Slackは、グループチャットやファイル共有が可能なビジネス向けのコミュニケーションツールです。外部サービスとの連携によって柔軟な活用が可能です。
Slack拡張機能を利用すると、Zoho CRMの画面上で、Slackのチーム内のユーザーやチャンネルに対して簡単に情報を共有できます。
Slack拡張機能では、次のことが可能です。
- Slackのチーム内のユーザーやチャンネルにZoho CRMのデータを共有する(概要表示のあるタブ内のデータが対象です)
- Slackのチーム内のユーザーやチャンネルにZoho CRMのレポートやダッシュボードのグラフを共有する
- ワークフロールール(自動処理ルール)ですぐに実行する処理を設定し、Slackのチーム内のユーザーやチャンネルのメンバーに通知する
- Zoho CRMカレンダー内の活動(予定、タスク、通話)に関するリマインダー通知をSlackで受け取る
前提条件:
管理者があらかじめSlack拡張機能を有効にして、対象のSlackアカウントとの連携を設定し、対象のチームを追加する必要があります。
Slack拡張機能の設定
最初に、管理者がSlack拡張機能を有効にして、連携するSlackアカウントを指定して、チームを追加する必要があります。有効化後、拡張機能の設定で指定したSlackのチーム内のユーザーやチャンネルに対してのみ、Zoho CRM内のデータを共有できるようになります。
Slack拡張機能を設定するには
[設定] → [マーケットプレイス] → [すべて] の順に移動します。 [Slack for Zoho CRM] を見つけてクリックします。
拡張機能の詳細が表示されます。
- [有効にする] をクリックします。確認画面で、サービス規約に同意し、再び [有効にする] をクリックします。
- [インストール済み]タブにSlack拡張機能が表示されます。 [Add to Slack] (Slackに追加する)をクリックします。

Zoho CRMにチームを追加済みの場合は、[Allow another team](他のチームを追加する)をクリックして、さらにチームを追加できます。 - 表示された画面で、 Slackのドメイン(ワークスペースのURL) を入力し、 [続行する] をクリックします。

Slackにサインイン済みの場合は、所属しているチームの一覧が表示されます。一覧から、Zoho CRMアカウントに連携するチームを選択します。 - Slackのドメインのメールアドレスとパスワードを入力して、 [サインイン] をクリックします。
- Zoho CRMによるアクセスを許可する内容を確認し、 [許可する] をクリックします。
Slackのチーム内のユーザー/チャンネルへのデータの共有
Slackのチーム内のユーザーやチャンネルに対して、Zoho CRM内のデータを共有できます(概要表示のあるタブ内のデータが対象です)。また、レポートやダッシュボードのグラフを共有することも可能です。
拡張機能の設定時にデータの共有を許可していない場合、データを共有しようとした際に、許可を求められます。
Slackのチーム内のユーザー/チャンネルにデータを共有するには
- 共有するデータをクリックします。
- 該当のデータの詳細ページで、画面の右上にあるその他の操作ボタン(
)をクリックし、メニューから [Slackで共有する] を選択します。
- 表示された画面で、次の詳細を入力します。
- 概要情報と一緒にSlackに投稿するメッセージを入力します。
- 共有先のSlackの チーム を選択します。
管理者が拡張機能の設定で指定したチームで、かつ自分が所属しているチームのみが、選択対象として一覧に表示されます。 - 通知先として、チーム内のユーザーまたはチャンネルのいずれかを選択します。
- 通知先のユーザー/チャンネルを選択します。
- [保存する] をクリックします。

Slackのチーム内のユーザー/チャンネルにレポートを共有するには
- 共有するレポートをクリックします。
なお、グラフのあるレポートのみが対象です。 - レポートの詳細ページで、グラフの右上にある [︙] (その他の操作)をクリックし、メニューから[Slackで共有する]を選択します。
- 表示された画面で、次の詳細を入力します。
- レポートと一緒にSlackに投稿するメッセージを入力します。
- 共有先のSlackのチームを選択します。
管理者が拡張機能の設定で指定したチームで、かつ自分が所属しているチームのみが、選択対象として一覧に表示されます。 - 通知先として、チーム内のユーザーまたはチャンネルのいずれかを選択します。
- 通知先のユーザー/チャンネルを選択します。
- [保存する] をクリックします。

Slackのチーム内のユーザーやチャンネルのメンバーへの自動通知
ワークフロールールのすぐに実行する処理として、Slackでの通知を設定することが可能です。これにより、データが条件に一致した際に、Slackのユーザーやチャンネルにすぐに通知を送信できます。たとえば、商談の受注時にすぐに実行する処理として、上司とチーム内のメンバーが参加するチャンネルに自動的に通知するように設定できます。Slackで情報共有することで、相談やアドバイスなどのやりとりをすぐに開始できます。
ワークフロールールですぐに実行する処理を追加するには
- [設定] → [自動化] → [ワークフロールール] の順に移動します。
- ワークフロールール の一覧ページで、対象のルールを選択します。
- [すぐに実行する処理] → [通知] → [Slack] の順にクリックします。

- 表示された画面で、次の詳細を入力します。
- 通知内に含めるメッセージを入力します。
データの項目から値を挿入する場合、「#」を入力して項目を選択します。

- 通知先のSlackの チーム を選択します。
管理者が拡張機能の設定で指定したチームで、かつ自分が所属しているチームのみが、選択対象として一覧に表示されます。 - 通知先として、チーム内の ユーザー または チャンネル のいずれかを選択します。
- 通知先のユーザー/チャンネルを選択します。
- [保存する] をクリックします。

Zoho CRMの活動に関するリマインダーのSlackでの通知
Slack拡張機能により、Zoho CRM内の予定、タスク、通話の予約に関するリマインダーをSlackで受け取ることができます。
Slackでのリマインダー通知を有効にするには
- Zoho CRM のカレンダーに移動します。
- カレンダー画面で、右上の [詳細設定] → [設定] の順にクリックします。
- カレンダーの設定画面で、 [Slack経由のリマインダーを無効にする] のチェックボックスの選択を解除します。
- リマインダー通知を有効にするチームを選択します。
- [保存する] をクリックします。

Slackを通じたシグナル通知の有効化
Zoho CRMのシグナル機能を利用すると、さまざまな経路を通じて顧客から連絡があった際に、すぐに確認できます。たとえば、電話、チャット、メール、Webフォームなどを通じて顧客から連絡があったときに、リアルタイムに通知を受け取ることができます 。
Slack拡張機能を有効にすると、シグナル通知をSlackでも受け取ることができるようになります。これにより、Zoho CRMとSlackのどちらの画面からでも、顧客に迅速に対応できます。
Slackでのシグナル通知を有効にするには
- Zoho CRMにサインインし、 [設定] → [チャネル] → [シグナル] の順に移動します。
- シグナル設定の画面で、[Slack]欄で通知対象の項目のチェックボックスを選択します。
たとえば、[通話]の 不在着信のチェックボックスを選択した場合、Zoho CRMで不在着信があった場合に、Slackで通知を受け取れます。 - 設定が完了したら、 [保存する] をクリックします。
Slackのチームの設定情報の削除
必要に応じて、管理者はZoho CRMに追加したSlackのチームの設定情報を削除できます。削除すると、該当のチームの設定情報がZoho CRMアカウントから削除され、該当のチーム内のユーザーはZoho CRMからSlackに投稿できなくなります。さらに、該当のチームに関して、ワークフロールールのすぐに実行する処理として設定済みの通知が削除されます。
Slackのチームの設定情報を削除するには
- Zoho CRMの管理者アカウントにサインインします。
- Zoho CRMにサインインし、 [設定] → [マーケットプレイス] → [すべて] の順に移動します。
[インストール済み] タブをクリックします。インストール済みのすべての拡張機能が表示されます。 - [Slack for Zoho CRM] を見つけてクリックします。
連携用の設定に追加済みのSlackのチームが一覧に表示されます。 - 削除するチームの ごみ箱 (削除する)アイコンをクリックします。
スラッシュコマンドの入力によるZoho CRMデータの取得
スラッシュコマンドは、「/」(スラッシュ)記号から始まるコマンドです。Slackでは、チャット画面でスラッシュコマンドを入力することで、データに対するさまざまな処理を簡単に実行できます。Slack拡張機能では、スラッシュコマンドの入力により、Slackで直接Zoho CRM内のデータを取得して表示できます。
Zoho CRMの特定のタブ内のデータを取得するには、以下のスラッシュコマンドを使用します。
処理内容
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スラッシュコマンド
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例
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特定のタブからすべてのデータを取得する
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/zcrm タブの英語名
|
/zcrm leads
|
取得するデータを絞り込むには、スラッシュコマンドで検索条件を指定できます。たとえば、会社名、姓、電話番号を組み合わせた条件を指定して一致するデータのみ取得することが可能です。検索結果を絞り込むことができ、目的のデータを見つけやすくなります。
検索条件を指定してデータを絞り込むには、次の2つの方法があります。
- 全体検索 :指定した値をZoho CRM全体で検索します。
構文 :/zcrm タブの英語名 検索語
例 :/zcrm leads zylker
Zoho CRM内で「zylker」という項目値を持つデータがすべて抽出されます。
- タブごとの検索 :特定のタブ内で指定した条件に一致するデータを検索します。
Syntax : /zcrm タブの英語名 [項目の英語名] 条件種別 [値]
例 : /zcrm leads [last name]=[ohtani]
[見込み客]タブ内のデータのうち、[last name]が「ohtani」であるデータが表示されます。
項目の種類ごとに利用可能な条件種別は、以下のとおりです。
項目の種類
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利用可能な条件種別
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テキスト
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- starts with(次の値で始まる) 、 begins with(次の値で始まる)
- ends with(次の値で終わる)
- is 、 =(次の値と等しい)
- contains(次の値を含む)
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数値
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|
真偽値(チェックボックス)
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(値には true または false を指定可能)
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例:
/zcrm leads [phone] starts with [555,234,912],[company] contains [zyl],[email] starts with [ohtani, kenta],[company] is [zylker].
上記の条件の内容
(電話番号が555または234または912で始まる)かつ(会社名にzylを含む、または会社名がzylker)かつ(メールアドレスがohtaniまたはkentaで始まる)
入力可能なスラッシュコマンドとその入力例は、次の表のとおりです。
処理内容
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スラッシュコマンド
|
例
|
特定のタブからすべてのデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名
|
/zcrm leads
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指定した項目値を持つデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名 [項目の英語名]=[値]
|
/zcrm leads [last name]=[ohtani]
|
複数の項目について指定した値を持つデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名 [項目の英語名1]=[値1] [項目の英語名2]=[値2]
|
/zcrm leads [last name]=[ohtani] [lead source]=[展示会]
|
指定した値のいずれかの項目値を持つデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名 [項目の英語名]=[値1,値2,値3]
|
/zcrm leads [lead source]=[Webフォーム, 展示会, 営業電話]
|
指定した値で始まる項目値を持つデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] starts with [値]
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/zcrm contacts [first name] starts with [kenta]
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指定した値で終了する項目値を持つデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] ends with [値]
|
/zcrm contacts [first name] ends with [kenta]
|
指定した値を含む項目値を持つデータを取得する
|
/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] contains [値]
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/zcrm accounts [email] contains [ohtani]
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指定した値よりも大きい項目値を持つデータを取得する
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/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] > [値]
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/zcrm leads [annual revenue] > [5000000]
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指定した値未満の項目値を持つデータを取得する
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/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] < [値]
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/zcrm deals [amount] < [2000000]
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指定した値以上の項目値を持つデータを取得する
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/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] >= [値]
|
/zcrm deals [discount] >= [15]
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指定した値以下の項目値を持つデータを取得する
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/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] <= [値]
|
/zcrm leads [age] <= [40]
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指定した条件でtrueまたはfalseの項目値を持つデータを取得する
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/zcrm タブの英語名 [項目の英語名] is [true/false]
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/zcrm contacts [email opt out] is [true]
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スラッシュコマンドを入力するには
- Zoho CRM情報を共有するチャット画面に移動します。
- メッセージの入力欄に、上記のいずれかのコマンドを入力します。
例: /zcrm leads ohtani - コマンドを入力すると、検索結果が表示されます。
検索結果は、自分とチャットの相手にのみ表示されます。 - 検索結果を他のユーザーに共有するには、 [この(タブ名)を共有する] ボタンをクリックします。

- 該当のデータが、他のユーザーにも共有されます。
メモ:
Slack拡張機能の無効化
Slack拡張機能は、必要に応じていつでも無効にすることが可能です。 [無効にする] ボタンをクリックすることで、Slack拡張機能を無効にできます。無効にすると、関連するSlack関連の機能をすべて利用できなくなります。
Slack拡張機能を無効にするには
- Zoho CRMの管理者アカウントにサインインします。
- [設定] → [マーケットプレイス] → [すべて] の順に移動します。
[インストール済み] タブをクリックします。インストール済みのすべての拡張機能が表示されます。 - [Slack for Zoho CRM] を見つけてクリックし、 [無効にする] ボタンをクリックします。

- または、[インストール済み]タブで [Slack for Zoho CRM] を見つけて、下部にある [Uninstall] (アンインストールする)リンクをクリックことで、拡張機能をアンインストールすることも可能です。
