Zoho Analyticsにおけるインスタントメッセージのデータの分析

Zoho Analyticsにおけるインスタントメッセージのデータの分析

概要

Zoho Deskのインスタントメッセージ機能では、WhatsApp、Instagram、Facebook Messenger、Telegram、LINEなどの経路を通じて顧客とやりとりし、その内容を[インスタントメッセージ]タブで管理できます。
インスタントメッセージ連携のダッシュボードも用意されており、進行中のやりとりや担当者の活動など、顧客サポート業務に関する情報をリアルタイムに確認できます。Zoho Analyticsと同期すると、インスタントメッセージのデータを、問い合わせ、連絡先、担当者、取引先などのタブのデータと結合し、サポート業務全体を横断したレポートを作成できます。インスタントメッセージ連携のダッシュボードとZoho Analyticsの違いを踏まえ、必要に応じて使い分けてください。インスタントメッセージ連携のダッシュボードは、顧客サポート業務をリアルタイムに把握することを目的としています。一方、Zoho Analyticsは、履歴データの分析、独自のレポート作成、問い合わせや連絡先などの複数のデータを横断した分析などに適しています。
このヘルプ記事では、インスタントメッセージによる顧客とサポートチームの対話を指す場合、「チャット」と「やりとり」を同じ意味で使用します。

関連情報:インスタントメッセージ連携のダッシュボード

Zoho Analytics連携の主なメリット

チャットサポートの対応状況や成果の推移を把握したい場合、Zoho Analyticsを併用することで、Zoho Deskのインスタントメッセージ連携の標準のダッシュボード機能を補完できます。インスタントメッセージのやりとりやメッセージをZoho Analyticsと同期すると、以下のようなメリットがあります。
  • チャット対応の長期的な傾向を把握できます。
  • インスタントメッセージの経路ごとに担当者の対応状況を測定できます。
  • チャットのデータを問い合わせ、連絡先、担当者などのデータと結合できます。
インスタントメッセージ連携のダッシュボードは、リアルタイムの活動状況に特化しており、上記のような分析には対応していません。

インスタントメッセージのデータの同期の流れ

大まかな同期の流れは、以下のとおりです。
  1. 管理者がZoho Desk内でZoho Analytics連携を有効にします。
  2. 同期対象として[インスタントメッセージのやりとり]と[インスタントメッセージのメッセージ]を選択します。
  3. 初期データのインポート後は、設定したスケジュールに基づいて、追加または更新されたやりとりとメッセージのみが自動で同期されます。
  4. Zoho Analyticsに転送されるインスタントメッセージのデータは、安全に保護されます。
  5. データは同期スケジュールに基づいて自動更新されます。
  6. その後、同期されたデータを使用してレポートを作成できます。

レポートとダッシュボードへのアクセス

インスタントメッセージのデータの同期が完了すると、Zoho Analyticsであらかじめ用意されているレポートを表示したり、独自のダッシュボードを作成したりできるようになります。レポートとダッシュボードには、Zoho Deskに関連付けられたZoho Analyticsのワークスペースからアクセスします。アクセス可能なレポートは、Zoho Analyticsで管理者が設定した共有権限によって変わります。

関連情報:Zoho DeskからZoho Analyticsへのアクセス方法

インスタントメッセージのデータの同期設定

Zoho Analytics用のコネクターのインストール

設定画面では、同期対象として[インスタントメッセージのやりとり]と[インスタントメッセージのメッセージ]を選択します。[インスタントメッセージのやりとり]は、やりとり単位の分析に必要です。[インスタントメッセージのメッセージ]は、メッセージ単位の指標(返信時間や件数など)の算出に必要です。
設定手順
1.Zoho Desk[設定]に移動します。
2.[連携]に移動します。
3.[Zoho]→[Zoho Analytics]の順に選択します。
4.[設定する]をクリックします。
5.[インスタントメッセージのやりとり]と[インスタントメッセージのメッセージ]を選択します。


6.毎日、指定した時刻に同期を実行するかどうかを選択します。[なし]を選択すると、連携の設定時に一度のみ同期されます。
7.[今すぐ同期]をクリックします。

8.初期設定を完了した後も、[Zoho Analyticsの設定]ページに戻ると、選択したタブや項目を編集したり、同期のスケジュールを変更したりできます。Zoho Analytics連携が不要になった場合には、連携を完全に削除することもできます。

実行可能な同期頻度は、利用中のZoho Analyticsプランによって異なります。ベーシックプランの同期は1日1回までですが、上位のプランでは高頻度の同期も設定可能です。初期設定が完了すると、同期対象のデータがZoho Analyticsに転送されます。この処理には時間がかかり、完了するまで設定を変更できません。転送が完了すると、通知メールが届きます。
重要
Zoho Analyticsで利用できるのは、連携の設定後に生成されたデータのみです。連携前からインスタントメッセージのデータが存在する場合も、その履歴データは同期されません。また、有用な分析結果を得られるだけのデータが蓄積されるまで、数日かかる場合があります。

インスタントメッセージのデータモデルの概要

Zoho Analyticsでは、「テーブル」という表形式でデータが整理されるため、さまざまなレポートをかんたんに作成できます。インスタントメッセージのデータモデルを利用すると、やりとり単位でもメッセージ単位でもデータを分析できるほか、問い合わせ、担当者、連絡先、取引先のデータを結合し、複数のデータを横断した分析が可能です。

インスタントメッセージのやりとり

このテーブルには、やりとりごとのデータが保存されます。
項目名 説明 メモ
やりとりID インスタントメッセージのやりとりを識別するID 主キー
連絡先ID やりとりを行った連絡先(顧客)のID 必須
担当者ID やりとりに関連付けられた担当者 担当者テーブルを関連付けるためのルックアップ列
担当者IDや連絡先IDの項目は、テーブルのルックアップ列として機能し、やりとりテーブルを担当者テーブルや連絡先テーブルに関連付けます。これにより、IDだけでなく、担当者名、メールアドレス、顧客情報など、内容を理解しやすい情報をレポートに表示できます。担当者IDや連絡先IDを単独で使用した場合、数値のみが表示され、分析結果を理解しにくくなります。ルックアップ列を使用してテーブルを関連付けて、担当者名や連絡先名などを表示することで、分かりやすいレポートを作成できます。

インスタントメッセージのメッセージ

このテーブルには、やりとり内で交換されたメッセージごとのデータが保存されます。
項目名 説明 メモ
Zoho DeskのインスタントメッセージのやりとりID メッセージをやりとりに関連付けます インスタントメッセージのやりとりを関連付けるためのルックアップ列
表示メッセージ メッセージの内容 テキストのプレビュー
メッセージのステータス メッセージの送信ステータス(送信済み、送信待ち、到達済みなど) 必須
メッセージの種類 メッセージの種類(テキスト、メディアなど) 選択リスト
方向 メッセージの送受信の方向(受信または送信) 必須
添付ファイル数 メッセージ内の添付ファイル数 数値
メッセージの作成日時 メッセージのデータが作成された日時 日時
メッセージの送信日時 メッセージが送信された日時 日時
担当者ID メッセージを送信または担当したサポート担当者 担当者を関連付けるためのルックアップ列
スレッドID メッセージのスレッドのID 関連するメッセージをグループ化するために使用されます
ボット名 メッセージを送信したボット名 ボットによるメッセージに適用されます
ボットの種類 ボットの分類(Zia、自動ガイドボットなど) 自動化処理の種類を区別します

担当者、連絡先、経路のルックアップ列

以下の項目はルックアップ列です。インスタントメッセージのデータと他のタブのデータを関連付けるために使用されます。
項目名 説明 使用例
担当者ID 担当者テーブルに関連付けます(氏名、メールアドレス、役割など) 担当者のパフォーマンスレポート
連絡先ID 連絡先テーブルに関連付けます 顧客別の分析
経路ID メッセージの経路を識別します 経路の比較レポート
レポートの作成時に担当者IDのみを使用した場合、レポートには数値しか表示されず、分析結果を読み解くのは困難です。ルックアップ列を使用した場合、担当者テーブルを参照し、担当者の姓、名、メールアドレスなどの項目を取得できます。これにより、担当者別にやりとりをまとめて、分かりやすいレポートを作成できます。連絡先のルックアップ列も同様です。連絡先IDを顧客名やメールアドレスに関連付けることで、顧客とのやりとりの全体像を把握しやすくなります。

レポート作成時のデータモデルの利用方法

インスタントメッセージのデータモデルでは、メッセージ単位でもやりとり単位でもデータを分析できるほか、Zoho Deskの他のデータを参照し、複数のタブを同時に分析することも可能です。レポートの作成時に上記のテーブルを利用すると、以下のようなメリットがあります。
  • 経路IDを使用して、経路ごとのメッセージ件数を比較できます。
  • 担当者IDを担当者テーブルに関連付けることで、担当者別の対応状況を把握できます。
  • [方向]を使用して、メッセージの受信と送信を比較できます。
  • [ボットの種類]を使用して、担当者のメッセージとボットのメッセージを区別できます。
  • やりとり単位またはメッセージ単位のダッシュボードを作成できます。

インスタントメッセージと他のタブのデータの結合

Zoho Analyticsの大きなメリットの1つは、問い合わせや連絡先など、複数のタブを横断してデータを分析できることです。参照関係があらかじめ設定されるため、関連データが自動的に結合されます。この機能には、以下のようなメリットがあります。
  • インスタントメッセージのやりとりを問い合わせに関連付けることができます。
  • チャットから作成された問い合わせの件数を分析できます。
  • 担当者のチャット対応状況と問い合わせの解決時間との関係を分析できます。
  • インスタントメッセージのデータをZoho CRMなど他のサービスのデータと結合できます。
たとえば、WhatsAppのチャットから作成された問い合わせの件数や、その解決にかかった時間を分析する場合、インスタントメッセージのやりとりを問い合わせに関連付けます。これにより、複数のサポート経路にまたがる顧客対応の流れ全体を把握できます。

主な利用例

インスタントメッセージ分析の主な利用場面は、以下のとおりです。
  • 担当者のチャット対応状況や対応時間を把握する。
  • 経路ごとのチャットのピーク時間帯を特定する。
  • 担当者に引き継ぐ前にボットの効果を測定する。
  • WhatsAppやInstagramなどのアプリごとの効果を比較する。
  • インスタントメッセージの利用状況の推移を把握し、人員配置の検討に役立てる。

制限事項

  • ポータル単位の同期のみ:現在、部門単位のレポート作成には対応していません。
  • 管理者のみが設定可能:Zoho Analytics連携を有効化/変更できるのは、Zoho Deskの管理者のみです。
  • ポータルごとに1つのワークスペースのみ:Zoho DeskのポータルをZoho Analyticsのワークスペースに関連付ける際、1つのポータルに設定可能なワークスペースは1つのみです。
  • プランの要件:Zoho Deskのスタンダードプラン以上のプランで利用できます。
  • アクセス権限:Zoho Analyticsのデータへのアクセス権限には、Zoho Deskの役職と権限、およびZoho Analyticsで設定された共有権限が適用されます。初期設定では、連携を設定した管理者のみが同期済みのデータにアクセスできます。他のユーザーがレポートやダッシュボードにアクセスするには、管理者がレポートやダッシュボードを共有する必要があります。
  • ビジネスメッセンジャー機能のサポート:現在、ビジネスメッセンジャーの経路からのやりとりについては、Zoho Analyticsへの同期に制限があります。ビジネスメッセンジャーからやりとりを行った場合、匿名ユーザーのデータのみが同期され、既知のユーザーに関連付けられたやりとりは除外されます。
  • 連絡先の要件:同期されるのは、Zoho Deskの連絡先に関連付けられたやりとりのみです。連絡先が作成されない場合(たとえば、やりとりから問い合わせへの自動変換が未設定で、連絡先データが存在しない場合)、Zoho Analyticsではやりとりを利用できません。
  • ボットメッセージ:ボットから送信されたレイアウト形式またはテンプレート形式のメッセージの内容は、Zoho Analyticsには表示されません。やりとり単位とメッセージ単位のデータは同期されますが、自動メッセージの実際のテキストはレポートに反映されません。
重要
管理者はZoho Analytics連携をいつでも削除できます。連携を解除すると、同期済みのデータ、レポート、ダッシュボードのすべてがZoho Analyticsから完全に削除されます。Zoho Desk内の元データには影響しません。

よくある質問

質問:連携を設定できるユーザーは?
回答:Zoho Analyticsのコネクターを設定できるのは、Zoho Deskの管理者のみです。Zoho Deskで対象となる有料プランを利用している必要があります。
質問:同期対象となるデータは?
回答:インスタントメッセージのやりとりとメッセージに加えて、関連する担当者、連絡先、経路、ボットの情報や、メッセージのステータス、送受信の方向、日時などが同期されます。
質問:WhatsAppのやりとりの一部がZoho Analyticsで利用できないのはなぜですか?
回答:Zoho Analyticsに同期されるのは、Zoho Deskの連絡先に関連付けられたやりとりのみです。WhatsAppのやりとりから連絡先の作成や関連付けが行われない場合(たとえば、やりとりから問い合わせへの自動変換が未設定の場合)、やりとりは同期されません。
質問:ビジネスメッセンジャー機能のやりとりに対応していますか?
回答:ビジネスメッセンジャー機能のやりとりについてはZoho Analyticsへの同期に制限があります。匿名ユーザーのデータのみ同期されます。
質問:インスタントメッセージのデータを問い合わせやZoho CRMのデータと結合できますか?
回答:はい、できます。Zoho Analyticsでは、ルックアップ列を使用して複数のデータを結合することで、関連するデータを横断的に分析できます。
質問:Zoho Deskでインスタントメッセージの項目を変更するとどうなりますか?
回答:必須項目が削除または変更された場合、同期に失敗する可能性があります。Zoho Analyticsから管理者に対して、問題の解消を促す通知が送信されます。
質問:インスタントメッセージの履歴データを再同期できますか?
回答:履歴データを再同期するには、既存の連携を解除してから、もう一度設定する必要があります。これにより、データがあらためてインポートされます。
質問:連携を解除した場合、Zoho Deskのデータに影響しますか?
回答:いいえ。Zoho Analytics連携を解除しても、Zoho Deskのデータには影響しません。Zoho Analytics内の同期済みのデータ、レポート、ダッシュボードのみが削除されます。