概要
見込み客や商談に関する対応業務を行うにあたって、該当の見込み客や商談に関する基本情報や、対応履歴などの情報の確認は必要不可欠です。しかし、日々の業務に対応しながらこれらの情報をすべて確認するのには時間がかかります。
このような場合に、Zoho CRMのデータの要約機能が役立ちます。データの要約機能を利用すると、見込み客や商談などのデータの要約をすばやく確認できます。必要な情報をひと目で確認し、対応を進めることが可能です。
利用例:一定期間において特定のステージで停滞している商談に関して、営業担当者がマネージャーから対応を割り当てられたとします。営業担当者は、該当の商談の対応履歴、商談に関連付けられている連絡先、最近の活動履歴などの詳細について確認する必要があります。商談の対応を進めるにあたってこれらの詳細を確認することはとても重要ですが、これらの詳細をすべて確認するのには時間がかかります。
このような場合、データの要約機能を利用することで、該当の商談に関するさまざまな詳細をポップアップ画面からすぐに確認できます。必要な情報をすばやく確認し、商談を進めることが可能です。
営業担当者の業務の効率化を図ることもできます。データの要約機能は、顧客とのミーティングの準備、上司へのプレゼンテーション、チーム間での戦略会議などのさまざまな場面で役立ちます。
主なメリット
データの要約機能を利用する主なメリットは、以下のとおりです。
- 情報の迅速な確認:ポップアップ画面内から対象のデータの要約をひと目で確認できます。
- 業務の効率化:情報の確認にかかる時間を短縮できます。他の業務への対応を進めることが可能です。
- 的確な対応:見込み客や顧客の要件や要望などの情報を、データの要約から短時間で確認し、それぞれに適した対応を進めることができます。
データの要約機能は、営業担当者だけでなく管理者やマネージャーにも役立ちます。この機能を利用することで、大切な情報を見逃さずに確認することが可能です。業務の効率化を図り、生産性を高めることができます。
利用条件
必要な権限
Ziaのデータの要約の権限を持つユーザーは、この機能を利用できます。
- Zoho CRMのエンタープライズプラン、またはそれより上位のプランを利用していて、米国(US)またはEUのデータセンターに登録されている組織で利用できます。
- EUのデータセンターに登録されているアカウントでは、この機能を英語でのみ利用できます。
データの要約機能で確認できる内容
データの要約機能では、Zoho CRMに保存されている各データの要約を確認できます。データの要約は、ZohoのAIアシスタント機能の「Zia」(ジア)によって出力されます。それぞれのタブにおいて、対象のデータに関するさまざまな情報を確認することが可能です。
各タブにおいて確認できる要約の内容は、以下のとおりです。
標準タブ(営業支援機能に関連するタブ)
取引先
取引先に関する要約で確認できる内容は、以下のとおりです。
- 業界、規模、拠点などの取引先の基本情報。
- 主要な連絡先、該当の連絡先に関する活動履歴(予定、通話など)。
- 過去の商談履歴、取引先に関する活動の傾向、やりとりの頻度。
- 取引先との取引によって発生した売上の合計とその内訳。
連絡先
連絡先に関する要約で確認できる内容は、以下のとおりです。
- 連絡先の基本情報、最近のやりとりの内容。
- 連絡先の組織内における役割や影響力。
- 連絡先の要件や要望、やりとりの頻度、連絡方法。
見込み客
見込み客に関する要約で確認できる内容は、以下のとおりです。
- 見込み客の重要度を表す情報(見込まれる商談額、最近のやりとりの内容など)。
- 見込み客の流入経路(紹介、キャンペーンなど)。
- 見込み客の流入経路の有効性(該当の流入経路から取得した見込み客の変換率)。
- 今後の営業対応の提案(打ち合わせの依頼、架電など)。
商談
商談に関する要約で確認できる内容は、以下のとおりです。
- 商談のステージ、金額、商談の主要な連絡先。
- 関連付けられているタスク、次のステージ、競合他社の分析情報。
- 今後の営業対応の提案、商談のステージに関する各種指標データ(商談の確度や各種スコア)。
カスタムタブ
カスタムタブの場合、カスタムタブ内の項目や値に基づいて要約が出力されます。カスタムタブ内に保存されているデータの種類にかかわらず、データの要約を確認することが可能です。
データの要約の表示
データの要約の表示方法は簡単です。権限を持っている場合、対象のデータの詳細ページの画面上部に要約の生成用のアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、システムによってデータの処理が行われます。処理の完了後、要約の表示用のボタンが表示されます。ボタンをクリックすると、データの要約がポップアップ画面に表示されます。
ポップアップ画面に表示される内容は、以下のとおりです。
- データの要約の本文
- 要約の作成日時
- 要約の評価ボタン
新しいデータをもとに要約を更新する場合は、[再生成する]をクリックします。クリックすると、最新のデータをもとに要約が生成されます。
メモ
- 以下に該当するデータに関しては、要約を生成できます。
- 要約の生成機能が有効なタブ内に保存されている。
- データがロックされている、または承認/レビュープロセスが適用されている(データの要約の生成処理ではデータの内容自体は編集されないため)。
- 以下に該当するデータに関しては、要約を生成できません。
- 下書きの状態になっている(例:Webフォームで作成されたデータ)。
- データが未完了の状態か、確定していない状態になっている。
1日あたりの要約回数の上限
1日に実行可能なデータの要約回数の上限は、100回です。
要約回数のカウント方法
1日の要約回数をカウントするにあたって、以下のルールが適用されます。
- 同じユーザーによって同じデータの要約が出力され、出力された要約が異なる場合
同じユーザーによって同じデータの要約が複数回出力され、出力された要約の内容がそれぞれ異なる場合、これらの要約回数は上限の回数にカウントされます。
例:ユーザーAによって午前9時にデータの要約が生成され、午後2時に更新情報をもとに再度要約が生成されたとします。この場合、1日の上限の100回のうちの2回としてカウントされます。
- 同じユーザーによって同じデータの要約が出力され、出力された要約が同じ場合
同じユーザーによって同じデータの要約が複数回出力され、出力された要約の内容に変更がない場合、これらの要約回数は上限の回数にカウントされません。
例:ユーザーAによって午前9時にデータの要約が生成され、午前10時に同じ情報をもとに再度要約が生成されたとします。この場合、この場合、1日の上限の100回のうちの1回としてのみカウントされます。
- 異なるユーザーによって同じデータの要約が出力された場合
異なるユーザーによって同じデータの要約が出力された場合、これらの要約回数は各ユーザーの上限の回数にカウントされます。
例:ユーザーAによってデータXの要約が生成され、その後ユーザーBによって同じデータXの要約が生成されたとします。この場合、ユーザーA、ユーザーBの両方で1日の上限の100回のうちの1回としてカウントされます。
ヒント:データの要約を再生成する際には、対象のデータが更新された場合にのみ行うことをお勧めします。
要約に対するフィードバック
データの要約機能では、Ziaによって出力された要約に対してフィードバックを行うことができます。
フィードバックに関して行える操作は、以下のとおりです。
- 高評価/低評価:
出力された要約の内容に対して、高評価または低評価を行うことができます。

- 低評価の理由や改善点の入力:
低評価を行った場合、次の内容を選択/入力できます。
- 出力された要約の問題点:出力された要約の内容について、どのような問題があったか選択できます(例:実際の値と異なる、内容が不足しているなど)。
- 改善点:精度や分かりやすさなど、改善したい内容を選択できます。
- コメント:
フィードバックに関するコメントを入力できます。入力したコメント内容は、Ziaによるデータの要約機能の改善に使用されます。

要約に対するフィードバックを行うことで、出力される要約の精度を高めることができます。