Zoho Deskには、テスト環境の機能が用意されています。さまざまな設定を行う際に、運用中の本番環境にすぐに反映する前に、テスト環境で動作を検証したうえで反映することが可能です。設定の追加や変更によりどのような影響が及ぶかを、ユーザーが利用中の環境に影響を与えずに確認できます。
テスト環境を利用するメリット
リスクの最小化:設定を変更することで、もともと動作していた機能が意図どおりに動作しなくなることがあります。テスト環境で検証を行うことで、このような問題を回避できます。
不整合の解消:ある設定を行ったことにより、別の設定やデータに影響が及び、処理上の不整合が発生することがあります。テスト環境を利用することで、どのような不整合が発生するかをあらかじめ確認し、不整合を解消したうえで本番環境に変更内容を適用することが可能です。
変更による影響の確認:設定の変更によって、実際のデータにどのような影響が及ぶかを事前に確認することが可能です。影響範囲を確認したうえで、変更内容を適用するかどうかを判断できます。
変更内容の段階的な適用:設定などの変更内容をすぐにすべて適用するのではなく、段階的に適用することが可能です。これにより、影響範囲を確認しながら作業を進めることができます。
利用条件
テスト環境の作成
以下では、テスト環境の作成、テスト/検証、不具合や不整合の解消、本番環境への適用の各段階と、テスト環境の再作成につ説明します。
管理者がテスト環境を作成する際には、該当のテスト環境へのアクセスを許可するユーザー(担当者)やチームを選択します。許可されたユーザーのみが、テスト環境にアクセスし、変更内容を本番環境に適用できます。これらのユーザーに対しては、テスト環境の作成が完了すると、メールでアクセス用URLが通知されます。
テスト環境を作成するには
- 設定ページで、[データ管理]→[テスト環境]に移動します。
- [テスト環境を作成する]をクリックします。
- テスト環境の作成ページで、テスト環境の[名前]を入力します。
- 必要に応じて[説明]を入力します。
- アクセスを許可するユーザー(担当者)またはチームを選択します。
- [作成する]をクリックします。
テスト環境の作成が完了すると、メールでアクセス用URLが通知されます。
留意事項
- テスト環境の機能は、エンタープライズプランでのみ利用できます。
- 1件のアカウントにおいて作成できるテスト環境は1件のみです。
- テスト環境ではすべての設定機能を試すことができますが、本番環境に適用できるカスタマイズ内容は以下の内容のみです。
- レイアウト、項目、工数、タブ、テンプレート
- 割り当てルール、通知、ワークフロー、スキル、ブループリント、マクロ、時間基準の処理、スケジュール処理
- テスト環境にアクセスして各種検証作業を行うことができるのは、テスト環境の作成時に権限を個別に付与されたユーザー、および権限を付与されたチームに所属するユーザーのみです。ただし、テスト環境の管理の権限を持つユーザーは、テスト環境での変更内容を本番環境に適用することが可能です。
- テスト環境にアクセス中には、テスト環境であることを表す目印が画面上部に表示されます。
- テスト環境には、本番環境の機能や設定がすべて反映されます。画面上部には本番環境と同じタブが表示されます。ただし、タブ内のデータの一覧には、本番環境のデータは表示されません。必要に応じて、テスト用のデータを追加する必要があります。
テスト環境から本番環境にコピーされない設定/データの一覧
タブ | タブ内のデータはコピーされません。必要に応じて、テスト環境でデータをあらためて追加する必要があります。ただし、サンプルのデータを読み込んで使用することは可能です。 |
組織情報 | 詳細情報はコピーされません。 |
経路 | |
Zia | |
自動ガイドボット | フローの情報はコピーされません。 |
マーケットプレイス | |
テスト/検証
テスト環境の作成後、準備が完了すると、アクセス権限を付与されたユーザーに対してアクセス用のURLがメールで送信されます。その後、テストを開始することが可能です。テスト可能な設定は以下のとおりです。
テスト対象 | 説明 |
部門 | 本番環境で作成された部門が、テスト環境にコピーされます。本番環境と同じ部門を使用してテストできます。 |
メールアドレス | |
テンプレート | |
経路 | |
通知 | |
タブ | タブを新しく作成できます。
タブを並べ替えたり、有効/無効にしたりできます。
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権限 | すべての権限と役割が、本番環境からテスト環境にコピーされ、同じ設定内容をもとにテストできます。 |
カスタマイズ | 問い合わせのステータスと工数の記録の設定
カスタムタブの作成とカスタマイズ
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自動化 | すべての自動化設定を作成してテストできます(ブループリントも対象です)。 |
ヘルプセンター | 複数のヘルプセンターを作成してテストできます。
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インポート/エクスポート | データのインポートとエクスポートをテストできます。
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テスト環境でテストできない設定とデータ
- 担当者:新しい担当者(ユーザー)の追加、既存の担当者の無効化はできません。
- データのバックアップは実行できません。
変更内容の本番環境への適用
テスト環境の管理の権限を持つユーザーは、テスト環境での変更内容を本番環境に適用することが可能です。テスト環境ではさまざまな設定をテストできますが、本番環境に対して適用できる変更内容は特定の範囲のもののみです。本番環境に対して適用できる内容は以下のとおりです。
本番環境に対して適用できる変更内容
カスタマイズ | 自動化 |
| スケジュール処理
カスタムタブに関する自動処理の設定
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- 問い合わせのステータスの設定については、個々のステータスとステータスの種類の関連付けの設定は、本番環境には適用されません。
- 変更内容の適用は、一度のみ実行可能です。
複数の変更内容がある場合、すべて一括で適用することも、個別に選択して適用することもできます。変更内容の適用の操作を行うと、内容の適切性がシステムによって検証されます。検証の結果、問題ないと判断された内容はテスト環境に適用されます。問題があると判断された内容については、不整合があるものとして識別され、そのままは適用されません。必要に応じて詳細を確認し、設定内容を変更して不整合を解消することで、適用可能になります。
不整合が発生する要因
- テンプレートやテンプレートフォルダーの名前が重複している
- テスト環境で参照している設定やデータが本番環境で削除された
- 同じ設定やデータが本番環境とテスト環境でそれぞれ更新された
- 項目数などの上限に達した
- タブ名が重複している
変更内容を本番環境に適用するには
- 対象のテスト環境に移動し、設定ページから[データ管理]→[テスト環境]をクリックします。
- [変更内容]タブをクリックします。
- 適用対象の変更内容をクリックして選択し、適用ボタンをクリックします。
システムによる検証が行われます。 - [検証済みの内容を適用する]をクリックします。
- 不整合がある場合、[詳細を表示する]をクリックし、内容を確認して必要な対応を行います。
- 検証済みの内容の適用が完了すると、メッセージが表示されます。
適用された変更内容の確認
本番環境に適用された変更内容の一覧は、[適用履歴]から確認できます。なお、適用内容については、本番環境の設定の[操作履歴]から確認することも可能です。
本番環境
操作履歴
テスト環境の再作成
必要に応じて、テスト環境を再作成することができます。たとえば、以下のような場合に再作成を行います。
- 本番環境で新しく追加/変更された設定内容をテスト環境に反映したい。
- テスト環境で行った既存の変更内容を破棄したい。
なお、テスト環境を再作成すると、本番環境からコピーされたデータも削除されますのでご注意ください。