この記事では、WeComアカウントとZoho Deskアカウントを連携させる方法について説明します。連携させると、Zoho Deskの[インスタントメッセージ]タブから、WeChatを通じて顧客とやりとりできるようになります。
主に、次の3点について説明します。WeComのWebサイトでインスタントメッセージを外部サービスとして認証する方法(連携方法)、カスタマーサービスアカウントを作成して関連付ける方法、Zoho DeskでWeComの経路を設定する方法です。
これらの手順を実行すると、担当者は、他のサポート経路と同じようにWeChatで顧客とチャットできるようになります。これにより、効率的で一貫した顧客対応が可能になります。
重要:
WeCom連携は、中国本土に拠点を置く組織を対象とした機能です。
APIの利用がIPアドレスに基づいて制限されているため、APIリクエストは中国本土のIPアドレスから送信される必要があります。そのため、他のデータセンター(米国やインドのデータセンターなど)に登録されているZoho Deskアカウントでは、連携設定を完了できない場合があります。
WeChatとWeComの違い
連携設定を開始する前に、WeChatとWeComの違いを理解することが重要です。
- WeChat:個人ユーザー向けの中国の代表的なメッセージアプリで、多くの個人に利用されています。企業への問い合わせや、友人、家族とのチャットに利用されています。
- WeCom(旧WeChat Work):WeChatの法人向けサービスです。企業がWeChatユーザーと安全にやりとりできるように設計されています。
WeComとZoho Deskを連携させることで、Zoho Deskを利用しているサポート担当者とWeChatを利用している顧客との間でWeComアカウントを通じたやりとりが可能になります。担当者は、操作画面を切り替えることなく、顧客とのWeChatメッセージのやりとりにZoho Desk内から対応できるようになります。
必要条件
連携設定を開始する前に、以下の準備が整っていることを確認します。
- WeComのAPI連携を有効にするには、中国本土のネットワーク設備(サーバー環境)を利用する必要があります。
- 有効なWeComアカウント:連携設定を行うには、有効なWeComアカウントが必要です。アカウントを保有していない場合、WeComのWebサイトでユーザー登録を行う必要があります。
- 管理者権限:WeComの組織のオーナーまたは管理者である必要があります。Zoho Deskとの連携を認証するために必要です。
- Zoho Deskアカウントとの連携に必要な認証を実行する権限:WeComでの設定時に、WeComアカウントで、Zoho Deskによるアクセスを承認する必要があります。また、外部サービスのアプリとして連携する権限を、Zohoに付与する必要があります。
上記のいずれかが欠けている場合、連携設定を完了させることはできません。
WeComとインスタントメッセージの連携
以下の連携手順を実行して、WeComアカウントとZoho Deskのインスタントメッセージ機能との連携に必要な認証を行います。
手順:
1.Zoho Deskの画面で、[設定]→[インスタントメッセージ]→[WeCom]の順に移動します。
2.連携ボタンをクリックします。
3.WeComアカウントにサインインしていない場合、QRコードが表示されます。 WeComのアプリでQRコードをスキャンし、WeComの認証ページにログインします。
認証画面が表示されない場合、ブラウザーのポップアップブロックが有効になっている可能性があります。認証を続けるには、ポップアップブロックを解除します。
4.新しいウィンドウが開いて、WeComの認証ページが表示されます。
5.[Provide Exclusive CSR](専用CSRを提供する)にチェックを入れます。
6.[Read and Agree](確認して同意する)にチェックを入れます。[Agree to the above authorization and add](上記の認証に同意して追加する)ボタンをクリックします。
7.同意すると、WeComのアカウントとZoho Deskが関連付けられます。確認メッセージのページに転送されます。
8.Zoho DeskとWeComの組織の連携が完了しました。
9.WeComの管理画面で、設定済みの外部連携を確認することも可能です。
Zoho Deskのインスタントメッセージ機能が外部サービスのアプリとして認証され、WeComの管理画面に表示されると、WeComにカスタマーサービスアカウントを追加できるようになります。
この関連付けの処理は不可欠です。カスタマーサービスアカウントは、WeComの組織とインスタントメッセージとを結びつける役割を果たすためです。
既存のカスタマーサービスアカウントを選択するか、新しいカスタマーサービスアカウントを作成するかを選択できます。これらのアカウントをZoho Deskアカウントのインスタントメッセージ機能に関連付けると、WeChatメッセージにZoho Desk内から対応できるようになります。
WeComにおけるカスタマーサービスアカウントの作成
1.WeComの管理画面で、[App Management](アプリの管理)→[Apps](アプリ)の順に移動します。
2.[WeChat Customer Service](WeChatカスタマーサービス)をクリックします。
3.[Customer Service Account](カスタマーサービスアカウント)欄の下の[Create Account](アカウントを作成する)をクリックします。
すでにカスタマーサービスアカウントを保有している場合、手順6にスキップします。
4.カスタマーサービスアカウントの作成に必要な項目を入力します。
5.[Create](作成する)をクリックします。
6.アカウントを作成後、ページの一番下までスクロールして、[Authorize third-party apps](外部サービスアプリを認証する)をクリックします。
7.一覧に、[Zoho IM](Zohoのインスタントメッセージ)が表示されていることを確認します。右側の[…]ボタンをクリックし、[Authorize Customer Service Account](カスタマーサービスアカウントを認証する)を選択します。
8.ポップアップ画面に、利用可能なカスタマーサービスアカウントの一覧が表示されます。
9.対象のアカウントをすべて選択し、[OK]をクリックします。これにより、カスタマーサービスアカウントがZoho Deskに関連付けられます。
10.認証が完了すると、関連付けられたカスタマーサービスアカウントが、認証済みのアカウント一覧に表示されます。
インスタントメッセージにおけるWeComの経路の設定
WeCom側の準備が完了したら、Zoho Deskに戻って設定を完了します。
1.Zoho Deskの画面で、[設定]→[インスタントメッセージ]→[WeCom]の順に移動します。
2.[経路を作成する]をクリックします。
3.WeComとZoho Deskのインスタントメッセージ機能の連携設定が完了すると、Zoho Deskの[インスタントメッセージ]タブのWeCom連携のページに自動で移動するため、そちらから経路を設定することも可能です。
4.[経路名]を入力し、[WeComの組織名]を選択します。
5.[カスタマーサービスアカウント]のドロップダウンから、WeComで認証したカスタマーサービスアカウントを選択します。
6.WeComの受信メッセージを割り当てる[部門]を選択し、[保存する]をクリックします。これで経路が作成されました。
7.経路を作成したら、他の経路と同様に、チャットに対応する担当者を割り当てることができます。
8.担当者を割り当てて保存すると、やりとりを開始するための要素として、WeComのチャットのリンク、QRコード、メッセージボタンが表示されます。Webサイトやヘルプセンターにこれらの要素を埋め込むと、顧客はWeChatを利用してかんたんに連絡できます。
メッセージと添付ファイルに関するガイドライン
担当者がWeCom経路で顧客とチャットする際、テキスト、画像、動画、音声などを直接インスタントメッセージから送信できます。ただし、送信できるファイルの種類とサイズはWeComによって制限されています。
WeComの対応しているファイル形式と各ファイルサイズの上限
メッセージの種類
| ファイルの種類
| 対応している形式
| ファイルサイズの上限
| ファイルサイズの下限
| メモ
|
受信メッセージ
| 画像
| JPG/PNG
| 2MB
| 5バイト
| -
|
動画
| MP4
| 10MB
| 5バイト
| -
|
音声
| AMR
| 2MB
| 5バイト
| -
|
その他
| PDF、DOC、EXCEL
| 20MB
| 5バイト
| -
|
送信メッセージ
| 画像
| JPG/PNG
| 2MB
| 5バイト
| -
|
動画
| MP4
| 10MB
| 5バイト
| -
|
音声
| AMR
| 2MB
| 5バイト
| -
|
その他
| PDF、DOC、EXCEL
| 20MB
| 5バイト
| -
|
メッセージの利用制限と規則
WeComのカスタマーサービスAPIを利用する際は、WeChatのユーザー保護ポリシーに準拠する必要があります。これらのルールは、Zoho Deskに自動的に適用されます。
インスタントメッセージでチャットする際の重要なルールは、以下のとおりです。
顧客によるチャットの開始
担当者がWeChatユーザーとのチャットを開始することはできません。やりとりは常に、顧客からのメッセージで開始される必要があります。
48時間の返信期間
顧客からメッセージを受信すると、担当者は48時間以内に返信する必要があります。
- この期間内に、担当者は、顧客のメッセージ1件につき5件まで連続してメッセージを送信できます。
- 5件のメッセージを連続してすべて送信するか、48時間の期限が切れると、チャットのセッションが自動的にロックされます。
- ロックされると、顧客から別のメッセージを受信するまで、担当者はやりとりを再開できません。
期間外のメッセージ送信は不可
48時間の有効期間外の販促メッセージなどは、システムによって自動的にブロックされます。
これらの制限は、WeChatの迷惑メールとプライバシーポリシーに準拠するためのものです。
WeComのライセンスとインスタントメッセージ用のクレジット
Zoho Deskで顧客とメッセージをやりとりするには、WeComの有効なライセンスが必要です。Zoho Deskでは、すべてのライセンスの有効化と更新処理が自動化されています。この自動処理には、インスタントメッセージ用のクレジットが使用されます。
ライセンスの有効化と更新の仕組み
管理者が、WeCom用にインスタントメッセージのクレジットを購入すると、システムは以下のように動作します。
1.WeComの無料試用期間中の場合
- システムにより、残りの試用期間がチェックされます。
- 試用期間が終了すると、購入したクレジットが有効になり、その日から1年間ライセンスが有効になります。
2.WeComの有効な有料ライセンスをすでに保有している場合
- 試用期間、または利用中のライセンスの期限が過ぎた時点で、新しく購入したクレジットが有効になり、ライセンスが1年間延長されます。
メモ:インスタントメッセージ用のクレジットを保有しているだけでは、ライセンスが毎年自動で延長されることはありません。毎年更新するための複数年の自動更新機能は、今後リリース予定です。
WeComのライセンス
WeComのライセンスにより、Zoho Desk内で、WeComを通じてメッセージを送受信することが可能です。ライセンスなしで、担当者がZoho Desk内のWeChatで顧客とチャットすることはできません。
無料試用期間
- 新規の連携には、最初の認証から90日間の無料試用が適用されます。
- この試用期間中、無料でWeComを利用できます。
- 試用期間は最初の認証日に開始します。後からアンインストールしたり、連携を再認証したりしても、開始日は変わりません。
例:
- 1日目:顧客がWeCom連携を認証し、試用期間が開始します。
- 50日目:顧客が連携を削除します。
- 70日目:顧客が連携を再認証します。
- この場合、試用期間はリセットされません。1日目から引き続きカウントされるため、試用期間の残りは20日間です。
試用期間の終了後、連携機能を引き続き使用するためには、有効な有料ライセンスを取得する必要があります。
ライセンス料金とインスタントメッセージ用のクレジット
試用期間終了後、Zoho Deskでは、インスタントメッセージ用のクレジットを使用して、ライセンス購入の処理が自動で行われます。
- 料金:ユーザー1人あたり年間、約4クレジットです。
- Zoho Deskでは、ライセンスの確認、購入、更新手続きのすべてがシステムによって処理されます。
- 顧客は、必要なインスタントメッセージ用のクレジットを準備するだけでよく、手動によるライセンス管理は不要です。
WeCom用のインスタントメッセージ用クレジットの購入
ライセンス料金の支払いとWeComメッセージの有効化には、インスタントメッセージ用のクレジットが必要です。クレジット料金は年払いです(月払い、四半期払いではありません)。
クレジットの購入手順
1.画面右上にある設定アイコンをクリックします。
2.[経路]の欄の[インスタントメッセージ]を選択します。
3.[インスタントメッセージ]の設定画面で、[クレジットを購入する]をクリックします。
4.購入するクレジット数を入力します(最小:4クレジット)。
5.[決済する]をクリックして、処理を完了します。
決済処理が完了すると、購入分が利用可能なクレジットに追加され、引き続きメッセージを送信できます。
ライセンスのステータス確認
インスタントメッセージのページで、ライセンスや試用期間のステータスを確認できます。
- 試用期間の終了
- ライセンスの期限切れ
ライセンスの期限が切れると、以下の画面で確認できます。
1.経路の設定ページに、ライセンスが期限切れであることが表示されます。
2.チャット画面にも、更新するまで連携が無効であることを示す注意メッセージが表示されます。