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設計したジャーニーの成果は、優れた顧客体験として表れます。
ただし、何がうまくいき、何がうまくいかなかったのか、どこで離脱が発生したのか、注目すべき箇所はどこか、よく選ばれる経路や、成功に至る一般的な経路は何かを明確に把握するには、ジャーニーをステップごとに詳しく分析する必要があります。
CommandCenterのJourney Builderには、レポート機能が組み込まれています。ジャーニーを公開した後、[ジャーニー別レポート]から、そのジャーニー専用のレポートを確認できます。
設定に基づくジャーニー分析
Journey Builderには、次の3つの分析機能があります。
- ステージ別の分類では、指定した期間について、ジャーニーの各ステージに存在するデータの割合を確認できます。
- 各ステージの平均所要時間では、データが各ステージに滞在した平均時間を確認できます。
- データの総数では、選択した期間中に各ステージに存在したデータ数を確認できます。また、遷移を通過したデータ数も表示されるため、進行状況を把握できます。
これらの分析がビジネスにどのように役立つか、活用例を見てみましょう。
ジルカーは、さまざまな購入チャネルで柔軟な注文、配送、返品サービスを提供することで知られる家電量販店チェーンです。すべての顧客接点をエンドツーエンドのプロセスに連携し、1つの追跡システムで管理しながら、各ステージの集約状況を確認して経路を修正することで、あらゆる顧客接点で一貫した顧客体験を提供しています。
ジルカーがJourney Builderで作成したプロセスは次のとおりです。
検討から販売成立まで、ジルカーは顧客の選択に応じて適切に対応できます。また、ステージ間のデータの移動を監視することで、離脱、返品、カート放棄といった一連の動きを詳しく追跡できます。
ステージ別の分類
X軸:ステージ、Y軸:データ数
この機能では、選択した期間中に見込み客や顧客がどのステージに存在しているかを把握できます。ステージ別に分類することで、選ばれやすいステージや分布の均衡などを確認できます。
これは、各ステップをステージとする進行経路です。
各ステージのデータ数を確認することで、次の項目を比較できます。
- オンライン訪問と店舗訪問
- 成立した取引と放棄されたカート
- 商品の配送を待つ場合と店舗で受け取る場合の顧客の利便性
- 返品数と交換数
このほかにも、さまざまな項目を比較できます。
各ステージの平均所要時間
X軸:ステージ、Y軸:平均所要時間
このグラフでは、すべての見込み客や顧客が特定のステージに滞在する平均時間を把握できます。各データがステージに滞在する時間が表示されます。
たとえば、見込み客が「カートに追加済み」ステージに長時間滞在している場合、購入するかどうかを検討している可能性があります。ジルカーは、プッシュ通知で購入を促したり、カート内の商品についてリマインドしたりできます。
これは顧客体験における重要なポイントであり、適切なタイミングで特定することで、コンバージョンの可能性を高められます。
別の例として、出荷準備が完了した荷物が「配送業者割り当て済み」ステージに長時間留まっていることが判明したとします。この場合は、配送業者を変更するか、問題を報告できます。
このグラフでは、データが各ステージに滞在した平均時間を分析できます。平均進行時間を比較し、遅延があれば特定するのに役立ちます。
データの総数
このグラフでは、選択した期間中に見込み客や顧客がジャーニーをどのように進んだかを確認できます。進行状況に基づいて、主な離脱箇所、選択による経路の分岐、よく選ばれる経路、ジャーニーを完了した人数を把握できます。
たとえば、店舗受け取りを選択した顧客が多い場合、受け取りの方が簡単だと感じているか、配送費が高い、または配送に時間がかかると考えている可能性があります。同様に、返品や交換についてサポート要求を送信した顧客の割合も確認できます。
ステージ別レポートを超えた詳細な分析の作成
これら3つの標準ビューでは、ジャーニーの全体像を把握できます。実際、「ステージ別の分類」と「各ステージの平均所要時間」は、[分析]タブの棒グラフとヒートマップを使用して、より柔軟に作成できる分析のプリセット版です。ジャーニーの傾向を時系列で確認したい場合、複数の分析軸で比較したい場合、または目標値と照合したい場合は、分析機能全体を活用できます。
Journey Builderでは、CommandCenter全体で利用可能なものと同じ7種類のグラフを使用できます。ここでは、どのグラフも「設計したジャーニーが実際にどのような成果を上げているか」という共通の問いに答えます。
先ほど確認したジルカーのジャーニーを使用して、「検討」から「販売成立」までの各グラフを見ていきましょう。
折れ線グラフ
折れ線グラフでは、2つの指標に基づいて1つ以上の対象の実績、成長、進行状況、傾向を追跡し、平均線を基準として表示します。Journey Builderでは、構築した設定の各ステージをデータが進むのにかかった時間を確認できます。
折れ線グラフの設定項目
- 分析するJourney Builderの設定(レポートの対象)
- 使用するデータ(データの選択)
- 使用する集計方法(集計方法)
メモ:折れ線グラフでは、初期設定で[期間]がデータとして選択されます。
例:注文から配送までの小売取引における処理速度の評価
ジルカーのジャーニーは一直線ではなく、2つの待機遷移が組み込まれています。「カートに追加済み」で5日間応答がないデータは「カート放棄」に移行し、「配送後レビュー」では保証期間が終了するまで5日間待機します。これらの待機状態とジャーニーの期限を折れ線グラフに含めることで、単純なステージ一覧では把握できない情報を確認できます。配送にかかった時間だけでなく、そのうち実際に進行していた時間と、顧客が判断を保留していた時間も把握できます。
このグラフを作成するには、次の手順を実行します。
- [グラフ名]を入力します。
- 分析するJourney Builderの設定を選択します。
- データが[期間]であることを確認します。
- [最大値]、[最小値]、[平均値]から、集計方法として[最大値]を選択します。ジルカーの目的は、データが最終ステージに到達するまでにかかる最長時間を把握することであるため、[最大値]を選択すると、調査すべき外れ値を特定できます。
- 全体像を把握するため、待機遷移とジャーニーの期限をステージに含めます。
棒グラフ
棒グラフでは、複数の指標や変数に基づいて2つ以上の対象を比較します。Journey Builderでは、設計したステージが変数となり、各ステージを進む顧客がデータとなります。
例:ステージ別の出荷処理速度の把握
ジルカーの平均所要時間グラフでは、「配送業者割り当て済み」にデータが前後のステージより長く留まっていることがすでに判明しています。棒グラフを使用すると、さらに詳しく分析できます。「取り寄せ注文作成」、「倉庫間転送」、「出荷処理」、「配送業者割り当て済み」を基準ステージとして選択し、データに[期間]、集計方法に[平均値]を指定して、店舗受け取りの経路のみに絞り込みます。その結果、店舗受け取りの注文は、自宅配送の注文よりも約1日早くこれらのステージを通過していることが分かります。プリセットレポートでは使用できないこのような絞り込みも、棒グラフでは可能です。
棒グラフを作成するには、次の手順を実行します。
- [レポート名]を入力します。
- [レポートの対象]で、分析するJourney Builderの設定を選択します。
- [基準ステージの選択]で、分析するステージを選択します。
- [データ項目の選択]で、測定するデータを選択します。選択したデータがグラフのX軸を構成します。
- [データ]には、ステージ内のデータ数が表示されます。
- [期間]には、各ステージにかかった時間が表示されます。
- アプリの数値項目を使用すると、割合、時間、その他の数値を柔軟に表示できます。
メモ:そのプロセスの数値項目用に作成された差し込み項目のみが表示されます。ここで差し込み項目を作成した場合、その後にジャーニーの該当地点を通過したデータにのみ反映されます。すでにその設定地点を通過したデータに、差し込み項目の値がさかのぼって適用されることはありません。
- [集計方法]項目で、標準的な値を確認する場合は[平均値]、最小値を確認する場合は[最小値]、最大値を確認する場合は[最大値]を選択します。
- [グループ化]項目で、分析結果をグループ化する基準となるステージを選択します。
- [フィルター]項目で、必要に応じてフィルターを追加します。たとえば、特定のチャネルから受け付けた注文や、特定のセグメントに属する注文に絞り込めます。
ピボットレポート
ピボットレポートでは、設計したジャーニーを2つの観点から同時に確認できます。ステージと項目を行と列に設定することで、2つのジャーニー属性が交差する地点でデータポイントがどのように変化するかを分析できます。これにより、1つの分析軸だけでは見えないパターンを把握できます。
例:チャネル別の異議申し立て傾向の把握
ジルカーは、異議申し立てが特定の流入チャネル、つまりオンライン閲覧と店舗訪問のどちらかに集中しているかを確認しようとしています。行に流入チャネル、列に完了結果(「販売成立」と「異議申し立てを伴う販売終了」)を設定し、処理方法に[件数]を選択したところ、店舗訪問による注文では異議申し立ての割合が明らかに高いことが分かりました。この傾向は、単一のステージ別ビューでは把握できません。
ピボットレポートを作成するには、次の手順を実行します。
- [レポート名]を入力します。
- [レポートの対象]で、分析するJourney Builderの設定を選択します。
- [行の選択]で、行に使用するステージと項目を選択します。より詳細に比較するには、複数の行を追加します。
- [列の選択]で、列に使用するステージと項目を選択します。
- [データの選択]で、分析する項目を選択します。
- [処理方法]で、[平均値]、[最大値]、[最小値]、[合計]、[件数]のいずれかの集計方法を選択します。
- [フィルター]で、必要に応じてフィルターを追加します。
ヒートマップ
ヒートマップでは、設計したジャーニーを色で確認できます。色の強度からデータが集中している場所や、
選択した値がステージ間で増減している場所を把握できます。数値を確認する前に、
傾向を視覚的に特定できます。
例:ステージごとのファネルの減少状況の確認
ジルカーの数値を見ると、状況は明確です。「検討」では4,678件、「事業者への問い合わせ」では3,548件、「注文完了」では2,972件、「取り寄せ注文作成」では2,367件、「返品要求送信済み」ではわずか1,698件まで減少しています。「データ/件数」のヒートマップでは、「検討」が最も濃い色で表示され、データが後続のステージへ進むにつれて徐々に薄くなります。これにより、ジルカーの担当者は数値を1つずつ確認しなくても、ジャーニーのどこで顧客が減少しているかを一目で把握できます。
ヒートマップを作成するには、次の手順を実行します。
- [レポート名]を入力します。
- [レポートの対象]で、分析するJourney Builderの設定を選択します。
- [データの選択]で、[データ]、[期間]、またはアプリの数値項目を選択します。
- [集計方法]で、データの集計方法を選択します。たとえば、[データ]を選択した場合は[件数]を選択します。
- [配色]で、値の増加に伴う色の強度の変化を指定するため、[暖色から高温色]または[高温色から暖色]を選択します。
- [フィルター]で、必要に応じてフィルターを追加します。
進行状況の分析
進行状況の分析では、ジャーニー内で選択したステージ間をデータがどのように移動するかを比較します。ジルカーのジャーニーには分岐があり、店舗訪問の経路は「注文完了」で主要経路に合流し、店舗受け取りの経路は「店舗に到着」に向かって分岐します。そのため、中間ステージのデータ数は、上から下へ進む単純なファネルで想定される数よりも多い場合や少ない場合があります。この分析には、各ステージの順番だけでなく、そのステージの規模が反映されます。
例:ジャーニーによって顧客がどこまで進んだかの把握
2つのステージとして「検討」と「販売成立」を選択し、データに[データ]、集計方法に[件数]を指定すると、ジルカーはジャーニー全体の推移を確認できます。「検討」には4,678件のデータが流入しますが、販売成立として完了するデータは大幅に少なくなります。この差をステージ別ビューと併せて確認することで、各地点でのファネルの規模だけでなく、開始時の規模のうちどの程度が最終地点まで残っているかを正確に把握できます。
進行状況の分析を作成するには、次の手順を実行します。
- [レポート名]を入力します。
- [レポートの対象]で、分析するJourney Builderの設定を選択します。
- [ステージ]で、比較するステージを選択します。ジャーニー内のより多くの地点で進行状況を分析するには、複数のステージを追加します。
- [データの選択]で、測定するデータを選択します。
- [集計方法]で、選択したデータの集計方法を選択します。
- 含める各ステージについて、同じ設定を繰り返します。
目標グラフ:特定のステージへの到達
目標グラフでは、設定したステージ目標に向けたデータの進行状況を時系列で追跡できます。
例:ステージ目標に向けた進捗状況の追跡
ジルカーでは、「商談成立」を目標ステージとして設定し、選択した期間内にそのステージへ到達したレコード数を追跡しています。グラフでは、キャンペーン期間中は着実に増加しているものの、配送パートナーの変更直後に減少していることがわかります。これは単なるグラフ上の数値ではなく、何が変化したのかを確認するきっかけとなります。
目標グラフを作成するには。
- レポート名を入力します
- [レポートの対象]で、分析するJourney Builderの設定を選択します
- [ステージ目標の設定]で、目標として追跡するステージを選択します
- 複数のステージへの進捗を追跡する場合は、ステージ目標を複数追加します
- 目標メーター
- 目標メーターでは、設計されたジャーニー内で、設定した目標に対する進捗を測定できます。
例:目標に対する進捗の測定
ジルカーでは、今四半期中に「顧客への配送完了」へ到達するレコード数を2,000件に設定しています。[データ]で[レコード]を
選択し、[測定方法]で[件数]、[目標値]で[2,000]を選択すると、現在の達成数は1,830件と表示されます。目標達成まであとわずかで、
チームが四半期末までに埋めるべき差が明確になり、具体的な対応につなげられます。
目標メーターを作成するには。
- レポート名を入力します
- [レポートの対象]で、分析するJourney Builderの設定を選択します
- [基準ステージの選択]で、目標を設定するステージを選択します
- [データの選択]で、測定するデータとして、レコード、期間、またはアプリの数値項目を選択します
- [測定方法]で、選択したデータの集計方法を選択します
- [目標値]に、達成したい値を入力します
- [フィルター]で、必要に応じてフィルターを追加します
Journey Builderでは、3つの標準ビューと7つの詳細分析により、Path Finderと同じ2つの視点から確認できます。マップではジャーニーの全体像をひと目で把握でき、測定機能では確認した結果を数値化して目標を設定できます。両者の違いは、分析対象となる経路です。Path Finderでは顧客が自らたどった経路を分析するのに対し、Journey Builderでは設計した経路を分析します。そのため、こちらに表示される活発な箇所、離脱、目標には、設計したジャーニーの結果がそのまま反映されます。