現代の企業は、顧客を増やすためにさまざまな技術を駆使して広告を展開していますが、一方で、顧客の個人的な紹介から新たな関係が生まれることも決して少なくありません。たとえば、商品を実際に使って満足した顧客がその商品を知り合いに紹介することもあり、それは本当に喜ばしいケースです。そのような紹介があった場合、「誰が誰を紹介したのか」という詳細を顧客情報の一部として記録しておくと、その後の顧客対応に役立ちます。
誰かから紹介された顧客なのか、あるいは、他の誰かを紹介したことのある顧客なのかといった情報は、その顧客を深く理解するうえで重要な要素となります。紹介のケースはさまざまであり、異なる会社間での紹介もあれば、同一の会社内での紹介もあります。誰が誰を紹介したのかを知ることによって、紹介した側とされた側、それぞれの状況に合わせてより良い提案を行うことができます。このため、顧客の紹介による関係を記録することは、新規顧客の獲得はもちろん、既存顧客の維持にも大いに貢献し、最終的には売上拡大という最重要目標の達成につながります。
Zoho CRMでは、こうした紹介による顧客間のつながりを、ルックアップ項目を使って管理できます。ルックアップ項目とは、簡単にいえば、2つの異なる種類(タブ)のデータを関連付けることのできる項目です。では、ルックアップ項目をどのように使用するのかを詳しく見ていきましょう。
以下の例では、[見込み客]タブに[紹介者](Referred by)というルックアップ項目を追加し、紹介された人を見込み客として登録するときに、誰から紹介されたのかを入力できるようにしています。
ルックアップ項目を追加する
1. [設定]→[カスタマイズ]→[タブと項目]に移動し、ルックアップ項目を追加するタブを選択します。この例では、[見込み客]タブを選択します。
2. 選択したタブのレイアウトをクリックします。レイアウトの編集画面が開きます。[新しい項目]の欄から[ルックアップ]をドラッグします。
3. 項目の詳細を必要に応じて入力します。
項目のラベル:この項目に表示される名前です。この例では、紹介した側の人を入力する項目となるので、[紹介者](Referred by)とします。
参照先のタブ:この項目から参照するタブを指定します。この例では、紹介者を[連絡先]タブから選択して入力できるようにするので、[連絡先]タブを指定します。
関連リスト名:詳細ページの画面左側に表示される関連リストで使用される名前です。この例では、紹介した側の人(紹介者)の詳細ページに、紹介された側の人を関連リストとして表示するので、[紹介された見込み客](Referred Leads)とします。
4. [完了する]をクリックし、レイアウトの編集画面で[保存する]をクリックします。
実際の画面を表示してみる
レイアウトで追加したルックアップ項目がタブに表示されます。この例では、[見込み客]タブに[紹介者](Referred by)というルックアップ項目が表示されます。
ルックアップ項目の参照先タブの詳細ページにも、対応する情報が表示されます。この例では、[連絡先]タブの詳細ページに[紹介された見込み客](Referred Leads)という関連リストが表示されます。
紹介者(連絡先)の詳細ページから、紹介された人を見込み客として登録する
特定の連絡先が誰かを紹介したことがあるかどうかは、その連絡先の詳細ページで確認できます。このような表示が可能になるのは、[見込み客]タブ内のルックアップ項目で[連絡先]タブを参照先として指定しているためです。連絡先の詳細ページからは、紹介された人を見込み客として登録することもできます。[連絡先]タブの詳細ページから見込み客を登録するには、以下の手順を行います。
- [連絡先]タブに移動し、見込み客を紹介した連絡先(紹介者)を選択します。
- 画面左側の関連リストに表示されている[紹介された見込み客](Referred Leads)という参照リンクをクリックします。画面の右側に、これまでに紹介された見込み客の一覧が表示されます。まだ紹介をしたことがない連絡先の場合は、空欄になります。
- この一覧には、以下の3つのボタンが表示されます。
- [割り当てる]:紹介された人がすでに見込み客として登録されている場合は、その見込み客を選択できます。
- [新しく作成]:紹介された人がまだ見込み客として登録されていない場合は、ここから直接、新しい見込み客を作成して関連付けることができます。このボタンから見込み客の作成画面を開くと、ルックアップ項目である[紹介者](Referred by)の項目に、この連絡先名が自動で入力された状態で表示されます。
- [編集]:一覧に表示されている見込み客との関連付けを編集できます。具体的には、一覧から見込み客を削除する(関連付けを解除する)ことができます。また、見込み客を選択して一覧に追加する(関連付ける)ことも可能です。