自動化スタジオの概要

自動化スタジオの概要

注意
自動化スタジオは、プロフェッショナルプランとエンタープライズプランのユーザーが早期アクセスの申請に基づいて利用できます。早期アクセスをご希望の場合は、こちらのフォームからご申請ください。
どの企業にも、複数の処理の流れ、判断、関係者が関わる業務があります。たとえば、顧客の利用開始時には、歓迎メールの送信、顧客担当者の割り当て、フォローアップの予定の設定、データの更新などを決まった順序で行う必要があります。同様に、医療、金融、小売、製造などの業界でも、手作業を減らしながら複数の処理を並行して実行する必要があります。
従来のワークフローは、単純な繰り返し作業には有効です。一方、複雑な業務では、条件分岐、並列処理、連携処理、時間を指定した処理などが必要になる場合があります。
自動化スタジオでは、このような制約に対応し、単純な処理から複雑な処理までを自動化できます。処理の流れは、直感的に組み立てることが可能です。

自動化スタジオの概要
自動化スタジオでは、自動化の流れを直感的に設計、表示し、管理できます。プログラミングのコードを記述する必要はありません。管理者は一連の処理と実行順序をひと目で確認できるため、複雑な自動化処理も作成、把握、管理しやすくなります。

分岐ブロックを使用すると、複数の処理を同時に開始して実行できます。遅延ブロックでは、一定時間後または指定した日時に処理を実行するよう設定することが可能です。また、条件ブロックを追加すると、条件に応じて処理の進み方を細かく設定できます。
Zoho Deskでは、各種自動化処理が決められた順序で実行されます。自動化スタジオは、その順番の最後に位置し、他のすべての自動化処理が完了した後に実行されます。

利点
  1. 複数のルールの並行実行:1件のルールの実行が完了するのを待たずに、複数のルールを並行して実行できます。
  2. 柔軟な設定:業務要件に応じてさまざまなルールを設計できます。複雑な処理では、処理、条件、分岐、遅延などのブロックを組み合わせることができます。
  3. 部門ごとの運用:各部門がチームの要件に応じて独自のルールを作成できます。 
  4. 効率化:繰り返し作業や時間のかかる作業を自動化すると、手作業を行わずに処理を実行できます。

構成要素 

自動化スタジオでは、イベントとブロックを組み合わせて処理の流れを作成します。イベントはルールを開始するきっかけ、ブロックはルール内で実行する処理や処理の実行条件を設定するための部品です。

イベント 

イベントは、ルールの実行を開始するきっかけです。ルールを実行するタイミングを指定します。問い合わせの作成、更新、削除など、データに対する操作をきっかけにできます。

注意事項
メモ
  1. 利用できる処理は、ルールで選択したタブとイベントによって異なります。
  2. 自動化の流れを有効にするには、イベントを1件以上設定する必要があります。

ブロック 

ブロックは、処理の流れの中で、実行する処理や条件、分岐、待機時間などを設定するための部品です。
 
 
ブロックの種類
目的
説明

処理
処理の実行
通知の送信、項目の更新、カスタム関数の実行などの処理を行います。
  1. 顧客への受付確認メールの自動送信。
  2. zPhoneチームへの問い合わせの割り当て。
  3. 問い合わせのステータスを[顧客の返信待ち]に更新。
条件
条件の追加
条件を評価し、条件を満たした場合にのみ次の処理に進みます。条件を満たさない場合、その経路の処理は終了します。
  1. 問い合わせの優先度が[高]であるかどうかを確認。
  2. 件名に「エラー」や「返金」などのキーワードが含まれているかどうかを確認。
  3. 注文金額が10,000円を超えているかどうかを確認。
分岐
並列経路
処理の流れを最大5件の独立した経路に分け、各経路を同時に実行します。
  1. 顧客の都道府県(大阪府、神奈川県など)に応じて、注文を各地域のチームへ同時に振り分けます。
  2. 商品種別ごとに処理を分け、zPhoneとzPadにそれぞれ異なるSLAと担当者グループを適用します。
遅延
予定設定/一時停止
一定時間、または指定した日時まで処理を一時停止します。
  1. 問い合わせの完了から7日後に、満足度アンケートを送信します。
  2. 契約終了日の2週間前になるまで処理を一時停止し、2週間前になった時点で通知を送信します。
  3. 顧客からの返信を3日間待ってから、返信を促すメールを送信します。
 
各ブロックの種類については、「自動化スタジオでのブロックの作成」をご参照ください。

使用例

AIによる問い合わせの要約と自動割り当て
オンラインショップを運営するある企業では、顧客からの問い合わせ内容をAIを使用して自動で要約し、その要約に基づく受付確認メールを送信したうえで、問い合わせを適切なチームに割り当てる必要があります。

処理の設定
  1. イベント:問い合わせの作成
  2. 処理1:[内容の生成]を使用して、要件に応じて問い合わせのやりとりを要約するための[コンテキスト][プロンプト]を指定します。
  3. 処理2:処理1で生成した要約を使用し、[メールの返信を送信する]処理で顧客にメールを送信します。
  4. 分岐ブロック
    1. 経路1
      1. 条件ブロック:[商品名]が「zPad」
      2. 処理ブロック:問い合わせを「zPadのサポート」チームに割り当てる
    2. 経路2
      1. 条件ブロック:[商品名]が「zPhone」
      2. 処理ブロック:問い合わせを「zPhoneのサポート」チームに割り当てる
この処理では、処理の連結を使用し、ある処理による出力が次の処理で使用されます。

AIが生成した要約を含む受付確認メールが、顧客にすぐに送信されます。また、問い合わせが適切なチームに自動で割り当てられるため、手動での対応時間を短縮し、割り当てを効率化できます。
顧客への通知と応答のない問い合わせの自動完了
あるSaaS企業では、顧客から返信がないため、複数の問い合わせが未完了のまま残っています。その結果、チームの未完了の問い合わせ件数が増え、SLAの順守にも影響します。

そのため、顧客にリマインダーを送信して返信を促し、一定期間返信がない場合は問い合わせを自動で完了するよう設定します。

処理の設定
イベント:項目の更新
条件:問い合わせのステータスが任意の値から[顧客の返信待ち]に変更された
分岐ブロック:  
  1. 経路1
    1. 遅延ブロック:7日
    2. 条件ブロック:問い合わせのステータスが[顧客の返信待ち]で、[顧客の返信日時]項目の経過時間が7日以上
    3. 処理ブロック:顧客にメール通知を送信する。
  2. 経路2
    1. 遅延ブロック:10日
    2. 条件ブロック:問い合わせのステータスが[顧客の返信待ち]で、[顧客の返信日時]項目の経過時間が10日以上
    3. 処理ブロック:[データを更新する]で、問い合わせのステータスを[完了]に変更する。
顧客から返信がない状態が7日続くと、返信を促すメールが自動で送信されます。[顧客の返信待ち]の状態が10日を超えた問い合わせは自動で完了します。未完了の問い合わせを減らし、SLAを順守しやすくなります。


期限に基づく問い合わせの優先度設定と自動割り当て
あるサポートチームでは、問い合わせの期限に応じて優先度を自動で設定し、適切なチームに割り当てたいと考えています。これにより、優先度の設定やチームへの割り当てを手作業で行う必要がなくなり、緊急性の高い問題から対応できます。 

処理の設定
イベント:問い合わせの作成
分岐ブロック:  
  1. 経路1
    1. 条件ブロック:期限まで5時間未満
    2. 処理ブロック:[データを更新する]で、優先度を[高]に変更する。
    3. 処理ブロック:[問い合わせを割り当てる]で、問い合わせをL1チームに割り当てる。
  2. 経路2
    1. 条件ブロック:期限まで5時間以上1日以下
    2. 処理ブロック:[データを更新する]で、優先度を[中]に変更する。
    3. 処理ブロック:[問い合わせを割り当てる]で、問い合わせをL2チームに割り当てる。
  3. 経路3
    1. 条件ブロック:期限まで1日超
    2. 処理ブロック:[データを更新する]で、優先度を[低]に変更する。
    3. 処理ブロック:[問い合わせを割り当てる]で、問い合わせをL3チームに割り当てる。
カスタムタブのデータのステータス更新に基づく問い合わせの自動更新
ある製造企業では、商品に問題が発生すると、顧客から現地での点検やフィールドサービス担当者の対応が必要な問い合わせを受け付けます。フィールドサービス担当者が現地を訪問して問題を解決したら、手作業を行わずに関連する問い合わせを自動で完了する必要があります。

処理の設定
  1. タブ:現地調査(カスタムタブ)
  2. イベント:現地調査の更新
    条件:[現地調査のステータス]が更新された
  3. 条件ブロック:[現地調査のステータス]が「承認済み」
  4. 処理ブロック:[データを更新する]で、問い合わせのステータスを「現地調査承認済み」に更新する。

カスタムタブ(現地調査)の項目が更新された場合、関連する問い合わせの項目を参照して更新できます。
 

 ルールの作成方法については、「自動化スタジオを使用したルールの作成」をご参照ください。
 

自動化スタジオとワークフローの違い

機能
自動化スタジオ
ワークフロー

実行の種類
1件のルールの完了を待たずに、複数のルールを同時に実行できます。たとえば、問い合わせが作成されたときに、メールの送信、項目の更新、問い合わせの割り当てなど、複数の処理を同時に並行して実行できます。

1件のルールの処理が完了してから、次のルールが実行されます。 
実行順序
処理は、ユーザーが設定した順序で実行されます。業務の流れに合わせて、処理の順序を並べ替えることができます。
一部の処理についてのみ、システムで実行順序があらかじめ固定されています。 
処理の連結
処理を連結できます。ある処理の出力を、別の処理の入力として使用できます。たとえば、ある処理でAIが生成した要約を、次の処理で送信するメールの内容として使用できます。
処理を連結できません。各処理は独立して実行され、処理間でデータを受け渡すことはできません。

並列実行
1つの経路を複数に分岐し、それぞれを独立して開始できます。たとえば、問い合わせが作成されたときに、顧客へのメール送信、チーム責任者への通知、問い合わせの優先度の更新などを同時に実行できます。
単一経路での実行。1つの処理から次の1つの処理にのみ進み、複数の処理には分岐できません。 
条件分岐
条件ブロックを使用して、条件に応じた処理の進み方を設定できます。たとえば、問い合わせの優先度が[高]の場合に、L1チームへ割り当てます。条件を満たさない場合、処理の流れは終了します。
処理と処理の間に条件判定を追加することはできません。ワークフロールール内に条件ブロックのような分岐処理を追加することはできません。
時間を指定した処理
遅延ブロックを使用して、時間を指定した処理を設定できます。一定時間、または指定した日時まで処理の流れを一時停止できます。たとえば、問い合わせの完了から7日後にアンケートを送信できます。
時間を指定した処理には対応していません。ルールが開始されると、すべての処理がすぐに実行されます。

実行順序

Zoho Deskでは、自動化処理が決められた順序で実行されます。イベントが発生すると、各種自動化処理が次の順序で実行されます。
  1. 指名割り当てルール
  2. ワークフロー
  3. SLA
  4. 順繰り(ラウンドロビン)割り当て
  5. ブループリント
  6. 通知ルール
  7. 自動化スタジオ
注意事項
メモ
  1. 自動化スタジオは他の自動化処理の後に実行されるため、それより前に実行されたすべての自動化処理の結果を利用できます。一方で、それらの自動化処理による変更を上書きする可能性もあります。意図しないデータの上書きを防ぐため、ルールを設定する際はご注意ください。
  2. 同じイベントをきっかけに複数の自動化スタジオのルールが実行される場合、ルール間の実行順序は保証されません。条件に一致するすべてのルールが同時に実行されます。