「今日のビジネスで重要なのは、何が起こったかを伝えるデータ、そしてそのイメージを伝えるストーリーのふたつです」
昨今、ビジネスにおいて「ストーリーテリング」に注目が集まっています。ストーリーテリングとは、データや事実を伝えるにあたって、ストーリー性を持たせて具体的なイメージを伝える手法です。
分析したデータを分かりやすく、かつイメージしやすく伝えることで、データの因果関係や全体像をつかみやすくすることができます。
しかし、会議やプレゼンテーションなどの場でこのようにデータを伝えることは簡単ではありません。対象データの検索、レポート/ダッシュボードの作成、資料としての整理など、準備に必要な内容は多岐にわたります。
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トム・カクロス(tomthedesigner.com)
このような場合、指標報告スライドショーが役立ちます。指標報告スライドショーでは、AIアシスタント機能であるZiaを通じて、プレゼンテーションのスライドを自動で作成することが可能です。
指標報告スライドショーの概要
ミーティングや会議において、スライドを活用した
プレゼンテーション
は必要不可欠です。分析データを簡潔にまとめ、グラフやアニメーションを交えながらわかりやすく内容を伝えることができます。
指標報告スライドショーでは、AIアシスタント機能であるZiaを通じて指標データを自動で作成し、プレゼンテーションのスライドとして分かりやすく表示することが可能です。設定方法も簡単です。設定画面から有効にするだけで、スライドが毎月自動で作成されます。また、スライドをエクスポートすることも可能です。
毎月のミーティングや会議で各種の指標データを算出し、スライドを手動で作成する手間を省くことができます。
利用条件
必要な権限:
指標報告スライドショーは、
Zoho CRMのエンタープライズプランまたはアルティメットプランを利用中であり、かつ10人分を超えるユーザーライセンスを購入している組織でのみ利用できます。
利用可能なデータセンターは、日本(JP)、米国(US)、インド(IN)、中国(CN)、オーストラリア(AU)、ヨーロッパ地域(EU)です。
指標報告スライドショーを有効にしたり、プレゼンテーションのスライドを表示したりできるのは、
管理者
のみです。
Ziaによる指標データ
スライドを作成するにあたって、Ziaによって組織のデータが分析されます。分析データをもとに、見込み客や商談などのタブ単位で指標データが算出されます。スライドにはタブごとに成果や傾向に関する指標データが表示されます。組織のデータを多角的に把握するのに役立ちます。
各タブにおいて算出される指標データの種類は、以下のとおりです。
見込み客の情報
見込み客のスライドで表示される指標データは、以下のとおりです。
-
作成した見込み客数
-
無効な見込み客数
-
未対応の見込み客数
-
今週の見込み客
メモ
:
-
作成後に対応が行われなかった見込み客は、
未対応
の見込み客として分類されます。
-
指標データは、1か月間のデータをもとに算出されます。
[今週の見込み客]
には、該当の月の直近の週に作成された見込み客の人数が表示されます。
商談の情報
商談のスライドで表示される指標データは、以下のとおりです。
-
未完了の商談数
-
作成した商談数
-
受注した商談数
-
失注した商談数
-
平均営業期間
-
合計売上
上記のスライドに加えて、以下のグラフのスライドも表示されます。
取引先別の金額
見込み客のデータ元別の売上
活動の情報
活動のスライドでは、組織ユーザーによって記録された活動に関する指標データが表示されます。
このスライドに表示される指標データは、以下のとおりです。
-
未完了のタスク
-
完了したタスク
-
予定
-
通話
-
遅延中のタスク
指標報告スライドショーの傾向分析
上記の各種指標データに関するスライドに加えて、
コホート
分析や
象限
分析に関するスライドも作成されます。見込み客/顧客の行動や傾向に関するデータを把握するのに役立ちます。
コホート分析
コホートとは、特定の期間において同じような特徴を持つデータの集まりであり、コホート分析では、Zoho CRMに保存されているデータをもとに顧客を属性や条件で分類し、顧客の行動や傾向を把握できます。
コホート分析のスライドでは、1か月間における取引先ごとの売上を確認することが可能です。1か月間の週ごとの売上の増減を確認したり、取引先の売上を比較したりするのに役立ちます。傾向を把握することで、問題点を見つけ出し、対処することができます。コホート分析の詳細については、
こちら
をクリックしてください。
象限分析
象限分析では、分析/計測対象のデータを4つの象限(枠)に分類し、データをより多角的に把握することができます。対象のデータの量が多い場合に役立ちます。象限分析の詳細については、
こちら
をクリックしてください。
以下の画像は、象限分析のスライドの例です。
メモ:
-
コホート分析/象限分析のスライドに使用される指標データは、Zoho CRMに保存されているデータをもとに算出されます。
-
傾向分析を実施するにあたって、データの更新頻度が高いタブが分析の対象として選択されます。たとえば、Zoho CRM内で
[商談]
タブのデータの更新頻度が最も高い場合、Ziaによって
[商談]
タブの傾向データが表示されます。
指標報告スライドショーの高度な分析
連絡に最適な時間帯に関する分析
連絡に最適な時間帯に関する分析スライドでは、時間帯別の連絡件数や顧客の応答状況を確認できます。分析データは、Ziaの設定に基づいて、特定のユーザーまたは組織全体のデータをもとに生成されます。また、分析対象としてチームを指定している場合、分析対象のチームにユーザーが追加されると、新しいユーザーも自動で分析対象に追加されます。
顧客の声に基づく受注/失注要因分析
指標報告スライドショーのストーリー機能では、スライドショー全体の流れを分かりやすくするために、スライドの内容や順番がZiaにより自動で調整されます。たとえば、商談データの分析において、商談に関連する予測分析データが検出された場合、該当の分析データがスライドショーに自動で追加されます。また、Zoho CRMで商談タブの利用頻度が低い場合は、商談データの分析スライドがスライドショーの最後に移動されます。
顧客の声に基づく受注/失注要因分析では、以下のグラフや表を確認できます。
- 未完了の商談における顧客の意図(円グラフ)
- 失注商談のキーワードと意図(表)
- すべてのキーワードの一覧(表)
指標報告スライドショーの使用
指標報告スライドショーのスライドは、
Ziaの通知画面
から確認できます。スライドは、毎月初日に作成されます。
対象の通知をクリックすると、スライドのプレビューが表示されます。プレビュー画面で行える操作は、以下のとおりです。
-
スライドの全画面表示
-
拡大/縮小
-
スライドの移動
-
矢印/ポインター/マーカーによる強調表示
-
マーカーの色のカスタマイズ
-
強調表示の削除
メモ:
プレビュー画面でスライドに追加した強調表示は保存されず、Zoho Showにも反映されません。発表時にデータを強調して表示する際にのみ使用できます。
スライドのカスタマイズ
プレゼンテーションのスライドは
Zoho Show
(Zohoが提供するプレゼンテーション作成サービス)にエクスポートしたり、Zoho Showで表示したりできます。Zoho Showでは、スライドに独自のロゴを追加したり、テーマを変更したり、スライドの内容を変更したりすることが可能です。Zoho Showでスライドを変更すると、Zoho CRM内でも変更内容が反映されます。
メモ:
プレゼンテーションのスライドは、リアルタイムで同期されます。Zoho Showでスライドを変更すると、Zoho CRM内でも変更内容がすぐに反映されます。また、Zoho Showでスライドのバージョンを管理/表示することも可能です。管理/表示するには、Zoho Showのスライドの画面右側から
[レビュー]
タブ→
[バージョン]
の順に移動します。詳細については、
こちら
をクリックしてください。
指標報告スライドショーの設定
管理者は、スライドショーの設定を最大10件作成できます。作成した各設定をもとに、Ziaによって適切なデータが取得され、スライドショーが作成されます。完成したスライドショーは、設定の中で指定したユーザーに自動で送信されます。
たとえば、ある営業マネージャーが、部門内のメンバーの職務別に業績と生産性を評価するとします。その場合は、評価する職務ごとにスライドショーの設定を作成し、各設定でその職務のメンバーを対象ユーザーとして指定します。これで、それぞれの職務に合ったスライドショーが自動で作成されます。
ユーザー別スライドショーの作成
スライドショーは、設定の中で指定したユーザーごとに、そのユーザーのデータを使って作成することができます。ユーザー別のスライドショーを作成するには、以下の手順で設定を行います。
ステップ1:スライドショー名を指定します。
ステップ2:スライドショーの対象ユーザーを指定します。[すべてのユーザー]を選択するか、特定のユーザーを指定します。ここで指定した対象ユーザーごとにデータが取得され、そのデータにもとづいて個別にスライドショーが作成されます。完成した各スライドショーは、そのスライドショーの対象ユーザーに送信されます。たとえば、対象ユーザーを4人指定すると、4人それぞれのデータにもとづいて、4人分のスライドショーが作成されます。あるユーザーのスライドショーは、そのユーザーが頻繁に使用するタブや担当する商談の売上データなどにもとづいて作成され、完成後、該当のユーザー宛てに送信されます。このように、対象として指定した各ユーザーについて、各人のデータにもとづいてその人専用のスライドショーが作成され、完成したスライドショーがそれぞれの人に送信されます。
ステップ3:スライドショーに含めるデータの範囲を指定します。ユーザー個人のデータのみとするか、ユーザーの部下のデータも含めるかを選択できます。部下のデータも含めるように指定すると、ユーザー個人とその部下のデータを合算してスライドショーが作成されます。
ステップ4:スライドショーの作成にどのタブのデータを使用するかを指定します。ユーザー自身でタブを指定することもできますが、タブの選択をZia(ZohoのAIアシスタント)に任せることも可能です。また、ユーザーが指定したタブと、Ziaが選んだタブの両方を使用することもできます。
ステップ5:スライドショーの対象ユーザー以外で、スライドショーを共有するユーザーを指定します。前のステップで指定した対象ユーザーの他に、スライドショーを共有したいユーザーがいる場合は、ここでそのユーザーを指定します。完成したスライドショーが対象ユーザーに送信されるときに、ここで指定したユーザーにも同じスライドショーが送信されます。
ステップ6:通知の方法を指定します。標準では、Ziaの通知画面で通知を受け取ることができます。これに加えて、Zoho CRMのボットからの通知メッセージをZoho Cliqで受け取ることも可能です。
ステップ7:スライドショーの作成スケジュールを指定します。まず、作成の周期を、週、月、四半期から選択します。さらに、その週、月、四半期の中でいつスライドショーを作成するのかを指定します。
指標報告スライドショーの設定を作成するには、以下の手順を実行します。
- [設定]→[Zia]→[指標報告スライドショー]に移動します。
- 指標報告スライドショーの画面で[新しいスライドショー]ボタンをクリックします。
- スライドショー設定の新規作成画面が表示されます。以下の設定を行います。
- スライドショー名を入力します。この名前は、スライドショーを送信するときに使用されます。
- 作成するスライドショーの対象ユーザーを指定します。まず、すべてのユーザーを対象とするか、一部のユーザーのみを対象とするかを選択します。
- 一部のユーザーのみを対象とする場合は、対象とするユーザーを個別に指定します。
- スライドショーに含めるデータの範囲を指定します。
- ユーザー個人を指定すると、そのユーザー1人のデータでスライドショーが作成されます。
- ユーザーの部下のデータも含めるように指定すると、ユーザー個人のデータと、組織上そのユーザーの部下にあたる人たちのデータを合算してスライドショーが作成されます。
- 使用するタブを指定します。
- タブの選択は、Ziaに任せることができます。Ziaは、対象ユーザーが普段どのようなタブをよく使用しているかなどを分析して、どのタブのデータを使用するかを自動で判断できます。
- 使用したいデータがすでに決まっている場合は、ユーザー自身でタブを指定することもできます。
- Ziaが選んだタブと、ユーザー自身が指定したタブの両方を使用することもできます。
- スライドショーを共有するユーザーを指定します。スライドショーの対象ユーザー以外にスライドショーを共有する場合は、共有するユーザーを指定します。
- 通知の方法を指定します。標準では、Ziaの通知画面に通知が届きます。Zoho Cliqを連携している場合は、Zoho Cliqを選択することもできます。Zoho Cliqを選択すると、ボットからの通知メッセージがZoho Cliqに届きます。
- スライドショーの作成スケジュールを指定します。
- スライドショーを作成する周期を、週、月、四半期から選択します。
- 週を選択した場合は、1週間の中のいつ(何曜日に)スライドショーを作成するかを指定します。
- 月または四半期を選択した場合も同様に、月または四半期の中のいつスライドショーを作成するかを指定します。
- [保存する]をクリックします。
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指標報告スライドショーのスライドの表示
指標報告スライドショーのスライドを表示するには。以下の手順を実施します。
-
Zoho CRMの画面右下にある
Ziaの通知アイコン
をクリックします。
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-
対象の
プレゼンテーションの通知
をクリックします。スライドのプレビューが表示されます。
-
要件に合わせて、画面下部のメニューでスライドをカスタマイズします(例:全画面表示、強調表示など)。
-
[Zoho Showで表示する]
をクリックすると、Zoho Showにスライドをエクスポートし、さらにカスタマイズすることができます。
ダッシュボードのスライドショーの作成
利用条件
この機能を利用できるのは、エンタープライズプラン、またはそれより上位のプランを利用中であり、かつデータセンターが日本、米国、オーストラリア、EU、インド、中国のユーザーのみです。
ダッシュボードの表/グラフや指標データをもとにスライドショー(プレゼンテーション)を作成することができます。チーム間でのミーティングや各種指標データの分析に役立ちます。作成したスライドショーは、Zoho CRMの画面内からすばやく表示することができます。スライドショーの内容を変更したい場合は、Zoho Showでスライドを開き、すばやく編集することが可能です。Zoho Showで行われた変更内容は、Zoho CRMにすぐに反映されます。
作成するには、以下の手順を実施します。
- [アナリティクス]タブをクリックします。
- 画面左側のメニューから対象のダッシュボードを選択します。
- ダッシュボードの画面右上の[…](その他)アイコン をクリックし、[スライドショーとして作成する]を選択します。
注:スライドショーの作成中に別のスライドショーを作成することはできません。1か月間にユーザー1人あたりにおいて作成可能なスライドショーは、10件までです。作成後1か月間が経過すると、スライドショーは消去されます。
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-
スライドショーの準備が完了すると、通知メッセージが表示されます。通知メッセージ内に表示されている[Ziaの通知欄で表示する]をクリックします。
- 通知の一覧が表示されます。スライドショーの情報は、一覧内の[ダッシュボードのスライドショー]の欄に表示されます。
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- Zoho CRMの画面内でスライドショーを表示する場合は、画面下部のメニューを操作します。こちらで行える操作や確認できる内容は、以下のとおりです。
- スライドの全画面表示
- スライド内のセクションの拡大
- ポインターの使用、マーカーによる注釈の追加、注釈の表示有無の切り替え
- 次のスライドへの移動、特定のスライドの表示
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- Zoho Showでスライドショーを表示したい場合や、スライドを編集したい場合、[Zoho Showで表示する]をクリックします。
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