「パイプライン」は、営業プロセスの段階別に商談を管理する考え方です。プロセス全体、またはプロセス上で進行中の商談を意味することもあります。
Zoho CRMでは、商談の開始から終了までのプロセスを、いくつかの段階(ステージ)に区切って管理できます。通常設定できるプロセスは1件のみですが、パイプライン機能を利用すると、製品や事業などに応じて異なるプロセスを複数設定することが可能です。
Zoho CRMの[商談]タブの[ステージ]の項目には、一般的によく使われる値があらかじめ用意されています(条件確認、提案、受注など)。組織の営業プロセスにあわせて、独自のステージを追加することもできます。ステージを適切に設定することによって、営業担当者にとって、以下のようなメリットが生まれます。
例:ある自動車の販売代理店では、中古車の再販、新車の販売、自動車サービスの提供といった、3つの営業プロセスがあります。3つの営業プロセス間で、共通のステージもありますが、違うステージもあります。各営業プロセスにおける商談のステージは、次の通りです:
新車
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中古車
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サービス
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要件の確認
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在庫があるモデルの提示
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依頼内容の確認
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試乗と車選び
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試乗と車選び
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修理中
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価格の見積もり
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価格の見積もり
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検査と試乗
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交渉
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交渉
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請求書の作成
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受注/失注
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受注/失注
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サービス完了
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営業プロセスがそれぞれ異なるため、すべての商談に対して同じパイプラインを適用しようとすると、商談の進捗がよく分からなくなってしまいます。このため、上記の例で、商談の進捗を正確に把握するには、営業プロセスに応じたパイプラインを複数設定する必要があります。
いずれかのレイアウトに複数のパイプラインを作成した場合、あるパイプラインから別のパイプラインへ、データを移動できます。また、一括更新機能を使用して、一度に複数のデータを移動することも可能です。
パイプラインを作成するには:
営業プロセスに変更があった場合には、パイプラインのステージを追加/変更/削除することで、その変更内容をシステムに反映できます。パイプラインからステージを削除しても、Zoho CRMのシステム全体からは削除されません。ステージの作成画面には、引き続き表示されます。
ステージを変更するには:
パイプラインは、レイアウトをもとにした設定です。また、パイプラインのステージは、該当のパイプライン専用の設定です。このため、レイアウト、パイプライン、ステージの値を更新する際、不整合が発生しないように処理する必要があります。一括更新時に、次の順番で、データの不一致について検証されます:レイアウト→パイプライン→ステージ([レイアウト]、[パイプライン]、[ステージ]の順で一括更新できます)。
パイプラインはレイアウトに関連付けられています。このため、[パイプライン]項目の値を一括更新する際、変更後のレイアウトにデータが適切に関連付けられているかどうかが検証されます。例:2つのレイアウト「販売」と「サービス」があり、それぞれに2つのパイプラインが設定されているとします。データの一覧から複数の商談を選択して、「販売」レイアウトに関連付けられているパイプラインへの一括更新の処理を行った場合、実際には、「販売」レイアウトにすでに関連付けられている商談のみが更新されます。「サービス」レイアウトに関連付けられている商談はスキップされます。
[ステージ]項目は、ブループリントでよく使用されます。基本的に、ブループリントはレイアウトごとに作成しますが、レイアウトにパイプラインを設定している場合、ブループリントはパイプラインごとに作成します。[ステージ]項目に基づくブループリントを作成する場合、[ステージ]項目が関連付けられているパイプラインを選択するよう求められます。ブループリントの作成には、[ステージ]項目のすべての選択肢が使用されます。
かんばん表示では、レイアウトとパイプラインに基づいて、商談を抽出できます。
パイプラインを削除するには:
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