Zoho CRMのデータ移行ツールを使用すると、外部システムからZoho CRMにデータを効率的に移行できます。外部システムから取得したファイルのデータを、一括でインポートできます。どのファイルのどの列のデータを、Zoho CRMのどのタブのどの項目にインポートするか、関連付けることが可能です。また、外部システムからのデータの内容によって、インポート先のタブがZoho CRMにない場合、新しいタブを作成して該当のデータをインポートすることもできます。なお、タブとファイルの関連付けの設定画面では、[関連付けたファイル]、[関連付けていないファイル]、[使用できないファイル]のそれぞれのファイル数を確認できます。どのファイルのデータがインポートされるかを把握することが可能です。
Zoho CRMへの移行に関するご不明点は、migration@zohocrm.comにお問い合わせください。
利用条件
必要な権限
データの移行権限のあるユーザーのみが、データの移行ツールを利用できます。
データの移行方法
Zoho CRMのデータ移行ツールを使用すると、外部システムからZoho CRMにデータを簡単に移行できます(対象:Salesforce、Microsoft Dynamics、Zoho CRMの他のアカウント、Pipedrive、Highrise、Insightly、Maximizer CRMなど)。

また、APIを使用して、外部システムからデータを移行することも可能です(対象:Bigin、HubSpot、Pipedrive、Highrise、Insightly、Capsule、Bitrix)。これらのシステムの場合、APIキーなどの設定のみで、データを移行できます。

データの移行手順と留意事項
データの移行を開始する前に、以下の手順と条件をご確認ください。
- データのファイルはCSV形式にする必要があります。
- 各ファイルのファイルサイズの上限は5GBです。また、一度に移行可能なファイル数は最大200件、ファイルサイズの合計は最大25GBです。
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ZIPファイルをアップロードすることも可能です。ZIPファイル内は、 CSVファイルのみにする必要があります。(ZIPファイル内にフォルダーがあると、アップロード時にエラーが発生します)。
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ファイル名に基づいて、Zoho CRMの標準タブに該当するデータが自動的に関連付けられます。標準タブに該当しないデータを移行する場合は、カスタムタブを作成しておく必要があります(移行作業中に作成することも可能です)。
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移行作業の途中でも、関連付けが完了していないファイルがある場合、カスタムタブを作成してから、該当のファイルのデータを関連付けることができます。

移行時の確認ポイント
- ファイルの形式:利用可能なファイルの形式は、CSV形式です。
チェックボックス項目:インポートするファイル内のチェックボックス項目の値は、「True」または「False」である必要があります。インポートしたチェックボックス項目の値は、Zoho CRMで次のように変換されます:
- チェックボックス項目が有効である(選択されている)場合:Trueまたは1
- チェックボックス項目が無効である(選択されていない)場合:Falseまたは0
使用できない文字:インポートするファイル内のデータには、次の文字を使用できません:
- 二重引用符(ダブルクォーテーション)「"」:項目の区切り文字として機能するため
- 縦棒「|」
- 山かっこ「<」「>」
- 複数選択リスト項目:インポートファイル内の項目値はセミコロン「;」で区切る必要があります。
タグ:ファイル内のタグはコンマ「,」で区切る必要があります。データに10件を超えるタグがある場合、最初の10件のタグのみ移行されます。また、各タグは最大25文字にする必要があります。
ファイルのアップロード項目、画像のアップロード項目: ファイルのアップロード項目と画像アップロード項目に保存されているファイル、選択リストの値の履歴、複数選択ルックアップ項目、サブフォームは、特定のタブに移行できます。
サブフォーム:各タブのサブフォームのデータは、親タブと一緒に移行できます。たとえば、[受講者]タブに、[受講内容]、[成績]という2件のサブフォームがあるとします。この場合、移行時に、[受講内容]と[成績]に対応するファイルを[受講者]タブと対応するサブフォームに関連付ける必要があります。Zoho CRMのタブとファイルの関連付け画面には、サブフォームの名前とタブ名の組み合わせが表示されます(例:受講内容 - 受講者)。必ず移行前に親タブとサブフォームを関連付けてください。
- 必須項目:インポートするファイル内のデータのうち、Zoho CRMの標準の必須項目に該当する列(項目)にはすべて、値を入力しておく必要があります。たとえば、Zoho CRMの見込み客タブでは[姓]は必須項目です。見込み客のインポート用ファイルの[姓]の列には、値が入力されている必要があります。また、[姓]の列の値が空の場合(入力されていない場合)、何らかの値を入力しておく必要があります(例:「未入力」、「なし」)。また、初期値を設定することも可能です。標準の必須項目に値が入力されていないデータは、インポート時に無視され、Zoho CRMに移行できませんのでご注意ください。なお、インポート時に、必須項目が空の値のデータについて、空の値の代わりの値を手動で入力することも可能です。これにより、ファイルを編集してインポートしなおさなくても、そのまま作業を続けられます。
選択リスト項目:インポートするファイル内の選択リスト(プルダウン/ドロップダウン)項目の選択肢の値が、Zoho CRMの選択リスト項目の選択肢としても設定されている必要があります。
たとえば、[業種]という項目の値をインポートする場合、ファイル内の[業種]に該当するすべての値を、インポート先のZoho CRMの選択リスト項目の選択肢として事前に設定しておく必要があります。設定されていない値がある場合、ファイル内の値とZoho CRMの選択リスト項目の値が、整合するように調整する必要があります(Zoho CRMの選択リスト項目の設定に合わせてインポートするファイル内の値を変更する、またはファイル内の項目値に合わせてZoho CRMの選択リスト項目の設定を変更する)。ただし、Zoho CRMの選択リスト項目の設定にない値でも、ファイルをインポートすると該当の項目に値が登録されますのでご注意ください(選択リストの選択肢の設定には追加されません)。
- ファイル名:インポートするファイルのデータの最初の行(列の見出し)には、項目の値ではなく、項目名を必ず入力してください。列の見出しの項目名は、インポートするデータをZoho CRM内の項目に関連付けるために使用されます。
- インポートするファイル内の空白行:インポートするファイルに11行以上の空白行がある場合、空白行より前の行がファイル内の最終行とみなされます。空白行より後の行は、インポート時に無視され、該当のデータはインポートされませんのでご注意ください。そのため、データ内の不要な空白行は必ず削除してください。
ユーザーのデータ:ユーザーのデータは、必ず最初に移行してください。そのうえで、各種データを移行する際に、データの担当者ID(ユーザーID)の列を、Zoho CRMのデータの担当者ID(ユーザーID)の項目に関連付ける必要があります。たとえば、見込み客データを移行する場合は、ファイル内の見込み客の担当者IDの列を、Zoho CRMの見込み客の担当者IDの項目に関連付けます。
メモ:
- 移行の規模が大きい場合、添付ファイルの容量が大きくなることなどから、移行ファイルのサイズが上限に達する可能性があります。その場合、スキップされた添付ファイルは、[ファイルをさらにアップロードする]をクリックすることによって追加可能です(新しい移行を別途開始する必要はありません)。スキップされた添付ファイルを追加せずに移行を完了したい場合は、[ホーム画面に移動する]をクリックします。
Zoho CRMの各タブの必須の標準項目は、次の表のとおりです。インポート時に、必ず該当の項目を関連付ける必要があります。なお、必須項目であっても、これら以外の項目で、カスタマイズ設定により必須に設定されている場合は、その項目の必須設定は解除できます。その項目のデータを移行しないなどの場合は必要に応じて、設定を変更してからインポートの作業を行ってください。
タブ
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必須項目
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タブ
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必須項目
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タブ
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必須項目
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見込み客
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問い合わせ
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商品
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取引先
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ソリューション
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仕入先
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連絡先
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受注書
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価格表
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商談
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見積書
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請求書
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キャンペーン
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発注書
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通話
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タスク
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予定
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アップサート処理によるデータの追加と更新
移行元のファイルからデータをZoho CRMに移行するにあたって、適切に移行されなかったデータがある場合、アップサート処理を行うことでデータを移行しなおすことができます。
データのインポート処理では、データの追加日時などの一部の日付の情報が反映されない場合があります(例:データの作成日時が、Zoho CRMにデータをインポートした日時になってしまう)。それに対して、アップサート処理では、移行元ファイルのデータの日時に関する情報が保持されます。以前利用していたCRMツールでのデータの作成日時などの日時に関する情報を、Zoho CRMにそのまま移行することが可能です。

データの移行が適切に行われなかった場合に、アップサート処理を通じて行える内容は以下のとおりです。
- 移行に失敗したデータを移行しなおす(日時の情報を含む)
- 移行済みのデータがZoho CMR内で更新されている場合に、元のデータに戻す
上記のいずれかを行うにあたって、アップサート処理の対象となるデータとして未操作のデータ、またはすべてのデータのいずれかを選択する必要があります。
アップサート処理の対象となるデータを選択することで、処理を実行する確認が行われたと見なされます。対象となるデータは、以下の2種類です。
- Zoho CRMにすでに移行済みのデータ
- 移行元のファイルのデータ
アップサート処理の対象となるデータの違いは、以下のとおりです。
- 未操作のデータ:移行後にZoho CRMでデータを変更した場合、この変更内容が最新かつ正確なものと考えられます。アップサート処理の対象として[未操作のデータ]を選択すると、移行後に操作が行われなかったデータのみが更新されます。
- すべてのデータ:アップサート処理の対象として[すべてのデータ]を選択すると、移行後のデータの操作の有無にかかわらず、すべてのデータが移行元のファイルの情報で上書きされます。上書き後、元に戻すことはできませんので十分にご注意ください。
移行元ファイル内にデータのない項目(空の項目)があり、以前このファイルをもとにデータを移行した場合、アップサート処理を行う際にこの空の項目をもとにZoho CRM内のデータを更新するかどうか選択できます。
アップサート処理に対応していないデータ
Zoho CRMでアップサート処理に対応していないデータの種類は、以下のとおりです。
- ユーザー
- 権限
- 役職
- 商談における連絡先の役割
- 招待の対象者
- サービス
- 予約
- メモ
- 選択リストの履歴データ
- 参照関係(例:取引先と商品、連絡先と商品、商談と商品、見込み客と商品、キャンペーンの連絡先、キャンペーンと見込み客)
アップサート処理を行うには
- [設定]→[データ管理]→[インポート]の順に移動します。
- 一覧から移行元のサービスを選択し、アップサート処理を行うファイルをアップロードします。
- アップサート処理のページで、アップサート処理の対象となるデータを選択します。
- ファイル内のデータのない項目をもとにZoho CRM内のデータを更新しない場合は、既存のデータを空の値で更新しないようにチェックボックスにチェックを入れます。
- [保存する]をクリックします。
メモ
アップサート処理を行った後、データを元に戻すことはできません。なお、アップサート処理を通じて新しく追加されたデータについては、元に戻すことができます。ただし、アップサート処理を通じて既存のデータが更新された場合は、元に戻すことはできません。
移行の概要の確認
上記アップサート処理の手順の完了後、項目の関連付けの概要に関する画面が表示されます。こちらでは、ファイル内の項目の関連付けが適切に行われているかどうか確認できます。内容の確認後、移行処理を開始します。
移行処理の完了後、移行の概要の画面が表示されます。Zoho CRMの利用を開始する前に、この概要の内容を詳細に確認することをお勧めします。Zoho CRM内でデータを適切に管理する上で、とても重要ですのでご留意ください。
概要の画面には、対象のタブ名、移行のステータス、追加/更新/スキップされたデータ数、データ数の合計が表示されます。たとえば、項目が関連付けられていないため、スキップされたデータがあるとします。この場合、概要の画面でスキップされたデータ数をクリックすると、該当のデータの一覧を確認することができます。これにより、移行するにあたってデータを効率よく管理することが可能です。

また、Zoho CRMに追加された移行元ファイルは、
インポートの履歴ページで確認できます。
関連情報
データの移行元別の手順: