Zoho CRMのセグメンテーション機能では、顧客の過去の購入履歴(最新購入日、購入頻度、購入金額)に基づいて、顧客を分類できます。また、顧客の声分析機能では、メール、アンケート、問い合わせなどから収集したデータに基づき顧客が抱いた印象、意図、また、顧客が使用したキーワードを分析できます。この記事でご紹介するセグメンテーション分析は、セグメンテーションと顧客の声分析を組み合わせた機能です。特定の購買層に属する顧客がどのような印象や意図を抱いているか、また、どのようなキーワードを使用しているかを把握することが可能です。分析内容は、ダッシュボード上のグラフで分かりやすく確認できます。
セグメンテーション分析を行うには、RFMと呼ばれる指標をあらかじめ設定する必要があります。
つまり、顧客の最新購入日(Recency、最後に購入したのはいつか)、購入頻度(Frequency、どのくらいの頻度で購入しているのか)、購入金額(Monetary、いくら購入したのか)に基づいて、1~5のスコアによって顧客が評価されるよう設定します(例:購入金額が合計60,000円以上の場合、購入金額のスコアを4とする)。また、RFMのスコアに基づいて顧客を分類するためのラベルを作成できます(例:RとFとMのスコアがすべて5である顧客に対して「最重要」というラベルを設定する)。これにより、購買傾向ごとに顧客を分類し、分析を行うことが可能になります。セグメンテーション分析では、このようにして設定したラベルを利用し、顧客の声をラベル(グループ、セグメント)別に分析することが可能です。
顧客の購買傾向が多岐にわたる場合、すべての顧客のニーズが同じということはありません。また、異なる傾向やニーズを持つ顧客には、異なるアプローチが必要です。そのため、より効率的にマーケティングや営業活動を行うには、データに基づいて顧客を分類し、分析を行う必要があります。
Zoho CRMでセグメンテーション分析の機能を利用すると、顧客の最新購入日はいつか、購入頻度はどの程度か、購入金額はどれくらいかといった指標に基づいて顧客を分類し、それぞれのグループ(ラベル)別に顧客の声を分析して、対策を行うことが可能です。
たとえば、3年以上前に1度だけ高額の買い物をした顧客と、最近まで定期的に少額の買い物を繰り返している顧客を区別して分析を行うことができます。メール、通話、アンケートの回答、問い合わせの中で、前者と後者の各グループが使用しているキーワードは何か、また、各グループはどのような印象や意図を抱いているかなどを把握できます。
このような顧客の声の分析は、顧客から受信したメール、アンケートの回答、問い合わせなどのデータをもとに、Zia(ZohoのAIアシスタント)によって自動で行われます。また、セグメンテーション分析の結果はダッシュボード上で分かりやすく確認できます。ダッシュボードでは、以下の分析グラフを表示できます。
1.セグメント別の印象分析
横軸では、顧客全体に対して、肯定的(ポジティブ)、中立的(ニュートラル)、否定的(ネガティブ)の各印象を抱いた顧客が占める割合(%)を確認できます。縦軸では、肯定的、中立的、否定的の各印象を抱いた顧客に対して、セグメンテーションの各ラベル(セグメント、グループ)に該当する顧客が占める割合(%)を確認することが可能です。
2.セグメント別の意図分析
横軸では、顧客全体に対して、各意図(依頼、問い合わせ、苦情、購入、その他)を抱いた顧客が占める割合(%)を確認できます。縦軸では、各意図を抱いた顧客に対して、セグメンテーションの各ラベル(セグメント、グループ)に該当する顧客が占める割合(%)を確認することが可能です。
3.失注に関連するキーワード分析(セグメント別)
横軸では、失注した商談で使用されたキーワードを確認できます。縦軸では、各キーワードを使用した顧客に対して、セグメンテーションの各ラベル(セグメント、グループ)に該当する顧客が占める割合(%)を確認することが可能です。
4.キーワード分析(セグメント別)
横軸では、顧客が使用したキーワードを確認できます。縦軸では、各キーワードを使用した顧客に対して、セグメンテーションの各ラベル(セグメント、グループ)に該当する顧客が占める割合(%)を確認することが可能です。グラフ上にカーソルを重ねると、対象のキーワードを使用した顧客数がセグメント別に表示されます。
5.解約に関連するキーワード分析(セグメント別)
横軸では、解約した顧客が使用したキーワードを確認できます。縦軸では、各キーワードを使用した顧客に対して、セグメンテーションの各ラベル(セグメント、グループ)に該当する顧客が占める割合(%)を確認することが可能です。