この機能は、いずれかのパートナーアカウントでのみ利用可能です。今後、段階的に他のユーザーのアカウントでも利用できるようになる予定です。
カテゴリー列とは
カテゴリー列は、大量のデータをいくつかのカテゴリーにまとめて整理するための機能です。レポートに細かい数値などのデータをすべて表示すると、かえってデータの全体像が見えにくくなることがあります。そのような場合に、この機能を使ってカテゴリーを作ってデータを分類すると、情報が整理され、全体の傾向や特徴が把握しやすくなります。膨大なデータを分かりやすくまとめてレポートに表示することで、データの持つ本来の意味を理解できるようになります。
Zoho CRMでは、以下の2種類のカテゴリー列を作成できます。
- 数値のカテゴリー列:数値データをカテゴリーに分類します。
- 選択リストのカテゴリー列:選択リスト内の個々の値をカテゴリーに分類します。
たとえば、カテゴリー列は次のようなケースで役立ちます。
ある配送管理者が荷物の配送スケジュールを作成しようとしています。スケジュールの作成では、荷物の大きさや重さなど、さまざまな要素を考慮する必要がありますが、特に大きさと重さは最適な配送方法を選ぶ際の重要な基準です。中でも、重い荷物に関しては、その重さを十分に考慮することが求められます。荷物のデータには、軽い荷物か重い荷物かの区別を直接的に表す項目はありません。しかし、配送マネージャーが分析を行うレポートでは、荷物を重さによって分類できると便利です。このようなときに役立つのがカテゴリー列です。カテゴリー列を使うと、各荷物を、重さにもとづいて、軽量、中量、重量の3つのカテゴリーに分類できます。
メモ
カテゴリー列は、数値と選択リストの値に対してのみ設定できます。他の種類の値には設定できません。
数値のカテゴリー列を設定できる項目の種類は、数値、長整数、通貨、パーセント、小数です。
1つのレポートに作成できるカテゴリー列は、最大で2件です。
数値のカテゴリー列
レポートに表示される様々な数値にカテゴリー列を設定すると、個々の数値をカテゴリーにまとめてデータを単純化できます。これにより、データ全体を把握しやすくなり、データの比較も容易になるため、レポートの目的に合わせて適切な情報を得ることができるようになります。
活用例
地域の医療担当者が、昨年生まれた1,000人の子どもたちの体重を分析しています。この分析の目的は、幼少期における病気へのかかりやすさを調査することです。このレポートに含まれる項目は、子どもの名前、住所、体重、身長です。レポートを分かりやすくするため、体重を標準的な指標にもとづいて、低体重、普通、肥満の3つのカテゴリーに分類します。このように個々の数値をグループ化することで、大量のデータから全体の傾向などを見つけやすくなります。
この例にもとづいて数値のカテゴリー列を追加するには、以下の手順を行います。
- [レポート]タブに移動し、カテゴリー列を追加するレポートを選択します。
- 右上の[編集する]ボタンをクリックし、左側のメニューで[列を編集する]アイコンをクリックします。[列]という表示の右側にある[+]アイコンをクリックして、カテゴリー列を追加します。
- カテゴリー列の元データとして、数値項目のいずれかを指定します。選択できる数値項目の種類は、数値、長整数、通貨、パーセント、小数、数式、集計です。この例では、[体重]項目を指定します。
- 新しいカテゴリー列の名前を入力します。[カテゴリーを作成する]をクリックします。この例では、カテゴリー名を[体重カテゴリー]とします。
- カテゴリーの設定欄で、カテゴリー名と、範囲の開始値および終了値を指定します。
- それぞれのカテゴリーについて、名前と、範囲の開始値および終了値を入力します。このとき、開始値と終了値は、各範囲の値が適切な順序で連続するように指定してください。新しいカテゴリーを追加するには、緑色の[+]アイコンをクリックします。
メモ:各範囲は、値が連続するように設定してください。範囲の値を隙間なく連続させることで、データが誤って分類から漏れてしまうのを防ぐことができます。
- [設定]から、値の最小の範囲と最大の範囲を追加します。最小と最大のカテゴリーの範囲は、入力した範囲にもとづいて自動的に設定されます。この例では、範囲を以下の3つにします。
・ 低体重:14kg未満[最小の範囲]
・ 普通:14kg以上かつ17kg未満[中間の範囲]
・ 肥満:17kg以上[最大の範囲]
- 標準のカテゴリーを追加します(上の画像を参照)。
いずれの範囲にも該当しない値は、ここで追加したカテゴリーに分類されます。この例では、[新生児]というカテゴリーを追加します。 - 値が入力されていないデータ用のカテゴリーを追加します(上の画像を参照)。
対象の値が入力されていないデータは、入力がないデータであることが明確に分かるように専用のカテゴリーに分けて表示できます。この例では、入力がないデータ用のカテゴリーの名前を[不明]とします。 - [完了する]をクリックして、レポートへの変更を保存します。
- 変更が保存されると、指定した条件に従って列の値がチェックされ、データが各カテゴリーに自動的に分類されます。結果は、下図のようになります。
メモ
- 行グループと列グループのいずれにも、カテゴリー列を選択できます。
- 数値のカテゴリー列を設定できる項目の種類は、数値、長整数、通貨、パーセント、小数です。
- 追加できるカテゴリーの数は、最初から定義されている最小と最大のカテゴリーを除いて、最大で10件です。
- カテゴリー列は、行グループと列グループのどちらにも追加できますが、追加できるカテゴリー列の数は、行グループおよび列グループの両方をあわせて最大で2件です。
選択リストのカテゴリー列
選択リストの値をもとにしてカテゴリー列を作成することもできます。選択リストの値は、数値のように単純な大小比較はできませんが、類似している値同士を1つのカテゴリーにまとめることで、データを分かりやすく分類できます。
活用例
ある営業マネージャーが、顧客の国別に営業戦略を策定するため、業績レポートを分析しています。営業マネージャーは、このレポートから、地域ごとに顧客の購買行動にどのような特徴があるのかを知りたいと思っています。レポートには、取引先名、商談名、金額、国などの詳細が含まれます。
レポート内の[国]列には選択リストが使われています。この列にカテゴリー列を追加します。追加するカテゴリー列の名前は、[顧客の地域]とします。カテゴリーは、[北部]、[南部]、[東部]、[西部]の4つを定義します。
選択リストのカテゴリー列を追加するには、以下の手順を行います。
- [レポート]タブに移動し、カテゴリー列を追加するレポートを選択します。
- 右上の[編集する]ボタンをクリックし、左側のメニューで[列を編集する]アイコンをクリックします。[+]アイコンをクリックして、カテゴリー列を追加します。
- カテゴリー列の元データとして、選択リスト項目のいずれかを指定します。この例では、[国]項目を指定します。
- 新しいカテゴリー列の名前を入力します。[カテゴリーを作成する]をクリックします。この例では、カテゴリー列の名前を[顧客の地域]とします。
- カテゴリー名を入力し、そのカテゴリーに分類する値を選択します。その後、[完了する]をクリックします。この例では、最初のカテゴリーとして[北部]を作成し、北部に該当する国を選択します。
- [新しいカテゴリー]をクリックして、さらにカテゴリーを追加します。
- 各カテゴリーについて、カテゴリー名を入力し、値を選択します。その後、[完了する]をクリックします。この例では、[南部]、[東部]、[西部]という3つのカテゴリーを追加し、それぞれに該当する国を選択します。
- 標準のカテゴリーを追加します(上の画像を参照)。
いずれのカテゴリーにも該当しない値は、ここで追加したカテゴリーに分類されます。この例では、どの地域にも該当しない国が[未分類の国]というカテゴリーに分類されるようにします。 - 値が入力されていないデータ用のカテゴリーを追加します(上の画像を参照)。
対象の値が入力されていないデータは、入力がないデータであることが明確に分かるように専用のカテゴリーに分けて表示できます。この例では、国が入力されていないデータが[不明]というカテゴリーに分類されるようにします。 - 作成したカテゴリーは、データを分類する際の優先度に従って、自由に並べ替えることができます。並べ替えるには、カテゴリー名をドラッグして希望の位置に移動してください(下の画像を参照)。
- [実行する]をクリックします。その後、[保存する]をクリックするとレポートが有効になります。
- 指定した条件に従って列の値がチェックされ、データが各カテゴリーに自動的に分類されます。結果は、下図のようになります。
メモ
- 追加できるカテゴリーは、最大で10件です。1件のカテゴリーには、最大20件の値を指定できます。
- カテゴリー列は、行グループと列グループのどちらにも追加できますが、追加できるカテゴリー列の数は、行グループおよび列グループの両方をあわせて最大で2件です。