Zoho CRMには、レイアウト内で表示する内容をカスタマイズするための機能が数多く用意されています。条件付きレイアウト(レイアウトルール)を利用すると、条件に一致した場合にのみ指定した項目がレイアウト内に表示されるように設定できます。会社内に複数の部署がある場合、会社の要件に合わせて部署ごとに表示されるレイアウト内の項目を設定、管理することが可能です。また、不要な項目が表示されないようにレイアウト内の項目を整理するのにも役立ちます。以下の例は、条件付きレイアウト(レイアウトルール)が役立つ場合の例です:
- 不動産を販売する会社があるとします。会社でCRMを利用しており、営業担当者は顧客や見込み客の情報を、物件担当者は住宅や商業施設などの各種物件に関する情報をそれぞれ管理しています。営業担当者が商業施設の購入を検討している見込み客のデータを入力しようとすると、入力する必要のない住宅物件に関する項目もレイアウト内に表示されてしまいます。
- 大学進学希望者向けの予備校を経営する会社があるとします。会社では生徒の情報をCRMで管理していますが、講師が理系の大学進学を希望する生徒の情報を入力しようとすると、文系や美術系の大学情報の入力項目もレイアウト内に表示されてしまいます。
会社にとって、顧客の情報は必要不可欠です。しかし、上記の例のように、会社全体で必要なすべての項目をレイアウト内に表示すると、かえって煩雑になることもあります。
条件付きレイアウト(レイアウトルール)の概要
条件付きレイアウト(レイアウトルール)は、上記の例のような煩雑なレイアウトを整理し、必要な項目のみを表示するための機能です。レイアウトルールを作成することで、要件に合わせて表示する項目を管理することができます。たとえば、上記の例の不動産業の会社の場合、営業担当者が見込み客のデータを入力する際に、見込み客の基本情報と見込み客が検討している不動産の種類の項目のみを表示させることができます。また、予備校を経営する会社の場合、理系の大学進学を希望する生徒の情報を入力する際に、文系や美術系の大学情報の入力項目を表示しないようにすることが可能です。
条件付きレイアウト(レイアウトルール)は、入力不要な項目を削除したり、常に非表示に設定したりするための機能ではありません。特定の項目が入力されたときに、入力値に応じて、関連する項目を表示したり隠したりするための機能です。上記の例の場合、条件付きレイアウト(レイアウトルール)を作成すると、営業担当者が[不動産の種類]の項目で[商業施設]と選択した際に、商業施設に関する入力項目のみが表示されるように設定できます。また、講師が[文理種別]の項目で[理系]と選択した際に、文系や美術系の大学情報の項目が表示されないようにすることが可能です。
このように、条件付きレイアウト(レイアウトルール)では入力された項目の値に基づいてレイアウトを動的に表示させることができます。特定の項目で入力された値に基づいて、レイアウトの表示内容を変更することが可能です。
以下のスクリーンショットは、例に挙げた不動産業の会社と予備校経営の会社で条件付きレイアウト(レイアウトルール)を適用する前と適用した後のレイアウトです:
- 不動産業の会社:
A)条件付きレイアウト(レイアウトルール)の適用前
B)条件付きレイアウト(レイアウトルール)の適用後
- 予備校経営の会社:
A)条件付きレイアウト(レイアウトルール)の適用前
B)条件付きレイアウト(レイアウトルール)の適用後
スクリーンショットのとおり、条件付きレイアウト(レイアウトルール)を適用することで、会社の要件に合わせてレイアウトを整理することができます。
条件付きレイアウト(レイアウトルール)のメリット
条件付きレイアウト(レイアウトルール)の主なメリットは、以下のとおりです:
- 項目の入力値に応じた関連項目の表示/非表示:レイアウト内の項目に入力された値に応じて、関連する項目を表示したり、隠したりできます。必要な入力項目のみを表示することが可能です。
- 関連項目の必須化:指定した特定の項目に入力された値に基づいて、その項目に関連する項目を必須に設定できます。
以下では、条件付きレイアウト(レイアウトルール)の必須項目の設定に関する例を説明します。
Zylker大学では、学生の情報をCRMで管理しています。学生の情報を入力する画面のレイアウト内に、学生寮の利用条件を入力するセクションがあります。このセクションには、食品アレルギー、その他のアレルギー、障害の有無などの健康状態に関する項目が含まれています。条件付きレイアウト(レイアウトルール)を作成すると、[アレルギーの有無]の項目で[はい]と選択した場合に[アレルギーの種類]の項目を必須項目に設定することができます。
- 条件付きレイアウト(レイアウトルール)の適用前
- 条件付きレイアウト(レイアウトルール)の適用後
条件付きレイアウト(レイアウトルール)の利用例
条件付きレイアウト(レイアウトルール)の利用例について、もう少し詳しく説明します。
Zylker保険社では、自家用車や商用車などの自動車用の保険商品を取り扱っています。
自家用車と商用車の保険では、必要となる情報が異なります。それぞれの保険に必要な情報の入力項目を1件の契約申込書の入力画面にすべて含めると、入力が必要な項目がわかりにくくなり、煩雑になってしまいます。つまり、自家用車用の保険を申し込む顧客に関する情報を入力する際に、商用車に関する詳細情報まで入力が必要になってしまいます。以下の表は、商用車にのみ必要で、自家用車には不要な項目の例です:
項目
| 自家用車
| 商用車
|
|
自動車の使用目的 | ✘ | ✔ |
通常運搬する物品の種類 | ✘ | ✔ |
許可の種類(物品運搬車両) | ✘ | ✔ |
許可の種類(乗客運搬車両) | ✘ | ✔ |
危険物質の詳細 | ✘ | ✔ |
自家用車用の保険契約の情報を入力しようとした場合、上記の項目のセクション全体が不要になってしまいます。その結果、どの項目に入力する必要があるのかわかりにくくなり、煩わしく感じられてしまう恐れがあります。
このような場合に役立つのが、条件付きレイアウト(レイアウトルール)です。条件付きレイアウト(レイアウトルール)を利用することで、[保険対象]の項目で[商用車]が選択された場合にのみ商用車の入力項目を表示し、それ以外の場合は非表示になるように、動的な設定が可能です。これにより、情報入力をよりスムーズにできます。
条件付きレイアウト(レイアウトルール)の作成方法については、
こちらのページをご参照ください。