「Zoho Desk」(ゾーホー・デスク)は、顧客サポートに関するさまざまな機能を備えたサービスです。メールをはじめ、さまざまな経路での顧客からの問い合わせを管理して対応でき、ヘルプやよくある質問などの記事(ナレッジベース)の作成も可能です。また、顧客同士がやりとりするための掲示板(フォーラム)など、コミュニティ形成を支援する機能も用意されています。Zoho CRMにZoho Deskを連携することで、Zoho CRMの顧客情報に問い合わせ情報を関連付けて表示でき、Zoho CRMの画面から直接、問い合わせへの回答対応を行うことも可能です。
Zoho Desk連携を利用するには、管理者があらかじめ設定を行う必要があります。連携の設定では、Zoho Deskへのユーザーの招待、取引先/連絡先データの同期、関連リストで問い合わせを表示するタブの選択、問い合わせの表示権限などの設定を行います。
利用条件
必要な権限
Zoho Desk連携機能へのアクセス権限を持つユーザーが、この機能を利用できます。
連携の設定
Zoho CRMでは、Zoho Deskアカウントとの連携を簡単に設定できます。連携を設定すると、ユーザーはZoho CRM内で以下の操作を実行できるようになります。
-
問い合わせの作成/表示
-
問い合わせへの返信/コメント、問い合わせの完了/削除
-
問い合わせの項目の更新(優先度、ステータス、担当者、期限などの項目の更新)
-
問い合わせへの商談の関連付け
-
Zoho Deskからの取引先/連絡先の詳細の取得(同期)
Zoho Desk連携の設定には、次の3通りの方法があります。それぞれ以下の手順で連携を設定します。
A)自分のZoho Deskアカウント内のポータルを使用して連携を設定する
-
Zoho CRMで、
[設定]→[マーケットプレイス]→[Zoho]
の順に移動します。
-
[Zoho Desk]
を選択し、
[設定する]
をクリックします。
-
Zoho Desk連携の開始画面で、
[利用を開始する]
をクリックします。
-
連携対象のZoho Deskの
ポータル
を選択します。
-
[次へ]
をクリックします。
B)新しいZoho Deskアカウントとポータルを作成して連携を設定する
-
Zoho CRMで、
[設定]
→
[マーケットプレイス]
→
[Zoho]
の順に移動し、
[Zoho Desk]
を選択します。
-
Zoho Desk連携の設定
画面で、作成するZoho Deskの
ポータル名
を入力します。
設定したポータル名で、Zoho Deskアカウントが作成されます。
-
[次へ]
をクリックします。
-
ポータルの詳細を使用して、Zoho Deskアカウントにログインします。
C)他のZoho Deskユーザーのアカウント内のポータルを使用して連携を設定する
-
Zoho Desk連携の設定
画面で、
[他のユーザーのポータルを設定する]
リンクをクリックします。
-
ポータルの設定
画面で、Zoho Deskのポータル管理者の
メールアドレス
を入力します。
-
ZSCキー
の値を入力します。
-
[次へ]
をクリックします。
Zoho Deskにおけるユーザーの役職と権限の割り当て
Zoho Desk拡張機能を利用するには、Zoho Deskのアカウントが必要です。また、Zoho CRMのアカウント内のユーザーがZoho Deskの機能とデータを利用できるようにするには、ユーザーをZoho Deskのポータルに招待して権限と役職を割り当てる必要があります。Zoho Deskのポータルをすでに利用しているZoho CRMユーザーは、
[共通のユーザー]
の欄に表示されます。
ユーザーを招待して役職と権限を割り当てるには
-
Zoho Desk連携の設定画面で、
[ユーザーを招待する]
をクリックします。
-
対象のユーザーを選択します。
選択したユーザーのメールアドレス宛てにZoho Deskから招待メールが送信されます。ユーザーは、メールに記載されたリンクから、Zoho Deskのアカウントを有効化できます。
-
[役職と権限]
の設定で、対象の役職と権限を選択します。
役職と権限には3種類あり、それぞれ問い合わせに対して実行可能な操作が異なります。
・
担当者
:問い合わせへの返信やコメント、問い合わせの部門の変更
・
制限付き担当者
:問い合わせへのコメント、問い合わせの表示のみ
・
管理者
:他の担当者への問い合わせの割り当て、問い合わせへの返信/コメント、問い合わせの部門の変更
Zoho CRMとZoho Desk間のデータの同期
Zoho CRMとZoho Deskのアカウント間でデータを同期することで、どちらのサービスからでも問い合わせを管理できます。同様に、取引先/連絡先/商品のデータを同期して、双方から管理することも可能です。
Zoho CRMとZoho Desk間のデータの同期には、次の2通りの方法があります。
-
一方向の同期:Zoho CRMからZoho Deskへの一方向にのみ、データが同期されます。したがって、Zoho CRM内でのデータの変更内容は、Zoho Deskのデータに反映されますが、Zoho Desk内でデータの変更があっても、Zoho CRM内のデータには反映されません。
-
双方向の同期:Zoho CRMとZoho Deskとの間でどちらの方向にもデータが同期されます。どちらのサービス内でのデータの変更も相互に反映されます。
Zoho CRMとZoho Desk間の項目の関連付け
データの同期時に、Zoho CRMとZoho Desk間で重複したデータが作成されるのを防ぐため、データを照合するための項目を設定する必要があります。初期設定では、データの照合に使用する項目は、メインのメールアドレスの項目です。また、追加で、サブのメールアドレスの項目を使用することも可能です。
メモ
:
-
データの照合にサブのメールアドレスの項目を使用する場合、Zoho Deskのメインのメールアドレスの項目は、Zoho CRMのメインのメールアドレスの項目の値によって上書きされます。
-
また、Zoho CRMとZoho Deskのサブのメールアドレスの項目が、自動的に関連付けられます。
同期設定でデータの照合に使用する項目を設定するには
-
Zoho Desk連携の設定画面で、[同期設定]の対象のタブの右側にある[設定する]リンクをクリックします。
-
項目の関連付けの画面で、[同期設定]を選択します(一方向の同期/双方向の同期)。
-
[取引先]と[連絡先]のタブの項目の関連付けの設定では、Zoho CRMとZoho Desk間のデータを照合するために使用する項目を選択します(メインのメールアドレス/サブのメールアドレス)。
-
[商品]タブの項目の関連付けの設定では、対象の[部門]を選択します。
-
Zoho CRMとZoho Desk間のタブ内の項目の関連付けを設定します。
-
[完了]
をクリックします。
メモ:
Zoho CRMとZoho Deskのアカウント間の同期を有効にした後は、設定の変更はできません。同期の一時停止のみ可能です。
Zoho Deskの問い合わせを関連リストに表示するタブの設定
同期設定の[CRMの関連リスト]設定では、Zoho Deskで管理している問い合わせをどのタブの関連リストに表示するかを選択します。これにより、Zoho Deskの画面に移動しなくても、Zoho CRMの選択したタブで直接問い合わせを管理できます。ただし、問い合わせを表示するタブとして選択できるのは、メールアドレスの項目があるタブのみです。
Zoho Deskの問い合わせを表示するタブを設定するには
-
Zoho Desk連携の設定画面で、
[CRMの関連リスト]
に移動します。
-
関連リストで問い合わせを表示するタブを選択します([取引先]/[連絡先]/[商談]タブは、初期設定で選択されています。変更はできません)。
-
[保存する]
をクリックします。
Zoho CRMでの問い合わせの表示権限の設定
Zoho Desk連携の設定が完了すると、顧客から受信した問い合わせが、Zoho CRMの顧客(見込み客/連絡先)データに自動的に関連付けられます。問い合わせは、顧客データの詳細ページの関連リストに表示されます。
問い合わせの表示権限を設定することで、組織ユーザーによる問い合わせへのアクセス範囲を制限できます。設定では、次のいずれかを選択します。
- 連携中のユーザーが所属するすべての部署の問い合わせを表示する
- ユーザーが登録されている部門の問い合わせのみを表示する
Zoho CRMでの問い合わせの作成と表示
Zoho Desk連携の設定が完了すると、Zoho CRMの画面で問い合わせを表示し、更新できます。Zoho CRM内の顧客に対して作成された問い合わせは、該当のデータの詳細ページの[Zoho Desk]関連リストに表示されます。
Zoho CRMでの問い合わせの作成
Zoho Desk連携の設定が完了すると、Zoho CRMアカウント内で直接、問い合わせを作成できます。
Zoho CRMで問い合わせを作成するには
-
対象の
タブ
で、問い合わせを作成する
データ
を選択します。
-
対象のデータの詳細ページで、
[Zoho Desk]
の関連リストに移動し、
[新しい問い合わせ]
をクリックします。
-
問い合わせの追加
画面で、問い合わせの詳細を入力します。
-
[連絡先の名前]
の虫眼鏡(検索)アイコンをクリックして、一覧から対象の
連絡先名
を選択します。
また、任意の連絡先名を入力することも可能です。この場合、新しい連絡先データが作成されます。
-
必要に応じて、その他の項目を入力します。
-
ファイルを添付するには、
[添付ファイル]
のアイコンをクリックします。
-
[送信する]
をクリックします。
Zoho CRMでの問い合わせの表示
Zoho CRMの画面内で直接、Zoho Deskの問い合わせを表示できます。データの詳細ページで、[Zoho Desk]の関連リストでは、標準のフィルターを使用して、条件に一致する問い合わせを簡単に抽出できます(遅延中の問い合わせ、エスカレーション中の問い合わせ、優先度の高い問い合わせなど)。
Zoho CRMで問い合わせを表示するには
-
Zoho CRMで、上部メニューから対象の
タブ
を選択します。
-
データの一覧から、対象の
データ
を選択します。
-
データの詳細ページで、[Zoho Desk]関連リストに移動して、問い合わせの一覧を表示します。
代わりに、画面左側の
[Zoho Desk]
の
関連リスト
をクリックして、データの一覧を表示することも可能です。
問い合わせへのコメント/返信、問い合わせの項目の更新/完了/削除
Zoho Desk連携を有効にすると、Zoho CRMの画面で直接、問い合わせに対応することが可能です。なお、有効なZoho Deskアカウントを持たないユーザーは、問い合わせへのコメントのみ実行できます。
A)問い合わせにコメント/返信するには
-
対象の
タブ
を選択し、データの一覧からデータを選択して詳細ページを開きます。画面を下にスクロールし、
[Zoho Desk]
の関連リストから対象の
問い合わせ
を選択します。
-
(
問い合わせ
)アイコンをクリックします。
-
Zoho Deskの問い合わせの表示画面で、問い合わせへの返信やコメントの追加が可能です。また、問い合わせの転送も可能です。
B)問い合わせの項目を更新するには
-
対象の問い合わせを選択して、
[項目の更新]
をクリックします。
-
更新する
項目
を選択します。
-
詳細
(更新後の値)を入力します。
-
[更新する]
をクリックします。
C)問い合わせを完了/削除するには
-
対象の問い合わせを選択します。
-
上部メニューから、
[閉じる]
(完了する)をクリックします。または、
[…]
(その他の操作)アイコンをクリックし、メニューから
[削除する]
をクリックします。
問い合わせへの商談の関連付け
問い合わせを商談に関連付けることで、商談の状況を参照しながら問い合わせの優先度を決めたり、問い合わせに対応したりすることができます。問い合わせを迅速に解決することで、商談の受注を後押ししたり既存顧客の満足度を高めたりすることが可能です。
問い合わせを商談に関連付けるには
-
対象のデータの詳細ページで、
[Zoho Desk]
の
関連リスト
から、対象の問い合わせにカーソルを合わせます。
-
表示されたチェックボックスをクリックします。
-
一覧の右上にある
[商談に関連付ける]
をクリックします。
(商談の関連付けを解除する場合は、
[…]
(その他の処理)をクリックしてメニューから
[商談との問い合わせの関連付けを解除する]
を選択します)
-
一覧から、対象の
商談
を選択します。
問い合わせの統計情報の表示
顧客(見込み客/連絡先など)のデータの詳細ページでは、[Zoho Desk]関連リストの上部に、問い合わせに関する統計情報が表示されます。Zoho CRMの画面を切り替えることなく、顧客ごとの問い合わせの統計情報を簡単に確認できます(問い合わせの件数の合計、期限を過ぎた問い合わせの件数、平均回答時間と平均解決時間、担当者の対応に関する顧客の評価など)。
問い合わせの統計情報を表示するには
-
対象の
タブ
でデータを選択して詳細ページを開き、[Zoho Desk]の関連リストを表示します。
-
一覧の右上にある
[統計情報を表示する]
リンクをクリックすると、一覧の上部に問い合わせの統計情報が表示されます。
シグナル(最新情報の通知)
Zoho Desk連携を有効にすると、問い合わせに関連する更新情報がシグナルの通知欄に表示されるようになります(シグナルとは、Zoho CRMのデータに関するさまざまな更新情報をリアルタイムに確認できる機能です)。通知からそのまま問い合わせの概要を確認して、問い合わせへの返信やコメント、問い合わせの項目の更新をすぐに実行することもできます(
関連情報:
シグナルの概要
)。
シグナルの設定では、Zoho Deskのデータに関して以下の内容や処理に関する通知を有効化できます。
-
新しい問い合わせ:顧客(見込み客/連絡先)からの新しい問い合わせ
-
新しいコメント:顧客(見込み客/連絡先)からの新しいコメント
-
新しい返信:顧客(見込み客/連絡先)からの新しい返信
-
遅延中の問い合わせ:期限を過ぎた問い合わせ
-
エスカレーションされた問い合わせ:対応基準が守られずにエスカレーションされた問い合わせ
-
新しい評価、メンション:顧客(見込み客/連絡先)からの新しい評価やメンション
シグナル通知を有効にするには
-
Zoho CRMで、
[設定]→[チャネル]→[シグナル]
の順に移動します(代わりに、シグナル通知画面の下部にある[設定]をクリックしても同様に移動できます)。
-
シグナルの設定画面で、下にスクロールし、[Zoho Desk]の設定を表示します。一覧から、通知を有効にする項目を選択します。
-
[保存する]
をクリックします。
シグナル通知欄で問い合わせに関する情報を表示するには
-
Zoho CRM画面の右上にあるベル型の
シグナル
通知アイコンをクリックします。
-
通知画面の一覧から、対象の問い合わせを選択します。
-
問い合わせをクリックすると、詳細が表示されます。
[Desk]タブの利用
Zoho Desk連携により、Zoho CRMに[Desk]タブが追加されます。こちらで問い合わせの詳細を表示してすばやく対応できます。[Desk]タブでは、Zoho Desk内で問い合わせに対して行うのと同様の操作を行うことが可能です。これにより、画面を切り替えることなく、Zoho CRM内で問い合わせへの返信やステータスの更新などの操作を実行することが可能です。
[Desk]タブは、Zoho Deskアカウントを持つユーザーの画面にのみ表示されます。
-
[Desk]タブをクリックするとZoho Deskの画面が表示され、すべての問い合わせが表示されます。
Zoho Desk連携の無効化
Zoho CRMでのZoho Desk連携の無効化
Zoho Desk連携は、必要に応じていつでも無効にできます。無効にすると、Zoho CRMとZoho Deskの両方のアカウントで連携が無効になります。
Zoho CRMでZoho Desk連携を無効にするには
-
Zoho CRMで、
[設定]→[マーケットプレイス]→[Zoho]
の順に移動し、一覧から
[Zoho Desk]
を見つけて
[管理]
をクリックします。
-
[Zoho Desk連携]
画面の右上にある、
[完全に無効にする]
リンクをクリックします。
Zoho DeskでのZoho CRM連携の無効化
Zoho Desk連携を設定したZoho CRMの管理者が組織を離れた等の理由により管理者が変わった場合やZoho Deskで管理者が無効化された場合、他のユーザーは連携機能を利用できなくなります。この場合、ユーザーは次の手順を実行するように求められます。
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有効なユーザーの情報を用いて連携の設定を更新し、引き続き連携を利用する
-
既存の連携を無効化して、別の連携を設定する
Zoho Deskアカウントで管理権限を持つユーザーは、Zoho Deskで既存の連携設定を削除できます。管理権限のないユーザーは、Zoho Deskの管理者に対して連携の削除を依頼するように求められます。
なお、連携が削除されると、次のような影響がありますのでご注意ください。
-
以降のZoho CRMとZoho Desk間のデータの同期が停止します。
-
Zoho Deskで、Zoho CRMの顧客情報を表示できなくなります。
-
Zoho Deskの問い合わせ一覧において、顧客の分類に基づいて問い合わせを表示することができなくなります。
-
Zoho CRMから[Desk]タブが削除されます。
メモ:
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Zoho CRMに関連付けられるZoho Deskのポータルは1つだけです。
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連携を設定した管理者が組織に所属しなくなった(該当の管理者ユーザーが組織アカウントから削除された)場合は、新しい管理者のアカウント情報を使用して連携を再設定する必要があります。
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連携先のZoho Deskのポータルを変更した場合、変更前のポータルにおける問い合わせデータと、Zoho CRMの見込み客/連絡先/取引先データとの既存の関連付けが解除され、Zoho CRMの画面には該当の問い合わせデータが表示されなくなります。ただし、Zoho Deskの側では、引き続き該当の問い合わせデータを確認することが可能です。
トラブルシューティング(問題の調査と解決)のヒント