Zia予測分析では、Ziaの予測(Ziaによる項目値の予測)の設定に基づいて、各予測の精度や品質、予測データの動向、予測と実績の差異などを表やグラフで確認できます。また、予測結果にプラスやマイナスの影響を与えた要因、失注に至る可能性が高い商談、予測が外れたデータの特徴なども把握できます。
Zia予測分析のメリット
Zia予測分析は、営業担当者にとっては、日々の営業活動で対応が必要な部分を把握し、改善を行っていくのに役立ちます。また、管理職にとっては、全体を俯瞰した上での問題の把握や意思決定に役立ちます。たとえば、予測分析に基づいて、どの商談に重点的に対応するべきか、あるいは、どの営業担当者にどのような助言が必要であるかなどを考察できます。以下では、Zia予測分析で確認できるデータについてご紹介します。
予測の精度と品質:
Ziaの予測精度をスコアとして確認できます。スコアは、既存の予測スコアに加えて、予測に対する実際の受注状況や失注状況などに基づいて算定されます。このようにして、Ziaの予測精度は最新のデータを学習しモデルの修正を行うことによって向上していきます。
精度は、50%未満であれば低い、50%~80%は中程度、81%以上は高いとみなされます。
たとえば、以下の画像は、医療保険の契約に関する予測分析です。現在、予測対象の有効なデータが2465件あり、予測の精度は38%であることが示されています。
確率が上昇傾向にあるデータと下降傾向にあるデータ:
最新の動向に基づいて、予測結果がもたらされる確率がより高くなったか、低くなったかが分析され、確率が上昇傾向にあるデータと、減少傾向にあるデータのそれぞれの件数を確認できます。たとえば、以上の画像では、失注が予測されている商談のうち、5件の商談の失注確率が上昇傾向にあり、2件の商談の失注確率が減少傾向にあることが示されています。
予測の精度の推移グラフ、予測の成功(あたり)と失敗(はずれ)の内訳:
先週、先月、前四半期の予測精度の推移を確認できます。また、項目の最終的な実績値と、予測値との差異をもとに、予測の成功(あたり)、失敗(はずれ)が判別され、全体の予測数に対する成功(あたり)と失敗(はずれ)の内訳が表示されます。たとえば、医療保険の契約に関する予測では、全体の予測契約数に対して、実際の契約数が成功数(あたりの件数)、契約に至らなかった商談件数が失敗数(はずれの件数)として計上されます。以下の画像では、予測対象となったデータが103件あり、実際に契約に至った32件が成功(あたり)、契約に至らなかった71件が失敗(はずれ)であることが示されています。
予測が最も失敗した(外れた)ユーザー:
予測と実績の乖離が大きい営業担当者を確認できます。具体的には、予測対象データの各担当者(ユーザー)について、予測対象データの総数、予測が失敗した(外れた)データの件数、現在予測中のデータの件数を表形式で確認できます。管理職は、各営業担当者が予測に対してどのような実績を出しているかを把握することで、必要な対応を行うことができます。たとえば、予測と実績の乖離が大きい営業担当者に失注原因の分析と対策を促すことができます。また、予測と実績の乖離があまりにも大きい場合などには、そもそも予測の妥当性が低かったという判断を下すことも可能です。
現段階で失注の可能性が高い商談:
商談がどの段階まで進んできたら失注する可能性がより高くなるかが分かれば、あらかじめ重点的な対策を行うことが可能です。このグラフでは、商談が失注に至る可能性が高いステージを確認できます。これにより、営業担当者は手遅れになる前に、先手を打つことが可能です。
受注/失注分析:
受注/失注分析の表では、受注商談と失注商談のそれぞれについて、予測対象のデータの件数、予測の成功率、予測に大きく影響する要因を確認できます。また、グラフでは、営業担当者別に受注数、失注数、予測の成功数(あたりの件数)、失敗数(はずれの件数)を棒グラフで表示できます。たとえば、以下の画像では、医療保険の販売における受注/失注の予測と実績に関する各データを、表とグラフで確認できます。受注に影響を与えた要因としては、居住地域、データの作成日時、配偶者の有無、既往歴など、失注に影響を与えた要因としては、性別、請求先の地域、飲酒の習慣、年収などが挙げられています。
失敗した予測(外れた予測)のセグメント別分析:
失敗した予測(外れた予測)をセグメント別に分析できます。セグメントとは、属性(例:地域、年齢、性別、ニーズ、購入傾向など)が同様である顧客をグループ化したものです。この分析は、予測が失敗した(外れた)商談において、顧客に共通して見出される特性はどのようなものであるかを把握するのに役立ちます。なお、顧客のセグメンテーション(グループ分け)はZiaによって自動で行われます。セグメントに関する説明欄では、各セグメントに属する顧客の人数と、各セグメントの分類基準を確認できます。右上の選択リストで[非共通項目]を選択すると、特定のセグメントのみが持っている特徴(セグメントごとに特有の項目)が強調表示されます。
以上のようなセグメント分析は、予測と実績が乖離した原因を顧客の特徴という観点から把握し、必要な対策を行うのに役立ちます。
影響要因:
Ziaによる予測機能を有効にすると、予測対象の各データの詳細ページで、予測結果にプラスの影響を与えた要因と、マイナスの影響を与えた要因を確認できます。さらに、予測対象のデータ全体の分析に基づいて、商談の受注と失注に影響を与える要因は何かを把握することが可能です。受注に影響を与える要因はプラスの要因、失注に影響を与える要因はマイナスの要因として表示されます。
このようなデータも、受注や失注の原因の分析や、軌道修正に役立ちます。
遅延中の商談:
予測よりも遅延している商談を把握できます。たとえば、以下の画像では、予測上の受注日と実際の受注日に加えて、それらの間に生じた差分(ずれ)の日数を確認できます。
留意事項
- データ数が不足している場合、Ziaによる予測分析は実行されず、予測分析のデータは表示されません。
- 有効な予測データの件数が「0」と表示されている場合、対象のデータが最近更新されていないか、Zoho CRMに新しく追加されたばかりであることを示しています。また、Zia予測分析に、確率の上昇/下降傾向に関するデータが表示されるには、設定後、数日から数週間を要します。表示されない場合は、時間をおいてから、あらためてご確認ください。
予測分析を表示するには:
- Zoho CRMで画面右上に表示されている設定アイコンをクリックし、[Zia]の欄に表示されている[予測]をクリックします。
- [分析]タブをクリックします。
メモ:
Zia予測分析の結果の表示には、予測結果の表示に関する権限が必要です。