Zoho CRMの[申請]タブと[申請者]の権限
Zoho CRMの[申請]タブは、他部門のチームタブに対して依頼を申請できる[申請者]の権限と連動して機能します。[申請]タブには、自分が申請者として登録されているチームタブの一覧が表示されます。ここからチームタブを選択して、そのチームに依頼を申請したり、申請した依頼の状況を確認したりすることができます。
[申請]タブの利用メリット
多くの人が以下のような経験をしているでしょう。
- 顧客が最新の情報を知りたがっているが、担当チームからの返信がなかなか来ない。
- 他のチームに何か依頼したいことがあるたびに、そのチームに知り合いがいる人を急いで探し、その人から連絡をしてもらっている。
- 他のチームのメンバーに仕事を依頼するメッセージを送ったが、返信がない。
- チャットで質問を受けても、そのメッセージに気づかず返信が翌日になってしまうことがある。そうなると、本題に入る前にお詫びをしなければならない。
- 他のチームに仕事を依頼するときは、詳しい情報をメールなどで別途伝えている。自分が他のチームから仕事を受けるときも、同じようにしてもらっている。
- 上司に取引が進まない理由を尋ねられてもすぐに回答できない。他のチームに依頼している件もあるので、それぞれの依頼先にチャットや電話で状況を確認する必要がある。
最近の組織では業務の細分化が進み、1つの仕事でも他チームとのやりとりが必要になることが多く、上記のような状況が起こりやすくなっています。営業部門でもこの傾向は顕著です。さらに、事業範囲が広がったり、取引規模が大きくなったりすると、営業部門の担当者はますます多くの人と頻繁にやりとりすることが求められます。
このように他チームとのやりとりは業務の円滑な遂行に不可欠ですが、そのやりとりの多くはチャットやメールに依存しています。この依存が上記のような事態を招き、依頼した件の進捗を把握できない、対応に時間がかかる、十分な情報が共有されない、誰が何を担当しているのか分からない、などの問題につながっています。
Zoho CRMでは、他チームとのやりとりに[申請]タブを利用することで、こうした問題を回避できます。他部門への依頼は、すべて[申請]タブで管理できます。
他部門に依頼をする場合
他部門への仕事の依頼は、すべて[申請]タブから行えます。また、依頼した仕事の進捗や担当者の確認、補足情報の共有などもすべてこのタブから行うことができます。顧客や上司から質問を受けた場合も、[申請]タブを見れば状況をひと目で把握できるので、迅速に質問に回答できます。
他部門から依頼を受ける場合
他部門からの依頼は、実際には、依頼をする部門のメンバーが、依頼先の部門のチームタブにデータを登録するという形で行われます。このため、依頼を受けた部門は、チームタブを開いて、登録されているデータを見るだけで依頼の内容をすぐに把握できます。たとえば、営業部門が法務部門に契約書の審査を依頼する場合は、法務部門の[契約書審査]タブに営業部門のメンバーがデータを登録します。法務部門では、[契約書審査]タブでデータに担当者を割り当て、法務部門のプロセスに沿って審査を実施します。データに対する操作はすべて記録に残るため、データの履歴ページからいつでも状況を確認できます。また、法務部門のマネージャーはダッシュボードを作成して、全体的な進捗や個人別の対応実績などを確認することもできます。さらに、Zoho CRMでの依頼が頻繁に発生するようなら、作業を自動化したり、承認プロセスを作成したりすることも検討できます。
このように、依頼をする側と受ける側の両者がZoho CRM内のタブを使うことで、作業の状況や担当者が明確になり、業務全体を円滑に進めることができます。
チームタブに申請者としてユーザーを追加するには
- 画面左側のメニューで対象のチームタブにマウスカーソルを合わせ、[…](その他の操作)アイコンをクリックします。
- [ユーザーのアクセス権限の管理]を選択します。

- 表示された画面で、[ユーザーを追加する]をクリックします。

- ユーザーを選択します(複数のユーザーを選択できます)。

- 選択したユーザーのアクセス権限として[申請者]を選択し、[追加する]をクリックします。

- これで、選択したユーザーがチームタブに申請者として追加されます。
申請者が申請を行うには
- 画面左側のメニューで、申請のアイコンをクリックすると、自分が申請者として追加されているチームタブの一覧が表示されます。
- 上部にある[+](作成)アイコンをクリックして、申請のデータを入力します。
- 入力したデータは、対象のチームタブに新しいデータとして登録されます。

メモ
通常、チームタブはルックアップ項目を通じて親タブと関連付けられています。そのため、親タブ内のデータの関連リストから直接申請フォームを開くことも可能です(ルックアップ項目を通じて関連付けられているデータは関連リストに表示されるため)。
たとえば、[製品デモ]のチームタブが[商談]に関連付けられている場合、商談のデータを開き、[製品デモ]の関連リストに移動して、新規追加用のメニューをクリックします。これにより、該当の商談のデータが選択された状態で申請フォームが開きます。

申請者の設定
データへの担当者の割り当て
申請者によって作成されたデータ(依頼内容を表すデータ)には、後から適切な担当者を割り当てることができます。担当者を直接指定するか、割り当てルールを使用して担当者を割り当てるかを選択できます。なお、複数の担当者を指定することも可能です。
データに担当者を割り当てるには
- チームタブに移動し、[…](その他の操作)アイコンをクリックします。
- [申請者の設定]を選択します。

- 担当者を直接指定するか、割り当てルールを使用するかを選択します。最大5人のユーザーをデータの担当者として指定できます。

- チームタブの管理者は、申請者によって作成されたデータかどうかに関係なく、データの詳細ページから担当者を変更できます。担当者の項目に表示される編集アイコンをクリックして、データの新しい担当者を選択します。ただし、こちらで指定できる担当者は1人だけです。

- 特定の担当者を割り当てるのではなく、条件によって割り当てる担当者を変えたい場合は、チームタブごとに割り当てルールを設定できます。[割り当てルールを選択する]を選択し、既存のルールを指定するか、新しいルールを作成します。

- [保存する]をクリックします。
メモ
- 担当者の候補として表示されるユーザーは、チームタブの管理者、マネージャー、メンバー、参加者です。この中から、最大5人を選択できます。
- 申請者が作成したデータに担当者を割り当てる設定がされていない場合は、そのチームタブの管理者が自動的に担当者として割り当てられます。
- データの担当者となっているユーザーのアカウントを削除しようとすると、警告が表示されます。データの担当者は必須であるため、担当者の削除は制限されています。
- チームタブの[申請者の設定]画面から作成した割り当てルールは、そのチームタブにおいて、申請者が作成したすべてのデータに適用されます。
- チームタブの[申請者の設定]で使用されている割り当てルールは削除できません。割り当てルールを削除するには、先にチームタブで割り当ての設定を変更する必要があります。
QRコード/リンクによる招待
チームタブの申請者の設定画面から、招待用のリンクやQRコードを生成できます。生成したリンクやQRコードは、申請者として招待したいユーザーに共有することが可能です。招待されたユーザーは、リンクをクリックするか、QRコードをスキャンするだけで、チームタブに申請者として参加できます。面倒な操作を行うことなく、チームタブに参加することが可能です。
すべての組織ユーザーを申請者として追加する設定
この設定を有効にすると、組織内のすべてのユーザーがチームタブに申請者として自動で追加されます。組織内の全員が参加するチームの場合に役立ちます。