カスタマーサポート業務では、SLA(Service Level Agreements)を用いて問い合わせの回答時間や解決時間を把握、管理します。たとえば、提供しているサービスが停止したとの報告を受けた場合は3時間以内に解決し、その他の優先度の低い問題については3日間以内に解決する、という取り決めを行ったとします。重要なのは取り決めを行った後です。SLAポリシーをどの程度満たしているか把握する必要があります。実際に行われるサービス対応を把握することは、適切なSLAポリシーを設定することと同様にとても重要です。こういった場合、Zoho DeskのSLAダッシュボードが役立ちます。
メモ:
- SALのダッシュボードで表示されるデータは問い合わせ単位、回数単位の両方に基づいて計算されますのでご注意ください。たとえば、「SLA違反の問い合わせ」では問い合わせごとに計算され、「SLA違反」では違反回数ごとに計算されます。
SLAのダッシュボードの項目
SLAのダッシュボードは、以下の項目が含まれます:
- SLAの概要
- SLA違反の問い合わせ
- 達成した問い合わせと違反した問い合わせ
- 達成した問い合わせと違反した問い合わせの件数
- 担当者別の違反
- SLA別の違反
- 時間別の違反
- ステータス別の違反
- サポート経路別の違反
SLAの概要レポート
このレポートでは、SLAが達成された、または違反した問い合わせを基に、SLAの状態に関する概要が分かりやすく表示されます。以下の重要な指標を確認できます。これにより、SLAでの取り決め内容における問題点を早期に発見することができます。
- SLA違反の問い合わせ:SLAの目標時間を達成できなかった問い合わせの件数です。顧客サポートのマネージャーは、この件数を随時確認し、必要に応じて対応策を講じる必要があります。
SLA違反:SLAの目標時間を達成できなかった回数です。たとえば、問い合わせ「A」はSLAの目標時間に達成できなかった回数が2回で、問い合わせ「B」は3回とします。この場合、SLA違反の回数は5回と見なされます。
残り時間:SLAの目標時間に達成した場合における、対応にかかった時間と目標時間の差分の平均時間です。午前9時の時点で未完了の問い合わせに対して、同日午後12時に解決するようにSLAが設定されているとします。午前10時に問い合わせを解決した場合、残り時間は、午後12時から午前10時を引いた2時間と計算されます。
違反時間:SLAの目標時間に達成できなかった場合における、対応にかかった時間と目標時間の差分の平均時間です。午前9時の時点で未完了の問い合わせに対して、同日午後12時に解決するようにSLAが設定されているとします。午後2時に問い合わせを解決した場合、違反時間は、午後2時から午後12時を引いた2時間と計算されます。
SLA違反の問い合わせ
SLA違反の問い合わせのウィジェットでは、選択した期間における、SLAの目標時間を達成できなかった問い合わせの件数が表示されます。問い合わせを別のチームに移動したり、別の担当者に割り当て直したり、優先度や期限を設定し直したりすることで、目標時間を達成できなそうな問い合わせに対して効率よく対処することができます。
達成した問い合わせと違反した問い合わせ
このウィジェットでは、SLAの目標時間を達成できた問い合わせと、達成できなかった問い合わせの割合が表示されます。割合に加えて、それぞれの問い合わせの件数も確認できます。
達成した問い合わせと違反した問い合わせの件数
このウィジェットでは、SLAの目標時間を達成できた問い合わせと達成できなかった問い合わせにおける、達成できなかった回数の割合が表示されます。割合に加えて、それぞれの発生件数も確認できます。
担当者別の違反
このレポートでは、問い合わせにおけるSLAの目標時間の適用、違反、達成回数が担当者ごとに表示されます。それぞれの担当者と比較して、SLAの目標時間の達成状況を分析できます。
SLA別の違反
このレポートでは、問い合わせにおけるSLAの目標時間の適用、違反、達成回数がSLAごとに表示されます。ヘルプデスクにおいて、要件を満たしていないSLAポリシーを特定することができます。
時間別の違反
このレポートでは、選択した期間における、24時間のうちの違反回数を示す線グラフが表示されます。人員を増やすなど、対策を検討する必要がある時間帯を正確に特定できます。
上記の例は、1日の違反傾向を示しています。傾向を詳しく見ると、違反は午前11時から午後5時に発生し、午後5時にピークに達することが確認できます。
ステータス別の違反
このレポートでは、問い合わせにおけるSLAの目標時間の違反回数がステータスごとに表示されます。違反の主な原因となるステータスを特定したり、SLAの取り決め内容を遵守できるように他のステータスが活用可能か検討したりすることができます。
サポート経路別の違反
このレポートでは、問い合わせにおけるSLAの目標時間の違反回数が経路ごとに表示されます。
SLAのダッシュボードの活用
初期設定のSLAのダッシュボードでは、それぞれすべてのSLA、違反、担当者に関する指標が表示されます。ダッシュボードの上部にあるメニューから違反を選択すると、各SLAの違反における元データを詳細に表示できます。SLAに加えて、違反の種類(返信、解決方法など)、担当者名、日付の範囲を用いて、ダッシュボードのデータにフィルターを適用できます。
SLAのダッシュボードへのアクセス
SLAのダッシュボードには、ヘルプデスクアカウントの[ダッシュボード]タブからアクセスできます。
ダッシュボードにアクセスするには:
- 画面上部のメニューで[分析]タブをクリックします。
- 分析の概要ページで、画面左側のメニューから[ダッシュボード]タブをクリックします。
- ダッシュボードの一覧画面の人気のダッシュボードのフォルダーから、[SLAのダッシュボード]をクリックします。