顧客サポートのあり方は、顧客ニーズの移り変わりやIT技術の進化に応じて変わってきています。
かつては、対面での打ち合わせや電話での問い合わせを通じたサポートが中心でしたが、インターネットの発達とともに、Webサイトを通じたセルフサービス型のサポートも増えてきています。顧客の要件や好みによっては対面や電話での対応が求められることもありますが、セルフサービス型のサポートを適切な形で提供することで、顧客の疑問や課題の解決スピードを大幅に向上させることが可能です。
また、セルフサービス型の仕組みは、顧客サポートに限らず、社内の各種手続きやシステム導入など、さまざまな場面で広まってきています。
この仕組みでは、人間の担当者が1件1件時間をかけて対応する必要がなく、チャットボット(自動応答ロボット)から適切な資料やガイドを提供することで、疑問や課題をスピーディに解決できます。
Zoho Deskには、このようなセルフサービス型の顧客サポートを実現するのに役立つ「自動ガイドボット」の機能が用意されています。その名前のとおり、顧客が何か疑問や課題を持っているときに、チャットボットを通じて自動的に必要な情報を案内し、解決を図ることができます。
業界(小売業、情報通信業、医療機関)に応じた自動ガイドボットの活用例については、こちらのページ(英語)をご参照ください。 以下では、自動ガイドボットの標準的な活用例について説明します。
活用例
定型的な問い合わせへの対応を自動化
ある会社ではさまざまな地域で家具を販売しており、顧客数がたくさんいます。 たくさんの顧客をいかにして自社につなぎとめるかが、大きな課題となっています。取り扱う製品の種類も多く、顧客からはさまざまな問い合わせが寄せられます。一方、問い合わせ内容を分析したところ、製品の色やサイズ、素材に関して同じような問い合わせがたくさん来ていることが分かりました。こうした問い合わせに対しては、関連する資料を案内するだけで良く、サポート担当者が細かくやりとりする必要はありません。
そこで、この会社では、セルフサービス型の顧客サポートの仕組みを試すことにしました。具体的には、Zoho Deskの自動ガイドボット機能を活用することにしました。この機能を利用することで、顧客が必要な資料を案内するためのチャットボットをかんたんに作成できました。定型的な問い合わせについては、サポート担当者が対応しなくても、チャットボットが自動で対応を完了してくれるようになりました。この仕組みは、顧客とサポート担当者のそれぞれにとって以下のような点で役立ちます。
- 顧客は、サポート窓口にいちいち問い合わせて担当者とやりとりしなくても、Webサイトからチャットを通じてすぐに必要な資料を取得できるようになりました。
- サポート担当者は、同じような問い合わせに繰り返し対応する必要がなくなり、より複雑で重要度の高い問い合わせ対応に集中できるようになりました。
以下の画像は、上記のような対応を実現する際の設定イメージです。
携帯電話の端末を販売しているある会社では、自動ガイドボットを活用しています。この会社のWebサイトを訪問すると、チャット欄が表示されます。顧客はまず、チャット欄から案内に従って、氏名、メールアドレス、電話番号などの基本情報を入力します。それらの入力が完了すると、問い合わせの内容について尋ねられ、その内容に応じた情報の入力が求められます。
たとえば、ある顧客が購入した端末に不具合が生じ、その対応を依頼しようとしているとします。この場合、チャット欄から以下の情報を入力するように求められます。
- 端末の種類
- 不具合の内容:端末の発熱、液晶画面(ディスプレイ)の不具合、カメラの不具合、バッテリーの不具合
- 希望する対応内容:端末の交換、返品と返金
顧客が入力した情報に応じて、チャット欄に、関連する情報や今後の対応に関する案内が表示されます。
以下の画像は、上記のような場面におけるチャットのやりとりの例です。
その他の活用例
上記で説明した例の他にも、自動ガイドボットはさまざまな場面で役立ちます。たとえば、以下のような場面です。
- 旅行の予約やキャンセル
- 製品の使い方に関する質問
- 総務部門への対応依頼
- 銀行口座の開設手続き
- 飲食店の予約
- サービスに対するフィードバック
- イベントに関するアンケート
- Webサイトでのオンライン接客
- 求人への応募と面接の予約
- 講座の受講登録
上記に限らず、さまざまな用途に使用できます。
自動ガイドボットの設定の概要
自動ガイドボットの設定では、チャットボットによる対応フローを作成します。どのようなメッセージや選択肢を表示するか、どのような情報を入力してもらうかなどを、ドラッグ&ドロップの操作で手軽に設定できます。設定内容をWebサイトに反映するのも簡単です。
設定画面から自社の要件に合わせたフローを作成し、セルフサービス型のサポートをすぐに開始できます。
自動ガイドボットのフローの作成の流れ
- 部門を選択し、フローの名前や説明などの基本情報を入力します。
- フロー内に、処理内容を表す要素(ブロックや変数)を追加します。
- 作成したフローを公開します。
- どこでもサポートのアドオンや自動ガイドボットのウィジェットに、フローを関連付けます。