配信リスト購入のデメリット

配信リスト購入のデメリット



成功している会社をよく観察してみると、その会社独自のマーケティング戦略と顧客戦略を採用していることが分かります。成功している会社の宣伝方法、ビジネスモデル、規模はさまざまですが、共通点があります。それは、顧客の存在です。テクノロジーを駆使して派手なマーケティングを実施しても、ビジネスを左右するのは顧客なのです。

ここで、「顧客となってもらうまでにどのくらいの時間がかかるのか?」という疑問が出てきます。一朝一夕にはできません。正しい戦略をとったとしても、時間がかかるものです。すぐに結果を出そうと、配信リストを購入して手っ取り早く受信者を増やそうとするマーケティング担当者もいるかもしれません。しかし、長い目で見ると、このような行為は自分の首を絞めることになります。

配信リストの購入は、配信元ドメインやIPアドレスの評価を下げることになり、ビジネスに悪影響を及ぼします。また、受信トレイへの配信率が低下し、コンバージョン目標を達成できなくなります。このページでは、購入した配信リストを使用するのがなぜ良くないのかを詳しく説明します。

データ保護に関する法令への違反

データ保護については、日本における個人情報保護法をはじめ、各国で法令が制定されています。その中で、商用メールを適切に運用するためのルールや指針も定められています。その他の国においても同様の法令が定められています。代表的なものとしては、EUの一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)、アメリカの迷惑メール/スパム規制法(CAN-SPAM:Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing、アメリカのカリフォルニア州の消費者プライバシー法(CCPA:California Consumer Privacy Act)などがあります。これらの法令により、消費者は、自身の個人情報や、その情報が事業者にどのように使用、共有されるかについて知る権利が担保されています。マーケティング担当者が配信リストを購入し、その登録者の同意を得ずにメールを配信すると、これらの法令に違反することになります。 違反すると、組織の評価が下がり、法的な問題につながる可能性があります。

アカウントおよび配信メールが一時停止される原因

購入した配信リストには、利用されていないメールアドレスや無効なメールアドレス、迷惑メールトラップのメールアドレスが含まれていることがあります。また、自社が提供する商品やサービスに興味がない受信者のメールアドレスなども含まれていることもあります。購入した配信リストにメールを配信すると、メールが不達(バウンス)となったり、迷惑メールと判断されたり、苦情が届いたりする可能性があります。

Zoho Campaignsは、迷惑メールと判断される割合と不達(バウンス)率の基準値を定義し、利用規約に記載しています。配信したメールが迷惑メールと判断される割合や不達(バウンス)率の基準値を超えた場合、該当のメールの配信元からのメール配信は一時的に停止されます。また、配信したメールにより大量の登録解除が発生した場合も、該当のメールの配信元からのメール配信は一時的に停止されます。

メールサービスや迷惑メール対策サービスからの苦情の原因

購入した配信リストにメールを配信すると、Spamhauss(迷惑メール配信元のIPをブラックリストに登録して世界的に共有するサービス)やSpamCop(迷惑メール受信時に、配信元への苦情を自動送信できるサービス)などの迷惑メール対策サービスに報告する受信者もいます。こういった迷惑メール対策サービスは、配信元のメールサービスに通知します。Zoho Campaignsでは、迷惑メールに関する苦情が重視されています。苦情を受け取った場合、内容によっては、メール配信やアカウントが停止されることがあります。

不達(バウンス)率の増加

前述したように、販売されている配信リストには、無効なメールアドレスが多く含まれています。このような配信リストにメールを送ると、ほぼ確実に不達(バウンス)が発生してしまいます。配信したメールの多くが不達になってしまうと、配信元ドメインやIPアドレスの信頼性が低下します。また、メールサービスや迷惑メール対策サービスからのZoho Campaignsへの信頼性も低下します。不達率が高いメールを配信すると、今後配信するメールが、メールサービスによって適切に受信トレイに振り分けられなくなる可能性があります。

迷惑メール(スパム)判定率の増加

購入した配信リストには、無効なメールアドレスが含まれているだけでなく、配信元からのメール配信を許可していない受信者や、配信元の商品やサービスに興味のない受信者のメールアドレスも含まれています。このような配信リストにメールを配信すると、受信者がメールを迷惑メールに分類する可能性が高くなります。配信したメールの多くが迷惑メールとして分類されると、配信元ドメインやIPアドレスの信頼性が低下します。

迷惑メールトラップにかかる割合の増加

メールサービスや迷惑メール対策サービスは、適切な配信方法を採用していない配信元を特定するために迷惑メールトラップを使用しています。迷惑メールトラップとは、実際には使用されていないメールアドレス宛てにメールが配信されたことを通じて迷惑メールと判断する仕組みです。迷惑メールトラップは3種類あります。

プリスティントラップ

プリスティントラップの手法では、トラップ用のメールアドレスを特別に作成し、公開されているWebサイトに記載します。これらのメールアドレスは、実際のメールの送受信には使われません。一方、迷惑メール業者は、さまざまなWebサイトからメールアドレスを収集しているため、このトラップ用のメールアドレスも収集してメールを配信する可能性があります。このように実際には誰も使用していないはずのメールアドレス宛てにメールを配信しているのは、迷惑メール業者や不正な配信元である可能性が高いといえます。これにより、該当の配信元からのメールは迷惑メールと判断されます。

リサイクルトラップ

リサイクルトラップの手法では、失効したメールアドレスをもとに迷惑メールの配信元を識別します。現在は使われていないはずのメールアドレスに対してメールが配信されている場合、該当のメールの配信元は、迷惑メール業者などの不正な配信元として判断されます。

実際とは異なるメールアドレス

実際とは異なるメールアドレスも迷惑メールトラップとして使用されることがあります。例:john@gmali.comPatricia@yaho.com(gmail.comであるべきところがgmali.comに、yahoo.comであるべきところがyaho.comになっています)。この迷惑メールトラップは、プリスティントラップやリサイクルトラップほど深刻ではありませんが、このようなメールアドレスに一定期間にわたってメールを送信すると、メールサービスや迷惑メール対策サービスからのZoho Campaignsへの信頼性が低下します。

購入した配信リストには、これらの迷惑メールトラップが多く含まれていることがあります。これらの配信リストにメールを送信すると、メールサービスやメール対策サービスからのZoho Campaignsへの信頼性が低下します。配信元ドメインやIPアドレスの信頼性が低下し、ブラックリストに登録されることもあります。

IPアドレスや配信元ドメインによるブラックリストへの登録

メールサービスや迷惑メール対策サービスは、迷惑メールトラップにかかったり、不達(バウンス)率が高かったり、迷惑メールへの分類が多かったりすることをマイナス要素とみなします。これらマイナス要素が一定期間続くと、メールサービスや迷惑メール対策サービスはあなたの配信元ドメインやIPアドレスをブラックリストに載せる可能性があります。

コンバージョン率の低下

マーケティングメールは、受信者がメールを開封し、リンクをクリックし、商品やサービスを購入して初めて成功したと言えます。マーケティング担当者が一番望まないことは、配信したメールが未開封のまま放置されることです。購入した配信リストにメールを配信すると、ほとんどのメールが未開封のままになってしまう可能性が高くなります。受信者がメールを開封しなければ、コンバージョン目標を達成することはできません。購入した配信リストを使用すると、せっかくのマーケティングが台無しになってしまいます。

配信リストの受信者の質をあげる方法

では、配信リストを購入せずに配信リストの受信者の質をあげるには、どのような方法があるでしょうか?  ダブルオプトイン(2段階の同意確認)があります。ダブルオプトインとは、2段階の手順で配信リストへの受信者の登録を確認する方法です。受信者がメール配信の登録を行う際、まず、メールアドレスの情報を送信します。その後、該当のメールアドレス宛てに確認用のメールが配信されます。メールに記載されている確認用のURLにアクセスし、必要な情報を入力して認証することで、正式な登録が完了します。これにより、本当に興味のある受信者だけが配信リストに登録されます。なお、受信者がメール配信の登録をより簡単に行えるようにするには、登録フォームを使用するとよいでしょう。また、イベントを開催したり、SNSキャンペーンなどを実施したりすることも、興味を持ってくれている受信者を増やすのに有効です。

マーケティングメールの成果を左右するのは、配信リストの量ではなく、その質です。配信リストを購入したことで肥大化した配信リストよりも、量は少なくとも健全な配信リストの方が良い結果につながります。顧客を増やしていくには、配信リストの受信者を育てていくしかありません。購入した配信リストはコンバージョン目標を達成するチャンスを減らしてしまいます。時間はかかりますが、健全な配信リストを使用してビジネスの成長につなげましょう。