入力規則は、データを手動で作成する際に有効です。ただし、入力規則で使用中の項目(基準項目およびサブ項目)に対して、自動処理(ワークフローやAPIなど)で項目を更新するように設定されている場合、入力規則の設定に関わらず、項目の更新が実行されます。
以下の具体例で詳しく見てみましょう。
[商談]タブに、次のような入力規則を設定したとします。
<<[割引]項目が「20%」を超える場合に、アラート「この割引は20%を超えているため適用できません。」を表示する>>
この入力規則は、20%を超える割引を適用した商談が、CRMに手動で作成されないようにするために効果的です。ただし、基準項目である[割引]が、下記のいずれかの処理によって更新される場合、入力規則の設定に関わらず、項目の更新が実行されます。
具体的には、ワークフローによって[割引]項目を「25%」に更新するように設定している場合、入力規則による制限を受けずに実行されます。その結果、入力規則では「20%」を超える値にはアラートを表示して制限しているにもかかわらず、ワークフローの自動処理によって「25%」の値が許容されてしまいます。このため、自動処理や一括処理の設定には注意が必要です。
次の方法による項目の更新は、入力規則よりも優先して実行されます。
項目の更新方法 | 詳細 |
インポート | 新しいデータのインポート、または既存のデータの上書きによる更新 |
ワークフロールール | ワークフローの自動処理による更新 |
承認プロセス | データの承認時または却下時の更新 |
ブループリント | 遷移後の処理による更新 たとえば、同じ項目に対して、入力規則だけでなくブループリントによる検証も作成し、2つの条件が異なっている場合には、ブループリントによる検証が入力規則よりも優先されます。 つまり、該当のデータに対してブループリントが適用中である限り、ブループリントによる検証が優先して適用されます。ブループリントの適用が終了すると、入力規則が有効になります。 |
API | updateRecordsメソッドによる更新 |
一括更新 | 入力規則で使用中の基準項目は、一括更新できません。 |
こちらは重要な留意事項ですので、必ずご確認ください。入力規則で使用中のサブ項目を、ワークフロー、一括更新、API、インポートによって更新する場合、ルールの条件に関係なく、サブ項目の値は更新されます。その結果、入力規則では制限されている値を含むデータが許容される可能性があります。
地域に応じた割引を定義するために、入力規則を設定したとします。
この場合、[割引]が基準項目であり、[地域]がサブ項目です。
[割引]は一括更新には表示されない場合もありますが、[地域]は表示されます。一括更新機能を使用して、すべての[地域]を「日本」に更新する場合、入力規則で上記のルールを設定していても各商談データでは[割引]項目の既存の値が保持されるため、入力規則で制限されている値を含むデータがCRMに登録される可能性があります。
Zoho CRMでは現在のところ、入力規則で使用中のサブ項目に対して、項目の更新が制限されません。自動処理や一括処理を使用して項目を更新する前に、対象の項目が入力規則で使用されていないことを必ずご確認ください。
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