サポートプランの概要:機能の目的、活用範囲、メリット

サポートプランの概要:機能の目的、活用範囲、メリット

この機能は現在、一部のアカウントでのみ利用できます。今後、段階的にすべてのユーザーのアカウントで利用可能になります。 
提供するサポートサービスの範囲や内容は、ビジネス形態によって異なります。同様に、組織形態によっても変わってきます。事業特性、顧客属性、組織形態などによって、サポートサービスの範囲や内容が決まってきます。

たとえば、設立したてのスタートアップ企業の場合、既存顧客が少ないため新規顧客の獲得が重要になりますが、一方で既存顧客の維持もおろそかにできません。顧客サポートの人員も限られるため、対応をできるだけ効率的に行う必要があります。一方、幅広い顧客基盤を持つ大企業の場合、既存顧客に対するサポートを、どのように分担して的確に行っていくかが重要になります。顧客によっては自社から複数の商品やサービスを購入していることもありますが、そのような場合に発生する複雑な要件や調整事項にも対応していく必要があります。 

サポートサービスの提供にあたっては、顧客の期待を満たしつつ、同時に自社のサポート担当者の負荷が上がり過ぎないようにコントロールすることも求められます。この2つを両立することで、顧客離れを回避し、顧客の獲得や維持のコストが上がってしまうといった問題を回避できます。

Zoho Deskのサポートプラン機能を活用すると、このような状況に適切に対処しやすくなります。具体的には、以下のような点をもとに、顧客に提供するサポートサービスのプランを設定して管理できます。
  1. 顧客の業界
  2. 商品やサービスの内容
  3. 顧客の要件
  4. 顧客の重要度 
サポートプラン機能では、どのくらいの期間において、どのくらいの件数の問い合わせに対応するかを設定できます。また、SLAを関連付けることにより、問い合わせを受け取った後どのくらいの時間内に返信や解決を完了するか、基準を設定できます。

サポートプラン機能の概要

サポートプラン機能では、提供するサポートサービスの内容、提供期間や問い合わせの対応件数の上限などを設定できます。また、SLA機能と組み合わせることで、問い合わせに対する返信や問い合わせの解決に関する期限を定めることができます。 

具体的には、顧客と契約を結ぶ際、どのサポートプランを適用するかを確認し、顧客データに対して契約とサポートプランのデータを関連付けます。サポートプランの設定では、契約期間内であれば無制限に問い合わせに対応するか、それとも一定期間における対応件数の上限を定めるかを選択できます。また、サポートプランにSLAを関連付けて、問い合わせに関する返信や解決の期限を定めます。 

たとえば、ある顧客に対するサポートプランでは、1週間あたりの問い合わせ件数の上限を指定するとします。具体的には、1週間あたり100件までの問い合わせに対応するとします。この場合、SLAは、このプランの上限内の100件の問い合わせに対してのみ適用されます。なお、対応状況については詳細を随時確認できます。たとえば、上限の100件のうち今週は何件の問い合わせがすでに行われていて、残り何件の問い合わせに対応する必要があるかを確認できます。上限に達した後は、必要に応じて追加料金を請求したうえでサポートを提供するといった対応が可能です。 

サポートプランの活用例 

サポートプラン機能の具体的な活用例は以下のとおりです。  

商品に応じたサポートプランを作成し、顧客との契約に関連付ける

自社で提供している商品の中に、個別サポートの必要度が高い商品があるとします。また、該当の商品に対しては、一定の保証期間を設けているとします。保証期間内においては、対応を確実に行えるようにするため、対応件数の上限を定めたいとします。このような場合、以下のような手順で対応を進めることが可能です。
  1. SLAを新たに設定し、問い合わせに関する対応基準を定めます。例:重要度が高い問い合わせ→1時間以内に返信、6時間以内に解決。重要度が中程度の問い合わせ→1時間以内に返信、12時間以内に解決。また、件名をもとにした処理ルールを設定し、新しい問い合わせの件名に対象商品の名前が含まれている場合、このSLAを適用するようにします。
  2. サポートプランを新しく作成し、上記のSLAと関連付けます。サポートプランの設定においては、対応件数の上限を指定します。例:25件/週、50件/月。
  3. 契約データを新しく作成し、サポートプランと取引先(顧客)を関連付けます。
  4. 上記と同様の契約をもとに同様の商品を購入した顧客に対しても、上記と同じ処理を行います。 

ライセンス数に応じたサポートプランを作成し、顧客との契約に関連付ける

ソフトウェアの販売においては、ライセンス数に応じた課金形態がよくとられています。以下では、クラウドサービスを提供している会社を例に説明します。顧客は、利用者の数に応じてライセンスを購入します。また、顧客に対して提供するサポートは、購入されたライセンス数に応じて内容を定めるとします。このような場合には、以下のように設定します。
  1. ライセンス数に応じたSLAを新しく設定します。例:ライセンス数が50~100の場合→3時間以内に返信、1日以内に解決(その他のライセンス数の範囲についても同様に設定)。
  2. サポートプランを作成し、対応件数の上限を設定します。例:ライセンス数が50~100→5件/月、ライセンス数が500以上→50件/月。
  3. これらのサポートプランを作成後、SLAを関連付け、問い合わせへの対応時間の基準を設定します。
  4. その後、契約データを作成し、取引先(顧客)とサポートプランのデータを関連付けます。  

顧客の重要度に応じて問い合わせの対応件数のリセット頻度を設定する

たくさんの顧客がいる中では、どの顧客の重要度が高いかを見定めることが重要です。一般的には、売上高、商談金額、受注率、商品やサービスの利用率などの指標を用いて、重要度が設定されます。どの顧客も重要ではありますが、重要度の高い顧客に対してより手厚い対応を行うことで、事業の長期的な成長につなげることができます。 
このような対応を実現するのにサポートプランの機能が役立ちます。具体的には、重要度に応じてサポートプランを分けて管理します。
  1. 重要度の高い顧客:問い合わせへの対応件数を多めに設定し、解決までの時間を短く設定します。たとえば、プラン名をプレミアムサポートプランとし、対応件数は1か月あたり20件、解決までの時間は3時間以内とします。
  2. 通常の顧客:問い合わせへの対応件数を少なめに設定します。たとえば、プラン名をベーシックサポートプランとし、対応件数は1か月あたり5件とし、解決までの時間は設定しません(解決期限を保証しません)。 

問い合わせへの対応状況を分析し、より適切なサポート対応につなげる

サポートプランの機能を利用すると、どの顧客がどのくらいの問い合わせを行っており、残り何件問い合わせ可能になっているかを随時確認できます。たとえば、ある顧客のサポートプランでは、1か月あたり50件の問い合わせが可能だとします。一方、この顧客からの問い合わせが多く、サポート開始から3週間以内に50件の問い合わせがあり、対応件数の上限に達してしまったとします。このような場合には、契約内容を見直して追加サポートの提案を行うことで、追加コストをカバーしながら対応を継続できます。顧客の意向や状況により追加サポートの購入が難しい場合、ヘルプや動画などの参考資料を案内することで、課題の自己解決につなげてもらうことができます。

複数の商品やサービスのサポート期間や範囲を適切に管理する

提供するサポートの内容は、商品特性によっても異なります。たとえば、ある会社ではデータのバックアップ用のソフトウェアとセキュリティ関連のソフトウェアをそれぞれ販売しているとします。また、前者については契約期間中であれば制限なくサポートを提供し、後者については1年単位でサポートを提供するとします。両方のソフトウェアを購入した顧客がいる場合、それぞれのソフトウェアに応じた契約とサポートプランを関連付けることで、サポート期間や範囲を適切に管理できます。この例の場合の具体的な設定方法は以下のとおりです。 
  1. サポートプランを2つ作成する:バックアップ用ソフトウェアとセキュリティ関連ソフトウェアのそれぞれ用のサポートプランを作成します。作成する際、前者については対応件数を無制限とし、後者については1年間あたりの対応件数を定めます(例:12件/年)。
  2. サポートプランにSLAを関連付けて、対応時間の基準を設定します。たとえば、問い合わせの解決までの時間の基準を、バックアップ用ソフトウェアでは7日間以内と設定します。セキュリティ関連ソフトウェアでは優先度に応じて異なる時間を設定し、優先度が高い場合は12時間以内、優先度が中程度の場合は1日以内とします。
  3. 契約を2つ作成する:バックアップ用ソフトウェアの契約と、セキュリティ関連ソフトウェアの契約のデータを作成し、それぞれに対してサポートプランを関連付けます。   問い合わせを受信すると、問い合わせに関連するソフトウェアの種類に応じて、サポートプランやSLAの内容が適用されます。 


参考情報:

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