かんばん表示では、データをかんばん(カード)形式で整理して見やすく表示できます。これにより、データの概要や進捗状況を簡単に確認できます。たとえば、見込み客をステータスごとに分けて表示したり、商談をステージごとに分けて表示したりできます。どこにボトルネックがあるのかを、視覚的に把握するのにも役立ちます。
次の例では、見込み客のデータが現在のステータスに基づいて分類され、売上見込み金額とともに表示されています。一覧表示(ビュー)とかんばん表示の2つの表示方法を比較して見てみましょう。
一覧表示(ビュー)では、すべてのデータが同じ一覧に表示されています。かんばん表示では、見込み客のステータスごとにデータが分類されて表示されています。また、売上見込み金額も、ステータスごとに合計金額が集計されています。このように、かんばん表示では、CRMの情報を分類してひと目でわかりやすく表示できるため、分類ごとの集計情報や問題点を簡単に把握できます。Zoho CRMのかんばん表示には、標準とカスタムの2種類があります。
メモ:以下のタブでは、標準のかんばん表示をカスタマイズしたり、カスタムかんばん表示(独自のかんばん表示)を作成したりすることはできません。
- タスク
- 通話
- 予定
- ソーシャル
- 訪問
A)標準:[タスク]、[通話]、[予定]、[ソーシャル]、[訪問]、[商談]、[セールスインボックス]のタブには、標準のかんばん表示が用意されています。Zoho CRMのすべてのプランで利用できます。上記のタブ([商談]タブを除く)では、標準のかんばん表示の列をカスタマイズできません。たとえば、[タスク]、[通話]、[予定](活動)タブのかんばん表示では、データが[顧客]、[未完了商談]、[見込み客/連絡先]、[その他]の4つの列に分類され、これらの列をカスタマイズすることはできません。
B)カスタム:独自のかんばん表示を作成できます。カスタムかんばん表示は、[タスク]、[通話]、[予定]、[ソーシャル]、[訪問]を除くすべてのタブで作成できます。かんばん表示を作成するには、次の詳細情報を入力する必要があります:
- かんばん表示名:作成するかんばん表示の名前を自由に入力できます(例:見込み客のステータス別表示)。
- 分類基準:データを分類する基準となる項目を選択します(例:見込み客のステータス)。
- 集計基準:値の集計に使用する通貨項目を選択します(例:売上の期待値、コンバージョン費用、クリック単価)。分類ごとの合計値が表示されます。
- 項目の選択:各データに関して表示する項目を選択します。
- 見出しのスタイル:見出しの色を[モノクロ]または[複数の色]から選択します。
タブ内では、複数のかんばん表示を作成できます(作成できるかんばん表示の件数は、利用中のプランによって異なります)。
作成時に[分類基準]として指定した選択リスト項目の値に応じて、かんばんの各列にデータが分類されて表示されます。複数のかんばん表示を作成することにより、複数の切り口でデータを分類して表示することが可能です。
たとえば、あるイベント会社では、[イベント]タブのかんばん表示として、[広告宣伝]、[運営管理]、[会場手配]の3つを作成しました。各かんばん表示では、以下の各列にデータが分類されて表示されます。
広告宣伝:イベント用Webサイト、Facebookページのイベント、ソーシャルメディアのグループ、インフルエンサーマーケティング、ランディングページ
運営管理:会場、搬出入、備品管理、参加者の交通手段、予算
会場手配:イベントの要件、イベントの予算、参加者数、場所、会場候補
また、[商談]タブでは、たとえば、以下の各項目を分類基準とするかんばん表示を作成できます。
事業規模:大企業、中小企業
かんばん表示の作成
かんばん表示を作成することで、CRMの情報を分類してひと目でわかりやすく表示できます。かんばん表示は、さまざまなタブで作成できます。
かんばん表示を作成するには
- Zoho CRMにログインし、対象のタブに移動します。
-
タブの一覧表示画面の右上にある、表示切り替えのアイコンをクリックし、一覧からかんばん表示アイコンを選択します。
- 画面右上にある歯車アイコンをクリックし、表示された[かんばん表示の設定]画面で、次の詳細情報を入力します:
a)[かんばん表示名]
b)[分類基準]
c)[集計基準]
d)[項目を選択]
- [保存する]をクリックします。
かんばん表示の管理
かんばん表示の選択リストで[かんばん表示の管理]をクリックすると、かんばん表示の管理画面が開きます。かんばん表示の管理画面では、必要に応じて、かんばん表示を編集/削除したり、並べ替えたりすることができます。かんばん表示を編集/削除するには、対象のかんばん表示の欄で[…](その他のメニュー)アイコンをクリックし、[編集する]/[削除する]を選択します。かんばん表示を並べ替えるには、対象のかんばん表示の欄にカーソルを重ねて、並べ替えアイコンをドラッグ&ドロップします。
なお、かんばん表示の並べ替えは、操作を行ったユーザーの画面にのみ反映されます。たとえば、かんばん表示「1」、「2」、「3」があり、ユーザーAが「3」→「2」→「1」の表示順に並べ替えた場合でも、ユーザーBの画面には反映されません。ユーザーBは、ユーザーAとは異なり、「2」→「1」→「3」などの表示順に並べ替えることが可能です。
また、かんばん表示の管理画面では、かんばん表示の作成者、共有先、最終更新者、最終更新日時を確認できます。
なお、かんばん表示を作成/編集/削除するには、[一覧の管理]の権限が必要です。Zoho CRMの組織の管理者は、権限設定の画面から、権限の設定を変更できます。
かんばん表示の設定の編集
タブにかんばん表示を作成した後、要件に応じて、設定を編集できます。
かんばん表示の設定を編集するには
- タブの一覧表示画面の右上にある、歯車アイコン(かんばん表示の設定)をクリックします。
- 表示された編集画面で、設定の詳細を編集します。
- [保存する]をクリックします。
かんばん表示の管理
かんばん表示では、データを分類/整理して表示できるだけでなく、データに対して操作や処理を実行することも可能です。それぞれについて見てみましょう:
- ドラッグ&ドロップ操作:要件に応じて、データをある項目から別の項目に、ドラッグ&ドロップ操作で移動できます。たとえば、[連絡済み(不在)]の列に表示されている見込み客に連絡したところ、直近では商談化の可能性がないことがわかりました。ただし、今後の参照用に該当の見込み客を別のステータスに移して残しておきたいとします。その場合、データを編集してステータスを変更する代わりに、データを希望する列にドラッグ&ドロップで移動するだけで、ステータスを自動的に変更できます。また、各列の集計値も自動的に更新されます。
- 列を隠す/表示する:かんばん表示の各列で、隠すアイコンをクリックすると、対象の列を折り畳んで、データの詳細を非表示にできます。また、列が折り畳まれた状態で、表示アイコンをクリックすると、対象の列をすべて表示して、データの詳細を表示できます。なお、隠した状態の列に対しても、別の列からデータ(カード)をドラッグ&ドロップすることが可能です。
また、各列の下部にカーソルを重ねると、データを作成するためのリンクが表示されます。このリンクをクリックすると、新しいデータを作成して、対象の列に追加できます。
この際、データの作成画面には、対象のかんばん表示のレイアウトが適用されます。また、かんばん表示の分類基準となっている選択リスト項目には、リンクをクリックした列に基づいて値が自動で入力されます。
かんばん表示の作成/編集画面では、かんばん表示を共有する対象として、以下のいずれかを選択できます。
* [自分のみ]
* [すべてのユーザー]
* [特定のユーザー]
メモ:組織でテリトリー管理が有効になっている場合、テリトリーの選択リストで、自分のテリトリーやその下位のテリトリーを選択し、表示するデータを絞り込むことが可能です。
かんばん表示の[分類基準]としては、選択肢が76個以上の選択リスト項目を指定することも可能です。ただし、最初の75個の選択肢のみに基づいて、データが分類されます。
- 一括操作:対象のデータを選択して、メールの一括送信、タスクの作成などを実行できます。また、[処理]アイコンをクリックすると、その他の操作メニューも表示されます。担当者の一括変更、項目の一括更新、見込み客の一括変換、データの一括削除などの操作を実行することも可能です。
- レイアウトの選択:表示に使用するレイアウトをリストから選択して、変更できます。
- データの並べ替え:一覧から並べ替え条件(会社、姓、名、見込み客の担当者など)と表示順(昇順、降順)を選択することで、選択した条件に基づいて、データを並べ替えることが可能です。
-
商談のステージの選択:
商談タブにおいて[分類基準]が[ステージ]であるかんばん表示では、ステージの選択リストが表示されます。この選択リストでステージを選択すると、特定のステージに該当するデータのみを絞り込んで表示できます。
メモ:レイアウトやステージの選択内容は、対象のユーザーが次回かんばん表示にアクセスした際にも反映されます。ステージの選択リストは、商談タブにおいて[分類基準]が[ステージ]であるかんばん表示にのみ表示されます。