します。
Upper('APPles')は"APPLES"を返します。
Trim
先頭または末尾の空白文字を削除した文字列を返します。
Trim('文字列')
Trim(' abcd ')は"abcd"を返します。
Substring
入力文字列の、入力された位置から入力された長さまでの部分文字列を返します。
Substring('文字列',n1,n2)
Substring('abcdefg',4,7)は"defg"を返します。
Replace
入力文字列で検索文字列が出現する各箇所を、対応する置換文字列に置き換えます。
Replace('文字列','検索文字列','置換文字列')
Replace('abcdefg','abc','xyz')は"xyzdefg"を返します。
Tostring
引数を文字列データ型に変換します。
Tostring(一般的な引数)
Tostring(3.4)は"3.4"を返します。
Tostring('')は< empty >を返します。

CaseInsensitiveEquals 

大文字小文字を区別せずに2つのテキストを比較し、真偽値を出力します。2つのテキストが同じ場合は「true」、異なる場合は「false」を出力します。

CaseInsensitiveEquals(テキスト,テキスト)

「CaseInsensitiveEquals('Zoho','zoho')」と「CaseInsensitiveEquals('zoho','zoho')」の出力値は、両方とも「true」です。「CaseInsensitiveEquals('Zoho','Soho')」の出力値は、「false」です。

IsEmpty

値が入力されているかどうか(空でないかどうか)を確認し、真偽値を出力します。値が空である場合は「true」、空でない場合は「false」を出力します。

IsEmpty(任意の種類の値)

「IsEmpty('')」の出力値は、「true」です。「IsEmpty('zoho')」の出力値は、「false」です。「IsEmpty(${連絡先.電話番号})」の出力値は、電話番号が入力されていない連絡先データにおいては「true」です。

DateBetween

2つの日時の間の時間(差分)を、指定した単位で出力します。単位としては、年(years)、月(months)、週(weeks)、日(days)、時間(hours)、分(minutes)のいずれかを指定できます。

DateBetween(日時,日時,テキスト)

「DateBetween(Newdate(2022,02,10,11,30,'AM'), Newdate(2023,02,19,11,30,'AM'),'years')」の出力値は、「1」です。


Notes
メモ  
  • テキストの定数は、常に一重引用符(')で囲む必要があります。
  • 項目のラベルは、一重引用符(')で囲む必要はありません。
  • テキスト 型の値は、If()、Or()、And()、 Not()のライブラリー関数内で、「 ==」と「!=」の演算子と一緒に使用できます。
  • 例:If ('abc' == 'abc', ${returnValue1}, ${returnvalue2})

テキスト型の数式項目を作成するには

  1. 管理者権限でZoho CRMにログインします。
  2. [設定][カスタマイズ][タブと項目] の順に移動します。
    タブとは、[見込み客]、[取引先]、[連絡先]などのタブを指します。
  3. 必要なタブをクリックします。
    レイアウトエディター が開きます。
  4. 数式 項目を、 [新しい項目] トレイから右側の必要なタブセクションに、ドラッグ&ドロップします。
  5. [数式のプロパティ] ウィンドウで、次の手順を実行します:
    • [項目のラベル] 項目に項目の名前を入力します。
    • ドロップダウンリストから、 [出力値の種類] として [テキスト] を選択します。 
    数式の作成
  6. [関数を選択] で、ドロップダウンリストから [テキストの関数] を選択します。
  7. テキストの関数 のリストから関数を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する関数をダブルクリックします)
  8. 数式表現で、引数を挿入する括弧の間をクリックします。
  9. [項目を選択] 列で項目を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する項目をダブルクリックします)
  10. [演算子を選択] 列で演算子を選択し、 [挿入する] をクリックします。
  11. [構文をチェックする] をクリックして、数式の構造をチェックします。
  12. [完了する] をクリックします。

日時型の数式項目の作成

次の表は、日時関数に必要な引数の種類と、作成する必要がある構文の種類を理解するのに役立ちます。

関数
詳細
使用法

Newdate
年、月、日、時刻から日付を作成します。
Newdate(年,月,日, 時間,分,'文字列')
Newdate(2007,12,21,06,30,'AM')は、"21/12/2007 06:30 AM"を返します。 1
Datepart
日時式の日付の値を返します。
Datepart(日時引数)
Datepart(Newdate(2007,12,21,06,30,'AM'))は、"21/12/2007"を返します。 1
Timepart
日時式の時刻の値を返します。
Timepart(日時引数)
Timepart(Newdate(2007,12,21,06,30,'AM'))は、"06.30 AM"を返します。
Adddate
与えられた日付にn(年/日/月/時/分)を加えて取得した日付を返します。
Adddate(日時,数字, '文字列')
Adddate(Newdate(2007,12,21,06,30,'AM'),2,'YEAR'は、"21/12/2009 06:30 AM"を返します。 2
Subdate
与えられた日付からn(年/日/月/時/分)を引いて取得した日付を返します。
Subdate(日時,数字, '文字列')
Subdate (Newdate(2007,12,21,06,30,'AM'),2,'YEAR'は、"21/12/2005 06:30 AM"を返します。 2
Now
現時点を表す日時を返します。
Now()
Now()は、"19/05/2009 10:52 AM"を返します。
Datecomp
2つの日付を比較して、日数の差を分単位で返します。
Datecomp(日時, 日時)
Datecomp(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'), Newdate(2009,05,19,12,30,'AM'))は、660.0を返します。 3
Dayofmonth
与えられた日付の「日」の部分を返します。
Dayofmonth(日付)
Dayofmonth(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'))は、"19.0"を返します。
Hour
与えられた日付の「時間」の部分を返します。
Hour(日時)
Hour(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'))は、"11.0"を返します。
Minute
与えられた日付の「分」の部分を返します。
Minute(日時)
Minute(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'))は、"30.0"を返します。
Month
与えられた日付の「月」の部分を返します。
Month(日時)
Month(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'))は、"5.0"を返します。
Year
与えられた日付にの「年」の部分を返します。
Year(日時)
Year(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'))は、"2009.0"を返します。
Weekday
入力された日付に対応する曜日の数字(1-7)を返します(例:1は日曜日、2は月曜日など)。
Weekday(日時)
Weekday(Newdate(2009,05,19,11,30,'AM'))は、"3.0"を返します。(これは、5月19日が火曜日であるためです) 4

Dayofweek

入力した日付の曜日を出力します。

Dayofweek(日時)

「Dayofweek(Newdate(2024,12,31,06,30,'AM'))」の出力値は、「火曜日」です。

Dayofmonth

入力した日付が、その月の第何日目に該当するかを出力します。

Dayofmonth(日時)

「Dayofmonth(Newdate(2024,12,31,06,30,'AM'))」の出力値は、「31」です。

Dayofyear

入力した日付が、その年の何日目に該当するかを出力します。

Dayofyear(日時)

「Dayofyear(Newdate(2024,12,31,06,30,'AM'))」の出力値は、「366」です。

Timestamp

日時をもとにタイムスタンプを出力します。

Timestamp(日時)

「Timestamp(Newdate(2022,02,10,11,30,'AM'))」の出力値は、「1,644,521,400」です。


メモ:上記の値は、日本標準時(JST)のタイムゾーンで出力されています。ユーザーのタイムゾーンに応じて、異なる値が出力されます。

  1. 入力する日時引数の形式は、常に「YYYY,MM,DD,HH,MM,AM/PM」にする必要がありますが、出力は、選択している国のロケールに従って表示されます。
  2. 文字列データ型(YEAR/DAY/MONTH/HOUR/MINUTE)は大文字にする必要があります。
  3. Datecomp関数の戻り値は常に分単位で示されます。
  4. 日付の値が"0"である場合、関数はnullを返します。

日時型の数式項目を作成するには

  1. 管理者権限でZoho CRMにログインします。
  2. [設定][カスタマイズ][タブと項目] の順に移動します。
    タブとは、[見込み客]、[取引先]、[連絡先]などのタブを指します。
  3. 必要なタブをクリックします。
    レイアウトエディターが開きます。
  4. 数式 項目を、[新しい項目]トレイから右側の必要なタブセクションに、ドラッグ&ドロップします。
  5. [数式のプロパティ] ウィンドウで、次の手順を実行します。
    • [項目のラベル] 項目に項目の名前を入力します。
    • ドロップダウンリストから、 [出力値の種類] として [日時] を選択します。 
    数式の作成
  6. [関数を選択] で、ドロップダウンリストから [日時の関数 を選択します。
  7. [日時の関数] のリストから関数を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する関数をダブルクリックします)
  8. 数式表現で、引数を挿入する括弧の間をクリックします。
  9. [項目を選択] 列で項目を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する項目をダブルクリックします)
  10. [演算子を選択] 列で演算子を選択し、 [挿入する] をクリックします。
  11. [構文をチェックする] をクリックして、数式の構造をチェックします。
  12. [完了する] をクリックします。

Now関数の数式の概要

Now関数では、現在の日時が値として出力されます。他の日時の関数と組み合わせて使用することで、特定の日時から現在までの期間を出力することもできます(例:データの作成日時からの経過日数)。

ただし、Now関数によって現在の日時の値が出力されるのは、該当のデータが手動で再読み込みされた際や、手動または自動化処理を通じて更新された場合に限ります。
 
メモメモ:正確な日時の値を出力するには、データを手動で再読み込みする必要があります。
Now関数が使用されている数式項目の出力値を常に最新の状態にしたい場合、構文の欄でNow関数を含む数式項目の自動更新の設定のチェックボックスにチェックを入れます。
参考情報
ヒント:チェックボックスにチェックを入れると、該当のデータにアクセスするたびに数式項目のNow関数が実行され、最新の日時の値が出力されます。他の日時の関数と組み合わせて使用し、ある時点からの経過日数や経過時間などの値を計算することができます。しかし、組み合わせて使用する関数によっては、出力値の変化する頻度が少ない場合があります。たとえば、Now関数とYear関数を組み合わせて使用して年の値を出力する場合、該当のデータにアクセスするたびにNow関数が実行されても、実際に年の値が変化するのは1年に1回のみです。その場合でも、Now関数の実行回数はカウントされ、上限に達したかどうかを判断するための集計対象に含まれます。このような場合は、自動更新を無効にして手動で更新することをお勧めします。

メモ
留意事項と制限
  1. このチェックボックスは、Now関数が数式内で使用されている場合にのみ表示されます。
  2. Now関数を含む数式項目の自動更新の設定を有効にしている場合、データを表示する際に最新の計算結果が常に出力されます(データを編集して保存しなおす必要はありません)。
  3. 技術的な制限により、この自動更新の設定を適用できる数式項目は、2件のみです。
  4. Now関数を含む数式項目の出力値に関して自動更新の設定を有効にしている場合に、数式内でNow関数を何度も使用すると、以下の画像のようにエラーが表示されます。
  5. 特定のレイアウトで作成した数式項目は、他のレイアウトにおいても[使用していない項目]の欄から選択して使用できます。また、必要に応じて、数式を編集することが可能です。なお、特定のレイアウトにおいて数式項目の値の自動更新の設定を有効にしている場合に、別のレイアウトで数式を編集すると、すべてのレイアウトで編集内容が反映されます。
  6. 特定のレイアウトで作成した数式項目は、他のレイアウトにおいても[使用していない項目]の欄から選択して使用できます。また、必要に応じて、数式を編集することが可能です。ただし、Now関数を含む数式項目の自動更新の設定を特定のレイアウトで有効にした場合、該当の数式項目が他のレイアウトで使用されていても、該当の項目の数式を編集することはできなくなります。
  7. 自動更新の設定が有効な数式項目の履歴に関する制限:
    1. 数式項目の自動更新は、データの編集/更新とは識別されません。そのため、数式項目の自動更新が行われても、データの履歴には記録されません。
    2. 手動または自動でデータが変更された場合に数式項目の自動更新が行われ、数式項目の出力値が更新された場合、データの履歴には更新後の値が記録されます。数式項目の更新前の値は表示されません。
      数式項目の出力値が「5」であり、データの編集によって数式項目の出力値が「7」に更新されたとします。この場合、データの履歴には数式項目の値が「7」に更新されたと表示されます。
  8. 検索に関する制限:全体検索を行い、検索対象のデータにおいて数式項目の自動更新の設定が有効になっている場合、以下の制限が適用されます。
    1. 検索結果に表示される数式項目の値は、最後に自動更新が行われた際の出力値です(検索時点での最新の出力値ではありません)。
    2. 全体検索の検索結果の一覧には、タブごとにデータが分類されて表示されます。必要に応じて、検索結果に表示するデータの列のラベルを管理できます。ただし、自動更新の設定が有効な数式項目については、列のラベルを管理することはできません。
  9. 承認プロセスに関する制限:
    自動更新の設定が有効な数式項目を条件として承認プロセスが作成されている場合でも、この条件を満たすデータにも通常通り承認プロセスが適用され、該当のデータは[処理待ち]タブに移動されます。しかし、数式項目でNow関数を通じて現在日時をもとに値の算出処理を行っている場合、[処理待ち]タブでデータを表示した際に、該当のデータ内の数式項目の値が自動更新され、出力値が変わってしまう可能性があります。その結果、承認プロセスの適用時の条件の値(過去の数式項目の出力値)と[処理待ち]タブでデータを表示した際の値(最新の数式項目の出力値)が異なるため、承認プロセスの適用処理が正しく行われていない状態が生じる場合があります。
  10. ワークフロールールに関する制限:
    1. ワークフロールールの実行タイミングの基準として日付/日時の項目を選択する際に、自動更新が有効な数式項目は選択できません(選択肢には表示されません)。
    2. ワークフロールールの実行タイミングの基準として項目の更新時を指定する場合も同様です。また、いずれかの項目の値が更新されたときに処理を実行するよう指定している場合でも、自動更新が有効な数式項目の値が更新されても処理は実行されません。
    3. ワークフローの実行有無の判断においては、自動更新が有効な数式項目の値が更新されても、データ全体が更新されたものとは見なされません。
    4. 上記の内容は、ワークフロー以外の自動化処理にも共通です。自動更新が有効な数式項目の値が更新されても、自動化処理実行されません。ただし、ワークフローの実行条件の設定の中で自動更新が有効な数式項目が使用されている場合は、該当のワークフローによる処理は実行されます。
  11. データ一覧と詳細フィルターに関する制限:自動更新が有効な数式項目は、データの一覧表示においてデータを抽出するための条件では使用できません。
    1. 自動更新が有効な数式項目が詳細フィルターで使用されている場合、フィルターを適用した後の結果は表示されますが、フィルター条件を保存することはできません。
    2. 自動更新が有効な数式項目を、ウィザードのクエリーの要素として使用することはできません。
    3. データ一覧とクエリーの要素で使用されている数式項目に関して、自動更新の設定を有効にすると、データ一覧とクエリーの要素の設定から該当の数式項目が除外されます。
  12. 自動更新が有効な数式項目において、NewDate関数を使用することはできません。
  13. 自動更新が有効な数式項目において、複数行テキスト、ルックアップ、選択リストの種類の項目を使用することはできません。
  14. 自動更新が有効な数式項目において、ルックアップ項目を使用して参照関係を設定することはできません。
  15. 自動更新が有効な数式項目は、一覧表示の列として使用することができます。一覧表示には、更新後の値のみが表示されます。
  16. ZiaABM for Zoho CRMの機能において、自動更新が有効な数式項目を使用することはできません。
  17. レポートやアナリティクス(ダッシュボード)上のデータは、1日に1回更新されます。自動更新が有効な数式項目が使用されている場合、数式項目の出力値が更新されるタイミングとレポートや分析情報が更新されるタイミングが異なるため、表示されるレポートや分析情報の値が実際の値と異なる場合があります。そのため、レポートや分析情報を確認する際には、再読み込みしてから確認することをお勧めします。
  18. 値の暗号化が有効な数式項目において、自動更新の設定を有効にすることはできません。また、自動更新の設定が有効になっている項目の値を暗号化することもできません。
  19. 集計対象の数式項目において、自動更新の設定を有効にすることはできません。
  20. 以下の機能の条件において使用できる、自動更新が有効な数式項目の数は2件までです。
    1. データ共有ルール
    2. スコアリングルール
    3. ルックアップ項目用のフィルター
    4. モチベーター
    5. CPQ(商品設定と価格ルール)
    6. 詳細フィルター
    7. データのロックに関するルールのフィルター
    8. レポート
    9. アナリティクス(ダッシュボード)
    10. テリトリー
    11. 一括処理
    12. 検索と統合
  21. 以下の関数には対応していません。
    ToNumber
    NewDate
    Max
    Dayofweek
    Min
    And
    Base10log
    Dayofyear
    Naturallog 
    CaseInsensitiveEquals
    Find
    IsPositive
    Contains
    IsNegative
    Startswith
    DateBetween
    Endswith
    Timestamp
    Substring
    FromTimestamp
    Replace
    ToString
    Or


たとえば、顧客の年齢層に応じて異なる料金でサービスを提供しているとします。具体的には、利用者が18歳になると、子ども向けの料金から大人向けの料金に切り替わるとします。

そこで、年齢確認をすばやく行えるように、利用者の年齢を出力する数式項目を作成することにしました。この場合、数式項目の構文を「DateBetween(${Applicants.D.O.B},Now(),'years')」と設定することで、利用者の年齢を出力することができます。たとえば、利用者の年齢が9歳の場合、この数式の出力値には「9」と表示されます。



なお、一定の条件を満たした場合に数式項目の自動更新を停止するように、条件を指定することもできます。この設定を有効にすると、条件の入力欄が表示されます。入力した条件が満たされると、数式項目の自動更新が停止します。停止後には、最後に出力された値が固定されて表示されます。

 

たとえば、見込み客によるソフトウェアの試用版の利用日数を計算する数式項目があるとします。利用日数を計算するにあたって、試用版の利用が終了したと識別するための条件が必要です(例:ソフトウェアの購入)。この条件が満たされると、数式項目の自動更新が停止し、ソフトウェアの試用版の利用日数が出力されます。以下の画像は、数式項目の自動更新を停止する条件の例です。

上記の例では、ソフトウェアの購入日の値が入力されると、数式項目の自動更新が停止します。
 
異なる例を挙げてさらに説明します。

商談の完了までの期間は、商談の受注率に影響を与える重要なデータのひとつです。完了までの日数が少ないほど、商談を受注する確率は高くなる傾向にあります。以下では、商談の完了までの期間を出力する数式項目の設定方法について紹介します。
この設定方法では、商談を受注するまで数式項目の自動更新を行い、商談の受注後に数式項目の自動更新を停止します。
上記の画像は、商談の完了までの期間を出力する数式項目の設定例です。この数式項目では自動更新の設定が有効になっていて、データが表示されるたびに最新の値が出力されます。また、商談の確度が100%に達した際に、数式項目の自動更新が停止するように設定されています。これにより、商談の完了までの期間が出力されます。

真偽値型の数式項目の作成

次の表は、真偽値関数に必要な引数の種類と、作成する必要がある構文の種類を理解するのに役立ちます。

関数
詳細
使用法

If
与えられた論理条件の値によって、2つの値のいずれかを返します。真偽値テストの結果がtrueである場合、If()はtrue(第2引数)の値を返し、結果がfalseの場合はfalse(第3引数)の値を返します。
If(真偽値,汎用, 汎用)*
If(8>7,1,0)は"1.0"を返します。
If(8>7,'True','False')は"True"を返します。
And
すべての式がtrueである場合、trueを返します。式の1つでもfalseがある場合、falseの値を返します。
And(真偽値,真偽値 ...)
And(2>1,5>3,7<8)は"true"を返します。
And(2>1,5>3,7>8)は"false"を返します。
Or
式の1つでもtrueがある場合、trueを返します。すべての式がfalseの場合、falseを返します。
Or(真偽値,...)
Or(2>1,3>5,7>8)は"true"を返します。
Or(1>2,3>5,7>8)は"false"を返します。
Not
与えられた式の論理否定値を返します(式がtrueの場合は、falseを返します)。
Not(真偽値)
Not(false)は"true"を返します。
Not(true)は"false"を返します。 
Info
* 汎用は、数字、文字列、日時(通常の日付を含む)、真偽値などの任意のデータ型を意味します。戻り値の型は、選択したデータ型によって決まります。たとえば、汎用データ型が数値である場合、戻り値の型は、文字列や真偽値ではなく数値になります。
Notes
文字列 データ型の値は、If()、Or()、And()、 Not()のライブラリー関数内で、「 ==」と「!=」の演算子と一緒に使用できます。
例:If ('abc' == 'abc', ${returnValue1}, ${returnvalue2})

真偽値型の数式項目を作成するには

  1. 管理者権限でZoho CRMにログインします。
  2. [設定][カスタマイズ][タブと項目] の順に移動します。
    タブとは、[見込み客]、[取引先]、[連絡先]などのタブを指します。
  3. 必要なタブをクリックします。
    レイアウトエディターが開きます。
  4. 数式 項目を、[新しい項目]トレイから右側の必要なタブセクションに、ドラッグ&ドロップします。

  5. [数式のプロパティ] ウィンドウで、次の手順を実行します:
    • [項目のラベル] 項目に項目の名前を入力します。
    • ドロップダウンリストから、 [出力値の種類] として [真偽値] を選択します。 

    数式の作成
  6. [関数を選択] で、ドロップダウンリストから [条件式の関数] を選択します。
  7. [条件式の関数] のリストから関数を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する関数をダブルクリックします)
  8. 数式表現で、引数を挿入する括弧の間をクリックします。
  9. [項目を選択] 列で項目を選択し、 [挿入する] をクリックします。
    (あるいは、挿入する項目をダブルクリックします)
  10. [演算子を選択] 列で演算子を選択し、 [挿入する] をクリックします。
  11. [構文をチェックする] をクリックして、数式の構造をチェックします。
  12. [完了する] をクリックします。

数式構文参照

次の表は、使用できる引数とともに数式を作成する際の実用的な参照を示しています。

数値関数

関数名
引数の必要数
引数のデータ型
戻り値の型
Abs
1
数字
数字
Ceil
1
数字
数字
Floor
1
数字
数字
Naturallog
1
数字
数字
Base10log
1
数字
数字
Max
複数
すべての数字
数字
Min
複数
すべての数字
数字
Sqrt
1
数字
数字

文字列関数

関数名
引数の必要数
引数のデータ型
戻り値の型
Len
1
文字列
数字
Find
3
文字列:文字列:数字
数字
Concat
複数
すべての文字列
文字列
Contains
2
文字列:文字列
真偽値
Startswith
2
文字列:文字列
真偽値
Endswith
2
文字列:文字列
真偽値
Lower
1
文字列
文字列
Upper
1
文字列
文字列
Trim
1
文字列
文字列
Substring
3
文字列:数字:数字
文字列
Replace
3
文字列:文字列:文字列
文字列
Tostring
1
任意のデータ型
文字列

日時関数

関数名
引数の必要数
引数のデータ型
戻り値の型
Newdate
6
数字:数字:数字:数字:数字:文字列
日時
Datepart
1
日時
文字列
Timepart
1
日時
文字列
Adddate
3
日時:数字:文字列
日時
Subdate
3
日時:数字:文字列
日時
Now
0
-
日時
Datecomp
2
日時:日時
数字
Dayofmonth
1
日時
数字
Hour
1
日時
数字
Minute
1
日時
数字
Month
1
日時
数字
Year
1
日時
数字
Weekday
1
日時
数字

真偽値関数

関数名
引数の必要数
引数のデータ型
戻り値の型
If
3
真偽値:汎用:汎用
汎用
And
複数
すべての真偽値
真偽値
Or
複数
すべての真偽値
真偽値
Not
1
真偽値
真偽値 
Notes
メモ 
  • 文字列定数は、一重引用符で囲む必要があります。
  • 汎用は、数字、テキスト、日時(通常の日付を含む)、真偽値などの任意のデータ型を意味します。 
Info

未入力の項目の値の計算

注:この機能は、段階的にリリースされています。今後、すべてのユーザーのアカウントで利用可能になる予定です。

数式項目の設定画面では、数式内の未入力の項目の値をどのように処理するかを選択できます。
具体的には、[未入力の項目の値の設定]の欄で、以下のいずれかの設定を選択できます。
  1. 未入力の項目の値を空白とみなす
  2. 未入力の項目の値に関して、整数/小数の場合は「0」、文字列の場合は「」(文字なし)とみなす
初期設定では、[未入力の項目の値を空白とみなす]設定が選択されます。

例:
  1. 数式項目[賃料]を作成する
  2. 数式:${区画数}*${月額料金}*${期間(月)}
  3. [区画数][月額料金][期間(月)]の各項目の値が参照され、計算結果が出力される
  4. [期間(月)]の項目の値が未入力である
a) 数式項目[賃料]で、未入力の項目の値を空白とみなす設定が選択されている場合:
[期間(月)]の項目の値は空白とみなされ、数式の計算結果は出力されません([賃料]の項目は、空白/空となります)。

b) 数式項目[賃料]で、未入力の項目の値に関して、整数/小数の場合は「0」、文字列の場合は「」(文字なし)とみなす設定が選択されている場合:
[期間(月)]の項目の値は「0」とみなされ、これに基づいて計算結果が出力されます([賃料]の項目の値は「0」となります)。



既存の数式を使用した新しい数式の作成

新しい数式を作成するにあたって、既存の数式を使用することもできます。

 

たとえば、1週間に商品の在庫を補充する頻度を把握したいとします。
 
この場合の数式は、以下の画像のとおりです。

在庫の回転率を計算するにあたって、平均在庫量を出力する以下の既存の数式を使用することができます。
平均在庫量=(期首在庫量+期末在庫量)÷2
 
以下の画像は、既存の数式を使用して新しい数式を作成する別の例です。
1件のキャンペーンから獲得した顧客数の合計の計算(キャンペーンから獲得した見込み客の変換率を出力する既存の数式を使用)。
利益の計算(売上を出力する既存の数式を使用)。

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