CRMとは
CRMは、「Customer Relationship Management」の頭文字をとったもので、顧客関係管理という意味です。しかし、CRMという言葉が意味するものは、人や場合によって異なります。ある人にとっては、CRMとは見込み客や既存顧客のニーズを理解し、対応するための戦略のことです。一方、多くの場合、CRMは次のようなことを実現するためのシステムのことです:
- 顧客に関して必要なすべての情報を管理して、顧客の興味や関心をさまざまな視点で把握する。
- 営業とマーケティングのプロセスを管理して、顧客と定期的にやりとりする。
どちらの場合でも、CRMは、企業が顧客との長期的な関係を強化し、構築するのに役立ちます。
CRMが役立つ場面
たとえば、お気に入りのカフェ「ホームメイドサンドイッチ」に出向き、店長に笑顔で迎えられたとしましょう。店長はうなずいて、着席するように合図をし、注文した料理が5分以内に出てくることを知らせます。でも、待ってください。まだ注文していませんよね? 実は、店長はあなたのお気に入りのメニューが豆乳ラテとスパイシーサンドイッチであることを覚えています。あなたは先週も来店したので、店長はそのときの注文内容を覚えているだけだと思うでしょう。しかし、そうではありません。店長は、リピーターに対しては、いつも同じようにもてなします。すごいですね! それぞれの顧客の好みを覚えているのは、大事なことです。でも、それをすぐに思い出せるようにするのは、誰でもすぐにできることではありません。
「ホームメイドサンドイッチ」の店長は、顧客の満足度向上と、顧客との関係構築を重視しています。店長とスタッフにとって、顧客は一番大事であり、顧客と良い関係を構築するために、日々努力を続けています。接客をしながら、すべての顧客の好みの味や調理法、アレルギーなどの注意事項を把握するように努めています。
一方、店長の仕事はこれだけではありません。店長には、食材の仕入れ、毎月の支出、年間の売上や利益などの管理業務もあります。会計処理において重要な情報の見落としがないように、店のすべての売上や在庫を管理して、確認する必要があります。同時に、店のスタッフ全員が業務手順を守って仕事を進められるように指導する必要があります。
そこで、CRMシステムを使用すれば、さまざまな情報や業務を簡単に管理できるようになります。CRMを活用することで、従業員や顧客の情報を一元管理できます。それぞれの顧客の細かな状況をリアルタイムに把握できるようになります。
CRMシステムの利点
CRMシステムを使用すると、次のようなことができます:
顧客データへのスムーズなアクセス:顧客と長期的な関係の構築には、顧客のリクエストに対して迅速に対応し、すぐにサービスや解決策を提供することが重要です。したがってクラウド上のシステムに顧客情報を安全に保存してアクセスできるようにすることで、必要な情報をすぐに参照して顧客対応に活かすことができます。
担当者間、部署間の協力の促進:クラウド上にデータを保存することで、チーム内やチーム間でデータを簡単に共有できます。たとえば、顧客に関してやるべきことをタスクとして登録し、関連する部署やメンバーに割り当てることができます。これによって、各担当者が自分のタスクや活動の目標を明確にできます。同じ顧客に対して対応が重複したり、逆に、誰も対応しないで顧客への営業機会を逃したりすることを防げます。
業務プロセスの明確化と効率化:見込み客の獲得から商談化、商談の継続とフォロー、受注、購入後のサポートまで、顧客に関するすべての業務プロセス(マーケティング、営業、サポート)をまとめて管理できます。
積極的な顧客対応:CRMによって、顧客に関する重要な情報が自動で通知されます。通知を参考にして、先回りして顧客に対応することが可能です。また、顧客の好みや要件を分析し、顧客対応の強化につなげるための戦略を検討することもできます。顧客対応を強化することで、顧客の維持率の向上や、解約率の低減につなげることが可能です。
効果的な意思決定:営業担当者がニーズを理解してサービスや解決策を迅速に提供してくれた時に、顧客は自分が大事にされていると感じます。CRMを使用すると、顧客との過去のやりとりやデータから、適切な対応の手がかりを得やすくなります。顧客が何を必要としているかを分析して対応方針を決定することで、より効果的に顧客に対応できます。
Zoho CRMの主な機能
組織にCRMを導入したら、組織の要件に合わせて設定を変更するのが理想的です。Zoho CRMは、ニーズに合わせて柔軟に設定をカスタマイズできる機能を備えています。それぞれの組織の要件やプロセスに合わせて、独自の設定を行うことが可能です。
営業担当者にとっては、毎朝、業務時間が開始したらノートPCを起動して、すぐに定常業務をこなせるのが理想的でしょう。CRMを使用すると、繰り返しのタスクを自動化できます。簡単な手順で自動化を設定して、営業プロセスを効率化することが可能です。CRMによって、毎日、業務の開始時に同じような作業を繰り返す必要がなくなり、空いた時間で営業業務の進捗を確認して戦略を見直したり、顧客のニーズを分析して次の一手を考えたりすることができるようになります。
顧客とのコミュニケーション手段は多岐にわたりますが、CRMを使用すると、すべてを一元管理できます。メール、電話、チャット、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアなどを通じたあらゆるやりとりを1か所で確認することが可能です。見込み客や顧客の好みや、その時に使用している手段に合わせて、コミュニケーションをとることができます。
タスクが多い時は、顧客情報をいろんな場所から探したりして、時間を無駄にすることはできません。すべての顧客情報を1か所で管理すれば、すぐにアクセスでき、時間を大幅に節約できます。CRMでは、顧客の購入履歴、メモ、過去のやりとりや関連するメールをまとめて管理し、確認することが可能です。関連情報もあわせて簡単に確認できるため、商品やサービスの追加販売もしやすくなります。情報収集に費やす時間も削減することが可能です。
業務でCRM以外にもさまざまなシステムを使用している場合、CRMを使用するからといって、その他のシステムの使用をやめる必要はありません。開発者向けの機能である、API、SDK、関数、ウィジェットなどを使用すると、CRMに他のシステムを連携し、CRM以外のデータもまとめて一元管理することができます。
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