データのロックの概要と使用例

データのロックの概要と使用例

Zoho CRMのデータのロック機能を利用すると、データに対する編集や削除などの操作を制限できます。ロックは、データの詳細ページから手動で設定することが可能です。また、特定の条件を満たしたデータが、自動でロックされるように設定することも可能です。この機能は以下のような場合に役立ちます。
 
例1
商談データが特定のステージに到達したら、データが自動でロックされるように設定できます。これにより、たとえば、受注/失注が確定した商談データにおいては、[総額]、[割引]などの項目が編集されないようにすることができます。
 
例2
ある営業担当者は、顧客に提出する提案書に問題がないかどうかをチーム内の別の担当者に確認してもらうことにしました。確認を行う担当者は、商談データと提案書の内容を突き合わせて、不整合がないかどうかを確認する必要があります。このような場合、提案書の確認が完了するまで、商談データを手動でロックし、データの編集を一時的に制限できます。
 
例3
[見積書]タブのデータを営業サポートのチームのメンバーだけが編集できるようにしたいとします。このような場合、[見積書]タブでデータのロックを設定して基本的には編集不可としたうえで、営業サポートの権限を持つメンバーをロックの除外対象とすることで、営業サポートの権限を持つメンバーに対してのみ見積書データの編集を許可できます。


利用条件

必要な権限

タブでデータのロックに関する設定を行うには、[タブのカスタマイズ]に関する権限が必要です。

ロックの設定 

ロックの設定は、タブごとに行います。ロックに関する設定のページでは、データの手動ロックや自動ロックを有効にできます。
 
手動ロックを有効にすると、データの詳細ページからデータを個別にロックできるようになります。対象データが一律の条件で決まらないためロックを自動化しにくい場合でも、個別にデータを選択してロックすることが可能です。自動ロックを有効にすると、特定の条件を満たしたデータが自動でロックされるように設定できます。
 
また、ロック中であっても、特定の項目のみは編集できるように設定することが可能です。たとえば、商談受注時に商談データが自動でロックされるように設定する場合に、[編集を許可する項目]として[備考]の項目を指定すると、ロック中も[備考]のみは編集できるようになります。

自動ロック 

自動ロックの設定:
  1. データを自動でロックするための条件(ルール)を5件まで設定できます。ロック中のデータの詳細ページでは、ロック中のデータに対してどの条件が適用されているかを確認できます。
  2. ロックの適用対象に関する設定欄では、すべてのユーザーに対してデータをロックするか、特定の権限を持っているユーザーをロックの対象から除外するかを選択できます。
  3. ロック中のデータにおいて、どのような操作を制限するかを選択できます。なお、編集操作は初期設定で制限対象として指定されています。
  4. [編集を許可する項目]で項目を指定すると、ロック中であっても特定の項目は編集できるようになります。


メモ:
  1. [レイアウト]項目(データに適用するレイアウトを指定するための項目)、[パイプライン]項目(データに適用するパイプラインを指定するための項目)、サブフォームの集計項目などには、ロックによる制限を適用できません。
  2. [編集を許可する項目]の選択リストには、データの詳細ページからは直接編集できない項目も表示される場合があります。このような項目については、APIなどを通じた編集を許可するかどうかを設定できます。
    例:[価格表]タブの[価格体系]の項目、[商談]タブの[パイプライン]項目など

データのロック機能の対応タブ

見込み客
連絡先
取引先
商談
見積書
受注書
発注書
請求書
仕入先
価格表
問い合わせ
ソリューション
タスク
カスタムタブ 
商品
ロック中のデータの詳細ページでは、ロック中であることを示すアイコンがデータの画像上とページ右上に表示されます。データの編集は、編集が許可されている項目においてのみ可能です。画面右上のロックアイコンの下部に表示されている[詳細]をクリックすると、ロックに関する詳細情報を確認できます(ロックの条件、理由、日付、編集可能な項目など)。

ロックに関する詳細情報は、データの[履歴]ページからも確認できます。

データをロックするには:
  1. 画面右上にある[設定]アイコンをクリックし、[カスタマイズ]の欄にある[タブと項目]をクリックします。
  2. [タブ]の一覧ページで、データのロックを設定したいタブをクリックします。
  3. [ロックの設定]タブに移動し、[設定する]をクリックします。

  4. ロックの設定ページで、以下の操作を実行します。

    1. [手動]:有効にすると、データの詳細ページからデータを手動でロックできるようになります(なお、ロックの操作を実行するには、データのロックに関する権限が必要です)。
    2. [自動]:有効にすると、特定の条件が満たされた場合に、データが自動でロックされるようになります。

      ルール名(ロックの適用条件の名前)を入力し、どのような条件が満たされたらデータをロックするかを指定します。設定が完了したら、保存ボタンをクリックします。
    3. 自動ロックを有効にしている場合、条件を満たす既存のデータもロックするかどうかを設定できます(既存のデータもロックする場合は、チェックボックスを選択します)。
    4. [データのロックに関する設定]:
    5. [ロックの適用対象]:データを誰に対してロックするかを指定できます(すべてのユーザーに対してロックする/特定の権限を持つユーザーをロックから除外する)。後者を選択した場合、どの権限を除外するかを指定します。

    6. [ポータルのユーザーに対してデータをロックする]:ポータルのユーザーに対してデータをロックしたい場合はチェックボックスを選択します。

    7. [制限する操作]:データがロックされている場合に、どのような操作を制限するかを選択します。

      なお、編集操作は、あらかじめ制限対象として指定されています。
    8. [編集を許可する項目]:ロック中のデータで編集を許可する項目があれば指定します。

  5. [保存する]をクリックします。

ロックの設定を削除するには:
  1. 画面右上にある[設定]アイコンをクリックし、[カスタマイズ]の欄にある[タブと項目]をクリックします。
  2. [タブ]の一覧ページで、ロックの設定を削除したいタブをクリックします。
  3. [ロックの設定]タブに移動し、[削除する]をクリックします。

  4. 確認画面が表示されるので、[削除する]を選択します。

手動ロック  

手動ロックが有効になっているタブでは、データを手動でロックできます。なお、手動ロックを行うには、データのロックに関する権限が必要です。
データのロックに関する権限を設定するには、画面右上の設定アイコン→[ユーザーと権限]→[セキュリティ設定]に移動し、[権限]タブで、一覧から対象の権限をクリックします。権限の設定ページで、[タブの権限][ツール]に移動すると、ロックに関する権限を設定できます。また、ロックに関する権限を有効にした場合は、どのタブでロックを許可するかを指定することが可能です。


データを手動でロックするには:
  1. ロックしたいデータが登録されているタブに移動し、対象のデータをクリックして、詳細ページを開きます。
  2. データの詳細ページで、右上に表示されている[…](その他)アイコンをクリックします。

  3. [ロックする]をクリックします。
  4. 表示された画面でデータをロックする理由を入力します。

  5. [ロックする]をクリックします。

ロック中のデータの表示 

  1. データの詳細ページ:データの詳細ページでは、ロック中であることを示すアイコンがデータの画像上とページ右上に表示されます。ページ右上のロックアイコンの下部で[詳細]をクリックすると、ロックに関する詳細情報を表示できます。また、その隣にある[ロックを解除する]をクリックすると、データのロックを解除できます。

    データのロックに関する詳細は、データの[履歴]ページからも確認できます。

  2. データ一覧: データ一覧では、ロック中のデータの行の左端にロックアイコンが表示されます。

    ロック中のデータのみを抽出して表示するには、画面左側のフィルターの設定欄で[ロック中]→[真]を選択して、適用ボタンをクリックします。また、画面左上にあるデータ一覧の選択リストから、ロック中のデータを表示する一覧を選択して表示することもできます。

 
メモ:
  1. フィルターやデータ一覧を使用してロック中のデータを表示する場合、表示されるのは、ロックの設定に従ってロックされたデータのみです。
  2. ロック中のデータの編集可能な項目は、データの一覧ページから一括更新できます。
  3. ロックの適用条件(ルール)を削除すると、削除した条件に基づいて自動で設定されていたロックがすべて解除されます。タブにおけるロックの設定を削除すると、タブ内のデータのロックがすべて解除されます。
  4. Zoho CRMのプランを、ロック機能に対応していないプランにダウングレードした場合、データのロックはすべて自動で解除されます。その後、アップグレードしても、ダウングレード前のロックの状態を復元することはできません。
ロックの適用に関する例外(ロックされていてもデータが更新される場合) 
  1. ロック中のデータに対する自動処理の実行
    ロック中のデータが自動処理の実行条件を満たした場合には、ロック中であってもデータに対して自動処理が実行されます(自動処理の例:ワークフロー、割り当てルール、承認プロセス、スコアリングルールなど)。このような自動処理は、ロック中のデータの更新権限を持つユーザーがデータを更新することにより、条件が満たされて実行されることがよくあります。
    たとえば、データの作成や更新が行われたら、特定の項目を自動で更新するワークフロールール(自動処理)が設定されているとします。この場合、ロックの除外対象のユーザーがデータを更新し、それによってワークフロールールの実行条件が満たされると、設定に従って特定の項目が更新されます。
    このような挙動は、その他の自動処理(割り当てルール、承認プロセス、スコアリングルールなど)においても同様に発生します。
     
  2. ブループリントの場合
    ブループリントが適用されているデータが自動でロックされた場合、ロックの条件を満たし続けている限り、ロックが自動で解除されることはありません。ブループリントの遷移においてロック中の項目を更新する必要がある場合、ブループリントの遷移ボタンは、データの詳細ページに表示されません。
    ただし、ロックから除外されているユーザーで、ブループリントの遷移を実行する権限を持っているユーザーは、ブループリントの遷移を実行できます。
     
  3. 連携を通じたデータの同期
    Zoho CRMと他のZohoサービスを連携して、サービス間でデータを同期している場合も、ロックが適用されません。たとえば、Zoho Desk連携を通じて、Zoho CRMとZoho Deskの顧客データを同期している場合です。
    このような場合、Zoho CRMでロック中の顧客データがZoho Deskで更新されると、データの同期によって、Zoho CRMでもデータが更新されます。このように、同期においては、サービス間で常にデータを一致させる必要があるため、ロック中であってもデータが更新されます。
    また、このような同期においては、Zoho CRMでロック中のデータも、Zoho CRMからZoho Deskに同期されます。
    以上のような同期は、Zoho Projects連携やZoho Finance連携においても同様に実行されます。

    ただし、外部サービスとの同期(例:Google 連絡先との同期、Microsoft 365との同期)をユーザーが個人で設定している場合、ロック中のデータはZoho CRMから連携先のサービスに同期されません(ただし、対象のユーザーがロックから除外されている場合は、同期可能です)。
留意事項
  1. ロック中のデータに対して、関連リストとして他のデータを関連付けることはできます(ロックによりデータの関連付けが制限されることはありません)。
  2. 一方、ロック中のデータを他のデータに対して(他のデータの関連リストとして)関連付けることはできません。データの関連付けはルックアップ項目によって設定されますが、データがロックされている場合、ルックアップ項目を更新することができないためです。
  3. ただし、ロックの設定画面の[編集を許可する項目]で対象のルックアップ項目を指定した場合は、ロック中のデータを他のデータに対して関連付けることが可能です。



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