Zoho CRMのページレイアウトの使用方法について、簡単なシナリオを通じてご紹介します。この例では、組織の要件に応じて、組織用のページレイアウトを実装できます。
携帯電話の販売とサービスを提供する、Zylkerモバイル社という大規模な企業があると想定します。最新の電話機を販売し、携帯電話サービスの依頼にも対応しています。携帯電話の販売とサービスでは、実行すべき一連のプロセスが異なります。
とはいえ、品質テストや商品デモのように、携帯電話の販売とサービスの両方に共通のプロセスもあるかもしれません。そのために、携帯電話の販売とサービス用に異なるタブを作成するのは、タブに情報や関連するプロセスを重複して持つことになり、手間がかかります。Zoho CRMでページレイアウトを使用して、このようなさまざまな要件に対応する方法を確認していきます。
Zoho CRMでZylkerモバイル社用にページレイアウトを使用するには、以下の一連の手順を実行します:
新しいレイアウトを作成するには
これで、 [商談] タブの2つのレイアウト、 [携帯販売] と [携帯サービス] が作成されました。
レイアウトの[かんたん作成]タブを使用すると、ルックアップデータに関連する情報を取得できます。標準項目とは別にカスタム項目を追加して、フォームをカスタマイズできます。かんたん作成フォームはレイアウト固有であるため、レイアウトごとにさまざまなフォームを作成できます。
同様に、かんたん作成フォームでは、レイアウトルールに基づいて、項目が表示または非表示になります。項目を必須項目に設定したり、ユーザーが入力した値に基づいて表示したりできます。たとえば、「携帯電話サービス」用のレイアウトルールで、依頼者が「修理」を選択した場合は、必ず「型番」を表示して、「保証期間」項目を必須項目とするといった設定が可能です。
かんたん作成フォームに項目を追加するには
[詳細表示]タブには、次の2つの要素があります: [概要表示]と[関連リスト]。最大5件までの標準項目またはカスタム項目を追加して、[概要表示]をカスタマイズできます。[かんたん作成]と同様に、[詳細表示]もレイアウト固有です。レイアウトごとにさまざまな[詳細表示]を作成できます。
関連リストの項目をカスタマイズするには
複数のレイアウトを作成すると、ユーザーによるレイアウトの表示方法とアクセス方法を管理できます。レイアウトと種類の割り当てから、権限に通常のレイアウトまたはウィザードを割り当てられます。 関連項目:ウィザードを標準レイアウトに設定する
ユーザー権限にレイアウトを割り当てるだけでなく、どのレイアウトを権限の初期設定のレイアウトにするかも指定できます。データが属するレイアウトは、必要に応じて、後でいつでも変更できます。
レイアウトを作成した後は、さまざまなデータ入力の時点で、そのレイアウトを選択できるようになります。以下に、その一部について説明します。これらの例では、商談を作成するときに必ず、商談の作成に使用するレイアウトを選択するよう求められます。
タブの新しいレイアウトを作成すると、システムが生成した [レイアウト] という項目が、他の項目とともに自動的に作成されます。この[レイアウト]項目には、そのレイアウトでデータが作成されたときのレイアウト名が付けられます。
このレイアウト項目はCRMの項目であるため、カスタムビューの作成、データ割り当ての自動化、承認プロセス、自動フォロールールなど、CRMのさまざまな機能でこの項目を使用できます。
特定のレイアウトに属する同僚のデータを、自動でフォローするように選択できます。これにより、データが変更されると、Zoho CRMのフィードから通知を受け取ることができます。
見込み客/連絡先/問い合わせのCRMユーザーへの割り当てを、それらが属するレイアウトに基づいて自動化できます。たとえば、 [携帯電話販売] レイアウトに属するすべての見込み客を、特定の営業担当者に割り当てるというルールを作成できます。
これにより、Webフォーム経由や他の外部サービス(Google広告など)連携で取り込まれた見込み客は、割り当てルールに指定されているユーザーに自動的に割り当てられます。割り当てルールが指定されていない場合は、タブの標準レイアウトに自動的に割り当てられます。
マネージャーに承認を求めるための、特定のレイアウトからのデータ提出も自動化できます。
Zylkerモバイル社では、商談タブの複数のプロセスを自動化する必要があります。その一部を以下に紹介します。
これらのプロセスを確認すると、そのほとんどはレイアウトに依存しています。それぞれの事例でワークフロールールを作成する方法を確認していきます。
[携帯電話販売] レイアウトの商談ステージが[受注]の場合は必ず、[商品を準備して発送]というタスクをCharles Stoneに割り当てます。
[商談] タブに新しいワークフロールールを作成します。
ルールを データ処理 に対して実行するよう選択します。 ルールの実行 として [編集] を選択します。
ルールの条件を次のように設定します。
これで、両方の条件が一致する場合にのみ、ワークフロールールが実行されます。これにより、[携帯電話販売]レイアウトからの商談が[受注]に更新された場合にのみ、タスクが作成されます。
タスク [商品を準備して発送] をそれぞれの営業担当者、この例ではCharles Stoneに割り当てます。
これで、Zylkerモバイル社が携帯電話販売の商談を受注させると必ず、発送を開始するよう自動的にタスクがCharles Stoneに割り当てられます。
ルールの結果
タスク [商品を準備して発送] が自動的にCharles Stoneに割り当てられます。
同様に、他の事例でワークフロープロセスがどのように構成されるかも見てみましょう。
[携帯電話サービス] レイアウトの商談ステージが[受注]の場合は必ず、「サービスを開始」というタスクをFathima Yilmazに割り当てます。
これで、Zylkerモバイル社が携帯電話サービスの商談を受注させると必ず、サービスを開始するよう自動的にタスクがFathima Yilmazに割り当てられます。
ルールの結果
商談ステージが [問題の評価] に更新された場合は必ず、関連のある連絡先に「依頼を評価中です」という通知を送信します。
ルールの結果
[携帯電話サービス]レイアウト で、連絡先Juliaに関連付けられた [4月のサービス依頼] という商談のステージが [問題の評価] に更新されました。 「依頼を評価中です」 というメールがJuliaに自動的に送信されます。
レイアウトの非常に優れた機能の1つとして、項目の更新に対する簡単なワークフロールールを作成することで、レイアウト間のデータの移動を自動化できることが挙げられます。例を示して、このような事例について説明します。
顧客は、さまざまな理由で購入した携帯電話を返品してくることがあります。ほとんどの場合、返品の理由は、端末の欠陥です。そのため、Zylkerモバイル社では、端末の欠陥による返品を [携帯電話販売] レイアウトから [携帯電話サービス] セクションに自動的に移動することにしました。
ルールの結果
これで、 [返品理由] 項目が [商品不良] に更新されると、データは自動的に [携帯電話サービス] レイアウトに移動されます。
タブに作成されたさまざまなレイアウトに基づいて、タブのレポートやダッシュボードを作成することもできます。たとえば、Zylkerモバイル社のチームが、[携帯電話販売]レイアウトの商談合計に対する、[携帯サービス]レイアウトの商談合計を把握したい場合があります。
レイアウトと、対応する活動情報に基づいてグループ化された商談の要約レポートは、次のとおりです:
レポートから、同じ情報のダッシュボードも作成できます。