ChatGPT for Zoho Desk拡張機能は、Zoho Deskの有料プランでのみ利用可能です、また、現在は、米国（US）のデータセンターに登録されているアカウントにおいてのみ利用できます（データセンターに関する制限は、EUの一般データ保護規則／GDPRに準拠する目的で設けられています）。 

こちらの記事でご紹介するChatGPT for Zoho Desk拡張機能では、AIが問い合わせの要約、感情の分析、返信の草案作成を行います。これにより、サポート担当者は、問い合わせ内容や顧客の感情をすばやく理解できるだけでなく、返信の作成時間を短縮することが可能です。

たとえば、ある企業に対して顧客から複雑な内容の問い合わせが寄せられたとします。問い合わせには、問題の詳細や顧客からの要望などが長々と記載されています。ここで、ChatGPT for Zoho Desk拡張機能を利用すると、複雑な問い合わせであっても、問い合わせ内容と顧客の感情をすばやく理解することが可能です。

また、返信の草案では、AIが導き出した最適な解決策を確認できるだけでなく、顧客の感情を踏まえた文章表現も参考にできます。これにより、サポート担当者は返信作成の手間や時間を節約できるだけでなく、顧客の感情面も配慮した返信を作成することが可能です。

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能を利用するメリット

1. 返信時間の短縮：顧客への対応を迅速化し、顧客満足度を向上できます。
2. 感情面も配慮したサポート対応：問い合わせ内容の要約に加えて、顧客の感情の分析結果も確認できるため、感情面も配慮したサポート対応が可能です。
3. サポート担当者の生産性向上：問い合わせ理解や返信作成にかかる時間が短縮されることにより、人間による対応が必要な部分により多くの時間を割けるようになります。
4. 余力の創出：サポート担当者の負担を軽減し、改善のための余力を生み出すことができます。

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能の操作 

問い合わせの分析（Ticket Prediction）   

問い合わせの詳細ページから、問い合わせ内容の要約や、顧客の感情の分析結果を確認できます。これにより、問い合わせ内容の理解にかかる時間を短縮できるだけでなく、顧客の感情に寄り添った対応が可能です。

問い合わせの感情分析では、顧客がどのような印象や感情を抱いているかを分析できます。顧客の印象や感情は、問い合わせでの肯定的／否定的なキーワードの使用状況やメッセージ全体の文脈などを分析することによって推定されます。分析結果の表示欄では、検出された印象や感情の分類（例：満足感、不満感、怒り、悲しみなど）と、その説明を確認できます。

返信アシスタント（Reply Assistance） 

問い合わせの詳細ページで、顧客からの問い合わせに対する返信の草案（候補）を確認できます。これにより、短時間で質の高い返信を作成することが可能です。 

返信アシスタントは、Ziaの機能が有効になっていて、かつ［ナレッジベース］タブに記事が30件以上登録されている場合にのみ利用できます。 

インターネット上の公開情報の利用（Allow Open Domain Data） 

ChatGPT連携の設定で、インターネット上の公開情報の利用を許可すると、返信案の生成においてナレッジベースの記事を利用できない場合、インターネット上の公開情報をもとに返信案が生成されます。

参考情報：ChatGPT連携の仕組み

留意事項

1. データは、顧客から受信した最新の問い合わせに基づいて生成されます。
2. ナレッジベースの記事の内容をもとに返信内容の候補を生成するには、ナレッジベース内に記事が30件以上登録されている必要があります。記事数が30件に達していない場合、返信内容の候補は、インターネット上の公開情報を参考にして生成されます（インターネット上の公開情報の利用を許可する設定が有効になっている場合に限ります）。
3. OpenAIのAPIキーは有料アカウントで生成する必要があります。なお、APIキーがない場合は、こちらから作成できます（ページを表示するにはアカウントにサインインする必要があります）。 
4. 問い合わせの要約、感情の分析、返信の候補の各欄で［再生成する］をクリックすると、内容を再生成できます。なお、再生成は何度でも実行できます。
5. ［Ticket Prediction］（問い合わせの分析）と［Reply Assistance］（返信アシスタント）のメニューは、それぞれの機能が有効になっている場合にのみ、問い合わせの詳細ページに表示されます。
6. 返信アシスタントが有効になっている場合でも、インターネット上の公開情報の利用を許可する設定が無効になっている場合、返信内容の候補は、ナレッジベースの記事に基づいて生成されます。ただし、ナレッジベースの記事の登録数が30件に満たない場合、返信の草案（候補）は生成されません。
7. ［Response Generation Preference］（分析設定）の設定欄で、［Auto Generate］（分析データを自動で作成する）設定が選択されている場合、問い合わせの要約、感情の分析、返信内容の候補は自動で生成されます。［Generate on Click］（クリック時に分析データを作成する）設定が選択されている場合は、問い合わせの詳細ページで［Predict］（分析する）をクリックした場合にのみ、分析データが生成されます。 

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能のインストール 

Zoho Deskの組織の管理者は、ChatGPT for Zoho Desk拡張機能をマーケットプレイスまたはZoho Deskアカウントからインストールできます。 

Zoho Deskアカウントから拡張機能をインストールするには： 

1. Zoho Deskの管理者アカウントにサインインします。画面右上の［設定］アイコンをクリックし、［連携］→［すべて］の順に移動します。
2. ［ChatGPT for Zoho Desk］を検索します。
3. 検索結果から［ChatGPT for Zoho Desk］拡張機能を選択して、［インストールする］をクリックします。
   確認画面が表示されます。
4. 確認画面で必要に応じてポータル名を選択し、利用規約の同意にチェックを入れ、［Install］（インストールする）をクリックします。
5. ［一般設定］タブをクリックし、この拡張機能へのアクセスを許可する対象（部門、権限／担当者）を選択します。
   注：権限を指定した場合、許可対象の権限を持つ担当者のみが、この機能にアクセスできます。
6. ［インストールする］をクリックします。
   インストールが完了すると、拡張機能の設定ページが表示されます。右上に表示されるポップアップ画面で［認証する］をクリックします。 
7. 表示された画面で［承認する］をクリックして、Zoho Deskアカウントのデータへのアクセスを許可します。
8. ［各種設定］タブの［OpenAI Authentication］（OpenAIアカウントの認証）にある［API Key］（APIキー）の入力欄にOpenAIのAPIキーを入力し、［Save］（保存する）をクリックします。
   規約同意のチェックボックスを選択し、表示された画面で［Proceed］（続ける）をクリックします。 
9. 必要に応じて、［Ticket Prediction］（問い合わせの分析）、［Reply Assistance］（返信アシスタント）、［Allow Open Domain Data］（インターネット上の公開情報の利用を許可する）の各設定を有効にします。
10. ［Response Generation Preference］（分析設定）の欄では、分析データを自動で生成するか、手動で生成するかを指定します。
    自動で生成したい場合は［Auto Generate］（自動で生成する）、手動で生成したい場合は［Generate on Click］（クリック時に生成する）を選択します。
    
    
    

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能の利用 

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能は、インストール完了後、問い合わせの詳細ページから利用できます。  

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能を利用するには： 

1. 画面上部のメニューで［問い合わせ］タブをクリックします。
2. 問い合わせの一覧から対象の問い合わせをクリックし、詳細ページを開きます。
3. 問い合わせの詳細ページで左側のメニューにある（ChatGPT for Zoho Desk拡張機能）アイコンをクリックします。
4. ［ChatGPT for Zoho Desk］の画面で、以下の操作を実行します。
   
1. クリック時に分析データを作成する設定が有効になっている場合、［Ticket Prediction］（問い合わせの分析）タブで［Predict］（分析する）をクリックします。クリックすると、問い合わせの要約、感情の分析の内容が生成されます。 
2. 同様に、［Reply Assistance］（返信アシスタント）タブで［Generate Response］（返信を生成する）をクリックすると、返信の候補が生成されます。［Paste to Reply］（返信に貼り付ける）をクリックすると、生成された文章が返信画面のメッセージ欄に挿入されます。
5. 必要に応じて内容を編集し、［送信する］をクリックすると、返信を送信できます。
   
   
    

過去にやりとりしたメッセージの分析

 初期設定では、問い合わせの要約、感情の分析、返信の候補の各内容は、顧客から受信した最新のメッセージに基づいて生成されます。ただし、問い合わせの要約と感情の分析については、それ以前のメッセージを対象にして個別に生成することも可能です。

過去にやりとりしたメッセージを分析する場合、担当者と顧客のそれぞれのメッセージに対して分析を生成できます。担当者のメッセージを分析すると、担当者のメッセージの要約と感情が、顧客のメッセージを分析すると、顧客のメッセージの要約と感情が表示されます。

過去にやりとりしたメッセージを分析するには：

1. 画面上部のメニューで［問い合わせ］タブをクリックします。
2. 問い合わせの一覧から対象の問い合わせをクリックし、詳細ページを開きます。
3. 分析するメッセージの欄で、右上にある［…］（その他）メニューをクリックします。
   なお、この操作は、担当者のメッセージ欄でも、顧客のメッセージ欄でも実行可能です。
4. ［Response Summary by ChatGPT］（ChatGPTによる分析）をクリックします。
   画面右側に［Response Summary］（返信の概要）の画面が表示されます。
5. ［Predict］（分析する）をクリックします。
   
   
   
   

RadarアプリでのChatGPT for Zoho Desk拡張機能の利用 

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能は、ブラウザーからだけでなく、Radarアプリからも利用できます（Radarアプリは、顧客サポート部門の管理者やサポート担当者が、問い合わせや顧客満足度に関する統計情報を手軽に確認できるモバイルアプリです）。ChatGPT for Zoho Desk拡張機能のWeb版の利用権限があるユーザーは、Radarアプリからもこの拡張機能にアクセスできます。 

Radarアプリで拡張機能を有効にするには： 

1. Radarアプリで設定アイコン→［Configuration］（設定）→［Radar Store］（Radarストア）の順に移動します。
2. 拡張機能の欄で、［ChatGPT for Zoho Desk］を有効にします。
   
   
   
3. 問い合わせの一覧から対象の問い合わせを選択し、詳細ページを開きます。
4. 右上にある詳細アイコンをクリックし、上部のメニューで（ChatGPT for Zoho Desk）アイコンをタップします。
5. ［ChatGPT for Zoho Desk］の画面で、以下の操作を実行します。
   
1. 分析データを手動で作成する設定が有効になっている場合、［Ticket Prediction］（問い合わせの分析）タブで［Predict］（分析する）をタップします。タップすると、問い合わせの要約、感情の分析の内容が生成されます。 
2. 同様に、［Reply Assistance］（返信アシスタント）タブで［Generate Response］（返信を生成する）をタップすると、返信の候補が生成されます。［Paste to Reply］（返信に貼り付ける）をタップすると、生成された文章が返信画面のメッセージ欄に挿入されます。
6. 必要に応じて内容を編集し、送信ボタンをタップすると、返信を送信できます。
   
    

拡張機能の無効化／アンインストール 

ChatGPT for Zoho Desk拡張機能は、必要に応じて、無効化／アンインストールできます。なお、拡張機能の無効化やアンインストールは、Zoho Deskの組織のシステム管理者のみが実行できます。拡張機能をアンインストールすると、拡張機能に関連付けられているすべてのデータが完全に削除されます。削除されたデータは、拡張機能を再インストールしても、復元できません。

拡張機能を無効にした場合、必要なときにいつでも有効にできます。再度有効にする場合は、APIキーを入力してあらためて設定を行う必要はありません。ただし、無効にする前に生成された分析データや返信データは、機能を再度有効にしても復元できません。 

 ChatGPT for Zoho Desk拡張機能を無効するには： 

1. Zoho Deskの管理者アカウントにサインインします。画面右上の［設定］アイコンをクリックし、［連携］→［すべて］の順に移動します。
2. ページ上部の［インストール済みの拡張機能］をクリックします。
3. ［ChatGPT for Zoho Desk］を検索し、選択します。
4. 切り替えボタンをクリックし、拡張機能を無効にします。
5. 確認画面で［無効にする］をクリックします。
   
   
   

 ChatGPT for Zoho Desk拡張機能をアンインストールするには： 

1. Zoho Deskの管理者アカウントにサインインします。画面右上の［設定］アイコンをクリックし、［連携］→［すべて］の順に移動します。
2. ページ上部の［インストール済みの拡張機能］をクリックします。
3. ［ChatGPT for Zoho Desk］を検索し、選択します。
4. 画面右上の（その他）アイコンをクリックし、［拡張機能をアンインストールする］を選択します。
5. 確認画面で［確定する］をクリックします。
   
   
   

参考情報：

ZiaとChatGPTの連携機能