営業支援システム(SFA)としてのZoho CRMの活用

営業支援システム(SFA)としてのZoho CRMの活用

ビジネスにおいて、営業業務は必要不可欠です。見込み客のフォローアップ、商談の対応、レポート/予測データの作成、商品/サービス知識の習得など、営業担当者の業務は多岐にわたります。日々これらのすべての業務に取り組むのは簡単ではありません。

また、ビジネスが成長するにつれて、提供する商品/サービスの件数は増加したり、内容も高度化したりします。競合他社と競争する機会も増え、顧客から求められる商品/サービスの内容も複雑さを増していきます。その結果、営業担当者の業務も増え、業務内容もより複雑になります。

このような状況で業務管理が適切に行われていないと、業務を効率よく進めることができず、生産性が低下してしまう可能性があります。最終的には、売上や利益が減少することもあります。

Zoho CRMには、営業担当者の業務を手助けする営業支援システム(SFA)としての機能も用意されています。営業担当者の業務の効率化を図り、業務をより円滑に行うことが可能です。

営業支援システム(SFA)の概要については、こちらをご参照ください。

営業の各ステージ(段階)におけるZoho CRMの利用例




上記の画像を例に説明します。この例では、以下のように業務が進行します。
  1. 見込み客を獲得して選別し、確度の高い見込み客を商談先(取引先/連絡先)として登録する。
  2. 商談先(取引先/連絡先)に対して、提案やフォローアップを行う。
  3. 商談を受注し、売上を上げる。

営業活動の一連の流れは、見込み客の獲得から商談の受注まで、複数のステージ(段階)に分けられています。商談化や商談の受注のために、担当者は各ステージにおいてタスクや通話などの活動を行う必要があります。

これらの活動を担当者が効率よく行うにあたって、見込み客や商談の情報をシステムで適切に管理することは、とても重要です。

Zoho CRMでは、これらの営業活動に関する情報は、タブ、データ、項目に分けて管理されます。

タブは、同じ種類のデータをまとめる箱や表のようなものです(表計算シートでいえば、1つのシートが1つのタブに該当するイメージです)。タブには、特定の種類のデータ(例:見込み客、商談)が保存されます。以下では、[見込み客]タブを例に説明します。
  1. 見込み客として、横浜さんと川根さんのデータを管理したいとします。
  2. これらの見込み客のデータは、[見込み客]タブに保存します。



見込み客のデータには、名前、電話番号、データ元(取得元)などの項目が含まれます。項目には名前(ラベル)があり、データの詳細画面では、名前と値が一緒に表示されます。また、項目ごとに種類や形式を設定し、値を保存できます。

項目名
項目の値
見込み客名
横浜花子
電話番号
0192837465
見込み客のデータ元
営業電話


1件のデータの中には、複数の項目が含まれており、データの詳細は項目の値として保存されます。

以下の画像は、タブ、データ、項目の関係性を表した図です。



Zoho CRMでは、顧客や商談などに関する情報をすべてまとめて1つの大きなデータとしては管理しません。

これらの情報は、営業担当者が管理/参照しやすいように、種類ごとに複数のタブに分けて保存されます。複数のタブによって情報を管理する主なメリットは、以下のとおりです。
  1. 情報を種類別に分けて管理できます
  2. 異なる種類の情報を柔軟に関連付けられます
  3. 情報の重複や肥大化を防げます


営業支援用のタブ

営業支援用のタブには、[見込み客]、[連絡先]、[取引先]、[商談]の4種類のタブが用意されています。



[見込み客]タブ




[見込み客]タブには、獲得した見込み客の詳細情報が保存されます。表計算シートなどのファイルから見込み客のデータをインポートしたり、手動で入力したりできます。取得元にかかわらず、見込み客のデータはすべてこのタブに集約して一元管理できます。

[見込み客]タブでは、見込み客が商談につながるまでの過程において、フォローアップの状況やステータスを確認したり、参考情報を追加したり、他の営業担当者と情報共有したりできます。見込み客が商談につながったら、商談先として変換し、商談情報を登録することが可能です。



[連絡先]タブ/[取引先]タブ

Zoho CRMでは、商談先の企業(組織)を[取引先]タブ、その中の担当者(個人)を[連絡先]タブで管理します。



見込み客を取引先/連絡先に変換すると、[見込み客]タブの情報が、内容に応じて[取引先]と[連絡先]のそれぞれのタブに分けて保存されます。
  1. [見込み客]タブに保存されていた個人に関する詳細情報は、[連絡先]タブに保存されます
  2. [見込み客]タブに保存されていた組織に関する詳細情報は、[取引先]タブに保存されます



見込み客から連絡先/取引先への変換処理は一方通行で、元に戻すことはできません。そのため、見込み客が連絡先/取引先に変換された後、該当の見込み客のデータは[見込み客]タブから削除されます。



この仕組みは、商談先の企業/組織と人の管理をしやすくするためのものです。商談においては、商談先の企業/組織(取引先)の中に、複数の担当者(連絡先)が関連することもよくあります。データとしては、[取引先]データは1件のみで十分ですが、[連絡先]データは複数必要になります。このような場合、それぞれのデータを[取引先]タブと[連絡先]タブで分けて管理しつつ、関連付けることで、データの重複を避けながら柔軟に管理できます。



[商談]タブ

[商談]タブには、取引先/連絡先との商談に関するデータが保存されます。同じ取引先/連絡先との間に複数の商談が発生することはよくあるため、商談のデータは連絡先や取引先とは別に管理できるようになっています。[商談]タブでは、商談に関する詳細情報の他、関連している取引先や連絡先の情報を確認することが可能です。




利用例

以下の画像は、営業の流れと各タブの関係性を表した図です。



例をもとに説明します。



宮崎さんはゾーホージャポン社で勤務しており、社内で利用する機器やその付属品の購入を検討しています。宮崎さんがオンラインで検索した結果、ジルカー社の商品が要件に適していると判断しました。宮崎さんは商品についてジルカー社に問い合わせの連絡を行いました。

この例において、宮崎さんはジルカー社にとて見込み客に該当します。営業の流れと各タブの関連性は以下のとおりです。
  1. 宮崎さんのデータは、[見込み客]タブに見込み客として保存されます。



  2. 問い合わせでのやりとりが進むにつれて、宮崎さんとその会社(ゾーホージャポン社)に関する情報が収集されます。一定の量の情報が収集され、商談先として管理する必要があると判別さると、見込み客から、連絡先(宮崎さん)と取引先(ゾーホージャポン社)に変換されます。






  3. このとき、同時に[商談]タブで商談を作成できます。この商談には、宮崎さん(連絡先)とゾーホージャポン社(取引先)が自動で関連付けられます。ジルカー社の営業担当者は、商談の詳細情報を記録したり、商談のステージを変更したり、他の担当者と共同作業したりして、商談を進めます。




活動の管理

上記のように各種情報をタブごとに整理することで、営業担当者は必要な営業活動に集中できます。Zoho CRMには、営業活動の管理用のタブとして、[タスク]、[予定]、[通話]の3つのタブが用意されています。また、[活動]タブでは、これらすべてをまとめて確認することもできます。新しい活動(タスク/通話/予定)を登録したり、担当者に割り当てたり、進捗状況を確認したりすることが可能です。リマインダーを設定することもできます。見込み客や商談に関する活動を忘れずに対応するのに役立ちます。

活動に関するタブについて例を挙げて説明します。ジルカー社では、以下ような営業活動を行っています。
  1. 見込み客のステータスが「見込みあり」の場合、見込み客に電話し、確度を判別する。
  2. 確度が高い場合、見込み客データを連絡先/取引先/商談データに変換し、商談対応を進める。
  3. 商談対応のステージに応じて、ミーティングを設定する。
  4. 相手の希望に合わせて、商品/サービスのデモを実施する。
以下の画像は、営業の各ステージ(段階)において行う活動を表した図です。

タスク、通話、予定などの活動データは、[見込み客]、[連絡先]、[取引先]、[商談]の各タブのデータから追加することができます。上記の例の場合、営業活動を行うジルカー社のZoho CRMの[連絡先]タブでは、宮崎さんに関連付けられているタスク、通話、予定などのすべての活動を確認することが可能です。





営業業務に役立つその他の機能

上記の基本的なタブ(見込み客、連絡先、取引先、商談、通話、タスク、予定)の機能に加えて、Zoho CRMには営業業務に役立つさまざまな機能が用意されています。他の主な機能は、以下のとおりです。
  1. レポートや分析データをもとに、商談や売上に関する情報をすばやく確認できます。



  2. 売上目標を設定し、実績を確認したり、今後の売上を予測したりできます。



  3. 見込み客の割り当てルールを設定し、営業チーム内の担当者に見込み客を自動で割り当てることができます。



  4. 見込み客のスコアリングルールを設定し、見込み客の優先度を自動で計算して定量的に表示することができます。



  5. 自社の営業の流れをシステムに反映し、営業プロセスの標準化を図ることができます(ブループリント機能)。




  6. 通知の送信やタスクの作成、項目の値の更新、その他の処理を自動的に実行し、業務フローを効率化できます(ワークフロールール機能)。


Zoho CRMでは、組織の要件に合わせてこれらの機能を利用したり、設定をカスタマイズしたりすることができます。営業担当者が業務に集中して取り組めるような環境を作ることが可能です。



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