顧客の声分析のダッシュボードでは、顧客がメール、問い合わせ、アンケートにおいて言及した競合他社について、分析データ(表やグラフ)を表示できます。顧客の声分析の中でも、競合他社に関する分析は、顧客に対する理解を深め、顧客の視点からサービスや商品を考える上で特に重要です。
たとえば、顧客の感想やフィードバックから、価格が高いと感じている顧客が多いことや、競合他社と比較してサポート担当者によるサービスが行き届いていないことが分かれば、改善が必要な部分を洗い出し、ピンポイントで対応できます。これにより失注や顧客の流出を防止できます。競合他社に関する分析を行う際は、事前に競合他社に関するアンケートを顧客に配信すると、競合他社と比較した際の自社の立ち位置を把握しやすくなります。
分析は、顧客のメール、問い合わせ、アンケートなどのフィードバックをもとに、Zia(ZohoのAIアシスタント)によって自動で行われます。分析グラフの例としては、以下のようなものがあります。
-
競合他社に関連するキーワード
:顧客が競合他社名と一緒にどのようなキーワードを使用したかを確認できます。自社がどのような観点から競合他社と比較されているかを把握できます(例:価格、品質、サポート対応)。
-
競合他社の内訳
:顧客が言及した競合他社について、全体の内訳(%)を確認できます(例:全体に対してA社が50%、B社が25%など)。
-
競合他社への言及後に受注/失注した商談
:受注/失注前に顧客が競合他社に言及していた場合、顧客が言及した競合他社名や失注/受注した商談数などを確認できます。
以下では、競合他社の分析のダッシュボードで確認できるグラフの詳細について解説します。
注:
ダッシュボードで競合他社に関する分析を表示するには、Zoho CRMで
Ziaによる競合他社アラート
の設定が有効になっている必要があります。また、メール連携、Zoho Desk連携、Zoho Survey連携もあらかじめ有効になっている必要があります。
1.競合他社の関連キーワード(ワードクラウド形式)
競合他社に関連して使用されたキーワードと、キーワードがどのような印象によって使用されたか(肯定的/否定的/中立的)を色別に確認できます。さまざまなキーワードが、雲(クラウド)のようにまとまって表示されます。
キーワードの上にマウスのカーソルを重ねると、キーワードに言及した顧客数、キーワードがどのような印象によって使用されたか、キーワードに関連する競合他社の内訳を確認できます。 どのようなキーワードがどのような印象によって使用されたかを把握することによって、顧客が競合他社と比較して自社のどの部分を肯定的に評価しており、どの部分を否定的に評価しているかを把握できます。
顧客が競合他社に言及する際に使用したキーワードについて、詳細データを表形式で確認できます。各キーワードがどのような印象によって使用されたかや、キーワードを使用した顧客数、キーワードの順位、競合他社の内訳、キーワードが使用された経路などを確認できます。
以下の画像では、「サービス」というキーワードは、全体で4,122人の顧客によって肯定的な印象で使用されていることが示されています。また、キーワードを使用した顧客数の内訳が、競合他社別かつ経路別に表示されています。
さらに、グラフ右上のリンクから
キーワードを掘り下げて表示(ドリルダウン)する
と、キーワードに関するデータの詳細を確認できます。データは、Zoho Sheet/CSV/PDFの形式でエクスポートできます。
顧客が言及した競合他社の内訳(言及された回数と全体に占める割合)を円グラフで確認できます。たとえば、以下のグラフでは、全体で106人の顧客(重複を除く)が競合他社に言及しており、そのうちMicrosoftとSAPが全体の17.29%を占めていることが分かります。このようなデータは、顧客がどの競合他社を比較材料としているかを理解するのに役立ちます。また、グラフの抽出条件を変更して、経路ごとに結果を表示することもできます。
顧客が各競合他社に言及した回数の推移を線グラフで確認できます。たとえば、以下のグラフのように、ある期間だけ競合他社に言及する顧客が急増していることが分かれば、原因を究明し必要な改善を行うことができます。
対象の顧客が競合他社に言及した回数を、顧客とのやりとりの期間別に表示できます。分析表の上にマウスのカーソルを合わせると、各競合他社の名前と、顧客が対象の競合他社に言及した回数を表示できます。
対象の顧客が各業界の競合他社に言及した回数を、顧客とのやりとりの期間別に表示できます。分析表の上にマウスのカーソルを合わせると、各競合他社の名前と、顧客が対象の競合他社に言及した回数を表示できます。
競合他社のコホート分析(設定別)では、顧客とやりとりした期間ごとに、顧客が競合他社に言及した回数を、競合他社アラートの通知設定別に表示できます(Zoho CRMの競合他社アラート機能では、あらかじめ通知設定ごとに複数の競合他社名を登録しておくと、見込み客や連絡先からのメールで競合他社の名前が言及された場合に通知を受信できます)。顧客とのやりとりの期間には、顧客とやりとりを開始したときから、顧客から最後に連絡を受けたときまでの期間が適用されます。 分析表の上にマウスのカーソルを合わせると、各競合他社の名前と、顧客が対象の競合他社に言及した回数を表示できます。
失注前に顧客が競合他社に言及していた場合、顧客が言及した競合他社名、失注した商談数、競合他社の名前に言及してから失注したまでの期間を確認できます。たとえば、顧客が「B社のサブスクリプションの価格はもっと安い」と述べた1週間後に商談1件を失注した場合、競合他社名(B社)、失注した商談数(1件)、言及から失注までの期間(1週間)がグラフに計上されます。
9.競合他社の言及後に失注した商談のコホート分析(業界別)
失注前に顧客が競合他社に言及していた場合、顧客が言及した競合他社の業界、失注した商談数、競合他社の名前に言及してから失注したまでの期間を確認できます。たとえば、顧客が「B社のサブスクリプションの価格はもっと安い」と述べた1週間後に商談1件を失注した場合、競合他社(B社)の業界、失注した商談数(1件)、言及から失注までの期間(1週間)がグラフに計上されます。
象限グラフ上で、顧客に関連付けられている商談数(縦軸)、顧客とやりとりした期間(横軸)、顧客が競合他社に言及した回数(円/文字の大きさ)を確認できます。たとえば、ある顧客について、やりとりした期間が10週間、関連付けられている商談が4件、B社に言及した回数が9回といったデータを確認できます。象限分析のデータは、キーワードまたは円によって表示可能です。円または文字が大きいほど、言及回数が多いことを表します。
象限グラフ上で、顧客に関連付けられている商談数(縦軸)、顧客とやりとりした期間(横軸)、顧客が対象の業界の競合他社に言及した回数(円/文字の大きさ)を確認できます。たとえば、ある顧客について、やりとりした期間が10週間、関連付けられている商談が4件、業界Aの競合他社に言及した回数が9回といったデータを確認できます。象限分析のデータは、キーワードまたは円によって表示可能です。円または文字が大きいほど、言及回数が多いことを表します。
競合他社の傾向に関して異常値を確認できます。