Zoho CRMでキーボードショートカットを利用すると、キーボード上で複数のキーを同時に押すだけで特定の操作をすばやく実行できます。マウスやタッチパッドでメニューを選択してクリックする場合と比較して、操作時間を短縮でき、業務を効率化できます。
キーボードショートカットのメリット
キーボードショートカットを利用することで、Zoho CRMでの作業時間を短縮できます。忙しいときにもスマートな操作が可能です。また、タブや画面を瞬時に切り替えることができるため、集中力も持続しやすくなります。
キーボードショートカットの種類
Zoho CRMには、さまざまな操作に対応するキーボードショートカットがあらかじめ用意されており、すぐに利用を開始できます。また、初期設定のショートカットの編集や、独自のショートカットの追加も可能です。Zoho CRMのキーボードショートカットは、以下のように分類されます。
- 一般
- データに関する操作
- データの作成/編集/複製ページ
- データの一覧
- データの詳細ページ
- タブの切り替え
上記の各種類において、さまざまな操作に対応するキーボードショートカットを設定できます。ショートカットは、初期設定のキーやキーの組み合わせをそのまま利用することも、カスタマイズして利用することも可能です(一部を除く)。Zoho CRMでキーボードショートカットを利用できる操作は以下のとおりです。一般:データの検索画面を開く、ヘルプを開く、設定を開く、通知を開く、チャット欄を表示する/隠す、ショートカットを表示する、ポップアップ画面を閉じる。データの作成/編集/複製ページ:次の項目に移動する、前の項目に移動する、次のセクションに移動する、前のセクションに移動する、保存する、保存して新しく作成する、キャンセルする、レイアウトを切り替える。データの一覧ページ:次のデータに移動する、前のデータに移動する、データを開く、データを編集する、データを選択する、データを削除する、詳細フィルターを表示する/隠す、データ一覧を表示する、すべてのデータを選択する、データを作成する。データの詳細ページ:一覧画面に戻る、データを編集する、メールを送信する、今すぐ連絡する、タスクを追加する、通話を記録する、予定を追加する、メモを追加する、予約を追加する、次のデータに移動する、前のデータに移動する、ページの上部に移動する、ページの下部に移動する。タブの切り替え:ホーム、タスク、予定、特定のタブに移動するための独自のショートカットの作成。
キーボードショートカットの有効化
キーボードショートカットを有効にするには、設定アイコン→[一般]→[個人設定]→[キーボードショートカット]の順に移動します。
キーボードショートカットの機能は、すべてのアカウントにおいて初期設定で無効になっています。利用するには、手動で有効にする必要があります。
キーボードショートカットが無効になっている場合でも、初期設定の一部のキーボードショートカットは利用できます(例:データの検索画面を開く、ポップアップ画面を閉じる、次の項目に移動する、保存する)。ただし、これらの初期設定のショートカットはカスタマイズできません。
キーボードショートカットを有効にすると、初期設定のショートカットが種類別に表示されます。これらのショートカットは、初期設定のキーやキーの組み合わせをそのまま利用することも、カスタマイズして利用することも可能です(一部を除く)。
メモ:キーボードショートカットが無効になっている場合でも、初期設定の一部のキーボードショートカットは利用可能です。
キーボードショートカットのカスタマイズ
キーボードショートカットをカスタマイズするには、ショートカットキーの一覧で、該当のキーの上にカーソルを重ねると表示される、編集アイコンをクリックします。
[データの検索画面を開く]ためのキーボードショートカットの初期設定は、[Alt] + [Space]から[/]に変更になりました。これは、Zoho CRM Plusでの操作との整合性を保つための変更です。
ショートカットには、1つのキーのみを登録することも、2つまたは3つのキーの組み合わせを登録することもできます。なお、アルファベットのキーを登録する場合、大文字と小文字は区別されません。特定の操作に対応するキーボードショートカットを設定しない場合は、編集アイコンをクリックした後、入力欄を空欄にしたまま完了アイコンをクリックします。なお、キーボードショートカットの設定で使用できないキー、使用できないキーの組み合わせは以下のとおりです。
上記のキー、またはキーの組み合わせは、規定の機能との間で不整合が発生するため、使用できません。
次に、キーボードショートカットの利用例をご紹介します。
OSのキーボードショートカット(ショートカットキー)は、Zoho CRMのキーボードショートカットよりも常に優先されます。
たとえば、MacでZoho CRMを利用している際に[Command]キー + [Space]キーを同時に押すと、Spotlight検索の機能が起動します(Macのキーボードショートカットの設定が初期設定のままである場合)。
利用例1
ある不動産会社では、Zoho CRMの[連絡先]タブで2つのレイアウトを利用しています。1つは賃貸用のレイアウト、もう1つは売買用のレイアウトです。そのため、顧客情報の登録時には、必要に応じてレイアウトを選択します。しかし、複数のデータを登録する場合など、データの作成画面で毎回、左上の選択リストにカーソルを移動して、レイアウトを切り替えるのが面倒な場合もあります。そこでキーボードショートカットが役に立ちます。
このような場合、キーボードショートカットを利用すると、レイアウトの選択操作にかかる時間を短縮できます。
設定方法:レイアウトの切り替え操作に対応するキーボードショートカットを設定するには、設定アイコン→[一般]→[個人設定]→[キーボードショートカット]の順に移動します。キーボードショートカットを有効にし、[データの作成/編集/複製ページ]欄の[レイアウトを切り替える]の設定に移動します。
初期設定は、[Z] + [L]です。編集アイコンをクリックすると、キーの組み合わせ設定をカスタマイズできます。
利用例2
次に、タブの切り替え操作に関する例を見てみましょう。
ハウスクリーニングなどの清掃サービスを提供するある企業では、Zoho CRMを利用して清掃サービスの予約の管理を行っています。Zoho CRMでは、清掃サービスの情報(名前、担当者、時間、料金、説明、など)を登録する[サービス]タブと、予約情報を管理するための[予約]タブを頻繁に切り替えて利用しています。このようなタブの切り替え操作は、マウスやタッチパッドを利用して行うと意外と時間がかかります。ここでキーボードショートカットの出番です。
このような場合に、キーボードショートカットを利用すると、キーボードから手を離すことなくタブ間をすばやく移動できるようになり、サービスや予約の管理作業の効率をアップできます。
設定方法:タブの切り替え操作に対応するショートカットキーを設定するには、設定アイコン→[一般]→[個人設定]→[キーボードショートカット]の順に移動します。キーボードショートカットを有効にし、[タブを切り替える]の欄に移動します。
初期設定では、[ホーム]画面、[タスク]タブ、[予定]タブに切り替えるためのキーボードショートカットが用意されています。その他のタブへの切り替え操作に関するキーボードショートカットを作成するには、[ショートカットを追加する]リンクをクリックします。
キーボードショートカットの追加画面が表示されます。移動先のタブを選択し、該当のタブに切り替えるためのキーやキーの組み合わせを設定します。
上記の例の場合、[サービス]タブを選択し、ショートカットを入力します。続けて、同様の手順で[予約]タブに切り替えるためのキーボードショートカットを設定します。設定が完了すると、設定したキーボードショートカットを利用して該当のタブに切り替えることができるようになります。
ホーム画面に切り替えるためのショートカットは削除できません。また、タブの切り替えに関するキーボードショートカットは、25件まで設定できます。
利用例3
最後に、データの詳細ページで、メールの作成画面を開くためのキーボードショートカットを見てみましょう。
このキーボードショートカットを作成すると、営業担当者による顧客へのメール送信業務を効率化できます。
設定方法:メールの作成画面を開くためのショートカットキーを設定するには、設定アイコン→[一般]→[個人設定]→[キーボードショートカット]の順に移動します。キーボードショートカットを有効にし、[データの詳細の一覧]欄にある[メールを送信する]の設定に移動します。
初期設定は、[Z] + [M]です。編集アイコンをクリックすると、キーの組み合わせ設定をカスタマイズできます。
メモ
- [一般]の欄にある[ヘルプを開く]ためのキーボードショートカットは、該当の機能に対応するヘルプドキュメントがある場合にのみ利用できます。
- カスタマイズしたすべてのキーボードショートカットをリセットして初期設定の状態に戻すには、画面の右上にある[ショートカットをリセットする]ボタンをクリックします。
- キーボードショートカットを利用して、すべてのショートカットの一覧を表示することも可能です。この操作に対応するキーボードショートカットは、初期設定では[Z] + [/]ですが、必要に応じてカスタマイズ可能です。
- Zoho CRM PlusやZoho Oneのプランでは、[チャット欄を表示する/隠す]操作に関するキーボードショートカットは使用できません。
制限事項
- 連携機能のタブ(例:[キャンペーン]タブ、[Desk]タブ、[プロジェクト]タブ)では、キーボードショートカットを利用できません。
- 初期設定のキーボードショートカットは、標準的な英語配列のキーボードに対応しています。キーボードの配列を変更した場合、キーボードショートカットの再設定が必要になる可能性があります。また、言語を変更した際にも、キーボードショートカットが正常に機能しなくなる場合があります(その場合は、必要に応じてキーボードショートカットを再設定してください)。
- キーボードショートカットは、OSやブラウザーの規定のキーボードショートカット(ショートカットキー)と重複しないように設定してください。
- 重複して設定した場合、正常に機能しない可能性があります。
- [ポップアップ画面を閉じる]ためのキーボードショートカットは、Zoho CRMの一部のポップアップ画面には対応していません。
- データの一覧ページのキーボードショートカットは、標準の[リスト表示]や[キャンバス表示]で利用できます。ただし、[かんばん表示]や独自のデータ一覧では利用できません。また、データの詳細ページのキーボードショートカットでは、[キャンバス表示]や独自のデータ一覧では利用できません。
- [Command]、[Ctrl]、[Shift]、[Alt]の各キーは、他のキーとの組み合わせでのみ、キーボードショートカットとして設定可能です。これらのキーを単独では設定できません。
利用条件
キーボードショートカットの機能は、Zoho CRMのすべてのプランで利用できます。