Google Chat連携の設定
Google Chatは、Google社が提供するチャットツールです。Google Chatでは、チャットを中心としたさまざまな機能により、個人間やグループでのメッセージのやりとりや情報共有、共同作業が可能です。Zoho CRMのGoogle Chat連携は、組織で営業案件管理ツールとして「Zoho CRM」、チャットツールとして「Google Chat」を利用している場合に役立ちます。
Google Chat連携を利用すると、Google ChatでZoho CRMのデータを利用できるようになります。たとえば、Google Chatで特定の見込み客についてのチャットを行う場合に、Zoho CRM内の関連データを、Google Chatのユーザー/スペースに対してすばやく共有できます。また、Zoho CRMの定期レポートや通知を、Google Chatに送信することも可能です。
このように、Zoho CRMとGoogle Chatの連携機能を利用すると、Google Chatを通じてZoho CRMのデータや最新情報をすばやく共有、確認できます。これにより、営業活動に必要なやりとりや共同作業を、円滑に進めることが可能です。
Google Chat連携により、以下のことが可能になります。
- Zoho CRMのデータ概要のGoogle Chatでの共有
- Zoho CRMのダッシュボードの表/グラフのGoogle Chatでの共有
- Zoho CRMの定期レポートのGoogle Chatへの送信
- Zoho CRMの通知のGoogle Chatへの送信
- Google Chat内でのコマンド入力によるZoho CRMデータの取得
利用条件
必要な権限
連携機能を有効にするには、管理者権限が必要です。
この機能は、中国のデータセンターに登録されているアカウントでは利用できません。
Google Chat連携の有効化
Zoho CRMの組織でGoogle Chat連携の機能を利用するには、管理者権限を持つユーザーが連携を有効にする必要があります。Google Chat連携が有効になると、Google Chatを通じてZoho CRMのデータを確認、共有できるようになります。
Google Chat連携を有効にするには
- Zoho CRMに管理者アカウントでログインし、[設定]→[マーケットプレイス]→[Google]の順に移動します。
- [Google Chat]タブをクリックします。
- [有効にする]をクリックします。
メモ
- Google Chat連携は、Google Workspaceのユーザーのみが利用できます。
- Google Chat連携の有効化後、Googleアカウントの認証を完了していない場合は、連携機能における最初の操作の実行時にGoogleアカウントを認証する必要があります。
Zoho CRMのデータ概要のGoogle Chatでの共有
Zoho CRMの各データの詳細ページで、[概要表示]に表示されている情報を、Google Chatのスペース/ユーザーに対して共有できます。なお、この連携機能は、データの[概要表示]に対応しているタブでのみ利用可能です。
Zoho CRMのデータの概要をGoogle Chatのユーザー/スペースに共有するには
- Zoho CRMで対象のデータの詳細ページを開きます。
- データの詳細ページで、右上にある[…](その他)アイコンをクリックし、[Google Chatで共有する]をクリックします。
- 表示された画面で、以下の設定を行います。
- データの概要と一緒に共有するメッセージを入力します。
- [通知先]として、[ユーザー]または[スペース]のいずれかを選択します。
- 上記の選択内容に応じて、通知先のユーザーまたはスペースを指定します。
- [送信する]をクリックします。
また、Zoho CRMのダッシュボードの表/グラフを、Google Chatのユーザー/スペースに共有することもできます。Zoho CRMの特定の表/グラフをもとに、Google Chatで相談や議論を行いたい場合に役立ちます。
Zoho CRMのダッシュボードの表/グラフをGoogle Chatのユーザー/スペースに共有するには
- Zoho CRMの[アナリティクス]タブで、対象のダッシュボードの表/グラフにカーソルを重ねます。
- 表/グラフの右上にある[︙](その他)アイコンをクリックし、[Google Chatで共有する]をクリックします。
- 表示された画面で、以下の設定を行います。
- ダッシュボードの表/グラフと一緒に共有するメッセージを入力します。
- [通知先]として、[ユーザー]または[スペース]のいずれかを選択します。
- 上記の選択内容に応じて、通知先のユーザーまたはスペースを指定します。
- [送信する]をクリックします。
Zoho CRMの定期レポートのGoogle Chatへの送信
Zoho CRMの定期レポートを、Google Chatのユーザー/スペースに自動で送信できます。たとえば、Zoho CRMで作成した営業成績のレポートを、Google Chatの営業チーム用のスペースに対して毎週、自動で送信するように設定できます。
- Zoho CRMで[レポート]タブに移動します。
- 画面左側にある[フォルダー]のメニューで、[定期レポート]を選択します。
- 以下のいずれかを実行します。
- 既存の定期レポートを送信する場合、対象の既存レポートをクリックします。
- 新しい定期レポートを作成する場合、[新しい定期レポート]をクリックします。
- 表示された画面で、要件に応じてレポートの詳細を設定します(関連情報:定期レポート)。[受信者の情報]で、以下の設定を行います。
- [レポートの送信方法]として、[Google Chat]を選択します。
- [通知先]として、[ユーザー]または[スペース]のいずれかを選択します。
- 上記の選択内容に応じて、通知先のユーザーまたはスペースを指定します。
- [予約する]をクリックします。
Zoho CRMの通知のGoogle Chatへの送信
Zoho CRMの各種通知を、Google Chatのユーザー/スペースに送信できます。たとえば、以下のような通知の送信設定が可能です。
- Zoho CRMの新しい見込み客についての通知を、Google Chatの営業チーム用のスペースに送信する
- Zoho CRMの見込み客や商談の最新情報に関する通知を、営業部長のGoogle Chatアカウントに送信する
- Zoho CRMのタスク、予定、通話のリマインダーを、自分自身のGoogle Chatアカウントで受信する
ワークフロールールによる通知
ワークフロールールでは、特定の条件を満たした場合に、通知を自動で送信できます。Google Chat連携を有効にすると、ワークフロールールの自動処理として[Google Chat経由の通知]を設定できるようになります。たとえば、大型の商談が特定のステージに達した場合に、Google Chatの通知をするように設定できます。これにより、最新の情報をチーム間ですばやく共有でき、議論や共同作業を円滑に進めることが可能です。
メモ
- Zoho CRMの通知は、Google ChatにインストールされたZoho CRM用のボットの画面に送信できます。Google ChatでZoho CRM用のボットをアンインストールすると、それ以降の通知は送信されなくなりますのでご注意ください。
- 1つの条件に対して、Google Chat経由の通知を5件まで設定です。
Zoho CRMのワークフロールールによる通知をGoogle Chatに送信するには
- [設定]→[自動化]→[ワークフロールール]の順に移動します。
- ワークフロールールの設定画面で、Google Chat経由の通知を設定するルールをクリックし、ルールの編集画面を開きます。
- [すぐに実行する処理]の設定欄で、[+処理]→[通知]→[Google Chat経由]をクリックします。
- 表示された画面で、以下の設定を行います。
- 通知のメッセージを入力します。
- [通知先]として、[ユーザー]または[スペース]のいずれかを選択します。
- 上記の選択内容に応じて、通知先のユーザーまたはスペースを指定します。
- [保存する]をクリックします。
シグナルの通知
Zoho CRMの「シグナル」とは、顧客に関するさまざまな経路(チャネル)を通じた通知を一か所でまとめて確認できる機能です。たとえば、顧客によるメール送信、不在着信、アンケートへの回答(Zoho Survey連携)、Webセミナーへの登録(Zoho Meeting連携)など通知をまとめて表示することが可能です(関連情報:
シグナルの概要)。
Google Chat連携を有効にすると、Zoho CRMのシグナルの通知をGoogle Chatに送信するように設定できます。これにより、Zoho CRMで管理している顧客の最新情報を、Google Chatの画面からすべてまとめて確認することが可能になります。
Zoho CRMのシグナルの通知をGoogle Chatに送信するには
- Zoho CRMで、[設定]→[チャネル]→[シグナル]をクリックします。
- シグナル設定画面で[Google Chat]の列に移動し、通知対象ごとのチェックボックスを選択して有効にします。
たとえば、[通話]の欄で[不在着信]のチェックボックスを選択すると、Zoho CRMでの顧客からの不在着信をGoogle Chatに通知できます。
- 設定が完了したら、[保存する]をクリックします。
Ziaの通知
Zoho CRMでは、Zia(ZohoのAIアシスタント)によるさまざまな機能を利用できます(関連情報:
Ziaの概要)。その中でも、Ziaの通知機能では、ワークフロールール、異常検出、レコメンド、メール分析などに関する通知を送信できます。たとえば、異常検出の通知では、受注率の大幅な減少など、通常とは異なる傾向がZiaによって検出され、通知されます。
Google Chat連携を有効にすると、Ziaの通知をGoogle Chatに送信するように設定できます(関連情報:
Ziaの通知)。
Ziaの通知をGoogle Chatに送信するには
- Zoho CRMで、[設定]→[Zia]→[通知]をクリックします。
- 対象の通知が含まれるタブに移動します。
- 対象の通知にカーソルを重ね、[通知方法]の列で編集アイコンをクリックします。
- チャネルの選択画面で、[Google Chat]のチェックボックスを選択して有効にします。
- [保存する]をクリックします。
メモ
[アナリティクス]タブで作成した独自の
異常検出グラフに関する通知を有効にすることも可能です。異常検出グラフの通知が有効になっている場合、Google Chat経由の通知を有効にできます。
競合他社アラート
Ziaによる競合他社アラートでは、見込み客や顧客がメール内で競合他社の名前を記載した場合に通知を送信できます。Google Chat連携を有効にすると、Zoho CRMの競合他社アラートをGoogle Chatに送信するように設定できます。
競合他社アラートをGoogle Chatに送信するには
- Zoho CRMで[設定]→[Zia]→[競合他社]の順に移動します。
- [競合他社アラート]の設定画面で、[新しい通知]をクリックします。
- 競合アラートの作成画面で、必要な設定を行います。
- [アラートの送信方法]で[Google Chat]を選択します。
- アラートの[受信者]として、ユーザーまたはスペースを選択します。
- [保存する]をクリックします。
Google Chat内でのコマンド入力によるZoho CRMデータの取得
Google Chatのチャット画面で、メッセージ入力欄にスラッシュコマンドを入力することで、Zoho CRMのデータを取得できます。これにより、Google ChatからZoho CRMへと画面を切り替えることなく、Google Chatのチャット内で、データをすばやく取得することが可能です。
スラッシュコマンドとは、「/」(スラッシュ記号)と、それに続く特定のテキストを組み合わせたものです。Google Chatのチャットメッセージの入力欄に、「/zcrm」から始まるコマンドを入力することで、該当のデータを取得したり、連携を取り消す処理を実行したりできます。
スラッシュコマンドの入力例は、以下のとおりです。
操作の内容
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スラッシュコマンド
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入力例
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最近登録された見込み客のデータを取得する
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/zcrm_leads
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/zcrm_leads
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特定の見込み客の名前をもとにデータを取得する
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/zcrm_searchlead [見込み客名]
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/zcrm_searchlead 太郎
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最近登録された取引先のデータを取得する
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/zcrm_accounts
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/zcrm_accounts
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特定の取引先の名前をもとにデータを取得する
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/zcrm_searchaccount [取引先名]
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/zcrm_searchaccount A社
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不具合調査(デバッグ)用の情報を取得する
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/zcrm_debug
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/zcrm_debug
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Zoho CRMとGoogle Chatとの連携を取り消す
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/zcrm_revoke
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/zcrm_revoke
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Google Chatでコマンド入力によってZoho CRMのデータを取得するには
- 対象のチャット画面に移動します。
- メッセージの入力欄に、上記のいずれかのコマンドを入力します(例:/zcrm_searchlead 太郎)。
- コマンドを入力すると、指定した条件に該当するデータの一覧が表示されます。
- 表示された一覧から、対象のデータを選択します。
データの概要が表示されます。
- [共有する]をクリックすると、チャット内にデータの概要を投稿できます。
メモ
- スラッシュコマンドの検索結果として表示されるデータの件数は、10件のみです。
- 検索条件には、敬称/日付/日時の項目を使用できません。
- 検索条件では、1つの項目に対して10件まで値を指定できます。
- タブの英語名は、複数形にする必要があります。例:「leads」(見込み客)、「contacts」(連絡先)、「accounts」(取引先)、「deals」(商談)と入力します(タブ名を単数形で入力した場合、コマンドが適切に処理されませんのでご注意ください)。