Zoho Peopleでは、複数の組織を追加/管理でき、1つのメールアドレスとパスワードの組み合わせで各組織の従業員情報を個別に管理できます。組織別に認証する必要がなく、1つの管理者アカウントで複数の組織を管理できるため、異なる分野で事業を展開する企業にとって特に便利です。各組織には固有のURLを通じてアクセスできます。このURLは、Zoho Peopleアカウントに新しい組織を追加する際に生成されます。
例1:複数の独立した子会社を統括するIT企業グループ
会社名: TechAxis Group
シナリオ:
TechAxis Groupは、複数の独立したテクノロジー企業を所有しています。企業ごとに技術分野が異なり、人事、給与、コンプライアンスの規定も個別に設けています。
組織:
- TechAxis Software(受託開発)
- TechAxis Digital(UI/UXデザインサービス)
- TechAxis IT Infra(ハードウェアとネットワーキングソリューション)
複数の組織が役立つ点:
- それぞれの企業が独立して運営でき、独自のクライアント、給与サイクル、人事規定を設定できます。
- 各組織は個別に従業員データを保有できます。同時に、各従業員は複数の組織にアカウントを登録できます(1つのメールアドレスを共通使用)。
- 人事部門の管理者は、1つのメールアドレスで組織間を切り替えられるため、複数のアカウントを使い分ける必要がありません。
- Zoho PeopleのURLは、次のように組織ごとに変えることができます。
techaxissw.zohopeople.com
techaxisdigital.zohopeople.com
techaxisinfra.zohopeople.com
メリット:
持株会社や合弁会社のように、1つの管理アカウントから複数の独立した企業を管理する組織形態に適しています。
例2:クライアント別のチームを管理するITサービス企業
会社名: CloudSprint Solutions
シナリオ:
CloudSprint Solutionsは、大手企業向けにITマネージドサービスと人材派遣サービスを提供しています。クライアントごとにプロジェクトが分かれており、人事チーム、休暇規定、給与システムもそれぞれ異なるため、クライアントチーム間の機密保持が必要です。
組織:
- CloudSprint:クライアントAチーム
- CloudSprint:クライアントBチーム
- CloudSprint:クライアントCチーム
複数の組織が役立つ点:
- 各クライアントチームは、Zoho Peopleの個別の組織に所属します。
- 別のクライアントプロジェクトに従事する従業員のデータは表示できません。
- クライアントチームごとに規定、フォーム、人事評価をカスタマイズできます。
- 管理者は、複数の認証情報を使い分けることなく、クライアント別の組織間を切り替えることができます。
メリット:
ITアウトソーシングやBPO受託事業者のように、クライアント間で厳格なデータ分離を必要とする組織形態に適しています。
例3:各地に独立した子会社を置くグローバルIT企業
会社名: InfoZen Technologies
シナリオ:
InfoZen Technologiesは、米国、UAE(アラブ首長国連邦)、インドで事業を展開しています。労働法やデータ保護規制の関係で、地域ごとに独立した人事部門を設置しています。
組織:
- InfoZen USA
- InfoZen UAE
- InfoZen India
複数の組織が役立つ点:
- 現地の法律に基づいて、地域ごとに給与、出退勤、休暇の規定をカスタマイズできます。
- 別の地域の従業員データを表示したり、その従業員とやりとりすることはできません。
- 人事部門の管理者は、同じログイン情報で全地域を管理できますが、地域ごとのデータは引き続き分けて管理されます。
- 各地の人事部門ごとにブランド情報やURLを設定し、現地のコンプライアンスを確保できます。
メリット:
多国籍IT企業のように、本社から1つのアカウントで全地域を統括しながら、地域間のデータ分離も必要とする組織形態に適しています。
「複数の組織」の設定と「組織構造」の比較
対象 | 組織構造 | 複数の組織 |
目的 | 共有データおよび相互依存関係のある複数の法人を、単一の組織アカウントで管理します。 | 各組織が独自のデータ、URL、設定を有している、完全に独立した組織を管理します。 |
最適な企業 | 従業員構成や指揮命令系統を共有している関連支社/法人を有する企業。 | 独立運営されている別会社/子会社を有する企業。 |
データの保存 | すべての法人のデータは、1つのZoho Peopleアカウント内に保存されます。 | 各組織は、それぞれ独自のZoho Peopleアカウントとデータベースを所有しています。 |
従業員情報の表示設定 | 各法人の従業員情報を表示でき、指揮命令系統/承認のために従業員を関連付けることができます。 | ある組織の従業員は、別の組織の従業員情報を確認したり、その従業員とやりとりしたりすることはできません。 |
指揮命令系統 | 法人をまたいだ指揮命令系統に対応します(ある法人の従業員が別の法人の上司に報告できます)。 | 組織をまたいだ指揮命令系統は許可されておらず、各組織の指揮命令系統は独立しています。 |
規定の設定 | 共通の規定/法人単位の規定を、同じアカウント内で共有/カスタマイズできます。 | 各組織には、それぞれ独立した規定、設定、ワークフローがあります。 |
アクセスURL | 組織構造全体に共通のZoho People URLが1つあります。 | 各組織には固有のZoho People URLがあります(例:companyA.zohopeople.com)。 |
ライセンスと請求 | 単一のライセンスと請求の設定で組織構造全体をカバーできます。 | 各組織には個別のサブスクリプションとユーザーライセンスが必要です。 |
人事部門/管理者による管理 | 1つの人事チームがすべての法人を一元管理できます。 | 管理者は、同じログイン情報を使って複数の組織間を切り替えることができますが、データは別々のままです。 |
利用例(IT会社) | - 1つの親会社の下に複数の法人を所有するソフトウェア会社(例:Zylker Technologies、Zylker Chemicals)。
- 指揮命令系統を共有するクラウド、モバイル、セキュリティなどの部門があるSaaS企業。
| - 複数の独立したテクノロジー企業(例:TechAxis Software、TechAxis Digital)を所有する持株会社。
- データ分離のためにクライアント固有の組織を管理するITマネージドサービス企業。
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使用するタイミング | 各法人が相互に関連しており、データの共有や法人をまたいだ指揮命令系統が必要な場合。 | 各法人が完全に独立しており、共通化されている部分や依存関係がない場合。 |