Zoho DeskとZoho Cliqの連携により、Zoho Cliqのチャット画面から、Zoho Deskの問い合わせを表示したり、Zoho Deskの通知を受信したりすることができます。また、Zoho Deskにおけるその日の対応状況の概要を把握することも可能です。
連携によって利用できる機能は、次のとおりです。
- 通知:問い合わせに関するさまざまな更新(例:ステータスの更新、コメントの追加、エスカレーション)に関する通知を、チャットのチャンネルやダイレクトメッセージで受信できます。
- かんたん処理:ダイレクトメッセージでの通知の表示欄から直接、問い合わせに関する重要な処理(例:返信の送信、ステータスの更新、問い合わせの割り当て、コメントの追加)を実行できます。
- 対応状況の分析:未完了/遅延/解決済みの問い合わせ件数、顧客満足度評価、完了数が上位3位内の担当者などの概要を、毎日確認できます。
- コマンドの実行:チャット画面のメッセージ入力欄に特定のコマンド(テキスト)を入力して、Zoho Deskの問い合わせに関する情報を取得し、表示したり投稿したりすることが可能です。
Zoho DeskとZoho Cliqの連携を設定するには、管理者権限が必要です。
Zoho DeskとZoho Cliqの連携を有効にする前に、以下の留意事項をご確認ください。
Zoho Deskアカウントの組織アカウントへの変換
Zoho Deskアカウントでは、アカウント内に組織の目的に応じた複数のポータルを作成して利用できます。また、組織の担当者は、複数のポータルに同時に参加することが可能です。これより、担当者は適切なポータルを使用して、さまざまな製品、部門、地域の顧客の問い合わせに対応できます。
一方、Zoho Cliqアカウントは、組織で共通の組織アカウントとして利用します。そのため、Zoho Deskアカウントが組織アカウントではない場合、Zoho DeskとZoho Cliqの連携を設定するには、Zoho Deskアカウントを組織アカウントに変換する必要があります(組織アカウントとは、一意の組織IDを持つアカウントで、組織内のすべてのZoho Deskユーザーが関連付けられているアカウントを指します)。具体的には、連携の設定時にZoho Deskアカウント内のポータルを1つ指定します。
組織アカウントへの変換により、Zoho Deskアカウントに次の変更内容が適用されます。
- 担当者の招待とユーザー管理操作を実行できるのは、管理者のみになります。
- 担当者は、組織アカウント内の1件のポータル(変換時に指定したポータル)以外には参加できなくなります。
- 組織アカウントに変換すると、元に戻すことはできません。
留意事項:
- Zoho Desk内の担当者が別の組織のZoho Cliqアカウントに登録されている場合、Zoho Cliqを連携できません。これは、Zoho Cliqを通じて複数の組織間でデータを共有すると、情報セキュリティ上の問題があるためです。この場合、該当の担当者を無効にするか、support@zohodesk.comにお問い合わせください。
- Zoho DeskとSlackとの連携を設定済みの場合は、Zoho Cliqを連携できません。
Zoho Cliqのチャンネルと通知ボット
- Zoho Cliqの連携設定が完了すると、「#desk」という組織チャンネルが作成されます。担当者は、このチャンネルを通じてZoho Deskの最新情報に関する通知を受信します。通知は、指定したチャンネルに対して、「Deskbot」という名前の、あらかじめ用意されているボットから送信されます。担当者は、対象のボットとチャンネルに登録して参加する必要があります。
- 問い合わせの担当者自身が、問い合わせに変更を加えたりタスク/通話/予定を作成したりした場合は、通知は送信されません。
連携の設定画面では、次の各タブで設定を行います。
設定
Zoho Cliq連携画面の[設定]タブでは、Zoho Cliq連携画面のZoho Deskアカウントの部門とZoho Cliqチャンネルとの関連付けを設定します。特定の部門の問い合わせに関する通知は、関連付けられているチャンネルに送信されます。必要に応じて、あとで部門を無効にすることもできます。無効にすると、部門とチャンネルの関連付けは削除され、以降の通知はチャンネルに送信されなくなります。また、その結果、部門に関連付けられていたチャンネルも無効になります。
管理者は、新しいチャンネルを作成したり、既存のチャンネルを直接関連付けたりすることが可能です。部門とチャンネルの作成方法についての詳細は、
部門の追加と管理と
チャンネルの作成のページをご参照ください。
Zoho Deskアカウント内に部門が1つのみの場合、上記の設定画面には表示されません。初期設定では、Zoho Deskの部門は、初期設定のZoho Cliqチャンネル「#desk」に関連付けられます。管理者は、必要に応じて、部門とチャンネルの関連付けの設定を変更できます。
各種設定
Zoho Cliq連携画面の[各種設定]タブでは、管理者がチャンネル内でユーザーによる実行を許可する操作や、チャンネルでの通知対象などを設定できます。設定可能な内容をそれぞれ説明します。
通知とダイレクトメッセージ
[問い合わせ]タブと[活動]タブで実行された処理に関する通知とダイレクトメッセージが、指定したチャンネルに送信されます。
- 実行された処理に関する通知は、データの担当者と作成者が異なる場合にのみ送信されますのでご注意ください。たとえば、渡辺さんが問い合わせに自分のタスクを作成しても通知は送信されませんが、渡辺さんがタスクを東野さんに割り当てた場合は、チャンネルに通知が送信されます。
チャンネルへの通知、および、データ担当者へのダイレクトメッセージの送信における通知対象は、以下の表のとおりです。
問い合わせ | 活動
| ダイレクトメッセージ
|
- 問い合わせの作成/完了/再開
- コメントの追加/編集
- 問い合わせのステータスの更新
- 問い合わせの担当者の更新
- 問い合わせの部門の変更
- 問い合わせのエスカレーション
- 問い合わせの期限(30分前)
- 問い合わせの期限(1時間前):チャンネル通知に従って、この一覧を更新します
| - タスク/通話/予定の作成
- タスク/通話/予定の完了
- タスク/通話/予定のリマインダー
| メモ:問い合わせが担当者に割り当てられた場合、すべての問い合わせの情報がダイレクトメッセージとして送信されるようになり、チャンネルには送信されなくなります。問い合わせで実行された処理とは別に、以下の通知がダイレクトメッセージとして担当者に送信されます。
- 顧客の満足度評価の受信
- 問い合わせのブループリント遷移の保留
- コメントでの問い合わせの担当者またはユーザーのメンション
|
問い合わせの詳細を取得するためのスラッシュコマンド
Zoho Cliqのチャット画面のメッセージ入力欄に特定のスラッシュコマンドを入力することで、問い合わせの詳細を取得できます。Zoho Deskへと画面を切り替えなくても、Zoho Deskの問い合わせの情報を上司や同僚などにすばやく共有することが可能です。
Zoho Cliqのコマンドと機能内容は、以下の表のとおりです。
| 機能内容
| 例
|
/ticket
| 自分に割り当てられた直近3件の問い合わせを取得します。
| /ticket
|
/ticket [問い合わせ番号]
| 問い合わせ番号に基づいて、問い合わせを取得します。
| /ticket 115
|
/ticket [顧客のメールアドレス]
| 特定の顧客からの直近3件の問い合わせを取得します。
| /ticket watanabe@abc-corp.com
|
/pendingtickets
| 未解決の問い合わせに関する概要情報を取得します(保留中/遅延中/未割り当ての問い合わせの件数など)。
|
|
/deskstatus
| 選択した属性に基づいて、過去24時間の統計データを取得します(選択可能な属性:新規/完了/顧客満足度/上位3人の担当者)。
|
|
- Deskボットの処理:担当者が問い合わせの解決状況を確認する場合、問い合わせタブに移動する代わりに、Zoho Cliqのチャンネルに特定の処理を入力することで、詳細を取得できます。
Zoho Cliqのコマンド
| 機能内容
|
Overdue Tickets
| 遅延中の直近3件の問い合わせを取得します。
|
Due Today
| 今日が期限の直近3件の問い合わせを取得します。
|
Open Tickets
| 未完了の直近の3件の問い合わせを取得します。 |
問い合わせの解決状況の概要と未解決の問い合わせの概要
毎日、組織専用と部門専用のチャンネルに、以下の更新情報が送信されます。
- 問い合わせの解決状況の概要:新しい問い合わせと完了した問い合わせの件数、顧客の満足度評価や、問い合わせの完了数が上位3人の担当者などを把握できます。
- 未解決の問い合わせの件数:未完了の問い合わせと遅延中の問い合わせの件数
Zoho DeskとZoho Cliqを連携するには
- 画面右上にある[設定](歯車アイコン)をクリックし、設定画面から[連携]→[Zoho]の順に移動し、連携アプリの一覧から[Zoho Cliq]をクリックします。
- [インストールする]をクリックします。
Zoho Deskアカウントは組織アカウントである必要があります。組織アカウントでない場合、通知画面で[続ける]をクリックします。
- Zoho Deskの部門に関連付けるZoho Cliqのチャンネルを選択します。
チャンネルを作成するには、[+ 新しいチャンネルを追加する]をクリックします。 - 通知の受信を無効にする部門の切り替えボタンをクリックします。
- [保存する]をクリックします。
- [各種設定]タブに移動して、以下の手順を実行します。
- [問い合わせ]の設定欄で、[設定する]をクリックして、必要な設定にチェックを入れます。
- [ダイレクトメッセージ]の切り替えボタンをクリックして、必要な設定にチェックを入れます。
- [保存する]をクリックします。
- [活動]の設定欄で、[設定する]をクリックして、タスク/通話/予定に関して必要な設定にチェックを入れます。メニューで関連設定を確認し、[保存する]をクリックします。
Zoho Cliqの通知画面での処理の実行
設定と、各種設定での問い合わせと活動に関する設定の内容に基づいて、担当者は指定のチャンネルで更新情報に関する通知を受け取ります。通知の画面では、担当者は以下の処理を実行できます。
メモ:担当者が通知画面でボタンをクリックして、Zoho Cliqチャンネルを通じて処理を実行するには、Zoho OAuthの認証を行う必要があります。 - 問い合わせのステータスの更新:担当者は通知画面から、問い合わせのステータスを変更できます。更新内容は、対象の問い合わせに自動で反映されます。
- 問い合わせの割り当て:担当者は、問い合わせに必要な処理に基づいて、別の担当者やチームに問い合わせを割り当てることができます。
- 返信:ユーザーは通知画面から直接、顧客に返信を送信できます。
- コメント:公開/非公開のコメントを問い合わせに追加できます。
上記に加えて、担当者はチャンネルでスラッシュコマンドまたはZoho Cliqのコマンドを使用して、問い合わせに関する情報を取得することも可能です。
Zoho Cliqのコマンドを使用するには
- Zoho Cliqのチャンネルで、対象のコマンドを入力します。たとえば、「/ticket」と入力すると、自分に割り当てられた直近の問い合わせ3件の概要を表示できます。なお、この時点では内容は自分に対してのみ表示されています。
- 問い合わせ情報をユーザー/チャンネルに送信するには、[こちらに投稿する]をクリックします。
Zoho Cliq連携の解除(アンインストール)
管理者は、必要に応じて、Zoho Cliq連携を解除できます。連携を解除すると、Zoho Desk内でZoho Cliqを通じた更新情報の通知機能は、利用できなくなります。
Zoho Cliq連携の解除が完了すると、チャンネルに通知は送信されなくなりますが、チャンネル自体はそのまま残ります。
Zoho DeskとZoho Cliqの連携を解除するには
- 画面右上にある[設定](歯車アイコン)をクリックし、設定画面から[連携]→[Zoho]の順に移動し、連携アプリの一覧から[Zoho Cliq]をクリックします。
- 画面右上にある[その他の操作]アイコン()をクリックし、メニューから[連携を解除する]をクリックします。