一般的な質問
Zoho CRMの「関連データ」とは何ですか?
「関連データ」とは、データとデータを関連付けるのに役立つ機能です。関連データの機能を利用すると、あるタブのデータを、別のタブのデータに柔軟に関連付けることが可能です。これまでのZoho CRMでは、データ同士を関連付ける手段としては主にルックアップ項目が使われてきました。ルックアップ項目は、タブをまたいだデータ間で参照関係/親子関係を作成して関連付けるための項目です。連絡先と取引先、商談と取引先など、さまざまなタブのデータの関連付けによく使われています。
ただし、ルックアップ項目を利用するには、レイアウトの設定であらかじめ項目を追加して事前に関連付けを定義しておく必要があります。とはいえ現実的には、すべてのデータについて、あらかじめ関連付けの必要性を検討してそれを定義しておくことはほぼ不可能です。そこで便利なのが「関連データ」です。関連データでは事前の定義は不要です。関連付け用のルックアップ項目をあらかじめ用意しておかなくても、必要になったタイミングで必要なデータを関連付けることが可能です。なお、現在のところ、関連データを作成できるのはチームタブに対してのみです。
関連データの機能を利用すると、顧客とのやりとりの記録や、関係のあるさまざまな情報を1か所にまとめて表示できるようになります。組織タブとチームタブのデータを関連付けることも可能になり、以下のような効果があります。
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顧客とのやりとりの記録や関係のある情報を幅広く集めることで、顧客への理解が深まります。
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手動でページを切り替えたりデータを検索したりする手間がなくなり、作業が効率化されます。
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必要なデータをすぐに入手できるようになり、チーム間の協力が促進されます。
以上をまとめると、関連データの機能を利用することで、別のタブのデータを簡単に関連付けることができます。この関連付けを活用することで、関係のある情報を幅広く効率的に集め、チーム間で協力して顧客への対応を進めることが可能になります。
関連データによって、Zoho CRMでのデータ管理をどのように改善できますか?
関連データによって、以下の点を改善できます。
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関係のある各種データを効率良く集め、1か所にまとめて表示できます。
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異なるタブを使っているチーム間でも、必要なデータをすぐに共有して協力できます。
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ワークフローによってデータの作成処理を自動化し、手作業を削減できます。
関連データとルックアップ項目の違いを教えてください。
相違点
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ルックアップ項目
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関連データ
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関係の種類
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1対1
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多対多
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関連付け可能なデータの範囲
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1件のデータのみ(関連付け対象のタブは固定)
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複数のデータ(さまざまなタブのデータを柔軟に関連付け可能)
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自動処理
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ワークフローによる自動作成ができない
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ワークフローによる自動作成ができる
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表示
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タブに1つの項目として表示される
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タブの詳細ページにセクションとして表示される
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関連データの機能は、すべてのZoho CRMアカウントで利用できますか?
はい。関連データの機能は、Zoho CRMの新バージョン(CRM for Everyone)が有効になっているすべてのアカウント標準で利用できます。なお、現在のところ、関連データとして作成/関連付けできるのはチームタブのデータのみです。このため、関連リストの欄には、チームタブが作成されている場合のみ、関連データの欄が表示されます。
作成できる関連データの件数に制限はありますか?
いいえ。作成できる関連データの件数に制限はありません。
技術的な質問
関連データを手動で作成する方法は?
組織タブから作成する場合
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関連データの作成を行う組織タブに移動します。
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その組織タブで、関連付けの元となるデータを選択します。
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関連データの欄に移動し、データの追加ボタンをクリックします。

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データを作成して関連付けるチームタブを選択し、そのタブのデータを作成します。

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作成されたデータが、元の組織タブのデータに自動で関連付けられます。

チームタブから作成する場合
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関連データの作成を行うチームタブに移動します。
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そのチームタブで、関連付けの元となるデータを選択します。
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関連データの欄に移動し、データの追加ボタンをクリックします。

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データを作成して関連付けるチームタブを選択し、そのタブのデータを作成します。

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作成されたデータが、元のチームタブのデータに自動で関連付けられます。

ワークフローを使って自動で関連データを作成することはできますか?
はい、できます。関連データは、ワークフロールールを設定することにより自動で作成できます。手順は、以下のとおりです。
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[設定]→[自動化]→[ワークフロールール]に移動します。
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[ルールを作成する]をクリックして、タブを選択します。

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実行のタイミングと条件を設定します(例:受注の確定時に、金額が一定額以上だったら実行する)。
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すぐに実行する処理として、[関連データの作成]を選択します。
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関連データを作成するタブとレイアウトを選択し、データの担当者を指定して、[保存する]をクリックします。

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もう一度[保存する]をクリックします。これで、ワークフロールールが有効になります。
関連データに関するワークフローを使用して、関連付けるデータの内容(いずれかの項目の値)を自動的に変更することはできますか?
いいえ。関連データとして関連付けるデータの内容(いずれかの項目の値)を自動的に変更することはできません。ただし、以下の操作は可能です。
データを一覧表示する際に、関連データをフィルターの条件に使用できますか?
いいえ、できません。現在のところ、一覧表示のフィルターの条件に関連データを使用することはできません。なお、以下の操作は可能です。
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レポートを作成して、さまざまな関連データを分析する。
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各タブのフィルターを使って、特定のデータを抽出する。
関連データを削除することはできますか?
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関連データの一覧から関連データを削除することはできますが、この削除操作は、関連データとの関連付けを解除するだけです。
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関連付け先のタブに作成されているデータはそのまま残ります。
Zoho CRMのユーザーの中で、関連データを作成できるのは誰ですか?
関連データを作成することができるのは、チームタブの作成権限を持つユーザーです。
関連データを作成できるのは、どのタブからどのタブに対してですか?
現在のところ、関連データを作成できるのは、組織タブのデータに対してチームタブのデータを関連付ける場合と、チームタブのデータに対して別のチームタブのデータを関連付ける場合のみです。
活用例の紹介
SaaSサービス提供会社:契約更新の交渉
概要:契約更新の担当者は、顧客と契約更新の交渉を始める前に、過去の請求書を確認しておきたいと思っています。
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関連データを使って、[契約更新](チームタブ)と[請求書](組織タブ)のデータを関連付けます。
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契約更新の担当者は、過去のすべての請求書を[契約更新]タブから直接表示できます。
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この関連付けにより、請求書を手動で検索する必要がなくなります。
医療機関:薬の提供
概要:薬剤師は、患者に薬を渡す前に、これまでどのような薬が処方されていたのかを確認する必要があります。
保険会社:保険金請求への対応
概要:保険会社では、保険金支払いの可否を判断するときに保険契約の詳細を確認する必要があります。
- [保険金請求](チームタブ)と[ドキュメント](組織タブ)のデータを関連付けます。
- この関連付けにより、保険契約の内容をすばやく確認して保険金支払いの可否を判断できます。