- この記事に記載されている機能の一部は、特定のユーザーのアカウントでのみ利用可能です。
- Zoho Subscriptionsのサービスの名称は、Zoho Billingに変わりました。
Zohoには、会計や経理の業務の効率化に役立つ、各種サービスがそろっています。会計「 Zoho Books 」(ゾーホー・ブックス)、請求書発行「 Zoho Invoice 」(ゾーホー・インボイス)、経費管理「 Zoho Expense 」(ゾーホー・エクスペンス)、定期課金「 Zoho Billing」(ゾーホー・ビリング)などがあります。Zohoの会計サービス(Zoho Finance)との連携では、これらの会計サービスのアカウントをZoho CRMアカウントに連携できます。これにより、Zoho CRM内の顧客に関連する請求書、見積書、受注書、発注書、経費、経費申請、サブスクリプションの詳細を表示し、管理できます。Zohoの会計サービスのデータは、取引先/連絡先/商談の詳細ページで関連情報として表示されます。
メモ:
- Zohoの会計サービスの連携によって[Zoho Books]タブ内に追加される会計タブ(請求書、見積書、受注書、発注書)は、Zoho CRMの標準の各種書類タブ(請求書、見積書、受注書、発注書)とは別のものです。タブ間でデータは同期されませんのでご注意ください。
利用可能なプラン
必要な権限:
タブごとの権限と、利用するZohoの会計サービス(Zoho Books/Zoho Invoice/Zoho Expense/Zoho Billing)の権限が必要です。
Zohoの会計サービスとの連携の設定
Zohoの会計サービスとの連携を設定するには、次の手順を実行します。
- Zohoの会計サービスとの連携の有効化
- 追加する会計タブの選択
- 同期の設定
- 同期時の処理内容の選択
- 権限の設定
Zohoの会計サービスとの連携方法
自分または他のユーザーが管理しているZoho Books/Zoho Invoice/Zoho Expense/Zoho Billingの組織アカウントを、Zoho CRMの組織アカウントに連携できます。
自分の組織アカウントを設定するには
- Zoho CRMで、 [設定] → [マーケットプレイス] → [Zoho] の順に移動し、 [Zohoの会計サービス] を見つけて [設定する] → [利用を開始する] の順にクリックします。
Zohoの会計サービスとの連携 の設定画面に、連携対象のアカウント情報として、以下の詳細が表示されます。
- メールアドレス :Zoho CRMアカウントの登録メールアドレスが自動で入力されます。
- 組織 :Zohoの会計サービスで作成した組織が一覧に表示されます。連携対象の組織を選択します。
- [次へ] をクリックします。
メモ:
- Zohoの会計サービスでまだアカウントを作成していない場合にこの連携を有効にしようとすると、新しい組織を作成するように求められます。その場で、選択した会計サービス用の新しい組織を作成できます。
- いずれか1つの会計サービスでしか組織を作成していない場合にすべての会計タブの連携を有効にすると、組織がない会計サービス用に新しい組織が自動的に作成されます。
他のユーザーの組織アカウントを設定するには
Zoho CRMの組織内のユーザーが、Zoho Books/Zoho Expense/Zoho Billingアカウントを持っている場合、該当のアカウントとの連携を設定できます。連携を設定するには、対象のユーザーのアカウントで生成したZohoサービスコミュニケーション(ZSC)キーと、メールアドレスが必要です。
- Zoho CRMで、 [設定] → [マーケットプレイス] → [Zoho] の順に移動し、 [Zohoの会計サービス] を見つけて [設定する] → [利用を開始する] の順にクリックします。
Zohoの会計サービスとの連携 の設定画面で、 [他のユーザーの組織を設定する] リンクをクリックします。
- 対象のユーザーの メールアドレス を入力します。
- 対象のZoho Books/Zoho Expense/Zoho Billingアカウントの ZSCキー を入力します。
- [次へ] をクリックします。
Zoho Books/Zoho Expense/Zoho BillingアカウントでZSCキーを生成するには
- 対象の Zohoの会計サービス の対象のユーザーのアカウントにサインインします。
- [設定] → [連携] → [Zohoサービスコミュニケーション(ZSC)キー] の順に移動します。
- ZSCキーをコピーし、Zoho CRMでZohoの会計サービスとの連携の設定に貼り付けて、入力します。
メモ:
- 指定したメールアドレスのZohoの会計サービスアカウントで組織を作成していない場合に、この連携を有効にしようとすると、新しい組織を作成するように求められます。その場で、選択した会計サービス用に新しい組織を作成できます。
- いずれか1つの会計サービスでしか組織を作成していない場合に、すべての会計タブの連携を有効にすると、組織がない会計サービス用に新しい組織が自動的に作成されます。
追加する会計タブの選択
連携する組織を設定した後、Zoho CRMに追加する 会計タブ を選択します。
- [Zoho Books] タブ内に、会計タブ([請求書]、[見積書]、[受注書]、[発注書]の各タブ)を追加できます。Zoho Invoiceの連携を有効にした場合、 [Zoho Invoice] タブ内に[請求書](Invoice)と[見積書](Estimate)のタブが追加されます。
- Zoho Expenseの連携を有効にした場合、 [Zoho Expense] タブ内に[経費](Expenses)タブと[経費申請](Expense Reports)タブが追加されます。
- Zoho Billingのデータは、関連するZoho CRMデータの詳細ページに表示されます。
連携ユーザー
Zoho CRMの管理者は、Zoho CRMユーザーをZoho Booksの連携ユーザーとして設定できます。これにより、Zoho Bookのライセンスを消費することなく、該当のユーザーに対して[見積書]タブ、[請求書]タブ、[発注書]タブ、[受注書]タブで特定の処理を実行するのに必要な権限を付与できます。
連携ユーザーの権限:
- 連携ユーザーは、[見積書]タブ、[受注書]タブ、[発注書]タブ、[請求書]タブですべての操作を実行できます(データの作成/表示/編集など)。
- 連携ユーザーは、Zoho Booksのアプリに直接アクセスすることはできません。
メモ:連携ユーザーがいずれかのZohoの会計サービスのライセンスユーザーである場合、Zoho CRMとZohoの会計サービスとの連携においてもライセンスユーザーとしての権限が優先されます。
既存ユーザーの移行
- 既存のユーザーがZoho CRMとZoho Booksとの間で統一された権限で連携機能を利用できるようにするために、既存ユーザーのデータの移行が可能です。
- なお、移行処理はすぐに実行することも可能ですが、猶予期間内であれば任意のタイミングで実行可能です。猶予期間は3か月です。猶予期間が終了すると、ユーザーは会計タブの利用状況に基づいて[連携ユーザー]として自動で追加されます。

- 移行処理においては、[ユーザーを移行する]設定を選択することで、Zoho CRMとZoho Booksとの共通のユーザーを表示できるため、対象となるユーザーをかんたんに確認できます。[保存する]をクリックすると、移行処理が開始します。その後、各ユーザーに付与された権限に応じて、連携機能を利用できるようになります。
- 移行可能な連携ユーザー数の上限は、1,000人です。さらに追加で移行する必要がある場合、サポート窓口にお問い合わせください。
- Zoho Booksにすでに登録されているユーザーは、連携ユーザーとして追加できません。
同期の設定
タブを追加するZohoの会計サービスを選択した後、 [同期の設定] セクションで、Zoho CRMの以下のタブとのデータの同期を設定できます。
上記の各タブとの同期について、項目の関連付けを設定する必要があります。
連絡先の同期における項目の関連付けを設定するには
- Zohoの会計サービスとの連携の設定画面で、 [同期の設定] セクションの [取引先と連絡先の同期] 設定にカーソルを合わせると右上に表示される 歯車 (設定)アイコンをクリックします。
[連絡先の同期の設定] 画面で、次の手順を実行します。
- Zohoの会計サービスの顧客データと同期するデータの種類(タブ) :対象のタブを選択します。
- 同期するデータの範囲(データ一覧名) :連絡先/取引先タブの データ一覧名 を選択します。
- Zohoの会計サービスとZoho CRMの両側で同じデータが修正された場合の処理 :Zohoの会計サービス内の重複データの処理方法について、 [複製する] 、 [上書きする] 、 [スキップする] のいずれかを選択します。
- Zohoの会計サービスの顧客(連絡先/連絡先担当者)の項目と、Zoho CRMの取引先/連絡先の項目との関連付けを設定します(設定する項目の内容は、同期対象のデータの種類の設定に応じて異なります)。
- [保存する] をクリックします。
仕入先の同期における項目の関連付けを設定するには
- Zohoの会計サービスとの連携の設定画面で、 [同期の設定] セクションの [仕入先の同期] 設定にカーソルを合わせると右上に表示される 歯車 (設定)アイコンをクリックします。
[仕入先の同期の設定] 画面で、次の手順を実行します。
- 同期するデータの範囲(データ一覧名) :対象のタブを選択します。
- Zoho BooksとZoho CRMの両側で同じデータが修正された場合の処理 Zoho Books内の重複データの処理方法について、 [複製] 、 [上書き] 、 [スキップ] のいずれかを選択します。
- Zoho Booksの 仕入先 の項目と、Zoho CRMの 仕入先 の項目との関連付けを設定します(設定する項目の内容は、同期対象のデータの種類の設定に応じて異なります)。
- [保存する] をクリックします。

商品の同期における項目の関連付けを設定するには
- Zohoの会計サービスとの連携の設定画面で、 [同期の設定] セクションの [商品の同期] 設定にカーソルを合わせると右上に表示される 歯車 (設定)アイコンをクリックします。
[商品の設定] 画面で、次の手順を実行します。
- Zoho BooksとZoho CRMの両側で同じデータが修正された場合の処理 :Zoho Books内の重複データの処理方法について、 [複製する] 、 [上書きする] 、 [スキップする] のいずれかを選択します。
- Zoho Booksの 商品 の項目と、Zoho CRMの 商品 の項目との関連付けを設定します。
- [保存する] をクリックします。

自動処理の選択(Zoho Books/Zoho Invoice連携用)
Zoho CRMの商談のステージの選択内容に応じて、Zoho Books/Zoho Invoiceでの見積書の作成/承認/無効化や、請求書の作成/無効化の自動処理を実行できます。必要に応じて、以下のいずれかの自動処理を選択します。
- 商品のステージが変更されたときに、見積書を作成/承認/無効化する(受注/失注に変更されたときを除く)
- 商談のステージが受注/失注になったときに、請求書を作成する/無効にする
- なし
Zohoの会計サービスとの連携に関する権限の設定
Zohoの会計サービスとの連携に関する権限を設定するには
- [設定] → [セキュリティ設定] → [権限] タブの順に移動します。
- 権限の一覧 画面で、対象の権限名をクリックします。
- [拡張機能の権限]設定で、[Zoho Books]/[Zoho Invoice]/[Zoho Expense]タブの権限の有無を設定します。
[Zoho Books]/[Zoho Invoice]/[Zoho Billing]タブの権限については、 [Zoho Finance 権限]設定で、[請求書]/[見積書]タブの 操作権限 と、[売掛金勘定と買掛金勘定の概要]タブの権限の有無を設定します。操作権限については、以下の3つをそれぞれ設定します。
- 表示 :請求書/見積書を表示する権限
- 作成と編集 :請求書/見積書を作成して編集する権限
- メールの送信 :請求書/見積書をメールに添付して顧客に送信する権限
- 権限設定の変更内容はすぐに反映されます。
Zohoの会計サービスとの連携の無効化
管理者は、必要に応じていつでも、Zohoの会計サービスとの連携を無効にできます。ただし、Zohoの会計サービスとの連携を無効にすると、関連するデータが利用できなくなりますのでご注意ください。
Zohoの会計サービスとの連携を無効にするには
- Zoho CRMの管理者アカウントにサインインします。
- [設定] → [マーケットプレイス] → [すべて] → [インストール済み] タブの順に移動します。
- 一覧から [Zohoの会計サービス] を見つけて下部にある [Uninstall] (アンインストールする)リンクをクリックします。
確認画面で、連携の無効化による影響の内容を確認したうえで、 [はい、理解しました。今すぐ無効にします。] をクリックします。
Zoho CRMアカウントで連携していたZohoの会計サービスがすべて無効になります。
メモ:
- 連携済みのZohoの会計サービスのうち、すべてを無効にするか一部のみを無効にするか選択できます。
- 連携済みの複数のZohoの会計サービスのうち、一部のサービスとの連携のみを無効にする場合、[Zoho Finance 権限]設定で、無効にする権限の切り替えスイッチをクリックして無効にします。

- この場合、無効にしたサービスに関連するデータのみが削除されます。残り(有効のまま)のZohoの会計サービスのタブはそのまま利用可能です。
複数通貨に関する留意事項
Zoho CRMとZoho Books/Zoho Invoiceの連携において、利用しているプランや各種設定により、複数通貨機能に関する不整合が発生する可能性があります。ただし、できる限り不整合が発生しないように、以下のような処理が自動で行われます。複数通貨に関する不整合とその処理方法は、次のとおりです。
Zoho CRMのプロフェッショナルプランにおける複数通貨の不整合
Zoho Books /Zoho Invoiceでは、複数通貨機能はどのプランでも利用できます。これは、会計用のサービスでは基本的な機能に含まれるためです。一方、Zoho CRMでは、複数通貨機能はエンタープライズプランでのみ利用できます。
また、Zohoの会計サービスとの連携は、Zoho CRMのエンタープライズプランとプロフェッショナルプランで利用できます。したがって、Zoho Books /Zoho Invoiceで複数通貨を設定していて、Zoho CRMのプロフェッショナルプランのアカウントでZohoの会計サービスとの連携を有効にした場合に、複数通貨に関する不整合が発生する可能性があります。
この場合、該当のZoho CRMアカウントでは、複数通貨機能が自動的に有効になります(プロフェッショナルプランでも複数通貨機能を利用できます)。
これにより、Zoho CRMアカウントで複数の通貨を追加できるようになり、Zoho Books /Zoho Invoiceに設定した複数通貨の請求書や見積書のデータを問題なく利用することが可能です。なお、基準通貨は、組織の[通貨]設定に基づいて設定されます。組織の[通貨]を設定するには、 [設定] → [一般] → [組織情報] → [地域情報] の順に移動します。
メモ:
- 該当のZoho CRMのプロフェッショナルプランのアカウントでZohoの会計サービスとの連携を再び無効にすると、Zoho CRMアカウントで複数通貨機能が無効になります。
Zoho Books/Zoho InvoiceとZoho CRMの基準通貨の不整合
Zoho CRMの基準通貨がZoho Books /Zoho Invoiceの基準通貨と異なる場合、Zohoの会計サービスとの連携は有効にできません。
たとえば、Zoho CRMアカウントの基準通貨がアメリカドル(USD)で、Zoho Books/Zoho Invoiceの基準通貨が日本円(JPY)の場合、連携を有効にできません。この場合は、Zoho Books/Zoho Invoiceの基準通貨もアメリカドル(USD)に変更することをお勧めします(Zoho CRMの基準通貨の設定は変更できないため)。
Zoho Books/Zoho Invoiceの基準通貨が請求書データ等ですでに使用されていて設定を変更できない場合は、 support@zohocrm.com にご連絡ください。サポートチームでZoho CRMの基準通貨の設定変更の可否についてお調べし、回答いたします。設定の変更が可能な場合、Zoho CRMとZoho Books/Zoho Invoiceの両方のアカウントの通貨を統一した後、Zohoの会計サービスとの連携を有効にできます。
為替レートの設定方法に基づく不整合
Zoho CRMとZoho Books/Zoho Invoiceでの為替レートの設定方法が異なるために、複数通貨に関する不整合が発生する可能性があります。
たとえば、Zoho CRMとZoho Booksの両方で、基準通貨を日本円(JPY)に設定したとします。Zoho CRMの複数通貨の設定で「日本円(JPY)」を追加するには、1円(JPY)に相当するアメリカドル(USD)の金額を入力します。一方、Zoho Booksの複数通貨の設定で「アメリカドル(USD)」を追加するには、1ドル(USD)に相当する日本円(JPY)の金額を入力します。
つまり、Zoho CRMとZoho Booksのどちらのアカウントも基準通貨は日本円(JPY)ですが、複数通貨として追加する「アメリカドル(USD)」の為替レートの設定方法が異なります。為替レートの設定方法は、Zoho CRMでは「1円(JPY) = 0.007142857ドル(USD)」、Zoho Booksでは「1ドル(USD) = 140円(JPY)」として設定するため、換算方法が逆であることにより、値によって不整合が発生する可能性があります。
たとえば、Zoho Booksでアメリカドル(USD)で作成した請求書をZoho CRMで参照する場合、データの一覧やレポートに表示される際に、基準通貨(JPY)の金額に自動的に換算されます。換算には、請求書に記載されている為替レート(この例では、Zoho Booksの為替レート)が使用されます。したがって、この換算処理において若干の差異が生じる可能性があります。ただし、差異が生じたとしても、通常はごくわずかで無視できる程度です。具体的には、換算結果の数値の小数点以下の桁数が9を超える場合に差異が生じます。小数点以下の桁数が9桁以下の場合の数値は正確です。
小数点以下の桁数が9を超える場合にも正確な金額を確認するには、Zoho Books内の請求書データを確認する必要があります。
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