メールの内容を一生懸命に練り上げ、正しく配信しているつもりなのに、なぜ迷惑メール報告や登録解除を受けるのか、疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。問題をじっくり分析してみると、意外にも配信リストが根本的な原因となっている場合があります。配信リストには、メールの配信を希望した受信者(連絡先)のみが登録されているはずなのになぜ、と思われるかもしれません。もしかすると、オプトイン(同意確認)の方法に問題があるからかもしれません。配信開始にあたっての同意確認の方法には、シングルオプトイン(1段階の同意確認)とダブルオプトイン(2段階の同意確認)の2つの方法があります。
シングルオプトイン(1段階の同意確認):シングルオプトインでは、メール配信の希望者が登録フォームからメールアドレスを入力して送信すると、製品やサービスについてのメールの配信リストにメールアドレスが直接追加されます。この場合、登録確認用のリンクが記載されたメールが希望者に対して配信されることはありません。
ダブルオプトイン(2段階の同意確認):ダブルオプトインでは、メール配信の希望者が登録フォームからメールアドレスを入力して送信すると、登録確認メールが希望者に送信されます。登録を確定するには、希望者が登録確認メールを開いて登録確認用のリンクをクリックする必要があります。
Zoho Campaignsのアカウントでダブルオプトインを有効にする方法についての詳細は、
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以下では、同意確認のための2種類の方法についての詳細を説明します。シングルオプトインの方法では、登録フォームを通じて収集されたメールアドレスが直接配信リストに追加されます。この方法では、メールアドレスの一部が誤って入力されていたとしても、そのまま配信リストに追加されてしまう可能性があります。このようにして登録されたメールアドレスにメールを配信すると、不達となる可能性があります。配信したメールが不達となると、配信元のドメインとIPアドレスの信頼性が低下します。
ダブルオプトインの方法では、一部誤って入力されたメールアドレスが配信リストに登録されることはありません。配信リストに登録されるのは、登録確認メールを通じて登録を確定した受信者のみです。そのため、不達の件数も少なくなります。GDPRの準拠においては、ダブルオプトインの実施は必須ではありません。ただし、ダブルオプトインは配信リストの質を高めるのに最適な方法であるため、実施することが望ましいとされています。Zoho Campaignsでは、配信リストの質を高めるために、ダブルオプトインの実施が推奨されています。ダブルオプトインは、良質な配信リストの作成や、コンバージョン目標の達成(メールの受信者から期待した反応を得ること)に役立ちます。以下では、ダブルオプトインが最適な登録方法である理由を解説します。
受信トレイへの到達率/メールへの反応率の改善
ダブルオプトインを利用する場合、配信リストには事業やサービスに本当に関心を持っている受信者のみが登録されます。関心の高い受信者からは、配信メールに対する積極的な反応(開封やクリックなど)が得られる場合が多いでしょう。また、ダブルオプトインの場合、受信者が配信メールを迷惑メールとして報告する可能性は、シングルオプトインの場合より、ずっと低くなります。メールサービス事業者は、受信者によるメール開封やクリックの状況を確認し、配信可否の判断を行っています。受信者が、同じ配信元から配信されたすべてのメールに前向きな反応を返してくれている場合、メールサービス事業者は配信元ドメインの信頼性を高めます。配信元のドメインとIPアドレスの信頼性が向上すると、配信したメールが受信トレイに振り分けられる可能性は高くなります。
費用対効果の向上
メールマーケティングには、しばしば多額の資金が投資されます。メールキャンペーンは、メールの受信者が、メールを通じて、期待されていた行動(リンクのクリック、ファイルのダウンロード、製品の購入やサービスの契約など)へと心を動かされた場合に成功したと言えるでしょう。このような行動は、配信リストに登録されている対象者が、製品やサービスに興味があるからこそ起こり得るものです。シングルオプトインの方法を実行した場合、配信を強くは望んでいないのに登録してしまった人も、そのまま配信リストに追加されてしまいます。そのような人は、メールに対する反応が悪いのはおろか、メールを開封しないまま放置することさえあるでしょう。配信リストにこのような受信者が多く含まれると、期待した成果を得ることは難しくなります。
一方、ダブルオプトインを実施すれば、製品やサービスに本当に興味のある人だけが、配信リストに追加されます。そのようにして配信リストに追加された受信者は、メールに積極的に反応してくれたり、メールを受信するのを楽しみに思ってくれたりする可能性が高いでしょう。また、受信者のニーズや興味は、購入履歴や、過去のメールのリンクに対するクリック状況を分析することで、簡単に知ることができます。受信者について正確なデータがある場合、ニーズと興味に応じて受信者を異なるグループ(セグメント)に分割できます。このようにして、各対象者のニーズや興味に合った内容を配信することで、受信者から期待した反応を得られる可能性が高くなります。
シングルオプトインは配信リストの登録件数をすばやく簡単に増やすことができる方法ではありますが、配信リストの質の低下は免れず、受信者から期待した反応を得るのにはあまり役立ちません。一方、ダブルオプトインでは、良質な配信リストを作り上げることができるため、受信者から期待した反応を得やすくなります。事業における最大の資産は、顧客です。ダブルオプトインの採用は、事業の長期的な視点での成長に寄与するでしょう。