メモ:
分析情報の表示に必要な権限:
データごとの分析の表示に関する権限:この権限を持っているユーザーのみが、データの詳細ページの関連リスト内で顧客の声分析のグラフを表示できます(分析情報は、顧客の声分析のダッシュボードが作成されているタブでのみ表示可能です)。
「顧客の理解こそ、最も重要な視点である」 - マルコム・フォーブス
はじめに
顧客の意識を分析するにあたっては、顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)に関する指標がよく用いられます。顧客体験とは、商品/サービス単体の価値だけでなく、購入前から購入後の過程における全体的な体験の価値を表します。顧客体験に関する指標を分析して対策することで、顧客全体の満足度向上を図ることが可能です。しかし、この手法では、顧客の評価の全体像を把握することはできますが、顧客個人とのやりとりを円滑に行うことための対策を練るのには適していません。顧客個人とのやりとりを円滑に行うためには、事業全体や顧客企業に関するデータや指標だけでなく、顧客個人の意識により特化したデータや指標が重要です。
顧客個人の意識に特化した分析の重要性
通常、指標の内容が表すのは、特定の個人に関する情報ではなく、組織や顧客などに関する全体的な情報です。売上や利益をはじめ、投資利益率(ROI)やクリック率(CTR)など、一般的な指標の内容は、どれも特定の個人の意識や状況を表すものではありません。これらの指標では、全体像を把握することはできますが、特定の個人に関する情報を把握することはできません。そのため、それぞれの顧客に適した対応を行うためには、顧客が求める商品/サービス、やりとり時における顧客の感情、顧客の商品/サービスに関する印象など、顧客個人の意識により特化した情報が重要となります。このような場合に、顧客の声分析における顧客単位の指標が役立ちます。
顧客の声分析における顧客単位の指標
顧客の声分析では、それぞれの顧客個人に関する指標を確認できます。メール、アンケート、問い合わせなどのさまざまな経路から分析した顧客のデータを、顧客の詳細ページの関連リスト内で表やグラフを通じて確認することが可能です。
顧客単位の指標を活用することで、以下の内容を実施することが可能です。
- 顧客の意識や感情を把握する
- 顧客の意識や感情をもとに優先度を設定し、優先度に応じて顧客に対応する
- それぞれの顧客の状況に適した対応を行う
- 顧客の不満を解決し、満足度をさらに高めるための対策を検討する
関連リスト内で確認できる顧客単位の指標
顧客の声分析の対象となるタブのデータをもとに、顧客単位の指標に関するさまざまな表やグラフが関連リスト内に表示されます。関連リスト内で確認できる内容は、以下のとおりです。
- 概要
- 感情別の反応数
- 最近使用されたキーワード
- 競合他社別の分析
- 意図別の反応数
- 経路別の感情分析
- 経路別の意図分析
- 商談化につながったキーワード
- 商談別の分析
概要
[概要]欄では、メール、通話、アンケート、問い合わせなどのさまざまな経路から分析された顧客の感情の概要を確認できます。顧客の感情は肯定的、中立的、否定的の3種類に分類されます。一定期間において顧客の感情が識別された回数と、その割合をひと目で把握することが可能です。
否定的として識別された顧客に関しては、その要因が表示されます。主な要因は、以下のとおりです。
- 顧客が否定的な反応を示した
- 競合他社への切り替えの可能性がある
- 顧客が解約した
表示される要因をもとに、否定的な顧客の度合いを測ることができます。
感情別の反応数
[感情別の反応数]欄では、顧客が示した感情ごとの反応数をドーナツグラフで確認できます。また、一定期間における各感情の反応数を曲線グラフで確認することも可能です。このグラフを活用することで、以下の内容を実施することが可能です。
- 顧客が反応を示した内容を確認する
直近において顧客が否定的な反応を示した場合、担当者はグラフから日付を確認し、該当する内容を特定することができます。 - 一定期間における顧客の感情の推移を把握する
肯定的な感情を示していた顧客が次第に中立的な感情や否定的な感情を示すようになった場合、このグラフから顧客の感情の推移を時系列で確認できます。感情の変化の要因を特定し、対処するのに役立ちます。 - 各感情の反応回数を比較する
このグラフを通じて、一定期間における各感情の反応回数を比較できます。
最近使用されたキーワード
[最近使用されたキーワード]欄では、各経路において顧客によって最近使用された感情を示すキーワードを表形式で確認できます。確認できる内容は以下のとおりです。
- キーワード
- キーワードが使用された日付
- 使用回数
- 感情
また、キーワードが使用された経路や、経路ごとの各指標を確認することも可能です。
競合他社別の分析
この欄では、顧客によって言及された競合他社と、その際に使用されたキーワードを確認できます。これらのデータは、ZohoのAIアシスタント「Zia」(ジア)を通じて検出されます。顧客が商品/サービスの利用をやめたり、購入しなくなったりする可能性を調べるのに役立ちます。また、競合他社に関する理解を深めるのにも役立ちます。
競合他社に関するデータの出力方法
競合他社に関するデータは、Ziaによる
競合他社アラート機能を通じて出力されます。
この機能では、顧客がメールなどの経路で競合他社の名前を記載した場合に、Ziaによって担当者に通知を送信するように設定できます。Ziaによって出力されるデータは、以下のとおりです。
- 競合他社名
- 反応数
- キーワード
上記の画像は、[競合他社別の分析]欄の例です。この欄から、「Airo Networks」という競合他社が言及されており、この競合他社に関して「connection quality」(通信の品質)というキーワードが5回使用されているのを確認することができます。
競合他社に関する分析に関する詳細については、
こちらをご参照ください。
意図別の反応数
こちらの欄では、顧客からの連絡の意図を示す反応数をグラフで確認できます。顧客の意図は依頼、問い合わせ、苦情、その他の4種類に分類されます。
ドーナツグラフでは、各意図の反応数とその割合を確認できます。曲線グラフでは、一定期間における各意図の反応数を確認することが可能です。以下の画像は、[意図別の反応数]欄の例です。この欄から、各意図の内訳を確認したり、一定期間におけるそれぞれの意図の推移を把握したりすることができます。
経路別の感情分析
[経路別の感情分析]欄では、顧客の感情(肯定的、中立的、否定的)の反応数を、それぞれの経路ごとに確認できます。顧客の感情に応じて使用される頻度の高い経路を把握するのに役立ちます。また、それぞれの経路における感情の傾向を把握することも可能です。
[経路別の意図分析]欄では、顧客の意図(依頼、問い合わせ、苦情、その他)の反応数を、それぞれの経路ごとに確認できます。[経路別の感情分析]欄と同様に、顧客の意図に応じて使用される頻度の高い経路を把握するのに役立ちます。以下の画像は、[経路別の意図分析]欄のグラフの例です。このグラフから、Zoho Surveyを通じて依頼やその他の連絡が行われる頻度が高いことが把握できます。把握した内容をもとに、各経路での対応方法について対策を練ることが可能です。
[経路別の意図分析]欄商談化につながったキーワード
[商談化につながったキーワード]欄では、商談成立までの過程において使用されたキーワードを確認できます。商談成立のきっかけや要因となった内容を把握するのに役立ちます。
商談別の分析
[商談別の分析]欄では、受注した商談において、受注前と受注後に使用されたキーワードを表形式で確認することができます。受注前と受注後における顧客の意識を把握するのに役立ちます。たとえば、受注前に肯定的なキーワードが使用されていたにもかかわらず、受注後に否定的なキーワードが使用されている場合、該当の顧客は受注後に商品/サービスに関して満足していない可能性があります。このように、商談の受注前と受注後に使用されたキーワードを分析することで、受注前と受注後における顧客の意識や感情の変化を把握することが可能です。