ヘルプセンターの設定では、SMS(ショートメッセージサービス)を利用したワンタイムパスワード認証を有効にできます。有効にすると、顧客は、サインイン時にメールアドレスやパスワードを入力しなくても、ヘルプセンターにサインインすることが可能です。具体的には、以下の2段階の手順によって、かんたんにサインインできます。
顧客に対してSMSでヘルプセンターの招待リンクを送信します。顧客は、招待リンクにアクセスして、アカウント登録を行います。登録すると、ヘルプセンター内で問い合わせを送信したり、コミュニティ(フォーラム)で質問したりできるようになります、また、ナレッジベース(商品/サービスについてのヘルプ記事、よくある質問、活用事例、トラブルシューティングガイドなど)を参照することも可能です。
メールアドレスとパスワードを入力してサインインする場合、パスワードの管理上の問題が生じる恐れがあります。SMSによる認証を利用することで、ヘルプセンターにスムーズにサインインできます。
メモ:
- SMSによる認証は、組織内のヘルプセンターが1つのみであるか、専用ユーザー形式(登録制)のヘルプセンターを利用している場合にのみ利用可能です。
複数ブランドの設定が有効になっていて、部門ごとにヘルプセンターを設置している場合、専用ユーザー形式のヘルプセンターでのみSMSによる認証を利用できます。 - SMSによる認証が、ポータル内の1つのヘルプセンターで有効になっている場合、他のすべてのヘルプセンターでもSMSによる認証を有効にする必要があります。
SAML、JWT、連携サインインなどのその他の認証設定は、有効になっていても適用されません。

SMSによる認証の設定
必要条件
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インド電気通信規制庁の分散型台帳のポータルへの送信者登録:SMSによる認証を有効にするには、まずインド電気通信規制庁の分散型台帳のポータルで送信者の登録を行う必要があります。登録が完了したら、登録情報の詳細をメモしておく必要があります。具体的には、送信者名(送信者ID/ヘッダー)、登録番号(PEID、19桁のエンティティID)、組織名(エンティティ名)、送信者の個別ID、通信サービス事業者などです。
- SMSテンプレートのダウンロード:インド電気通信規制庁の分散型台帳のポータルからSMSテンプレート(招待用テンプレートと認証用テンプレート)をダウンロードする必要があります。
SMSによる認証を設定するには、以下の手順を実行します。
- 組織情報と送信者情報の入力
- 分散型台帳のポータルにおけるテレマーケティング事業者としてのZoho社の追加
- インド電気通信規制庁(TRAI)による規制への準拠
- SMS用のポイントの購入
- SMSテンプレートのアップロード
組織情報の入力:組織の基本情報として、以下を入力します。
- 組織の正式名称:組織の正式名称/商号を入力します。
- ブランド名:組織の運営上の名称、または一般的に認知されている名称を入力します。
- 市区町村:組織が登記されている、または組織の本社/本店/本部がある市区町村を入力します。
- 都道府県:組織が登記されている、または組織の本社/本店/本部がある都道府県を入力します。
- 郵便番号:登録した住所の郵便番号を入力します。
- 登記国:組織が法的に登記されている国。
送信者情報の入力:送信者情報の詳細を入力します。必要な情報は、国や地域が定める法やガイドラインによって異なります。組織の登記国に応じた必須項目を入力します。インドの場合、以下を入力します。
- 送信者名(送信者ID/ヘッダー):インド電気通信規制庁の分散型台帳のポータルに登録されている英数字のIDです。
- 登録番号(PEID、19桁のエンティティID):分散型台帳のポータル上で組織に割り当てられている19桁のエンティティIDです。
- エンティティ名:分散型台帳のポータルに登録されているエンティティ名です。
- 送信者の個別ID:分散型台帳のポータルに登録されている送信者IDです。
- 送信者IDのステータス:送信者IDが認証済みか未認証かを表します。
- 通信サービス事業者:登録の際に利用した通信サービス事業者です。
インド電気通信規制庁による規制への準拠:インド国内の組織である場合、インド電気通信規制庁による規制への準拠は必須です。インドで顧客にSMSを送信するには、分散型台帳のポータルにSMS送信者として登録する必要があります。また、認証用のSMSメッセージは、分散型台帳に登録されているインドの送信者IDを通じて送信する必要があります。
SMSによる認証を設定するには
- [設定]→[経路]→[ヘルプセンター]→[ユーザー認証]の順に移動します。
- [SMSによる認証]を選択し、[有効にする]をクリックします。
- [続ける]をクリックします。
- 組織情報の設定画面で以下の設定を行います。
- 組織の正式名称
- ブランド名
- 市区町村
- 都道府県
- 郵便番号
- 登記国
- [次へ]をクリックします。
- 送信者IDの詳細のタブで、以下の設定を行います。
- 送信者名(送信者ID/ヘッダー)
- 登録番号(PEID、19桁のエンティティID)
- エンティティ名
- 送信者の個別ID
- 送信者IDのステータス
- 通信サービス事業者
- [保存する]をクリックします。
分散型台帳のポータルにおけるテレマーケティング事業者としてのZoho社の追加
SMSによる認証の設定を行ったら、次に、分散型台帳のポータルでテレマーケティング事業者としてZoho社(インド本社)を追加します。こちらの手順は、認証用のSMSメッセージを確実に配信するために必要です。
Zoho社をテレマーケティング事業者として追加するには
- 分散型台帳のポータルにサインインします。
- 送信網(チェーン)の設定欄に移動し、新しい送信網を作成します。
- テレマーケティング事業者のセクションで、ID「1102631350000082951」または名前「ZOHO CORPORATION PRIVATE LIMITED」を使用してZoho社(インド本社)を検索します。
- Zoho社(インド本社)をテレマーケティング事業者として追加します。
- [送信する]をクリックします。
- メインの送信経路が利用できない場合にもSMSメッセージが送信されるように、予備の送信網を作成します。これにより、ネットワークの問題が発生した場合でも、到達率を高めることが可能です。
SMS用のポイントの購入
SMSを用いて顧客に招待用メッセージや認証用メッセージを送信するには、[ポイントの詳細]タブからSMS用のポイントを購入する必要があります。
このタブでは、管理者はポイントの利用状況(残額、消費量)を確認できます。これにより、ポイントを適切に管理し、スムーズにメッセージを配信することが可能です。
[ポイントの詳細]タブでは、以下の操作が可能です。
- 利用可能なポイント残高を表示できます。
- 1週間/1か月/四半期や、指定した日付範囲における利用状況を確認することが可能です。たとえば、1か月(例:1月1日から1月31日まで)の期間フィルターを適用すると、ポイントをその1か月間にどれくらい消費したかを確認できます。また、ポイントの消費量が異常に増えている場合にも、すぐに把握することが可能です。ポイントを効果的に管理するため、1か月のポイント利用量の上限を設定できます。使い過ぎの防止に役立ちます。利用量が上限に近づいた場合には、メッセージの送信数を調整するか、追加のポイントを購入することで対処できます。
- 必要に応じて、追加のポイントを購入できます。
メモ:SMSメッセージは、Zoho Deskアカウントに十分なポイント残高がある場合にのみ送信されます。ポイントがなくなると、管理者にメール通知が送信されます。
SMS用のポイントを購入するには
- [設定]→[経路]→[ヘルプセンター]→[SMSによる認証]→[ポイントの詳細]の順に移動します。
- [ポイントを購入する]をクリックします。
- SMS用のポイントのチャージ画面で、購入するポイント数を入力します。
- 決済ボタンをクリックします。
SMSテンプレートのアップロード
SMSによる認証の有効化と、SMS用のポイントの購入が完了したら、分散型台帳のポータルからダウンロードしたSMSテンプレートをZoho Deskにアップロードします。
SMSテンプレートをアップロードするには
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分散型台帳のファイルを送信するためのメニューをクリックします。
- 分散型台帳のポータルからダウンロードした認証用テンプレートをアップロードし、[次へ]をクリックします。
- 分散型台帳のポータルからダウンロードした招待用テンプレートをアップロードし、[次へ]をクリックします。
- アップロードしたテンプレートを関連付けて、[保存する]をクリックします。
テンプレートがアップロードされると、分散型台帳のポータルに対して承認用に送信されます。テンプレートが承認されると、ヘルプセンターでSMSを用いたワンタイムパスワード認証を行うことができるようになります。
SMSによる認証の無効化
SMSによる認証は、必要に応じて無効できます。たとえば、ユーザー認証の方法を変更したい場合や、今後はSMSによる認証を許可しない場合、SMSによる認証を無効にすることが可能です。
SMSによる認証を無効にすると、ブランドの詳細、送信者情報、テンプレートなど、SMSによる認証に関する設定やデータは完全に削除されます。ただし、SMS用のポイントは保持されます。もう一度有効にすると、残りのポイントを利用できます。ただし、その際、組織情報や送信者IDなどの詳細はあらためて入力する必要があります。
SMSによる認証を無効にするには
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[設定]→[経路]→[ヘルプセンター]→[SMSによる認証]の順に移動します。
- 無効にするためのメニューをクリックします。